【外伝開始】メソポタミアの冥界でエレちゃんに仕えたいだけの人生だった…。 作:土ノ子
死して尚、消えない
これはただそれだけのお話。
憎い。
憎い。憎い。憎い。
憎い。憎い。憎い。憎い。憎憎憎憎―――!
吐き気がする程に、神々が憎い。
理不尽を押し付ける神々が憎い。
俺の親友を奪った神々が、憎くて憎くて堪らない。
熱い。
熱い。熱い。熱い。
熱い。熱い。熱い。熱い。熱熱熱熱―――!
おぞましい程に身を
無いはずの腹の底が焼け爛れている。
なにもかもを、壊したい。
エルキドゥが、死んだ。
大切な、親友が死んだ。
奴が呪いに倒れた後、最後に一目見る機会があったが、その時は既に意識もなく、ただ絶え間なく続く痛苦に喘ぐだけだった。
俺の友達が、エルキドゥが、あれほど苦しむ道理が何処にある?
ああ、確かにこれは世界にありふれた悲劇だ、どこにでもある別離だ。
だからこそ俺が、奴を友と思う俺が、腹を立てて何が悪い。
皆が掴み取った最上の成果を、気に入らないからとちゃぶ台返しの報復で汚されたことを―――よりにもよって、
俺は、壊れかけている。
その自覚を持ってなお、腹の底から突き動かす熱に従い、ここにいた。
眼前には雄偉なるエビフ山。
俺にとってはエルキドゥの死の元凶となった
此処に来るまでに、
エルキドゥの死を嘆くウルクの民の声を聞いた―――憤怒が身を
女神よりも女神らしい、優しい彼女の制止が聞こえた―――振り切って、荒野へ足を向けた。
そして、誰かに……誰よりも大事だったはずの少女の泣き声が、耳に―――憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎
この胸に燻る憎悪と熱を発散できるのなら、何だってしよう。
さしあたりイシュタルの神殿へ乗り込み、信者も女神も一切合切を焼き払わねば…。
胸に燻る炎に衝き動かされ、進む足取りを。
「無様よな、道化。正視に堪えぬ愚かさよ。愉快な馬鹿から不愉快な馬鹿へと堕ち果てたか」
黄金の…輝きが…行く手を阻む。
ああ、見覚えのある、光…。
エルキドゥとともにあった、懐かしい黄金が…。
『ギル、ガメッシュ…王…?』
「如何にも、我だ。よりにもよって我が尊貴なる竜顔を忘れるなどという不敬を働いてはおるまいな」
『……そのような、ことは…』
嘘だ。
今の一瞬、ギルガメッシュ王の顔と名を思い出すまで少なからず時間がかかった。
何故だ…?
「シドゥリからたっての嘆願を受けてわざわざ赴いて見れば……不愉快な面を見せおって。この不敬、どう贖うつもりだ貴様」
『ハハ…、生憎と面の持ち合わせはこれ一つ故。どうか、ご勘弁願いたく』
相変わらずの皮肉に満ちた言葉へ軽口を叩くと、一層冷ややかな視線が向けられた。
いつもの圧迫感とは全く異なる冷たさに、首筋が妙に冷えた。
「気付いておらんのか、貴様。全く度し難い鈍さよな―――見ろ、己が醜悪な姿を」
空間が波紋のように揺らぎ、そこから巨大な鏡が現れる。
丁度俺の姿を映す位置と角度で現れた鏡には、俺の……おぞましい気配を纏い、どす黒い怨念に染まった邪悪な悪霊としか呼べない、巨大な骸骨が映っていた。
『これ、は…』
確かに俺はガルラ霊、冥府の死霊である。
だがこれは、違う…。
もっと本質的な部分で、今までの俺と性質が違っていた。
「エルキドゥの死に嘆いた民草が神々へ抱いた無念、憤怒、憎悪…ひいては、暴虐と理不尽を課す神々への負の感情。その
元より数多の弱き者の祈りを束ねし神性ならば、祈りし者達の心から少なからず影響を受けるであろうよ」
『なら、ば…その祈りを果たさねば』
そうだ。
一目見て驚いたが、これは決して忌むべきものではない。
俺と同じ
ならば俺はその代行者としてこの胸に滾る憎悪をぶつけなければ…!
