遅くなってすまんです
これも全部コロナウイルスってやつが悪いんだ……(責任転嫁)
うそです
僕の怠惰が全部悪いです
今後の話はある程度構想があるので今度こそ週一くらいで更新します(フラグ)
天職が判明したものの、一体何ができる職業なのかメルド団長やその他の城の住人達にもさっぱり分からず、雪華はクラスメイト達の訓練になんとなく参加してみたりハジメと魔物図鑑やこの国の地図などを読み耽っては時間を潰す日々を過ごしていた。
今のところ、イシュタル達の言うエヒト様とやらに繋がる能力も、エヴァンゲリオン作中の使徒っぽい能力も何一つ発現していない。よく言えば平穏、悪く言えば八方塞がりだった。
文献なんてものはとうに調べ尽くされており、過去に誰か『使徒』の天職を持って生まれた者の記録もなく、それにまつわる神託ももちろんなかった。
「はぁ……暇だなぁ……」
そんな調子なので、雪華はフリーな時間が他の人より増え、辺りを度々うろつくあまり他のクラスメイトよりも城内に詳しくなってしまった。サボっているのではない。ただただ暇なのである。
訓練は、もし専用の特殊な武器があってその時に変な癖がついていたら良くない、と体力づくりの基礎トレーニング以外は免除、座学の時間も魔法の時間はできることがなくて暇、よって自習という有様だった。
こうして今も雪華は城内の廊下を適当にプラプラと歩いていた。間もなく皆は訓練が始まる、といった時間。時折訓練場へと向かっていく生徒とすれ違ったりしながら未探索である上階の方を見てみよう、と彼女は柔らかいカーペットの敷き詰められた廊下をのんびりと進んでいた。
すると、他の生徒達よろしく訓練場に向かうのだろう。私室から武器を持って出てくるメルド団長と出くわした。
「おう、雪華!訓練させてやれなくって毎日暇だろうですまないな。なんか変わったことはあったか?」
「メルドさん、おはようございます。う〜ん、特にないですねぇ。どんどん城の中には詳しくなっちゃってますけど、それ以外は相変わらずで……」
そう返すとメルドはふと思い出したようにこんなことを言ってくる。
「そういやぁ前に地下牢の方へと続く扉の前まで行ったはいいが嫌な予感がして引き返したって言ってた時あったろ?」
「そう言えばそんなことありましたね。それがどうかしましたか?」
事実雪華はつい先日、中庭の探索中に何か物々しい雰囲気を放った頑丈そうな扉を発見したものの、何か変な感じがして探索はやめておいたのだった。
「実はな、そこに留置していた謀反の疑いがあった大臣補佐の男なんだが……自殺したようでな。それだけならただの事故ってんだがなんとそいつ、アンデッド化していたらしい」
「えっ……」
自分たちの暮らしている場所の真下でそんなことが?と、存外ショッキングだった彼の発言に雪華は一瞬言葉に詰まってしまう。
「あっ、わ、悪い。お前らはこういう話に慣れてないだろうって配慮が抜けていた。すまない」
「い、いえ。びっくりしたけど大丈夫です」
ここは異世界。法律も違えば、暮らす人々も治安も違う。当然血生臭い話も地球にいた頃よりは多くなる。少しずつ慣れていかないとなぁ、と雪華は一人話を飲み込む。
「それでここからが本題なんだが。普通扉の先からさらに10階層近く降りたところで発生していた現象に嫌な予感を感じるなんておかしい……お前、もしかして勘が鋭くなってないか?」
確かに、実際の距離にして数十メートル、さらには多くの壁、そして厚い鉄扉を挟んだ先から嫌な予感を感じるとは普通の人ではなかなか考えられない事である。
「なるほど……実例がその一件しかないので断言するには早いですけど、ありえるかもしれませんね。注意してみます」
「おう!じゃ、俺は訓練を見に行かないといけねぇから」
メルドはそう応えると訓練場の方へ去っていった。
その時だった。地下牢行きの鉄扉の前で感じたような何かの『予感』を雪華は再度感じた。方角は……メルドの向かった訓練所の方。ただその予感は、以前に感じた「近寄りたくない」と言ったものではなく。「何か危険が迫っている」という物。
何かが、訓練所の方で起こっている。
雪華はその予感に突き動かされるように駆け出した。
※※※
