【外伝開始】メソポタミアの冥界でエレちゃんに仕えたいだけの人生だった…。 作:土ノ子
執筆メインはあくまでもオリジナル小説主体となり、こちらはかなり不定期間隔の更新となりますがご了承ください。
メソポタミア冥界で内政&外交&時々戦争する第一部。
人理に名を刻んだ、今は《名も亡きガルラ霊》が『冥界のアーチャー』として召喚され、FGO第一部をダイジェストで走り抜ける第二部……まで行けたらいいなぁとなる予定は未定ってばっちゃが言ってた。
なお本作執筆にあたり、かなり脳みそのネジを緩めて書いているので、
・キャラ崩壊
・真面目に不真面目な態度
・原作設定無視
などございますが、広い心で受け入れて頂くか、合わないと思ったらブラウザバックでお願い致します。
「それじゃあ今日のお勤めに行きましょう!」
誰が見ても絶好調とばかりにアゲアゲなテンション高めのエレシュキガルは声高らかにそう告げた。
この云万年、ただ一日たりとも
今日くらいは休んでもいいだろう、だとか初めての眷属が出来たお祝いをしようなどとは考え付きもしないのだ。
尤も。
『ははーっ! どこまでもお供致します! エレシュキガル様!』
テンションアゲアゲで応じるアッパー系ガルラ霊も大概似た者同士なのだった。とはいえ彼の場合は真面目であるというよりも
「ね、ねえ。それ、止めない?」
『それ、と仰いますと?』
「その、様付けとか。だって貴方は私の
エレちゃん尊い、とガルラ霊のピカピカ具合が十割増しになる。
『ははーっ! では敬意と親しみを込めてエレちゃん様と呼ばせていただきまするーっ!』
「それで敬意と親しみを込めているのっ!? えっ、地上ではそんなに砕けたやり取りが当たり前なのかしら?」
『どうかご安心を! 人目がある時は弁え、エレシュキガル様とお呼びいたします!』
「そ、それなら、良いの、かしらね…?」
そういうものかと首を傾げる女神(ボッチ)。
云万年を冥界で孤独に暮らすワールドクラスの引きこもりであるエレシュキガルが他者との適切な距離感というものを知っているはずがない(断言)。
『ハハハ、恐れながら申し上げます。女王たる御身が俗事に疎いのも自然なこと。地上のとある場所ではこのような呼びかけは決して珍しくないのです』
具体的には云千年ほど先の現代日本でスマホ片手にソシャゲをやっている連中の間ならちゃん様呼びもありえなくもないかもしれない(棒)。
「そういうものなの?」
『はい。そういうものです』
純朴な女神を真面目な顔をして舌先三寸で丸め込みつつ、ピカピカと機嫌が良さそうに発光する《名も亡きガルラ霊》。今日も女神(可愛い)があたふたするのをホッコリ気分で眺めながら愉悦する彼は、ある種愉快犯的な性格の持ち主であった。
「そ、そう。そういうものなのね。それなら仕方がないのだわ」
『ははーっ! ありがたき幸せにございます、エレちゃん様!!』
チョロい、と胸の内でガルラ霊が呟いたかは定かではない。
「ね、ねえ…。その呼び方、やっぱり止めない? は、恥ずかしいわ…」
エレちゃん様可愛い、と胸の内でガルラ霊が呟いたのはエレシュキガル以外の誰が見ても明らかだった。
◇
あの後、小芝居じみたやり取りもそこそこに、エレシュキガルが常日頃こなすルーティンワークを共について見て回った。
「そ、それでどうだったかしら?」
どこかビクビクとした小動物的な若干の怯えを見せながら、それでも毅然とした風を装って問いかけるエレシュキガル。
初めての眷属に良いところを見せたいと見栄を張りつつも、肝心の冥界は御覧のあり様なのでせめて言動くらいは取り繕おうとして取り繕う事が出来ていない様子だった。
そんな彼女に頭隠して尻隠さずなエレちゃん様可愛い、と今日何度目か分からない呟きを胸の内で漏らすガルラ霊。彼は筋金入りのエレちゃんガチ勢であった。
『それは冥界が、ということでございましょうか?』
「そ、そうよ。貴方は私が治めるこの冥界を見て何を思い、何を感じたのかしら。忌憚のない意見を聞かせて頂戴」
『どう、でございますか』
ふむ、と重々しく呟き、真面目な雰囲気を作り出すガルラ霊。
別人の如き、それこそ二重人格じみた切り替えの早さ。だが彼は彼なりに真剣だった。ガルラ霊はエレシュキガルのポンコツ成分はもちろん、偉大なる地の女主人としての側面も敬愛していたからだ。
『偉大なる女神よ。御身は冥府に君臨する比類なき支配者にあらせられます。偉大なる《死》を司る御身は文明と人の隆盛に伴って力を増す。ひと度生を得て死なぬ命が無い故に。生まれ落ちた瞬間に死へ向かって歩き出す命は、決して自らの終わりに無関心でいられぬが故に』
「……ええ、貴方の言う通りよ。我が従僕。人が増えるほど、冥界が死者で満ちるほど我が権能は強壮さを増す」
『なれど足りませぬ。偉大なる御身を以てしても、余りにも冥界は広く深い。女神の暗く長き
「そんなことは…!」
誰よりもエレシュキガルが分かっている。自らの権能の強力さを誇りながら、同時にその力と威光を冥府の隅々まで届かせることが出来ない無力感を誰よりも味わってきたからこそ。
激発しかけた感情を落ち着かせ、声を低くして問う。
「……では、貴方はどうせよと?」
『信仰。地上の
「でも私は地上に上がることは…」
『無論、承知の上。我が腹中に一案ございます。どうかこの献策をお受けくださいませ!』
そうしてこれ以上ない程に大真面目に、ピカピカと興奮を示す発光を交えながら、暑苦しいほどの熱意を以て語られた献策。
「…………それ、アリなのかしら?」
その献策はエレシュキガルが真顔で問いかけるほど、方々を刺激する代物であった。
現在連載中の『騎馬の民、シャンバラを征く~山羊に跨った凡骨少年、闇エルフの姫と出会い、英雄へと道を踏み外す~』もよろしくね!(宣伝)
いやほんと二次創作の原作というマワシを付けてない一介の野良小説家なんて大したことないと思い知らされました…。
気晴らしでもしないとやってられんというか、とりあえず有名な原作の二次作品書いて注目されてチヤホヤされたい(俗物ぅ…)
なお気晴らしで別の小説書く当たり小説家って生き物は業が深いなって思いました(小並感)。