「この大戯けが!! その薄汚くみっともない無様を天下に晒す気かと問うているのだ!?」
その叱責は、俺に何の痛痒も与えなかった。
むしろただ燃え盛る怒りの火に油を注ぐだけだった。
激情のまま、英雄王へ食って掛かる。
『ならばこの憎悪をどう収めろと仰るのか!? この憎悪、この憤怒…神々を千度八つ裂きにしてなお足りぬこの狂熱を鎮める供物を如何せよと言うのか!!』
「道化風情が調子に乗るな! その胸に滾る炎は貴様が裁くべき領分であり、そんなことは我が知ったことでは無いわ!!」
堂々と、胸を張ってギルガメッシュ王は俺の怒りを知ったことかと蹴り飛ばした。
ならば最早口を開いて語る価値なしと断じ、再開しようとした歩みを、ギルガメッシュ王が口にした名が止めた。
「我はただ、
『エル、キドゥ…』
親友の名に、ほんの少しだけ胸の内で荒れ狂う炎が弱まる。
静まりはしないが、話を聞く程度の理性を取り戻した。
『奴は…エルキドゥは、なんと…』
「直接聞け。お前宛の、奴の遺言だ」
と、バビロンの蔵から取り出した『追憶の貝殻』を加工した魔術礼装がこちらへ向けて放られる。
これは確か貝殻に一定時間言葉を吹き込める機能を持ったもの…。
貝殻の口に耳を当て、魔力を流せば―――キレギレに聞こえる、今はもうこの世の何処にもいない親友の声。
『
その声を聞くだけで眼球など無いはずの眼窩が熱くなる。
続きを絶対に聞き逃さないように耳を澄ます。この時、ギルガメッシュ王の存在すら俺は忘れた。
『どうか…幸せに―――』
そして…。
『――――――――』
途切れた。
吹き込まれたメッセージはここで終わった。
それだけだった。
それだけで……十分すぎた。
『…ァ…ッ…、ガ、……ァァァ……ッ…』
こらえきれない嗚咽が漏れる。
エルキドゥは最期まで……今際の際まで、遺される者達を想っていた。
「呪いに倒れた末期の奴は、満足に言葉を操ることも叶わなかった。だからこそ、その言葉には全てが詰まっておる。万の言葉を費やすよりも雄弁な、奴の想いがな…」
なんなのだ、俺にどうしろと言うのだ…。
心の中で問いかけても、
進むことも、退くことも出来なくなった俺を、ギルガメッシュ王の言葉が打ち据える。
「奴の末期の言葉、確と聞いたな」
『……ッ、……はっ』
なんとか、一言だけ絞り出す。
それ以上の言葉は何も出やしない。
俺の醜態に、王はただ「善し」とだけ応えた。
「―――亡き友に代わり、問おう。その魂に懸けて、答えよ」
王が…裁定者がいま裁きを下す。
「
斬り裂かれたと、とそう思った。
心の内で燃え盛る炎が囲む、一番柔らかい部分を、王が繰り出す言葉の刃によって斬り裂かれた。
そして斬り裂かれた傷口から、胸に巣食う邪炎と瘴気が抜け出ていく気がした。
「是と答えるのならば、最早止めはせぬ。だが非と答え、なお愚行を貫かんとするのなら……その度し難き愚昧、我が手で直々に始末を付けてくれるわ!」
それが
言葉通りなのだろう。
俺という、ちっぽけで愚かしい存在に、王は無辺の慈悲を授けようとしている。
そのあまりに偉大過ぎ、光輝溢れる王としての立ち姿に、胸の内の憎悪の幾らかがかき消される。
『王、よ…。貴方は』
「フン…」
『貴方は、神々が憎くないのですか!? エルキドゥを奪った奴らを!?』
故に思わず飛び出た言葉は、詰問ではなく疑問だった。
ギルガメッシュ王は、俺よりもよほど深い怒りに襲われていてもおかしくないというのに…!