訓練場の片隅、人が少ない暗がり。クラスメイト達も寄り付かないそこでハジメは一人訓練開始を待っていた。自主訓練でもしていよう、と彼は細身の西洋剣を抜き、ゆっくりとメルドに教えられた構えの体勢を維持していた。
と、その時。背中に突然衝撃が走る。誰かに蹴られたようで、咄嗟に構えを解きその場で踏ん張ったために転ぶことは無かったものの、目前に迫った白く光る抜き身の剣にハジメは冷や汗をかいた。
「よぉ、南雲。何してんの?お前が剣持っても意味ないだろが。マジ無能なんだしよ〜」
他のクラスメイト達が高いステータスと戦闘職を引き当てる中、ただ一人だけ一般人と何も変わらないステータスと生産職の天職を引き当てた彼。周囲から馬鹿にされ距離を取られる中、錬成の勉強や魔物図鑑の読み込みなど誰でもできることに逃げていた……と周囲からは思われていたようだが、その実彼は訓練には真面目に参加した上で空いた時間にそれらの書物の読み込みを行うなどして何とか周りから引き離されないように動いてはいた。
自分のペースで努力を続けてはいたがやはり生産職であるという事実は覆ることはなく、こうしていつもの小悪党組に突然襲われることもしばしば。ため息をつきながら振り返ると、そこにいたのは予想と違わず普段からハジメをいびっては嗤っている彼らだった。
「ちょっ、檜山言い過ぎ!いくら本当だからってさ〜、ギャハハハ!」
「何で毎回訓練に出てくるわけ?俺なら恥ずかしくて無理だわ!」
「なぁ、大介。こいつさぁ、何かもう哀れだから、俺らで稽古つけてやんね?」
ニヤニヤと醜い考えが透けて見える笑みを浮かべ、ゲラゲラと五月蝿く笑う檜山達。
「あぁ?おいおい、信治お前マジ優しすぎじゃね?まぁ、俺も優しいし?稽古つけてやってもいいけどさぁ〜」
「おお、いいじゃん。俺ら超優しいじゃん。無能のために時間使ってやるとかさ〜。南雲〜感謝しろよ?」
檜山達はそんな事を宣うと、ハジメを人気のさらに少ない方へとぐいぐいと押して連れて行こうとする。何人かのクラスメイト達はちらちらとこっちを見ているので気がついてはいるのだろうが、ハジメを助けようと動く者はなかった。
「いや、一人でするから大丈夫だって。僕のことは放っておいてくれていいからさ」
黙って殴られているわけにもいかないので、ハジメはやんわりと断ってみるが、彼らが止まる気配はない。
「はぁ?俺らがわざわざ無能のお前を鍛えてやろうってのに何言ってんの?マジ有り得ないんだけど。お前はただ、ありがとうございますって言ってればいいんだよ!」
檜山の拳がハジメの脇腹に突き刺さる。ハジメはその痛みに「ぐっ」と声を漏らしてしまう。
彼らの暴力は明らかに地球にいた頃と比べても容赦のないものになっている。それもそうだ。明確な大きい力を思春期真っ盛りの男子が手にしたのだ。嫉妬に駆られて暴力に手を出す少年に自制心など備わっているはずなどない。
訓練施設からは完全に死角の物陰にたどり着くと、檜山はハジメを壁へと思い切り突き飛ばした。
「ほら、さっさと立てよ。楽しい訓練の時間だぞ?」
檜山、中野、斎藤、近藤はハジメを取り囲むと、各々の武器を構えそれぞれ攻撃を加え始める。
剣の鞘で撃たれる。火の玉をぶっつけられる。風の玉で鳩尾を射抜かれる。体のあちこちを蹴られる。
リンチと呼ぶにふさわしい暴力の応酬は続く。そんな中ハジメは一人己の弱さを噛み締め、悔しさを堪えながら何とか蹲って彼らの攻撃に耐えていた。元来の性格のせいで暴力を嫌い、争いを避けてきた彼はここで何か反撃したり、ということができない。
そんな時だった。誰かの駆け寄ってくる足音がする。誰が来たのだろうと恐る恐る目を開けば、そこには彼の最も近くにいつもいてくれて、それでいて自分といる事をとても楽しんでくれている彼女がいた。
「やめろ!」
ハジメは自分の親友が彼らと自分の間に割り込んできたのに気がついた。後ろ姿からわかるほどの怒気を滲ませながら檜山達に立ちはだかる彼女はとても美しく、そして頼もしくて……。しかしハジメの視線は彼女ではなくその先、自分を狙って詠唱中だったが呪文をキャンセルする方法が分からずあたふたする彼らを見ていた。
「雪華、危ない!」
