天界の僕、冥界の犬   作:きまぐれ投稿の人

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芽生えのとき

スカサハ様の居城は、機能性を重視して造られている為とても複雑な構造をしている。

所々にとんでもなく凶悪なトラップが仕掛けてあったり、とんでもなく兇悪な顔をした配下がいたりと、とても刺激的だ。トラバサミに足を取られそうになった時は、心臓が大爆発を起こし掛けたが、スカサハ様が首根っこを掴んで引っ張り上げてくれたので、何とか無事であった。

 

迷路に迷い込んだ気分になりながらも、スカサハ様のもとへと向かう。

何となく居場所がわかる気がするのは、契約が結ばれているからだろう。

 

短い足を懸命に動かしているが、一向に辿り着けない。

早く大人の体になりたいものだと、溜息が出る。というか、そもそも人間の体に戻ることが出来るのだろうか。四足歩行も悪くはないが、色々不便だ。特に恋人と触れ合う時がこう、右手が動かないとちょっと、……いや何でもない、惚気ただけだ。

 

―――ばああん!と、何かが吹き飛ぶ音が聞こえたのは、その時であった。

はじめはすごく吃驚したのだが、この城内は普通に“敵”が出現するらしい。

理由までは教えてくれなかったが、とにかく廊下を歩くだけで敵とエンカウントし、戦闘が起きることが稀ではないらしい。どんな城だ。

 

「す、……スカサハ様―?」

 

音が聞こえた方へと向かう。多分大広間の方だろう。

城の中でも一番大きな部屋で、スカサハ様のこだわりが詰まった素敵な部屋だ。いろんな意味で。そんな存分に宴が出来そうな広い広い一室では、とても素敵な宴が開かれていた。

 

グロテスクな形をした魔物たちは、スカサハ様を狙って送り込まれて来るようで、 そんな“異物除去(おそうじ)”もスカサハ様の仕事らしい。

 

ぺたぺたと肉球をうまく使いながら中へと入っていく。もう爪を鳴らして歩くことはしない。これは簡単なように見えて、ちょっとしたコツがいるのだ。今から教えるので、ぜひやってみて欲しい。静かに歩けた時の感動を分かち合おう。ではまず肉球を用意して―――。

 

「ぶっ!?」

 

顔面からの衝撃に、俺の体は容易く吹き飛ばされる。

何が起きたのかと慌てて立ち上がると、目の前が真っ暗であった。

顔に異物感を感じて、ぶんぶんと首を振るも全く取れない。何かがこうぎゅううと張り付いているようである。

 

「……はあ、全く何をしておるのだ」

 

「いったあ!!」

 

べりい、と乱暴にその何かが剥がされる。

剥がしてくれたのはありがたいけれど、俺のふさふさの毛が何十本も犠牲となったのだ。

人間でいうと、髪の毛を掴んで思いっきり引っ張られた感じである。かなり痛いので、ちょっとやってみて欲しい。ただし禿げても自己責任で、どうぞ。

 

「弱者め、……去れと言ったであろう」

 

じんじんと痛む頭皮を抑えていると、呆れを含んだ冷たい声が上から降って来た。

見上げると、腕を組んで俺を見下げるスカサハ様の姿がある。

覚悟を決めて来たのは良いが、本人を目の前にすると腰が引けてしまう。

ああだから俺はいつまで経ってもヘタレなんだ。そうだ、どんなに気合を入れて準備しようとも、本番で萎えてしまっては意味がないじゃないか。

 

「す、スカサハさま……!

どうか、俺にもう一度チャンスをお与えください……!