もし、その激情を理性で制しているのであればその苦痛は果たしてどれほどだろうか…。
「勘違いするな、冥界の。
ギルガメッシュ王、即ち『天の楔』に求められた役割は、人と神双方の視点を持つ超越者として『古代の神々が不要となる未来』を押し留めることにあったと王は語った。
だがギルガメッシュ王はその役割を放棄し、自らの意志で己が王道を定めた。『己に相応しい宝を守護』し、『人間の守護者として、星の
その瞬間、星と人が紡ぐ行き先が決定された。
即ち、神々がやがて不要の
その未来を指して王は言う、既に復讐は達成されているのだと。
「故に」
だがそれは決して、ギルガメッシュ王がエルキドゥの死に思うことが無かったということではない。
唯一の親友が、未来永劫ただ一人彼と肩を並べられる存在との別離。
それがどれほどの苦痛であったか、察することすら烏滸がましいのだろう。
「故に―――この胸の内にあるとすれば、それは
『おぉ……オオオオォォ……』
あまりにも偉大過ぎる王の胸の内を思い、哭いた。
友よ、やはりお前は死ぬべきではなかった。
エルキドゥ亡き後、誰がこの孤高の王とともに歩めるというのか。誰が孤高の王の孤独を癒すのか。
これから王が征く孤独な旅路を思えば、どうして哭かずにいられよう。
「哭くな、やかましい…。だが、
その胸に満ちる思いをいかなる言の葉で括るべきか。
一つ言えるのは、それまで俺の胸で渦巻くどす黒い炎とは全くベクトルの異なる思いであること。
その思いこそが、俺と俺を取り巻く負の怨念の同調を切り裂いた。
……
俺という存在からあまりに醜悪なる悪意を垂れ流す怨霊の群勢が溢れ出る。
さながら濁流の如く溢れ出る悪性想念の塊は、見渡すばかりの大地を醜悪な怨霊で埋め尽くした。
その正体は俺と民草が抱いた感情の同調が切れ、俺という核から切り離された、方向性を失った極大の
その呪いは纏まりを欠いた上で尚、見渡す限りの大地を怨念で汚染し尽くして余りある。
『これ、は…』
「無力なれどしぶとき民草が神々へ抱いた負の怨念、そのものよ。貴様という核を失い、ただ莫大な想念がバラバラになってぶちまけられたのだ」
あまりに醜悪、あまりに正視に堪えぬ醜いソレを、ギルガメッシュ王は静かに見据えていた。
討ち滅ぼされるべき邪悪と万民が断ずるだろうソレを見る王の目には、如何なる負の想念も宿っていなかった。
ただ万物を裁定する高みにある者として、透徹な視線を向けていた。
「我が認めてやろう。貴様らの怒りは正しき怒りだ。正当なる報復の念だ。あるいは我が抱いたかもしれぬ願いだ」
瞑目し、静かに語り掛けるギルガメッシュ王。
……
自意識もなく、ひたすらに怨讐と怨嗟を叫ぶ万の悪霊に、王は最後の手向けとなる言葉を向けた。
「だが―――この世界には不要な
許せぬ、と王は言った。
良いでも悪いでもなく、正しいでも間違いでもなく、共感でも反発でもなく、ただ存在を許容できないのだと。
「裁定者として決を下す―――その散り様で我を興じさせよ」
せめて華々しく散るが良い、と彼なりの慈悲を以て古今無双の英雄王はその財を開陳した。
黄金の波紋が遍く世界を覆い尽くし、その全てから王の財宝たる武具が顔を覗かせる。
その有様は星を散りばめた夜空によく似ていた。
「さらばだ。貴様らの想い、我だけは覚えておこう」
その言葉が引き金となった。
あまりに過剰、あまりに派手、あまりに豪華絢爛なる『王の財宝』の一斉射。
宝物庫を空にする勢いで放たれる財宝の大盤振る舞い。
いっそ無駄とすら言えるほどの過剰火力によって、大地を埋め尽くした悪性想念の群勢は尽く虚空へと還った。
あるいは古代シュメルの大地とそこに住まう全ての生命と引き換えに、古代シュメルのあらゆる神性を絶滅させうる弑神呪詛の雛形は、もう一つの『消えない想い』は英雄王の手によって葬られたのだった。