ハジメはありったけの声を振り絞って叫ぶ。しかし無情にも火の玉、風の玉は放たれてしまう。痛む体を鞭打って立ち上がろうとするも、度重なる暴力で鈍った身体の動きは遅く、コレでは明らかに間に合わない。万事休すか、と思った。その矢先だった。
「A.T.フィールド、全開」
普段の柔らかい声からは想像の付かない程、低く、そして冷たい声が響き渡った。彼女の目前まで迫っていた火と風の玉は、その声を合図とするように拡がった八角形の波紋の流れる半透明の壁に阻まれ、小さなポン、という爆発を残し霧散する。
咄嗟に覗き込んだ彼女の瞳は、抑えきれない怒りの感情を溢しながら妖しげに光っていた。
※※※
時は数分ほど前へ遡る。何やら嫌な予感を感じ取った雪華は城内を全力疾走していた。外へと通づる扉をほぼほぼ体当たりと言った勢いで開け放ち、一路訓練場へと向かう。しかしたどり着いたそこは訓練の開始を待つ生徒こそ多数いたが、感じ取ったソレの発生源となりそうな物はどこにもなかった。
訓練場の中心に立ち、ぐるりと一周、辺りを見渡してみる。周囲の生徒達は珍しく訓練場に来ている雪華にどうしたのだろうか、といった視線を向けていたが、彼女の放つただ事ではなさそうな雰囲気に誰も声をかけないでいた。
そして雪華は訓練場のある一方向、人気のなさそうで城の影になっている側を見遣ると、またそちらの方へと全力疾走し始めた。その方向が先程ハジメが檜山達に連れ去られた方向と同じことに気づいた生徒も何人かいたが、例によって例の如く面倒ごとに関わりたくはないと大半の生徒はそれを無視した。
進むに連れ、大きくなっていく檜山達四人組と思われる気色の悪い嗤い声とヒトが殴られているかのような鈍い音。音のする方へと曲がると目に飛び込んできたのは、彼女の親友が無様に殴られている様子だった。
ふつふつと身体の底から怒りが湧いてくる。ボクの親友に、何をしているんだ?そんな思いに身を任せ、雪華はハジメと檜山達との間に躍り出た。
「やめろ!」
突然現れた自分にあたふたしている彼らを睨めつけながら雪華は叫んだ。「あ、いや……」と咄嗟に弁解をしようとする檜山と近藤。発動中の魔法を見て慌てて何とかしようとバタバタする中野と斎藤。
「雪華、危ない!」
背後からハジメの声がかかる。そう、中野と斎藤は結局詠唱を止められず、その魔法をこちらへと放ってきたのだ。
このままでは自分も傷ついてしまう。そんな危機的状況だったが、雪華は至って冷静であった。そして彼女は、まるで今まで何度もやってきた行為を繰り返すくらい自然に、明瞭に、そしてかつてなく底冷えした声でこう一言、頭に浮かんだフレーズをそのまま、言った。
「A.T.フィールド、全開」
かくして目の前まで迫っていた脅威は消え去り、辺りには沈黙が訪れた。
そんな中。雪華の頭の中に、中性的な誰かの声が響き渡る。
”対象のA.T.フィールドの使用及びアダム因子適格者としての覚醒を確認”
”第三使徒サキエル、第四の使徒の能力がアンロックされました”
「………へ?」
自分に起こったことではあったが、突然の事態に雪華は変な声を漏らしてしまう。ボクがA.T.フィールドを使った?使徒の能力がアンロック?疑問に思うことはいくつもあったが、雪華は何とか思考の海を脱して今はハジメの介抱が急務である事を思い出した。
「っと、ハジメ!大丈夫?」
「セツ……うん、大丈夫だよ。ね、ねぇ今のってさ」
「うん、多分アレだけどそれは後!あぁ、こんなに怪我しちゃって……」
改めて向き直って確認すると、ハジメは酷い有様だった。あちこちに生傷ができ、服も少し破れかけている。応急的にハンカチで止血したりしていると、そこに「ハジメくん!」と言いながら香織が駆け寄ってきた。
「香織ちゃん!ちょっと、ハジメの傷診てあげて!」
「分かった」
雪華はそう言うと、小悪党四人組の方へと向き直った。丁度そのタイミングで雫、光輝、龍太郎も駆け寄ってくる。
「いや、誤解しないで欲しいんだけど、俺達、南雲の特訓に付き合っていただけで……」
白々しくも自分を正当化し難を逃れようとする檜山達に雪華は顔をしかめる。そこに雫も追撃するかのようにこう指摘した。
「特訓ね。それにしては随分と一方的みたいだけど?」
「いや、それは……」
ごにょごにょと何かを言おうとするが二の句が継げない檜山に、さらに光輝、龍太郎の口撃も加わる。
