悪堕ちなえちゃんは諸悪の根源の補佐をするようです   作:日差丸

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どーも、アンニュイな千鳥足です。
今回はイナズマイレブンの二次創作を書いていきたいと思います。
長く語るのもアレなので、本編をどうぞ。


全国大会編
プロローグ


 それは一瞬の出来事だった。

 何の変哲も無いサッカーボールを少女が蹴る。

 するとボールは暴風を纏い、地面をえぐりながら敵側のコートへ侵入していく。

 

「グッ……があああああ!?」

「うわァァああああああ!?」

 

 その強烈なシュートを止めることは誰もできない。選手たちは次々と暴風に巻き込まれては吹き飛ばされ、大怪我を負っていく。そして最終防衛戦のキーパーの両手を難なく弾き飛ばすと、もろともゴールに突き刺さった。

 

『ゴォォォォルッ!! 13対0という圧倒的な差を見せつけて、帝国学園の勝利ィィ!!』

「やったー! 見た見た? これで私だけで9得点目。トリプルハットトリックやっぺ〜!」

 

 悔しさに涙を流す者、痛みに涙を流す者、そしてこれから起こりうるであろう悲劇を予想してしまい、涙を流す者。それらがいる中で、彼らにトドメを刺したシュートを繰り出した張本人が、一人場違いに明るく笑う。

 

 ピンク色の腰までかかる髪。雪のように白い肌。楽しげな笑顔は、まるで天使を彷彿とさせる。

 しかしその少女が作り上げたのは、悪魔が荒らしたかのような惨劇だった。そしてそれはまだ終わってはいない。

 

「無駄口を叩いている暇があったら、さっさと次の作業をしろ」

「へいへーい。わかってるって鬼道君」

 

 そんな少女に、ゴーグルとマントをつけたドレッドポニーテルヘアーという、特徴的な姿の少年—–—鬼道が声をかける。

 少女はそれに適当に答えると、天高く跳躍して、一気に近くに停めてあった装甲付きの戦車のようなトラクターに飛び降り、その操縦席に乗り込む。

 

 エンジンをかけると、トラクターは怪物のような唸り声をあげた。それを聞いた相手学校の生徒たちは、たちまちこれから何が起こるかを悟り、叫びながらその場を散って行く。

 そしてがらんどうになった学校に残ったのは帝国の選手たちと、地面に跪く相手側の理事長らしき人物。そして—–—–

 

「お前たちは敗れた。帝国のやり方は覚えているな?」

 

 理事長に『解体許可証』と大きく書かれた紙をちらつかせる、サングラスをかけたいかにも悪人な人物、影山総帥だけだった。

 

「やれっ!」

「あいあいさー、っと!」

 

 鬼道が腕を振り上げて合図を少女に送る。と同時に軽々しい返事と、怪物の雄叫びが再び響いた。

 そして少女はアクセルペダルを思いっきり踏んづける。トラクターは吠えながら校舎に突進していき、一撃で目標を半壊させる。

 

「やめろぉぉぉぉ!! やめてくれェェェェッ!!」

「んなこと言われても私、二番目に好きなのが乗り物の運転なんだよ。今日唯一のお楽しみを邪魔しないでほしいねー」

 

 駆けつけた相手校の選手たちが泣き叫ぶが、少女はそれを無視。嘲るような笑みを浮かべて、残った校舎に向かって突進。

 

「あ、ああ、ああァァァァァァァァッ!!!」

 

 壮大なクラッシュ音が鳴り響く。

 砂煙が巻き上がり、それが消えたころには校舎の姿はなく、代わりに帝国学園の校章が描かれた旗がいくつもそこに立てられていた。

 

「ふぅー、スッキリしたぁ! やっぱりザコ戦やったあとのストレス発散は格別だねー!」

 

 廃墟のような大地に立ち、少女は笑う。

 

 彼女の名は白兎屋(しらとや)なえ。

 帝国学園総帥補佐であり、帝国サッカーイレブンのストライカー。

 

 ——つまりうち、いや私のことである。




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