『…………』
恐らくはいま、世界が救われた。
あの怨霊の群れを直接我が身に宿していたから分かる。アレは世界を亡ぼしうる劇毒だ。
俺の憎悪と民草が抱いた憎悪が際限なく共鳴し合い、爆発的に成長を遂げる集合的対神呪詛。
世界はまたしても救われた。英雄の手によって。
もう誰もその隣に立てない、孤独な
『オ、おおぉ…オオオォ…!』
その孤独を想い、再び慟哭が溢れ出た。
そんな俺の無様を見咎めたか、ギルガメッシュ王は顔を顰め…。
「やかましいと言っておろうが。このド
無造作に放たれた宝具が強烈な衝撃で俺を
だが、ダメだ。タガが外れたかのように、溢れ出る感情を抑えることが出来ない。
そのくせガルラ霊の身は涙一つ零すことも出来ず、ただ慟哭が溢れ出るに任せた。
俺のみっともない姿を見たギルガメッシュ王は呆れたように首を振った。
「涙を流すことが叶わぬガルラ霊ならば、慟哭も深まるというものか。
―――丁度良かろう。冥界の、エルキドゥが遺した形見を授ける。近う寄れ」
エルキドゥの名が、俺の慟哭を止めた。
ギルガメッシュ王の方へ向き直り、その言を問う。
『奴が、エルキドゥが…俺に…?』
「そうだ。奴め、我を使い走りに使うなど不遜なことよ。アレでなければ極刑に処しておるわ」
と、言ってバビロンの蔵から空間の波紋と共に取り出したソレ。
大概の宝物を無造作に扱うギルガメッシュ王が珍しく、丁重とすら言える程丁寧に扱う事物。
そうして受け取ったのは美しく彩色された一包みの布で覆われた何か。
視線で赦しを得、覆われた布を取り払えばそこにあったのは……人の腕?
『王よ、これは…?』
「エルキドゥの
一瞬理解が追いつかず、思考を回す。
脳裏に思い浮かんだのエルキドゥにも協力を頼んでいた、冥府の魂のための人造躯体。エルキドゥの躯体を元に、一部機能を制限する形で開発を進めていたアレだ。
「その手に取るが良い。貴様以外が手に取ることは、我が断じて許さぬ。手に取らぬことも、な」
『……………………』
無言のまま、ただ最上級の礼を以てエルキドゥの躯体の一部を手に包む。
体温の消え失せた冷たさが、硬く強張った躯体が否応なく死を連想させる。
しかし、しっかりと受け取ったはずの躯体は次の瞬間
「これ、は…?」
「フン、やはりか」
まるで消えうせたように見える、エルキドゥの躯体。
その不思議を既知の如き振る舞う口ぶりに、思わず視線を向けると…。
「その躯体は、己が魂の
少なくとも、先ほどまでの醜悪極まる無様な面よりも、よほどな」
その言葉にハッとなって先ほどギルガメッシュ王が取り出した鏡をのぞき込むと……王が言う通り、そこにはどこにでもいるような、ありふれた顔立ちをした男がいた。
浅黒い肌に、どこか前世の人種を思い出させる彫りの浅い顔立ち。服装はウルクの民に似た腰蓑と首飾り、腕輪を纏っている。これらはエルキドゥが纏っていた貫頭衣と同じ、躯体の一部であり、簡易の防具でもあった。
この光景が指し示すのはただ一つ。
肉体無き霊魂であった俺は、いまエルキドゥの躯体を継承し、新たに肉体を得たのだ。
「継承躯体、とでも呼ぶべきか。冥界の、貴様はいまこの世で唯一、『天の鎖』の躯体を受け継ぐ者となった。
けして奴の後を継ぐ兵器とはなれまい。奴もそれは望むまい。
だが―――その躯体を受け継ぐ以上、二度と先ほどのような無様を見せることは決して許さん。この言葉を忘れた時、我が直々にこの手で裁きを下すこと、ゆめ忘れるな」
「心に、刻みまする」
王の言葉に、友が遺した思いに、瞼の裏が熱くなる。
こらえきれず、遂に涙が溢れた。
一度涙を流せば、もう駄目だ。
憎悪を糧に立ち続けていた足に力が入らず、大地に身を投げ出してしまった。