「言い訳はいい。いくら南雲が戦闘に向かないからって、同じクラスの仲間だ。二度とこういうことはするべきじゃない」
「くっだらねぇことする暇があるなら、自分を鍛えろっての」
怒りの視線に加えて三人ものクラスメイトから正論をぶつけられてしまっては彼らも立つ瀬がないようで、そそくさとその場を離れていった。
そしてハジメは香織の治癒魔法によって少しずつ回復していた。
「ありがとうセツ、白崎さん。助かったよ」
「ごめん、ボクの到着が遅かったばっかりに……」
「いつもあんなことされてたの?それなら、私が……」
怒りの形相で今なお檜山達が去った方向を睨む雪華と香織をハジメは慌てて止める。
「いやいや!セツが駆けつけてくれたおかげで十分助かったしそんないつもやられてるってわけじゃないから!白崎さんも大丈夫!」
それでも二人は納得していなかったが、ハジメが穏やかそうな顔で一言「大丈夫」ともう一度言うと渋々、と言った風に引き下がった。
「南雲くん、何かあれば遠慮なく言ってちょうだい。そのほうが香織も納得するわ」
今にも再び怒気を放ちながら駆け出しそうな猛獣二人を宥めながら雫が言う。
「ありがとう。でも本当に大丈夫だよ」
ハジメは雫にもそう礼を言った。
ハジメは治療を終えよろよろとしながらも立ち上がる。その様子を見て一同はホッと胸を撫で下ろした。
しかし折角訪れたこの一件落着、訓練場に戻ろうかと言う雰囲気に水を差す輩がいた。もちろん我らが勇者、天之河である。
「だが、南雲自身ももっと努力すべきだ。弱さを言い訳にしていては強くなれないだろう?聞けば、訓練のないときは図書館で読書に耽っているそうじゃないか。俺なら少しでも強くなるために空いている時間も鍛錬に充てるよ。南雲も、もう少し真面目になった方がいい。檜山達も、南雲の不真面目さをどうにかしようとしたのかもしれないだろ?」
唐突に飛び出してきた勇者的超理論にハジメと雪華以下女性陣は唖然とする。
「雪華、君もだ」
「えっ?」
「能力を隠していただろう。あんなことができるのに訓練に参加しないだなんて今の状況をまるで分かっていない」
「いや、あれはさっき覚醒したところで……」
「言い訳は見苦しいぞ。とにかく、できる事をやらないで義務から逃れようとするのは良くない。次からはちゃんと訓練に参加してくれ」
流石に雪華もこれには驚きすぎて言葉も出ないようでポカンとした顔で華麗にその場を辞そうとする勇者(?)を見送ることしかできなかった。
「雪華、私にはアレは南雲くんの前に立ち塞がった時に目覚めたように見えたんだけど……」
「う、うん。そうなんだけど……」
雫の質問にそう返すと、彼女は額に手を当ててため息をつきながらこう続けた。
「ごめんなさいね、二人とも。ああ見えて光輝も悪気があるわけじゃないのよ」
天之河があんな様子なのは前からだったが、ここまで酷い勘違いも中々なかった。折角能力が覚醒しただろうに、場の雰囲気でその話は流れてしまい、はたまた意図的に能力を隠していた、とまで言われてしまった雪華。明らかにリンチの現場であったにも関わらず、若干責任を自分に転嫁され、今後もまたイジメは続きそうなハジメ。
前途多難だね、と二人は顔を見合わせて苦笑を浮かべた。
※※※
この日は雪華もメルド団長に能力が覚醒したことを伝え、戦闘訓練に参加していた。先の覚醒の際に雪華のステータスプレートは更新されていたようで、現在はこのような内容になっている。
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柚希雪華 16歳 女 適合率:8.62%
天職:使徒
状態:サキエル
強度:6.42%
因子:覚醒
技能:学習能力・変幻自在[+]・言語理解
==========================
明らかに他の人とはステータスの表示のされ方が違う。状態はそのまま今能力を使用している使徒の名前が表示されるようで、強度というのはおそらくA.T.フィールドの強度。だが因子と言うのはよく分からかった。技能欄の『変幻自在』の横の+を押すと『サキエル』との表示が出てきたのでここはアンロック済の使徒が一覧になるのだろう。
