男の少ないデレマス世界で……   作:猫仔猫

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誤字報告、お気に入り、感想、評価。本当にありがとうございます。


始めに宣言しておきますが、作者は美嘉のこと好きですよ。
デレマスキャラの内ベスト10に入るくらいに!

あと、業界人ではないので準備段階の記述に突っ込みはご遠慮ください。



夏フェス①

8月1週の日曜日、埼玉県の某アリーナでは朝早くから多くの人がせわしく動き回っていた。

それもそのはず、346プロが開催する夏の音楽フェス。『346アイドルサマーフェスティバル』――通称『夏フェス』――の当日なのだから。

会場が屋外では無くアリーナなのは、ちみっこアイドルやファンの皆が熱中症などにならないようにする為らしい。

 

 

数日がかりの設営もほぼ終えて最終チェックの段階に入っており、後はアイドルたちの到着次第、リハーサルが行われていく予定だ。

 

設営がほぼ終わったとはいえ、まだまだやる事は残っている。

ステージ裏の動線の確認。控室・メイク室・衣装室等の準備。物販の準備や、在庫の補充方法の確認等々。

 

そんな中、アイドル部門でアルバイトをしている純は、会場内をうろついていた。

『現場に若い男が居ると、スタッフのやる気も変わってくる。仕事をしないで、スタッフに声を掛けて歩くだけでいい』とは、アイドル事業部の長である叔母の言で、叔母が現場に向かう際に一緒に連れて来られていたのだった。

 

すれ違うスタッフに「お疲れ様です」なんて労いの声を掛けると、張り切って移動していくのだから、叔母の言う事も間違ってなかったかと思う。

そういえば自分も仕事中に、職場の若くて可愛い子に労われた時は張り切ってしまってたなぁ……。なんて前世の事を思いだして苦笑いが出てしまった。

 

 

時間は8時過ぎ。リハーサルは9時からで、12時開場の14時開演予定だ。そのリハ開始時間を考えると、そろそろアイドルたちがやって来始める頃だな。そう考えて関係者出入口へと足を進めた。

 

 

そうすると、良く見知った二人が向こうからやって来た。

 

「あら、純君じゃない。おはよう」

「ふふっ、部長さんに連れて来られたんですね。純君、おはようございます」

 

「瑞樹さん、楓さん。おはようございます」

 

二人とも大人だけあって、仕事前は時間の余裕を持たせて行動をしている。

他のアイドルたちよりメイクに時間を掛けるからとかでは無い。…………絶対にそうでは無いはずだ!

 

「純く~ん、今変なこと考えたでしょう? 私たちの肌がまだピチピチなのは、よ~く知っているわよね~?」

 

「甘えて吸い付いてくるんですから、よーく知ってると思いますよ」

 

「ストーップ! 二人ともストップ!」

 

近くに人が居ないから良かったものの、知られたら面倒な事に成りかねない。特にまゆとか、まゆとか、まゆとか……。

重婚歓迎で、複数の女性に囲われるのも当たり前の世界だけど、流石に今の状況ではね。せめてバイトを辞めるまでは隠しておきたい。

 

「せっかく早く来たんです。まだ、マイクテストの順番待ちが無いので、終わらせてしまってください」

 

このまま揶揄われるのもなんだし、ここで時間を使うと後からくる子たちが順番待ちになってしまうからな。

 

「瑞樹さん、純君と話すのは後でもできますから。終わらせてしまいましょう」

 

「そうねー。じゃあ行きましょうか。純君またね」

 

 

二人をマイクテストへ送り出すのに成功した後、間を開けずにアイドルたちが到着し始めた。

美優さん、愛梨さん、美波さんとアーニャ、歌鈴と紗枝ちゃん、美嘉&莉嘉の城ヶ崎姉妹。その後も続々と……。今日はユニット組む同士で一緒に来ているのか? ってくらいにペアでの到着が多いように感じた。

 

 

 

出演予定のアイドル全員が揃いマイクテストも終わると、ミーティングで全体の流れを確認してリハーサルの開始だ。

リハの時間は2時間を予定してあるとはいえ、本番は6時間の長丁場。ソロ曲ユニット曲全体曲、少ない人で3曲多い人だと8曲もあるから、順番や場所を間違えないよう確認していくと時間もかかる。

まぁ俺は出来る事も無いので、一人アリーナ席でステージを見ているだけだ。

 

私服で各曲の頭出しだけとはいえ、アリーナ席を独占して見ているのは、アイドルたちが俺の為だけに歌ってくれているみたいで、最高の気分になれた。

朝早く起こされ連れて来られた時は、叔母に文句を言いたくもあったが…………今は連れてきてくれてありがとうって気持ちでいっぱいだ!!

 

ギリギリとはいえ時間内に無事リハーサルを終えると、早めの昼食になる。実際は入場口や物販のスタッフは既に取り終えているので、順次昼食に入るだな。

開場直後が忙しさのピークになるスタッフさん達、頑張れ!!