俺は忘れていたんです。自分に、戦う術があることを……!」

 

「ふん。そのような未熟者を、何故私が相手をせねばならぬ?」

 

俺がスカサハ様に従う理由はない。そしてもうスカサハ様も俺を従える意味を失くしている。

よって、俺が此処にいる意味もないし、スカサハ様を見返す意味もない。

だけど、俺の中に目覚めた何かが“このままでは終われない”のだと言っていた。

 

従者(おれ)は、何を言われても、どんな感情をぶつけられても、何も思わなかった。

ただ自分よりも高位な存在に膝を付いて、頭を垂れるのみ。

来いと言われれば行くし、去れと言われれば去る。

そこに俺の意志は含まれない。そう、ただの傀儡だったのだ。

 

「……俺はもう、逃げない。

気付かせてくれた貴女に誓わせて欲しいんです」

 

答えは、実にシンプルだ。

自分が負けても、相手が喜ぶ姿を見て、喜んでいたのが今までの俺だった。

俺にとって勝負なんてそんなものでしかなかった。

でもはじめて、負けて悔しいと、あの方に顔向けが出来ないと思った。負けたというか、勝負にすらなってなかったけれど。

とにかく、たった1人で戦い続けたあの白い背中を思い浮かべると、このまま何もせずに去ることはどうしても出来なかったのだ。

 

じっと、スカサハ様を見据えると、スカサハ様も俺をじっと見る。

暫くそうしていると、ふうと息を吐き出したスカサハ様は、その口元を緩めたように見えた―――。が不意にその瞳が鋭く輝いたかと思うと、俺の後ろに視線を映した。

 

どおん! と轟音と共に壁が砕け散り、慌てて飛んで来た破片を躱す。

 

「わっ、」

 

「どうやら、……邪魔が入ったようだな」

 

半ば転げ回りながら破片を避けていると、がしりと首の裏を掴まれて、ずりずりと運ばれる。

一体その小さな体にどんだけの力を秘めているのだろう。幼女に首根っこを掴まれる絵面もそうだが、スカサハ様の身長が足りていない為に、背中が床に擦り付けられて地味に痛い。擦られるならもっと別のところが良かったですはい。

 

「お前の覚悟、見せてみろ」

 

「え」

 

「いくらでも飾り立てられる言葉などいらぬ。

戦うことを望むのならば、力で語るが良い」

 

「ちょ、さ、流石にこれは……無慈悲っ!?」

 

ぶんと視界が揺れて、気が付けば俺の体は宙を舞っていた。

思いっきり投げられたのだと気付くも、もう遅い。

目の前には、“真っ黒な球体”があった。

 

球体には赤い模様が入っており、得体の知れない不気味さがひしひしと伝わってくる。

生きている気配はしない。生き物ではないのだろうか、それとも何かの卵だろうか。

いずれにせよ、これは”いけないもの“だと直感した。

 

見れば見るほど、ぞわぞわとしたものが背中を這う。

すると突然、その丸い球体から突如2本の腕が生えた。

その腕は流線形を描いて落ちていく俺を、片手ががっしりと掴む。

 

「うわっ!」

 

球体の大きさは、大人が両手を広げても余るほどである。

そしてその大きさから生えた腕は、巨人の如く太く大きい。

今の俺の体ではなすが儘に掴まれるだけだ。

いくら片手であっても、小さな体の俺を林檎のように潰すのは容易いことであろう。

 

「はっ、はなして……!」

 

ばたばたと身を暴れさせても、さらに力を込められるだけだ。

それでも、まだ諦めるわけにはいかない。

唯一自由に動かせる首をぐぐっと動かして、手に齧り付く。がぶ―っ!と思いっきり牙を立てると、変な固い感触と共にふと手の力が緩んだ。

その隙にするりと抜け出すと、何とか床に着地出来た。

 

「なるほど。少しは牙の使い方を思い出したようだな」

 

いつの間にか傍にいたスカサハ様が、視線をあの黒い球体に向けたままそう言った。

手にしていた朱の槍をくるりと回すと、再び伸びて来た腕を切り裂く。だが、傷口はすぐに再生してしまい、その後のスカサハ様の攻撃も同様であった。

 

何よりも最悪なことに、敵の攻撃は全て俺に向けられている。

だから俺が逃げ回っている間に、スカサハ様が攻撃を行う形になってしまっている。言わば囮役だ。いやそれは良いのだけれど、違う意味でマズい。非常にまずい。冥界での不摂生が祟ってか、今の俺の持久力は最低値なのだ。

