【外伝開始】メソポタミアの冥界でエレちゃんに仕えたいだけの人生だった…。 作:土ノ子
炎上汚染都市冬木①
是は、マスターの物語ではない。
是は、サーヴァントの物語ではない。
是は――――この星に生きた者達の物語だ。
◇
神代が終わり、《
かつて人類を庇護し、抑圧した神霊ははるかな時の流れが連れ去った。
「―――素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。
降り立つ風には壁を。
四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」
だが物語が終わりを告げても、本当の意味で物語が終わることはない。
「
繰り返すつどに五度。
ただ、満たされる刻を破却する」
ここは炎上汚染都市 《冬木》。
人理継続保証機関フィニス・カルデアが特異点Fと呼称する、呪いと汚濁の炎が燃え続ける地である。
「――――告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、人理の轍より応えよ」
人類最後のマスター、藤丸立香はマシュ・キリエライトとともに突発的なレイシフトに巻き込まれ、この特異点へ降り立った。
襲い掛かる怪異を退けながら同じく巻き込まれたカルデア所長、オルガマリー・アニムスフィアと合流。
この特異点解決のため、神代に匹敵する濃密な魔力に満ちた冬木の霊脈上で守護英霊召喚システム・フェイトを実行していた。
「誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者」
生きるために。
己を先輩と呼んだ
「汝、星見の言霊を纏う七天、
奔り、降し、裁きたまえ、天秤の守り手よ――!」
少年はただ来てくれと願い――、一柱の神霊がその呼びかけに応えた。
収束した魔力が一点に集中し、神話を核に魔力からなる仮初の肉体をくみ上げる。
光が溢れ、エーテルの風が吹き荒れた。
厳しく、凍てつき、それでいてほのかに暖かい。眩い光に手を翳して遮りながら、藤丸はそんな矛盾する気配を感じていた。
「――霊基出力、莫大。加えてこの霊基年代は最低でも西暦以前の……神代!? おいおい、冗談だろ?!」
カルデアから藤丸達を観測するロマニ・アーキマンと英霊召喚成功例第三号レオナルド・ダ・ヴィンチが目を剝いた。
計器にて出力される数値はトップサーヴァントと呼ばれる一部の大英雄と比べても遜色ない。つまり極めて強力な英霊のものだ。
「
大はしゃぎにはしゃぐ絶世の美女 (中身は男)に藤丸は困ったように笑い、頬を掻いた。
「来るぞ。どこの誰かは知らないが、間違いなく頼りにできるはずだ!」
エーテル風の奔流が収まり、ゆっくりと立ち上がった男を藤丸はようやく視界に捉える。
第一印象は――言ってはなんだが普通、だ。
よく日に焼けたような小麦色の肌は日本よりも厳しい陽光の賜物だろうか。簡素な腰布、脚絆、サンダルに首飾りは英雄が生きた古代の風を感じさせる。
彫りの浅い顔立ちはありふれたもので、自身を平凡と思う藤丸に親近感を感じさせた。
やや異彩を放つのはその外套と武具か。
纏う外套は夜空にも似た藍の混じる漆黒に染め抜かれ、その手に持つのは硝子よりもさらに透明度の高い無垢な水晶からなる大強弓。
「「――――」」
英霊召喚という大魔術を以て邂逅した主従が視線を絡ませ、一方が
「サーヴァント、『冥界の』アーチャー、ここに。現状は概ね把握しているので、どうか十全に使って頂ければ。私はともかく、私が授かった宝具はなかなかのものですよ」
大英雄級という評価に似合わぬ謙遜と落ち着きに溢れた言葉にこれは頼りにできそうだと安堵しかけ、
「ところでマスター、そちらの我が妻によく似た大変魅力的で放っておけなさそうな淑女は紹介して貰えるので?」
続く言葉にちょっと癖がありそうな
地球大統領が可愛すぎたので筆を執りました。ピックアップ来いピックアップ来いピックアップ来いピックアップ来いピックアップ来い……書けば出る書けば出る書けば出る書けば出る書けば出る書けば出る……はい、お祈り完了!
さて、名誉ガルラ霊のみんな、
という訳で唐突ですが第二部『Fate/Grand Order One person”s” who engraved in planet's memory』(いま即興で考えたタイトル)の始まりです。
でも第七を除く各特異点はハイライトを覗いてサクッとカットしていくぜ、スマンな。
今回はアンケートは推奨BGM募集くらいで基本一本道です。オルガマリーちゃん(ようじょの姿)が成長していく物語をお楽しみあれ。
P.S
よくよく原作を確認したら初の英霊召喚時にはキャスニキとはまだ合流してなかった模様。修正しました。
あと召喚時のセリフを幾らか改稿しました。
例によって設定回りはオリジナルマシマシなのでそんなものだとふんわり受け入れてください。