位階序列十四位のヒーローアカデミア   作:生活常備薬第3類

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第二話:割と時が過ぎるのが早かった中学2年

 「これにて、始業式を終わります」

 

 やっとパイプ椅子から解放される。何事も最初の一回は緊張するものだがそれ以降になると耐性がついたのか慣れてくるものだが、特に始業式と終業式、校長先生のお言葉は何度もやりたくない学校行事の上位に食い込むと思うのは俺だけではないはず。春の暖かい陽気にこの前まで春休みという割と長期の休み明けというのもあり、何人かが慌てて起きたり起こされたり。クラス毎に順次退出するため早く教室に戻って帰りたいと思いつつ、中学二年になるまであっという間だったなぁと思い返す。

 

 小学生の頃は勉強を特に歴史や社会に関してはある一定の年代を過ぎると前世と違うところがあったので集中して、他の国語や算数に関しては流石に転生者として小学生には負けるはずもなく、ただ理科と音楽に関しては個性の影響で聴覚と臭覚が敏感になっている為にあまり上手く出来なかったが・・・仕方ないと割り切るしかないだろう。

 意外だったのが低学年からもう既に英語の授業をしていること、そしてやりたい人にはパソコンもある程度触らせてくれるという時代と共に教育も進んでいる事を実感できる・・・というよりさせられている。転生者じゃなかったらこれ全部詰め込められないんじゃない?でも出来てる子はいるしそこから休み時間に外で遊んだりするんですよ?この世界の子供ヤバない?・・・え?俺はちゃんと出来てるのかって?そりゃ転生者ですし、体は子供。つまり勉強をすればするほど面白いくらいに覚えられる。そしてこの時に一緒にストレッチやら無理のない程度に体を鍛えるんですよ、確かラグビーの監督が選手に体鍛えさせながら謎解きさせると良いと言っていたのを前世のニュースで見て今世で実践しているという訳だが・・・うーん!いいね!元が成長性のある体だからかこちらもどんどん足が速くなり力もついてきた。・・・ちょっと小学生の学習範囲から出て中学生の範囲をやってたりしたけど・・・ご愛敬という事で、親がやる気になってしまわれた・・・。

 

 おかげで低学年と高学年の中間くらいになると運動会の競技性のある種目は出禁になってしまった。しかしこれはのけ者にされているとかではなく、個性の無断使用は禁止というルールがあるからである。そして俺の個性は獣人、使う使わない以前に体が獣人としての能力を持ってしまっている。これは“異形型”という常時個性が発動していると言う型で他にも本人の意思で使える“発動型”と“変形型”、複数の型を持つ“複合型”と言うものもある。簡単に言えば異形型は個性使ってるのに発動型と変形型は使っちゃいけないという事に。そうなると不満しかない上に例え許可しても子供の個性使用は暴走や個性によっては他の子供に被害が出る場合があるために異形型の中でも特に有利になる競技は出場が出来ない決まりになってしまった。そして俺は全身を強化出来て走ってもよし、投げてもよし、持久力もあるという他の生徒泣かせである。仕方ないよね、ぶっちゃけ慢心ではなく本当に全部一位とれちゃうんだもん。・・・実際は俺の個性は異形型と発動型の複合型なのだが・・・運動会に出場できないことは確定なので細かいことは気にしない事にした。

 

 と、小学校時代を懐かしく振り返っていると漸く自分たちの番らしく、周りに遅れないようにかつ尻尾をひっかけないように気を付けて歩く。前に一度後ろの人に尻尾を踏まれるという致命的失敗をしまったが、何度もやられて良い痛みではないので絶対に踏まれないようにする。

 そうこうしているうちに教室に着き先生のありがたいお言葉を二つ三つもらい午前の内に終了。自己紹介とかは各自適当にやっといてくれというスタンスらしく先生もとっとと教室を出て行ってしまう。周りの生徒が各々に自己紹介や帰宅をしていく中、さっさと帰ろうかどうしようかと考えて気を抜いてしまったのが不味かったのだろう。

 

 「わっ!!」

 「ッ!?」

 

 考え事をしている最中に大きな音と共に今だ癒えないトラウマが気づけば()()()()()に居たために全身の毛が逆立つ。叫んだり後ろに倒れたりしなかったのは日頃の訓練の賜物か、それとも目の前の幼少期にトラウマを作り、何度も脅かしてくる後ろに立っている()()()()()()()()()()()()()()()()()腐れ縁の影響か。

 