 

「……すっ、スカサハさま……」

 

「わかっている」

 

もう無理です……!と言おうとしたが、先にスカサハ様から返事が来た。

心が通じ合うとはこのことか、とちょっとした感動を覚えていると、どすんと背中に重みが走り思わず足が縺れてしまう。慌てふためきながらもなんとか体勢を整えると……。

背中に感じるな、なにか柔らかな感触に頭がパニックに陥った。後ろを振り返ると、スカサハ様が俺の背中の上で優雅に横座りをしていたのだ。

 

「え?、え?……。な、な、なんで?」

 

「うん? 場所を変えるのだろう? お前が私の足となれ」

 

「……ううん? だ、だってスカサハ様が走った方がはや」

 

「このような、か弱き幼女(おんな)を走らせようと?

お前は、化け物に怯える哀れな私を置いていくのか?」

 

「なにそれじょうだ……。と、とんでもございません!

仰せの儘に……うう」

 

情けないというなかれ、覚悟とは命あってのものなり。

ちゃきりと首元に突き付けられた槍先に、俺は走る速度を上げる。

だが俺もまだ幼体の身で、しかもたださえ自分で走るだけでもギリギリなのに、重りを乗せて走るなんてとんでもない。とはもちろん言えず、黙々と足を動かす。

 

球体は浮かびながら追いかけて来て、時折その腕を無造作に振るう。

鞭のようなそれをぴょんぴょんと避けると、スカサハ様がばっさりと断ち切ってくれる。

迷路のような廊下をひたすら走る。この時一番きつかったのは、敵の攻撃でも走り続けることでもない、スカサハ様の手で仕掛けられた罠を回避することであった。

 

「うっそ!? な、なんでこんな絶妙な位置にトラバサミ……!」

 

「ふふん、天才的だろう?

何も考えず突っ込む能無しには丁度良いのだ」

 

「俺のような?」

 

「お前のような」

 

「ひっ、ひどい、って、

わわっ!? 矢!? 何処から矢が……?」

 

「探せ。でなければ、此処で死ぬのみ」

 

「……俺は、何と戦っているんだろう」

 

そんなこんなで文字通り命懸けで走る俺は、全く気付いていなかった。

息苦しさを忘れ風の如く駆け抜ける自分にも、足元に咲く花にスカサハ様が手を伸ばして

いたことにも―――。

 

 

 

 

 

なぎ倒されていく城の壁だが、不思議なことにすぐに直ってしまう。

敵に破壊された箇所はすぐに修復され、何事もなかったかのようだ。

やっと廊下を走り抜けると、階段前の広い踊り場に出る。

そのまま入口のある階へと向かう為に、階段を降りようと足を踏み出した。

しかし、後ろから追って来た黒い球体が、ぽーんと飛んだかと思うと、俺たちの前へと立ち塞がったのだ。先回りをされてしまい、これでは足を止めざるを得ない。

 

「出口は1つではなかろう」

 

「……!」

 

上から聞こえて来た声に、はっとして視線を前に向ける。

今いるのは城の上層階だ。廊下には窓がなかったが、階段の横にはガラス窓があった。

迷っている暇はない。ガラスはきっと痛くて、この下には何があるかわからないけれど、それでも飛び込むことに意味がある。そんな気がした。

 

「よ、よし……!」

 

さっと体の向きを変えると、深く息を吸い込み、駆け出す。窓ガラスに頭突きをすれば、呆気なくガラスは砕け散った。勢いを殺さずに、そのまま飛び出す。

 

一瞬だけ見えた景色は綺麗とは言い難かったが、視界の端に流れる赤紫の髪は、とてもうつくしかった。

また内臓がぐわりと浮き立つ感覚に襲われた。迫り来る地面というのは中々恐ろしいものだが、それでも何とか着地を決める。

 

「それにしても、私の攻撃が通用しないとは……。

あれはなんだ……?」

 

「……あれは、神様かもしれないです」

 

