男の少ないデレマス世界で……   作:猫仔猫

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前回は誤字が多くて申し訳ありませんでした。
誤字報告ありがとうございます。


公式生配信 保養所から

土曜日の午後、海で遊ぶのを早めに切り上げて配信の準備をしていた。

とはいっても、今日346本社から持ってきて貰った配信用のカメラとノートPCのチェックをするくらいだけど。

 

そして配信開始の午後4時がやってくる。

 

 

「はい、皆さんこんにちは。346プロ、アイドル部門公式生配信のお時間です。本日は346プロの海の保養所から特別配信ですよ」

 

『わこつ』『わこー』『声はすれども姿は見えず』『ジュンくんどこー?』……

 

「残念ながらちっひーは本日戦場に行ってますので、私がカメラを兼業です」

 

そう言ってカメラの前に手を伸ばし振って見せる。

ちひろは夏の祭典に参加する為に今週末は休暇を取ったので、今日は一人での配信だ。

 

『ちっひー!!』『戦場!?』…………『あぁ……(察し)』『祭典なら仕方が無い』…………

 

察する淑女たちが多いようで、この世界でも十分な知名度があるみたいだ。

しかし、この世界の薄い本はどんなジャンルが多いだろうか? 男性向けは無いんだろうなぁ……

 

ヘッドセットを装着し、首に掛ける画版のような台にノートPCを乗せて、さらに右手でカメラを構える。

ノートPCを置いておくと映像が切れてもわからないし、コメントも確認出来ないから仕方が無い。頑張ろう。

 

言えばアイドルたちは手伝ってくれるだろうが、仕事の内なのでギャラが発生してしまう。まぁアイドルたちの方から()()()()手伝ってくれるなら構わないそうだが……

 

 

 

「まずは此処、浜辺です。まだ日があるので遊んでいるアイドルたちが居ますね」

 

『すいてるー!』『ゴミなくきれいな浜だね』『プライベートビーチらしいからね』『羨ましす』…………

 

水着などをSNSへアップするのは禁止されていたが、これは仕事なので許可は出ている。

 

この世界では欧米は勿論だが日本にもヌーディストビーチが存在しているし、普通の浜辺でも女性がトップレスの水着でいる事も珍しくない。……らしいが、今回は俺が参加しているのでトップレスは自重するように通達があった。

 

しかし結局風呂が混浴になってしまったので意味があったのか疑問だが、そのおかげで浜辺からも配信が出来る。

 

 

浜辺について始めに目に入ったのが、正面の波打ち際で何かをしている3人のちびっ子たちだ。

 

「あれは……福山舞、佐々木千枝、赤城みりあの小学生組ですね。何をしているのでしょう? 行ってみましょう」

 

近くに寄っていくと3人が何をしてたのがなんとなくだがわかった。海での定番である、あれだろう。

 

「3人で何をしているのかな?」

 

3人に向かって歩きながら、声を掛ける。

 

「あっ、純おにーちゃん」

 

みりあが振り向いて立ちあがったので、砂が盛り上がっているのがハッキリと見えた。

 

「純おにぃさん。わたしたち、砂埋めをしていたんです」

「上手に出来たと思うんだけど、純さんどうでしょう?」

 

続いて舞が何をしていたかを答えながら、千枝が感想を求めながら俺の方へと寄って来た。

3人が盛り上がった砂から離れた事で、その全貌をカメラが捉えた――

 

「ぷっ」

 

キャップを被った8頭身のセクシー幸子の姿に思わず吹き出してしまう。

 

『くさぁ』『www』『大草原不可避』『せwくwしwーw』…………

 

ご丁寧にも盛り上がった二つの山の頂には小さな貝が置かれ、足の付け根にはモズクっぽい海藻がちまっと置かれている。

 

 

「あっ、純さん配信中ですか。まぁボクを映すのは当然ですね、なんてったってカワイイですから!」

 

「可愛い幸子が、セクシーになったからな。これは映しておかないと」

 

