【外伝開始】メソポタミアの冥界でエレちゃんに仕えたいだけの人生だった…。   作:土ノ子

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本日3話投稿(2/3)

 ちなみに作者はゴッフ所長×コヤンスカヤ推しです。
 目先の希望に弱く不屈のハートを持つゴッフ所長と絶頂からの墜落が大好きなコヤンスカヤは悪い意味で相性最高だろなって。

 猫が鼠をイジメるみたいに自分だけのおもちゃとして独占しつつ他人が手を出して来たら涼しい顔でキレて苛烈に報復するコヤンスカヤを見たいんだ(願望)

 どう見てもハニトラなのに嬉々として引っ掛かりに行くゴッフ所長に呆れて見せつつもこっそり裏でハニトラ要員を凌遅刑に処すけどゴッフ所長には決して悟らせないんだ。そして肩を落として落ち込むゴッフ所長をイイ笑顔で慰めるんだ(願望)

 そして結局死ぬまで弄ばれつつも堕落しきらずに寿命を迎えたゴッフ所長と二人だけで最後の会話を交わすんだ。その会話の中身は二人だけの秘密なんだ(願望)

 そんなお話を誰か書いて(他力本願)




 数十分後、なんとか危機を脱した私とボーダーのみんなは再会を喜びつつ深刻な顔で話し合っていた。

 戦闘そのものはギリギリで踏み止まった。死傷者はいないが、活動停止したネモとシオンが攫われてしまった。

 ルーラーに撃ち出された私達はボーダーと襲撃者であるテスカトリポカの中間に()()。一瞬できた隙。さらに謎の援軍コヤンスカヤとU-オルガマリーの援護もあってテスカトリポカの撃退に成功した。

 ……いやほんとなんで助けに来てくれたんだコヤンスカヤ。今もちょっと離れた場所でニヤニヤした顔でゴルドルフ所長を見てるし。まさにロックオンって感じ。

 

「――それで、彼らは何者なのかね?」

 

 そして今。私とマシュはオルガマリーやルーラー、マリーンから少し離れた場所で質問攻めにされていた。

 珍しく厳めしい顔をしてチラチラと視線を離れた場所へ送るゴルドルフ新所長。

 

「というよりだな。お前は無事なのだな? 危害を加えられたりは? してない? 過少申告は不要だぞ? 正確な報告と状況把握が組織の適正な運営の第一歩だからね?」

 

 ごめん厳めしいって言ったの嘘。というか間違い。

 青ざめた心配顔でこちらを窺うように覗き込むゴッフ所長は私達を心配してくれていたらしい。というか記憶喪失のラスボスが隣にいた訳だから客観的には爆弾抱えていたようなものか。私やマシュはそう思ってなかったけど。

 

「大丈夫、大丈夫。ちゃんと説明したでしょ、ゴッフ所長」

「あの報告で何を安心しろと言うのかね? キミの心臓は鉄製か?」

「アッハッハ。まあゴルドルフ君の言うことも道理だ。話は聞いた。実際に助けてもくれた。その上でなお信じがたい。特にU-オルガマリーのそばにいる彼は危険分子と言っていいだろう」

 

 ケラケラと笑う小さなダ・ヴィンチちゃんもすぐに真顔となってその危険性を告げる。

 

「彼ではなく彼の存在が危険だ。そのアクション一つで異星の神の記憶を取り戻しかねない存在が私達の管理下にない。いや、あってすらリスクが高い」

「ダ・ヴィンチの言う通りだ。はっきり言おう。ボーダーの職員の間では異星の神への戸惑いと恐れが強い。その側で嬉々として世話を焼く怪しげなサーヴァントもな」

 

 その言葉は悔しいけど妥当だ。Uは言うに及ばず、ルーラーもひたすら友好的で優しげなのだが……見る人によってはとても胡散臭く見えるのだろう。

 

「加えてルーラー、キガル・メスラムタエアの情報は異星の神以上に少ない。藤丸君が言うようにカルデアのデータベースでもヒットするのはエレシュキガルの槍だけだ」

 

 小さなダ・ヴィンチちゃんが付け加えてたそれがいつかの私の言葉を補強する。やはり彼は私達が知る物語にいないのだ。

 

「だがその戦力は極めて高い。ニトクリスすら倒したトラロック、そしてテスカトリポカですら彼を見て撤退を決めた……強すぎる程に強い」

「無名の英霊がコレほどの強さを持つなど違和感があるな。印象としては異聞帯の王や冠位英霊に近いのに、だ」

 

 これまで巡り歩いた特異点や異聞帯で出会った数多の英霊。その中でも特別な地位にあった選りすぐりの存在達を比較対象に挙げる程ルーラーは強力だという評に私達も頷く。

 力の規模がどう考えてもただのサーヴァントではありえないのだ。

 

「しかもそれ程の霊基の持ち主が異星の神に嬉々として奉仕してるんだから……頭が痛いなんてどころじゃないよ」

「他の使徒、村正やリンボでもあれほど強力ではなかった。一体どんなカラクリを使っているのやら」

 

 顔を見合わせて首を捻る二人だが、すぐに視線を険しくして私を見る。

 心当たりのある私は下手な口笛を吹いて視線を逸らした。

 

「――で、君はそんな正体不明のサーヴァントに向かって直接問い質したんだろう?」

「アハハ……」

「笑っても誤魔化してもダーメ。後でゴッフ君からコッテリ絞られたまえ」

「任せたまえ。上司として部下の危険な行動を看過できんからな。言っておくが私の説教は厳しいからね? 覚悟しておきなさいよ」

 

 と、精一杯威厳を繕って私に声をかけるが……ごめんなさい。あんまり怖くはないかなぁ。

 

「……やっぱり私の方からお説教した方がよかったかな」

「なんで!? いま私が大人の威厳を見せたところではないかね!?」

「どっちかと言うと子煩悩なパパだったよ、ゴルドルフ君」

「いや、私は独身なんだが……精々余命の短いホムンクルス達を養っていたくらいで」

 

 小さなダ・ヴィンチちゃんが呆れとも何とも言えぬ顔でそうコメントした。うん、私も同意見だ。

 

「それじゃあまずは聞かせて欲しい。ルーラー、キガルメスラムタエアの正体を」

「分かった。うん、凄い話だったよ……眩しいくらい、眩しかった」

 

 気を取り直したダ・ヴィンチちゃんからそう話を向けられ、私は数日前の夜の会話を語り出した。

 

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