「神だと? ……だが神と呼ぶには、あまりにも」

 

地面に降り立ったというのに、一向に俺の上から退こうとしないスカサハ様の問いにそう答えた。といっても根拠など無く、先ほど飛び掛からされた時に直感したことを言っただけだが、何か引っ掛かることがあるらしい。

 

考え込んでいるスカサハ様を背負いながら、再び開始された攻撃を頑張って避けていた。

どうやら、このスカサハ様はマイペースのきらいがあるようだ。何故俺の出会う女性はこう……いや寒気がしたのでやめておこう。

 

「しまっ……!」

 

ついつい後ろに気をやってしまっていた俺は、全力で振るわれた腕に反応することは出来なかった。

すかさず、スカサハ様が迎撃をしてくれたがその槍先が腕を貫くことはなかった。

どういうわけか、今度は攻撃すら通らなくなっていたのである。

―――しまった、と思った瞬間に体は動いていた。

火事場の馬鹿力でスカサハ様を振るい落とすと、思いっきり体当たりをかます。

不意打ちに成功したのか、抵抗なくスカサハ様の軽い体が宙に舞った。

 

「なっ……」

 

「きゃんっ!」

 

巨人のような大きな手で繰り出された平手打ちは、容赦なく俺を吹っ飛ばした。

暗褐色の地面を滑りなんとか止まったが、全身を砕けたような痛みが襲う。

もしかしたら、それは渾身の一撃であったのかもしれない。骨は折れていないようだが、直ぐに起き上がることは出来なかった。

痛みに呻くことを通り越してただ息を詰める。地面に蹲る俺を背にして、スカサハ様は槍を振るい続けているが、ダメージを与えられていないようだ。

一体どうすれば良いのだろう。敵の攻撃は段々と激しくなっていく一方で、此方からの攻撃は一切通らない。

 

「っ、」

 

余裕で攻撃を捌いていたスカサハ様も、ついに遅れを取ってしまう。

一段と早い動きで振り下ろされた拳によって、殴り飛ばされてしまったのだ。

体に鞭を打って起き上がると、地面に伏せたスカサハ様のもとへと駆け寄る。

 

「スカサハ様……!」

 

「ぐう、……今のは、効いた」

 

殴打された際に唇が切れたのか、スカサハ様の頬には血の跡があった。

大きな傷は負っていないが、直ぐには起き上がれないだろう。

俺はスカサハ様の前に立ち、すぐ近くまで接近していた手に噛み付く。

やはり大したダメージは与えられなかったが、敵は一度その手を引っ込めた。

 

ふと、スカサハ様が落とされた槍が目に入る。

考えている余裕はなかった。早くスカサハ様のもとに届けなければと、それを口に咥えようとすると、なんとぱっと槍が光り始めたのだ。眩しさと驚きに思わず顔を引くと、槍が光を放ちながら浮き上がる。そして、その槍は俺の背中へと張り付いた。

 

「へ? な、なにこれ……!?」

 

背中に張り付いた槍は、取ろうとしても届かない。

何が何だか理解出来ずわたわたとしていると、再び敵の拳が此方に向けられた。

 

「逃げろ!」

 

後ろからそう声が聞こえたが、俺の足は動かなかった。

それは恐怖からではない。覚悟を決めたから。

二度とこの人の前で、足を竦ませる姿を見せたくはなかったから。

 

「ぜ、……絶対、逃げるもんか……!」

 

一発喰らっただけなのに、こんなにも全身が痛い。

出来ることなら逃げ出してしまいたいくらいだ。

でも、それはやめるって決めた。少しでも近づきたいから。

 

高々とその黒い手が掲げられた。

圧し潰そうとでもしているのだろう。

巨大な手が影をつくり、スカサハ様と俺を覆う。

ああ、“真っ暗な世界”だ。

 

そして、迫るその手が勢い良く振り下ろされた……。

せめて最後まで目を開けていようと、大勢を低くしてそれを睨み付けた時である。

 

 

 