「フフーン。カワイイのにセクシーだなんて、ボクは最強ですね!」

 

『幸子ぇ……』『ドヤ顔すなw』『さいつよですw』…………

 

 

まぁそんな幸子は置いておき「これは3人でつくったのかな?」と、疑問に思った事を聞いてみた。

流石に小学生が貝と藻を置く発想は無いと信じたい。

 

「ううん、さっきまで加蓮ちゃんと志希ちゃんが手伝ってくれてたよ」

 

あぁ、あの二人ならやりそうだな。志希にゃんは元からあれだし、加蓮も悪ノリする癖があるからな。

良い出来だと褒めてあげ、喜んだ3人の笑顔を写してから別の場所へと移動する。

 

 

ちなみに何で幸子が埋められていたかというと――

水着姿で浜に来ても「海は怖いから入りません」と海に入らない幸子を、志希にゃんが「慣れれば海は怖くなくなるよ~」と波打ち際から少し離れた所まで連れて行き、言葉巧みに砂埋めにしてしまったそうだ。

そして集まってきた3人が仕上げを行っていたと。

 

 

ビーチボールで遊んでる姿を映したり、パラソルの下で休んでいるアイドルたちと話したりする。

そうしていると1時間が過ぎ、日も傾いて来たので保養所へと移動した。

 

 

 

「この先が346プロの保養所とその駐車場です。今日は見ての通り、駐車場にBBQ用のコンロが置かれています。最後の夜ということで、BBQで食材食べ切り大作戦です」

 

『B! B! Q!』『羨ましす』『男とBBQとか』『ふーふーして食べさせてあげるんですね、わかりみです』…………

 

駐車場に並べられているBBQ用コンロを映しながら、保養所へと近づいていく。

明日の最終日の朝昼の食事の食材を残して、他は今夜のBBQで食べきってしまう予定だ。

 

 

そして保養所の中へ入り、食堂へ移動する。そこでは何人かのアイドルたちが既にBBQの準備を始めていた。

入って来た俺に気付いたアーニャが、串に刺した肉を両手に持って見せに来た。

 

「ジュン、見てください。アーニャいっぱい刺しました♪」

 

『凄く……肉です……』『肉だけwww』『アーニャは肉食系』『そんな両手いっぱいに持たんでもw』…………

 

 

「野菜もお願いねって言ったんだけどね」

 

Выпекать отдельно(別で焼きます)。あー、野菜は野菜で別で焼きますね」

 

「まぁ串で焼くだけがBBQじゃないし」

 

「そうなんだけど、一緒にしないと肉しか食べなさそうな子もいるから」

 

美波さんは苦笑しながら、肉と野菜を交互に刺した串を作っていく。

 

『あー私も別だったら肉だけ食べるわwww』『バランスよく食べなさい!』『あんたは私の母親かw』…………

 

 

キッチンの方に居るのは食材の準備をしているチームのようだ。

肉や野菜を切ったり、火が通りにくい野菜の下準備をしている。

 

料理が得意というか、包丁の扱いに慣れている人たちメインなのだが……

 

「ねー、まゆちゃんこんな感じで良いのかな?」

 

「はい、その位の厚さで十分です」

 

美嘉が周りに教わりながら参加していた。

初日に料理出来ないと思われた――実際その通りだった――のが悔しかったらしく、ここでの食事の支度に毎回参加していた。

そのおかげが、包丁の扱いが良くなっているように見えた。とはいえ、まだまだ危なっかしい所もあるが。

……初日は見ているだけでハラハラしたからなぁ(遠い目)

 

 

「じゅんさん。まゆが愛情込めて作りますので、楽しみにしていてくださいね」

 

『Oh……』『ヒエッ』『笑顔なのに恐怖を感じた((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル』…………

 

まゆもBBQの材料を下ごしらえ中で包丁を持ったまま振り向いたので、俺に向かって包丁を構える態勢になってしまった。

何時ものまゆの笑顔のはずなのだが……怖っ!!