 

 

 

 

昼食を終えた後、純は生配信の準備をしていた。

夏フェスに参加できなかったアイドルたちや、抽選に漏れたなりして来る事ができなかったファンに向けて、ステージ裏の雰囲気をお届けするのだ。

もちろんこれは純の独断とかではなく、会社から命じられての正式なお仕事である。

 

三段ワゴンの上段に三脚を立てて固定しカメラを設置。中段には配信用のノートPCが、下段にはコードリールが置かれてある。

 

ワゴンを押してステージ裏に移動して電源を確保したら、カメラ位置の調整を行う。

普段ならスタッフさんがやってくれるのだが、流石にフェス当日に手伝って貰うわけにはいかない。この会場に居るスタッフは、それぞれが自分の仕事を持っているのだから。

そしてワゴンの側に椅子とクッションを準備。長丁場をずっと立ちっぱなしなのは厳しいからね。

 

 

準備が終わり一息つくとすでに13時半、配信開始予定時刻が迫っていた。

そして時間が来て配信画面が切り替わったのを確認すると、椅子に座ったままカメラに挨拶を行った。

 

 

「はい、皆さんこんにちは。今日は夏フェスの開催日です。参加する事ができなかった人の為に、特別生配信を行いますよ」

 

『わこつです』『わこつ』『じゅん君わこー』…………『あれ? 何時もの部屋じゃない?』……………………

 

「気付いた方もいらっしゃいると思いますが……なんと、夏フェスのステージ裏から生配信ですよ! 流石にステージの映像は流せませんが、ステージ裏からステージに向かうアイドルたちの様子をお届けします。円盤の特典でも見られない、貴重な映像になると思いますので、ご期待ください」

 

此処には純の配信カメラの他に、BDに付属する特典映像を撮るためのカメラが何台か設置されている。純の生配信の様子もしっかりと撮られており、特典の中に混ぜられてしまったりするが、それはまた別の話。

 

 

「開演前に出演アイドルが全員集まり、円陣を組むのが恒例となっているので……っと。言ってる側から誰か来たみたいです」

 

そう言いながらカメラを動かして、ステージ裏に現れたアイドルを映し出す。

 

「恒例のシンデレラ衣装で身を包んだ、高垣楓さんと川島瑞樹さん。そして十時愛梨さんですね」

 

『やっぱりこの3人は外れないかー』『もはや固定メンバー』『この3人が居ないとね』…………

 

 

コメントに流れたように、この3人はフェスが始まった2年目の夏フェスから全てのフェスで、開幕曲のおねシンメンバーを務めている。

小さなライブなどでは外れる事もあるが、その時は物足りなさを感じる人もいるらしい。

 

カメラに向かって話した声に気付いた愛梨さんが、カメラに近寄って来た。

 

「あれー、今日は生配信もしちゃうんですか~?」

 

「もう、愛梨ちゃんったら。朝のミーティングで言ってたじゃない」

 

そう、ミーティングの時に生配信するって通達されてたはずだ、現に瑞樹さんは覚えていたし。愛梨さんは何で覚えてないのか……

 

「んー。そうでしたっけー?」

 

顎に人差し指を当てて首をかしげる姿は可愛いけど、朝のミーティング内容くらいは覚えていてください!

 

『フェスのミーティング内容を覚えてない!?』『でもそれでこそ愛梨ちゃんって感じw』『これが346の看板娘だ!』『← 楓:346の歌姫、愛梨:346の看板娘、瑞樹:346の……何?』『わからないわ』……『www』『草』『草生えるわ』………………

 

ちょっとコメントに笑いそうになった。配信画面が3人には見えない位置なので、バレないように上手くかわさないと。

 

 

 

続いて現れたのが、同じ衣装に身を包んだ美波さん、美嘉、まゆ、紗枝ちゃんの4人だ。

 

「同じくシンデレラ衣装の佐久間まゆさん、去年の夏から3連続ですね。城ヶ崎美嘉さんは去年の夏と今回で2回目、夏女でしょうか? 新田美波さんと小早川紗枝さんは、フェスのオープニングメンバー入りは初めてですね」

 

『まゆはデビュー以降外れ無しだから、固定入りかなー?』『みなみんおめでとー』『紗枝ちゃん可愛い!』『美嘉「夏になったら本気出す!」』『美嘉は冬も頑張れwww』…………

 

 

その後も集まってくるアイドルたちを、カメラに映しながら紹介していく。

そして今日の出演アイドル全員が揃ったところで、ステージ裏の中央に輪を作っていく。音頭を取るのは瑞樹さんだ。

 

「夏フェス本番よ、レッスンの成果を発揮しましょう! ……そこで純君が配信しているけど、気にしないように――それじゃあ楓ちゃん、お願い」

 

()()()()()デレラたちの魅力を、ファンの皆さんへ届けましょう」

 

楓さん、こっちを見ないで良いですから。きちんと集中してください!