という訳で、雪華は今日の訓練の間ずっとA.T.フィールドでクラスメイトの攻撃を受けてみたり、過去にアニメ、映画で観たサキエルよろしく紫の槍みたいなのを腕からうにょんうにょん伸ばしてみたりしていた。
A.T.フィールドの強度は、光輝の全力の一撃をも耐える程で、そして槍の一撃は支給品の鉄の盾を容易く貫いた。ただフィールドも雫に試しに一点に集中してダメージを与えるつもりで攻撃してもらったら少しばかりヒビが入ったので万能、というわけではないし、槍もある程度の距離まで近づかないと当てられないので、火力も攻撃範囲も上回る敵に会ったら討伐は難しそうである。
ただ、物は試し、と不可視の光線を掌から撃ってみたら、死ぬほど疲れる代わりに弓術練習用の的は紫十字架の汚ねぇ花火になった。
そして今はもう訓練も終わり、これから自由時間になろう、という時。普段ならそのまま解散なのだが、今日はメルドに全員が一度引き止められた。何事か、と彼の周りに集まる生徒達にメルドは大声でこう告げた。
「明日から、実戦訓練の一環として【オルクス大迷宮】へ遠征に行く。必要な物はこちらで用意してあるが、今までの王都外の魔物との実戦訓練とは一線を画すと思ってくれ!まぁ、要するに気合入れてくれってことだ!今日はゆっくり休めよ!では、解散!」
彼はそう告げるとスタスタとどこかへ去ってしまった。
オルクス大迷宮とは、7大迷宮の一つに数えられる全百層からなる大迷宮だ。当然、攻略難度は高い。ハジメは、まさに前途多難だなぁ、と天を仰いだ。さて、錬成師の自分にどんな戦いができるか考えておこう、と城へ戻ろうとすると、雪華が何やら思案顔で動かない。自由時間だしまた図書館に誘おうとハジメは声をかけた。
「セツ、どうしたの?何か悩み?」
「ん……?あぁ、何でもないよ」
「そう?ならいいんだけど。そうだ、今日も図書館に行って迷宮の魔物の下調べをしない?」
「OK。汗かいちゃったからちょっとお湯をもらってから行くよ。先に行ってて?」
「分かったよ、じゃあまた後でね」
そう返した雪華は、相変わらず何か難しいことを考えていそうな顔で浴場の方へと向かって行った。
この時彼女は、遅かれ早かれこのままでいると聖教教会の信者に適当な役職に祭り上げられるに違いない。そんなことを考えていた。この世界の胡散臭い神の好き勝手にされるくらいなら、いっそ……。この国を出て行ってしまおうか?
明日からは王都の外に出る。実行するには絶好の機会だ。
『ボクは、この国の駒にはならない』
彼女の決意は、固い。
「とりあえず、ハジメにはこの事伝えておこうかな……」
世界は分岐点を迎えた。少女の決意と少年の運命は、この歪な世界のカタチを変えてゆく。これは反逆者の力を得し錬成師と、神の
やっと話が動かせる所まで漕ぎ着けました!
次回以降、オリジナル展開の要素が色濃くなっていきます
原作の作中時間までの部分を読了していることを前提に次回以降は執筆しますのでご了承くださいませ
ああ、全てはこれからだ
感想、評価等励みになります
お時間のある方は是非に……
2020/05/15追記
アンケートの結果を鑑みまして、反映は不明としていましたがその一部を反映することとしました
その影響でタグ「ハジメハーレム変更なし」を削除し、それと同時に「原作死亡キャラ救済」を追加します
尚、必須タグ「ガールズラブ」に関しましては消去しておりません
作者である私の書きたいことを優先させました結果ですのでご了承くださいませ
反映するか不明です。ぶっちゃけ雪華がハジメくんにくっつく展開はアリだと思いますか?
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アリ!
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ねぇよ!
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原作キャラ(男)とくっつけて
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原作キャラ(女)とくっつけて
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別なオリキャラとくっつけて