私のヒーラーアカデミア   作:鼠日十二

9 / 10
実はこの「切除」前・後編で本作は完結する予定です


切除 前

「───さて今日の本題だ……。急で悪いが今日は君らに……学級委員長を決めてもらう」

 

 

 

周りが自分のアピールを始める中恋は、

 

 

(ここは梅雨ちゃん一択)

 

 

と既に心を決めていた。

 

 

 

「多を牽引する責任重大な仕事だぞ……民主主義に則り真のリーダーをみんなで決めると言うのなら……これは投票で決めるべき議案!!!」

 

 

 

 

「「「「そびえ立ってんじゃねーか!!なぜ発案した!!!!」」」」

 

 

 

 

結果。

 

 

 

緑谷出久 3票

八百万百 2票

腑労恋 2票

 

 

 

(……………あれ?)

恋は困惑した。自分に票を入れる人が思いつかなかったのである。

思わずキョロキョロと辺りを見回すと、梅雨ちゃんと目があった。

 

……。

…………。

 

目をそらされた。………体温が上がってるね。怒ってる?なんで?私梅雨ちゃんに票入れたよ?

 

 

 

「じゃあ委員長は緑谷として……副委員長はどっちがやるんだ?」

 

 

恋は手を挙げた。

「先生」

 

 

 

 

「私は………辞退します」

「「「「「「なんで!??」」」」」」

 

 

「こういうのは八百万さんの方が向いていると思いますし、それに………」

 

「それに?」

 

 

 

 

「私は保健委員をやります」

 

 

「なるほど」

「むしろそれしかない気がしてきた」

 

 

「本当にいいんですの?」

「ええ。というか私が副委員長になったら手洗いうがいの慣行からアルコール消毒、さらには身だしなみまできっちり指導しますよ?」

「それはそこまで悪くない気がするのですが……」

 

「ちなみに指導対象の筆頭は相澤先生です」

「合理的判断に基づいて八百万を副委員長にする」

 

 

 

 

▽▽▽▽

 

飯田非常口事件後。

 

 

「今日のヒーロー基礎学だが……俺とオールマイト、そしてもう一人の3人体制で見ることになった。内容は……災害災難なんでもござれ。人命救助訓練だ」

 

 

 

 

 

 

 

バスに揺られて待つこと15分。

 

「すっげー!!USJかよ!!?」

 

 

 

「───水難事故、土砂災害、火事……etc.あらゆる事故や災害を想定し僕がつくった演習場です。その名も……ウソの災害や事故(USJ)ルーム!!」

 

 

(((((USJだった!!)))))

 

 

 

 

「スペースヒーロー『13号』だ!」

「災害救助で目覚ましい活動をしている紳士的なヒーロー!」

 

 

「あー始める前にお小言を一つ二つ……三つ……四つ……」

 

 

13号が話をしている間、恋はずっと周りに気を配っていた。

 

 

(記憶が正しければ、そろそろ……)

 

 

 

 

 

「そんじゃあ、まずは……」

 

 

相澤先生が話し出すと同時、階段の下、広場に……

 

 

 

黒い渦が現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「一かたまりになって動くな!!13号!生徒を守れ」

相澤先生──イレイザーヘッドが叫ぶ。

 

 

 

その影から現れたのは、悍しいほどの悪意そのものだった。

 

 

「動くな!あれは───(ヴィラン)だ!!!

 

 

「先生は!?一人で戦うんですか!?イレイザーヘッドの戦闘スタイルは個性を消してからの捕縛だ!正面戦闘は……」

 

 

 

 

「一芸だけじゃヒーローは務まらん」

 

そう言うとイレイザーヘッドは飛び出した。

 

 

ゴーグルで視線を隠し個性の牽制、更には捕縛布を操り異形系の個性でさえも共倒れさせて再起不能にする姿を見た生徒は、

 

 

「すごい……」

「あれがプロヒーローか……」

 

 

普段は見ることのない先生の雄姿に目を奪われていた。が、

 

「分析してる場合じゃない!早く避難を!!」

 

すぐに飯田の声に現実に引き戻される。

しかし、それは一歩遅かった。

 

 

「させませんよ」

 

 

 

黒い霧が行く手を塞ぐ。

 

「平和の象徴には死んでいただこうと思いまして」

 

「ですが、見せしめも必要でしょう……。先に貴方達を──散らして、嬲り、殺す」

 

 

 

(まずい──)

いち早く再起動した恋は梅雨に手を伸ばすが、

 

「梅雨ちゃ────」

 

掴んだはずの手はすり抜け、恋自身も闇に飲まれた。

 

 

 

▽▽▽▽▽▽

 

 

 

恋が飛ばされたのは岩山だった。

 

 

 

「ここは……?」

「恋さんもここに飛ばされたのですね」

「八百万さん、それに耳郎さんも」

「俺は?」

「あ、あと上鳴さんも」

「忘れないで……」

 

 

 

 

 

そこへ、敵が声を上げる。

 

「このガキたちを殺せばいいのか?」

「楽そうな奴らばっかりだなぁ?楽しめんのか?」

「赤いのは俺が貰うぞ」

 

既に恋たちは囲まれていた。

 

「まずい……!」

「今私が武器を創り出しますわ!」

「なら私は牽制を」

 

そう言って恋は腰のリボルバーを取り出し、敵の一人に向けた。

 

 

 