 

「あぁ……まゆは料理上手だから、楽しみだよ」

 

『言わされた感が強いw』『作りますって材料切るだけなのでは?』『愛情込めて斬ります!』『←何を斬るんですかねぇ』…………

 

「それで美嘉は上達したん?」

 

「少しは慣れてきたかな~? 卒業までには一人で作れるようになって、美味しいって言わせて見せるんだから、覚悟しててよねっ★」

 

『食べるのに覚悟が必要なの!?』『胃薬的な意味でかな?』『入院する覚悟かもwww』『じゅんくん、しなないでー><』…………

 

危なっかしい包丁の扱いを映しているからか、流れるコメントも酷いものだ。

そして、何故か俺に食べさせる気満々のようだ。まぁ普通の料理なら喜んで食べるよ、普通の料理ならね。

 

……イチゴパスタ……うっ、頭がっ……

 

 

 

キッチンで雑談しながら配信を続けていると、美優さんが冷蔵庫から缶ビール6缶パックを取り出してるのに気づいた。

 

「あれ、美優さん。もう飲み始めるの?」

 

「火の番をしながら、飲み始めよっか。って言い始めた人が居てね」

 

俺の言葉に美優さんは困ったような顔で答えた。

 

『楓さんかな?』『いやいや早苗さんでしょ』『そういえば、浜辺に菜々さんも居たよね』『←うさみんは17歳だから飲めないだろ!』『あっ、はい』…………

 

そんな顔を見て、俺は『あぁ、また流されてしまったんだな』と思った。

性格のせいか個性の強いお姉さま組が集まると、周りに流されたり巻き込まれたりしているからな。

 

 

準備もそろそろ終わりそうなので、美優さんに付いていき駐車場へと移動する事にした。

そして駐車場に行くと楓さんと瑞樹さんに早苗さんと麻理菜さん。さらにはうさみんに若葉さんが1つのBBQコンロの側に集まっていた。

 

食堂での手伝いが終わった後に火の準備に来ていた、楓さんと瑞樹さんはある意味予想通り。

早苗さんと麻理菜さんはまだ水着なので、帰ってきた所で捕まったというか止まってしまったのだろう。

うさみんと若葉さんは、どうしてここに……いや、年齢的には居てもおかしくは無いのだけど、この二人が飲んでいる所映しても良いの?

うさみんはキャラ的に、若葉さんは絵面的という意味で不安になるのだが……

 

 

「おっ、来た来た。じゃあ早速「その前に、早苗さんと麻理菜さんは着替えてきましょうよ」……はぁーい」

 

早苗さんが飲み始めようとしたところで、先に着替え来るように促した。

飲み始めたら絶対に途中で着替えにいかないだろうしな。それに配信時間も終わりに近づいているので、着替えて戻って来る頃には、終わっているだろう。

 

 

隣のコンロでは亜季さんがちみっ子達に炭火の付け方を教えてたりするし。また別のコンロでは、志希にゃんがフラスコを火にかけていたりしている。

……今のうちに安全なコンロを探しておいた方が良いのかもしれないな。

 

 

遊び終わったり、準備の手伝いが終わり集まってくるアイドルたちを映していると、配信終了の時間がやって来た。

 

「残念ですが配信終了の時間になってしまいました。来週からはまた346本社からの配信になります。でわまたね」

 

『えぇー』『ふぅ、BBQ映像を見ながらコンビニ飯になる所だった』『配信しながらだと、じゅん君が食べれないし仕方ないね』『乙乙』…………

 

 

 

「じゅん君、お疲れ様。それ片付けるの手伝うね」

 

「夕美さん、ありがとう」

 

2時間も首から画板を下げて、カメラを持ち続けたから、さすがに疲れた。

夕美さんが配信が終わったのに気が付いて、すぐに画版の上に置かれたノートPCを持ちあげて首に掛けられた画板の紐を外してくれた。

こんな気遣いされると惚れてまう……いや、惚れ直してしまうわぁ。

 

 

さぁ後はBBQで飲み食いして、花火だ! 保養所の最後の夜を楽しもう!!

 

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