 

「……純、楓さんが待ってるから、点数を付けてあげなさい」

 

『楓さんブレない』『緊張とは無縁よねー』『むしろダジャレでみんなの緊張を解してるのでは?』『何点かな』『通常運転』『誰が上手い事を言えと』…………

 

「ちょっ奏!? これ点数つけなきゃいけないの? 開演直前に何やってるのさ……――50点で、ほら時間になりますよ!」

 

点数をつけてやると、楓さんは改めて円陣の中央に向かって声を掛けた。

 

「うふふっ、じゃあ改めて――夏フェス、全力で、頑張りましょう」

 

「「「「オーッッ!!」」」」

 

 

 

「オープニングメンバーはステージに! 2番目の日野さんと3番目の莉嘉さんは、この場所で待機です」

 

スタッフの声に各々が移動し始める。

オープニングメンバーによる《お願い! シンデレラ》から始まって、曲の後に軽いトーク。その後に日野茜のソロがあり、城ケ崎姉妹が合流して3人でユニット曲という開幕の流れだ。

開幕2番手に元気いっぱいの茜ソロ、パッション系3人によるユニット曲と、開幕から盛り上げるのには良いのだろうけども……。

 

なんで莉嘉の着ている衣装が、もう1つそこに掛けられているんですかね? 深く考えておくのは止めて置こう。

 

 

順番がまだ先のアイドルたちが控室に戻っていく中、アーニャが俺の方に寄って来た。

 

「アーニャは控室に戻らないのか?」

 

「私はここで、美波のこと、出迎えたいです。……ダメ、ですか?」

 

『はぅっカワユス』『尊い』『みなみん、愛されてるねー』…………

 

本当に二人は仲が良い。仲良きことは美しきかな。

……百合の花が咲いていない事を祈っておこう。

 

 

茜は袖近くで待機しているので、この場には莉嘉とアーニャしかいない。

ステージを映しているモニターを見ながら3人で雑談していると、トークを終えたオープニングメンバーが戻って来た。

 

そのメンバーとハイタッチを交わして、茜がステージへと飛び出していく。

うーん、元気だ。あの元気で会場を盛り上げてくれるだろう。

 

 

莉嘉が美嘉の元へ行き、アーニャが美波さんを出迎えに行った。

楓さん、瑞樹さん、愛梨さんはカメラに手を振って控室へと去っていったが、まゆと紗枝ちゃんは俺の方へ移動してきた。

 

「二人ともお疲れ様」

 

「純にぃはん、うちん姿どないどすか? 初めてやさかい、感想聞かせとぉくれやす」

 

紗枝ちゃんはそう言うと、カメラの前でくるんっと一回転して見せた。

 

『ドレス姿の紗枝ちゃんも良いね!』『カワ(・∀・)イイ!!』『撫でたいわぁ』…………

 

「似合ってるし、可愛いよ。初めてのオープニング頑張ったね」

 

『なんか妹扱い?』『紗枝ちゃん頑張れ!』『私もこんな妹が良かった』…………

 

コメントうるさいよ! 紗枝ちゃんもアーニャもまだ15歳、可愛い妹扱いで何が悪い!!

 

 

「純さん。まゆも頑張って来たんですけど、褒めてくれないんですか?」

 

さり気なく近くに来て頭を差し出して来るけど、頭にティアラ付いたままだからね? 撫でれないよ?

その事を指摘してやると「もう、意地悪です」と言って、ぷくっとほほを膨らましながらカメラの向こうに戻っていった。

 

 

「えっ、ここで着替えるの!?」

 

「そうですよ、ミーティングとリハの時に説明しましたよね。茜さんが1曲歌う間に、ここで次の衣装に着替えるって」

 

「だって、ここで配信するなんて聞いてないし!」

 

「着替えずにその衣装のままで出ますか? こうしている間にも時間は過ぎていくんですよ」

 

「お姉ちゃん、早くしないと着替える時間が無くなるよっ!」

 

向こうの方で何かが起こったみたいで、何事かと耳を澄ますと、どうやら美嘉は次の為にここで衣装替えをする手筈だったらしい。

だが、俺が此処で生配信を始めた為に、美嘉が拒否反応を起こしてしまったようだ。

 

ちひろと莉嘉に強く言われて諦めたようで、スタッフに衣装を脱がされ始めている。

それを見たまゆと紗枝ちゃんが一瞬アイコンタクトをし、まゆが立っている場所を少し移動して、紗枝ちゃんがまゆの方にカメラの向きを変えた。

 

するとどうでしょう。なんと配信画面の端に着替え中の美嘉の姿がっ! ……慌ててカメラの向きを変えましたよ。

 

『一瞬誰かの着替えシーンが見えたような?』『Gストリングスだった』『ノーブラだった!』『肩出し背中丸開きだとブラは無理でしょ』…………

 

まぁ俺が気付くくらいだから、視聴者も気付くよなぁ……。

 




も一度言っておきます、作者は美嘉の事好きですよ、嘘じゃないよ?

あと美嘉の山頂はニップレスで保護されていました(笑)


ロシア語は翻訳、京都弁は変換できるけど、熊本弁は出来ないんだ。蘭子すまぬぅ……


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