親友の喪失に、王の孤独に、民草が抱いた無念に次から次へと慟哭が溢れてしまう。
その無様な姿に、王は寛大にも赦しを与えた。
「泣くがいい、涙が枯れ果てるほどに。なに、この大地は広い。霊魂一つの涙を迎え入れぬほど、狭量では無かろうさ」
流した涙の数だけ、零した慟哭の響きだけ、悲しみという涙で黒い炎が鎮火されていくようだった。
その慟哭は、王が言う通り涙が枯れ果てるまで続いた。
《名も亡きガルラ霊》〔オルタ〕
主人公が辿り着いたかもしれないIFの結末。
通常の英霊召喚では決して現れることのないクラス:
その正体は神々の横暴と理不尽に虐げられた、神代に生きた人類の憎悪と呪いを一身に束ねた集合的対神呪詛。
人々の祈りから生まれた神性であるが故に、人々が憎悪と呪いを抱けば必然的にそちらへ引っ張られてしまう。本人もまた神々へ憎悪と呪いを持つからこそ共鳴し合い、恐ろしい速度で祟り神として成長していった。
元の霊基が冥府のガルラ霊であることから、そうしたおぞましく暗い側面とも相性が良い。
当然《名も亡きガルラ霊》の自我は取り込んだ憎悪によって加速度的に歪められていく。
集合的対神呪詛として完成すれば古代シュメルの大地に一〇〇〇年消えぬ呪いを刻み込むことを代償に、古代シュメルの神々を
当然エレシュキガルすら絶滅対象の例外ではない。
古代シュメルの神々を絶滅させた後、ひと時の正気を取り戻すが、すぐに最愛の女神を自らの手で抹殺したことに気付き、発狂する。
友へ抱いた友情ゆえに憎悪の化身と成り、果てることを定められた一柱の
主人公、エルキドゥ、ギルガメッシュの相関関係
・主人公
→エルキドゥ:親友。その死を嘆き、涙した。
→ギルガメッシュ:尊敬すべき偉大なる王。
一言:自身が卑小なことを自覚した上で、
星に届かないことを知ってなお、手を伸ばし続けることに価値はある。
・エルキドゥ
→ギルガメッシュ:初めて自らと対等な力を持った親友。
→主人公:初めて自らと対等であろうとした親友。
一言:厳密に好感度を数値化して比較すればギルガメッシュが一番の親友。
ただしカテゴリが全く違うので、どちらが大切な友人かと問いかけるとフリーズする。
再起動には斜め45度からの『王の財宝』一斉射が効果的。
・ギルガメッシュ
→エルキドゥ:唯一の
→主人公:愉悦の対象。愉快な馬鹿。
一言:我がエルキドゥの一番の親友であることは言うまでもないが、
まあ二番目の親友としてなら認めてやらんでもない。励めよ、冥界の。
名誉ウルク民判定をクリアしているが、誘うつもりは特にない。
その魂の輝きはエレシュキガルの元でこそ輝くと知っているため。
手に入らないからこそ、その輝きは美しいものと認めている。
継承躯体:主人公がエルキドゥから受け継いだ『天の鎖』の躯体の一部。
『天の鎖』が有するスキルの一部を劣化再現可能。
自身の外側へ干渉する類の宝具、スキルはほぼ使えない。
逆に『変容』による能力値の振り直しや『気配感知』は劣化した形で使用可能。
エルキドゥが積み重ねた戦闘経験が引き継がれ、主人公の戦闘技能の基礎となった。
神霊級の基礎スペックに躯体の戦闘経験が合わさり、地味に強い。
後に冥界の技術班によって解析され、霊魂達が纏う肉体の原型となる。
主人公の第二形態。
ビジュアルは名誉ガルラ霊の各々がアニメ版絶対魔獣戦線バビロニアを視聴して、
気に入ったウルク民がいれば大体そういうイメージで問題はない。
追記
昨日の幕間の後書きで追記した対ネルガル戦ですが、今のところ以下2点は確定しています。
・ネルガル神以外にも眷属集団も存在(大技だけじゃなくて小技にも需要あり)
・冥界側はエレシュキガル不在。よって冥界の機能も十全には使えない。ただし名誉ガルラ霊の皆と作り上げた施設・物資・鉱石は全て使用可能(難易度ルナティックだが知恵と勇気と