『―――闇が全てを覆うとも忘れてはならぬ。

闇を祓う光明の暖かき温もりを』

 

『―――祈りは力なり、力は祈りなり』

 

『―――しかし、今の御身に光明は宿らぬ』

 

『―――祈りなき身に、力は宿らぬ』

 

 

 

ぴたりと時が止まった———。

真上に迫っていた手も、スカサハ様も動きを止めた世界で、俺だけが動いていた。

 

 

 

『―――今は断つが良い。

太陽たる御身が振るえば 呪いは祝いへと姿を変える。

思い描くのだ、断つべきものを、守るべきものを』

 

 

 

『―――さらなぬ力を求めるならば“幸”を集めよ。

それはやがて祈りとなろう』

 

 

 

暗闇の世界に、不思議な声だけがこだまする。

懐かしいような知らないようなそれは、ゆっくりと俺にそう語り掛けると言葉を切った―――。

 

 

 

 

 

生ぬるい風を感じて、はっと我に返る。

今のは何だと思う暇もなかった。

 

「―――ルグっ!」

 

はじめて耳にする、焦りを含んだ声は誰かのそれを思い出す。ああ守らなくては、と自然と体が動いた。

 

“断つ”。思い出すのは、子断神が振るったあの剣だ。

“一閃”。ブレることない横一文字を思い描けば、後ろの槍がかたりと揺れた。

すると朱の槍は、俺と一心同体となったように動き始める。

振り下ろされた掌に風穴を開け、切り裂いたのだ。

 

今度の攻撃は通用したのか、大きく後ろに仰け反った球体へと、止めと言わんばかりに槍を投げ飛ばす。見事にど真ん中をぶち抜いた槍によって、それはごろりとひっくり返った。

 

「……今のは。いや、……それよりも倒したのか」

 

足を引き摺りながら、傍にやって来たスカサハ様は球体を見上げる。

どうやら足に怪我を負ってしまったらしい。

だがスカサハ様は気にする様子はなく、険しい顔をふと緩めると俺の方を見た。

 

「……守られたのは、初めてだ。

よもやお前にそんな力があるとは」

 

そういうと、スカサハ様は少し視線を逸らすと、何かを言おうとした。

 

「っ!?」

 

「スカサハさま……! あぶないっ」

 

やはり倒していなかったのだ。

もしかしたら、この球体は……無敵なのかもしれない。少なくともこの場所では。

ならばスカサハ様と俺に勝ち目はないだろう。

 

今までとは比べ物にならない速さで接近して来たそれを、避けるよりも先に、先ほどのようにスカサハ様を突き飛ばした。

 

「っ、」

 

「ぐう……、く、くるしい……、」

 

片足を痛めるスカサハ様は踏ん張りが利かなかったようで、そのままうつ伏せに倒れた。

俺はまた黒い手にがっしりと掴まれ、今度はぎりぎりと締め上げられる。

気道を締められ、呼吸が出来ない。苦しさに喘ぐと、首を絞める手の力はさらに強くなる。

がりがりと爪で引っ掻いて抵抗するけれど、それも段々と弱くなっていく。

 

視界が薄れていく中で、眼下の黒い球体がぱくりと割れたのがわかった。

口にも見えるその内部は、ぐるぐると闇が渦巻いており、嫌な気配が満ち溢れていた。

だらりと身を宙に垂らした俺には、もう成す術はない。

黒い腕によって俺は、ぽいとその中へと投げ入れられたのであった―――。

 

 

 

 

 

「―――うおっ!? び、びっくりしたぜ。

白い、犬コロ? なんだよ、驚かせやがって。

あー、お前のせいで魚が逃げちまったじゃねえか。

おい、大丈夫か? おい!」

 

 

 

 

 




すっごく今更ですが……。
この話の主人公は大変ヘタレなDTです。
そんな主人公が神様として成長していくお話となる予定ですので、まだまだヘタレというか精神的に幼く情けない一面が目立ちます。

主人公の卒業が先か、成熟するのが先か、それとも話が終わるのが先か…。
真実はいつも1つ…!

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