「お……俺は!?」

「あんた電気男でしょ、バリバリっとやっちゃってよ」

「できねーの!!纏うだけだ俺は!全力だと周りを巻き込んじまうんだよ!」

「じゃあさ、人間スタンガン!」

 

そう言って耳郎は上鳴を蹴飛ばした。バランスを崩した上鳴は敵に抱きつく形になる。

 

「マジかバカ『ぐわあああぁ!』あ、通用するわコレ、俺強え!!」

 

恋は早々に肉弾戦に切り替えていた。

「殺菌ッ!!」

「ぐうっ」

「消毒ッ!!」

「おい、誰かこのガキを止めろ!」

 

「逃しませんよ。その腐った性根は……殺してでも治療します───殺菌殺菌殺菌殺菌殺菌殺菌殺菌殺菌殺菌殺菌殺菌殺菌殺菌ッッッ!!」

「ぶべらっ!?」

 

 

「恋の言動がなんか敵っぽい……」

「出来た!!」

 

そう言って百が背中から生み出したのは、巨大な絶縁体シートだった。

 

「上鳴さん!」

「……なるほど。これなら俺は……クソ強え!!!」

 

 

そう叫び上鳴は周囲に無差別に放電し、敵を気絶させた。

 

「さて……他の方が心配……合流を急ぎましょう」

「おう……あれ?恋は?」

 

 

 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽

 

 

 

 

恋は走っていた。

 

 

 

原作通りなら、梅雨ちゃんは無事なはず。だがここに原作通りではない代表みたいなのがいる以上、確定はできない。

 

 

 

 

岩山を降りきった恋の視界に入ったのは、

 

梅雨達が居るであろう水難ゾーンまでのルートに陣取る多数の敵だった。

 

 

「あぁ……?おい、獲物が来たぞ」

「おお、女か……殺し甲斐がありそうでいいなぁ……!」

 

 

恋は舌打ちを一つし、近くの敵から殴り倒すことにした。

 

「喰らえ、俺の個性──「殺菌ッ!」ぐふっ!?」

「おい、確認したな!アイツの個性はおそらく怪力系だ!遠距離攻撃できる個性持ちを呼んでこい!」

 

 

(不味い……)

 

恋の個性は近接戦闘なら相当な役に立つものの、遠距離となると途端に何もできなくなってしまう。そのためにわざわざ戦闘服に銃を付属させたのだが───

 

(弾は手持ちでせいぜい十発程度。ある程度残しておきたい所だけど……それまでに倒しきれるだろうか?)

 

 

 

「清……潔ッ!」

「おいおい、動きが鈍くなってきたんじゃねぇのか?」

 

 

 

さらに言えば、恋の人体理解は多数の相手には向かない。

 

「オラァ!」

「ぐっ……!!」

背後からの打撃に思わずたたらを踏み、振り返りざまに拳を叩き込もうとするが───

 

 

「悪りぃな……俺は『打撃無効』持ちなんだ」

 

腕が掴まれる。

 

「さぁ、楽しい時間の始まりだ───」

 

 

 

 

 

 

 

「手、離しなよ」

「あ?……グゥッ!耳がッッ………!!」

 

 

「耳郎さん!?」

「無事……じゃなさそうだね」

 

「どうしてここに……?」

「クラスメイトを助けるのに理由なんかいらねーよ」

「その通りですわ」

 

「八百万さん、それに上鳴さんも……!」

 

 

 

「急いでんだろ?ちゃっちゃと片付けよーぜ!」

「手伝うよ」

「ありがとうございます………!」

 

 

 

 

「クソ、増援かよ……!」

「所詮ガキが増えただけだ!」

 

 

が、しかし、統率の取れていない敵と戦闘訓練で互いのことをよく知る生徒とでは明らかに後者が有利である。

「敵は各個撃破、相性が悪いなら2対1で!」

「了解!」

 

 

 

数分後、そこに立っている敵はもはやいなかった。

 

「ふぅーー……これで終わりかな?」

「そうみたい……ですわね……」

 

「助かりました」

「いいよ、それより急いでるんでしょ?」

 

「本当に、ありがとうございます……!」

 

 

 

そう言って礼をしたあと顔を上げた恋は、見つけてしまった。

 

 

倒れたまま百の方向に腕についた銃を向ける敵を。

 

 

「八百万さんッ!」

「え?なにか……」

 

 

敵を直接叩くのは不可能。おそらく……体を割り込ませるので精一杯だろう。そう考えた恋は、百の前に飛び込み……

 

パァン!

 

「ぐっ……!」

弾丸は恋の左腕にめり込んだ。

「腑労、さん……?」

「クソ、気絶してなかったのかよ!」

 

 

「ぎゃはははは!スイッチ……オン!!!!!」

敵が叫んだ。

 

 

 

 

 

恋の腕が爆ぜた。

 

 

 

 

 




終わるの早くない?と思った方もいらっしゃるでしょう。
私もです。


しかし残念ながら私にはあまりにも原作の知識が足りない。




一応ハーメルンユーザーとして、ある程度の二次創作は読んだつもりですが、どうしても体育祭の初めしかわからないんですよね……個性が飽和する体育祭をフィジカルだけで乗り越える婦長、見たいですか?………私はちょっと見たいですが。

知識不足はこの小説を書くために1、2巻買わないといけなかったほどです。

最初にラストシーンを思いついて逆算するように書いてあったわけですからその後のプロットも存在しませんし……。

ですが、まぁ、この先また3巻以降に触れる機会もありましょう。
その時はまた更新するかもしれませんねぇ……
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