遊戯王のBGMを聞きながら書いているとデュエルがしたくなりますね。
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マキに席に案内され、竜たちは席に着く。
4人掛けのテーブルで座り方は竜の隣にゆかり、竜の対面に茜、そして茜の隣に葵だ。
「あれ、マキマキは座らへんの?」
「うん。私はちょっと手伝ってくるからね。座るときは椅子を持ってくるよ」
4人掛けのテーブルではマキが座れないので、その事が気になった茜が尋ねる。
茜の言葉にマキはヒラヒラと手を振って答えた。
そしてマキはスクールバッグを持って店の奥へと向かっていった。
「では頼むものを決めちゃいましょうか。メニューはこちらです」
「へぇ、なかなか種類があるんだな」
ゆかりの広げたメニューを見て竜は少しだけ驚く。
“cafe Maki”のメニューは喫茶店にしては種類が多く、幅広い層に需要がありそうだった。
「私はこちらの紅茶とショートケーキにしますね」
「ボクはオレンジジュースとチョコケーキかな」
「うちはそうやな・・・・・・、マーマイトとスターゲイジーパイやな」
「・・・・・・本当にそれでいいのか?」
それぞれ注文するものが決まった順に言っていく。
茜の言葉に竜は本当にそれを頼むのか確認した。
「い、いややな、冗談や冗談。それにそんなもんさすがに置いてないやろ?」
「いや、置いてあるみたいだが」
「マジか?!っと、うちは紅茶とチーズケーキにするで」
ここでイエスと言えば竜は本当にマーマイトとスターゲイジーパイを注文する。
茜が注文すると言えば竜は本当に注文する。
そんな本気を茜は感じ、慌てて本当に注文したいものを言った。
むしろマーマイトとスターゲイジーパイを注文できる喫茶店とはどういうことなのだろうか。
この2品がどこへ向けた需要なのか気になるところだが。
それを知るためには紅茶をキメてイギリスの産み出した操作性皆無の兵器を転がして来るといいだろう。
ちなみにその操作性皆無の兵器は9回の走行テストをおこなって9回失敗していたりする。
「俺はそうだな・・・・・・、ん?なんだ、このマキ茶って」
自分の注文するものを考えていると、竜はメニューに書かれている不思議な名前のお茶に気がついた。
名前からして普通の飲み物とは違ってこの喫茶店のオリジナルか何かであることがうかがえる。
「面白そうだしマキ茶にしてみるか。あとは・・・・・・オススメで頼むかな」
興味から竜はマキ茶を選択する。
マキ茶がどのようなお茶なのかが不明なため、一緒に頼むものはおすすめにするようだ。
まぁ、知らないものと適当に組み合わせて合わなかったら勿体ないので、初見であるならば店の店員に聞くのが1番だろう。
「あ、みんな決まったかな?」
「マキさん。ええ、決まりましたよ」
「わぁ、マキさんもお店の制服を着たんだね」
「おー、マキマキ似合っとるやん」
荷物を置いてきて喫茶店の制服に着替えたマキがヒョコリと現れた。
白いワイシャツに紺色のロングスカート、そして黄色のエプロンとシンプルな制服ではあるが、非常に絵になっていた。
マキの姿にゆかりたちは似合っていると褒め、褒められたマキは照れつつ嬉しそうにしていた。
「えっと、それじゃあ注文を聞いていくね」
「では私から、紅茶とショートケーキです」
「じゃあ次はボクが、オレンジジュースとチョコケーキだよ」
「なら次はうちや。紅茶とチーズケーキで頼むで」
慣れた様子でマキは伝票に注文を書いていく。
そこそこ早い速度で注文を言っていってるのだが、焦ったりしている様子もない。
「最後は俺か。マキ茶とオススメで頼む」
「えっ?!」
最後に竜が注文を言うと、マキは驚きの声をあげて注文を書くのを止めた。
不思議に思ってマキを見ると、顔を真っ赤に染めている。
そんなマキの様子に竜たちは首をかしげるのだった。
誰のヤンデレが読みたいですか? その16
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佐藤ささら
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鈴木つづみ