 「いきなり、何しやが、る」

 「いやぁ~折角の新学期なのに我が友人の獣狼クンは自己紹介もせずに考え事・・・これはもう脅かすしかないっしょ?」

 「友人、じゃねぇよ。あと、脅か、すな」

 「またまたぁ~俺がいなきゃコミュ力ざこざこの獣狼クンは同じクラスメイトですら話しかけるの無理な癖にぃ~」

 「やめろ。頭を、ポンポン、するな!」

 「おぉ!ゴメンゴメン!ちょうどいい高さに頭があったからさぁ」

 「いいかげ、ん怒る、ぞ!!」

 「おぉ怖い怖い!・・・でもそういいつつ、獣狼クンは怒らないもんねぇ~?」

 「・・・チッ!!」

 

 ・・・周りからかなり注目されている。そもそも身長の時点でかなり目立っていたのに。・・・後ろに立った人がいきなり自分の首を外し、後ろに束ねた髪の毛を掴んだと思えば前の人の頭上から落ちてきたかのように驚かすという、人によっては割と洒落にならない事をしているのだから。・・・俺?俺はもう慣れたよ・・・。

 

 こいつは首無(くびなし) 妖目(あやめ)。青と白の鬼火の様な綺麗な二色の長めの髪と、少し吊り上がった赤色のつり目と中学2年にしては高めの160後半の身長。・・・あまり褒めたくは無いが、イケメンとはこういう奴の事を言うのだろう。

 幼稚園の時に自ら首を取るというぶっ飛んだ自己紹介をし見事前世の価値観が残っていた俺にトラウマを植え付けた男である。個性は首無し。一応首はあるため頭を固定することも出来るが自由に取り外せる他に体も遠隔で動かせる上にちゃんと体の方も視界があると言う個性。本人が人を驚かせるのが好きらしく主に人を驚かせる事に多用されている。

 特に良い反応をしていた(本人談)俺に対して頭を転がしてきたり、頭を取って体だけで会いに来たりと散々恐怖体験を叩き込んできたりとするものの、やりすぎたと反省しているのか今では口が上手く回らない俺のサポートをしてくれたりしている。・・・それでも俺の警戒が薄れたと気づくと今みたいに驚かしてくるが・・・。

 

 「俺は、別に、コミュニ、ケーション、が取れない、訳じゃ、ない」

 「いや、獣狼クン中1の時も同じこと言ったよね?そんで結局事務連絡しか話してないじゃないの」

 「・・・」

 「はーい目をそらさなーい!」

 「耳をっ!引っ張る、な!!」

 

 訂正、コイツ反省してない。人をおもちゃにしてやがる。・・・しかしコイツの言う事も事実であるため強く反論出来ない。それに今の会話を聞いた人たちの内何人かが此方に近づいてくるのがわかる。だが油断してはいけない。

 

 「妖目くん、その子が妖目くんの言ってた子?」

 

 腐れ縁の名前を呼ぶ声が聞こえる。そこには一人の女子が立っており、身長は妖目の肩くらいだろうか?その穏やかだが眠そうな印象を与える黒色のたれ目から放たれる視線は興味津々と言ったところだろう。はっきり言ってクラス1の、とは言えないものの顔立ちは整っている。・・・後ろでゆったり編み込んだ黒髪を左肩から前に持ってきており、先ほどからその先端を指で弄っている。髪を弄る事は何か意味があった様な・・・と考えていると。

 

 「うんそうだよ快心ちゃん!飛び級で周りに馴染めて無いんだよねぇ~」

 「誰!が!飛び級!だ!!」

 「え?違うの?妖目くんは飛び級って言ってたけど・・・」

 「同い、年!13、歳だ!」

 「え!?ご、ごめんね?」

 

 コイツゥ・・・!あんま喋らないのを良いことに好き勝手言いふらしたなァ・・・!そして目の前の女子!いくら目線が低いからって膝に手をついて目線を合わせようとするな!それは子供にやれ!!

 ・・・もう気づいているかもしれないが、今世の俺は割と身長が低い。いやそれでも130後半だからまだ希望はある・・・あきらめないぞ・・・。

 

 「まだ、希望、は・・・」

 「いやぁ~もう無理だと思うよ?いくら希望を持っても現実を見よーよ?」

 「~~~ッ!!帰る!!」

 「え!もう帰っちゃうの?あっ!私、微睡(まどろみ) 快心(かいしん)!獣狼くんって呼んでもいいかな!」

 「好きに、すると、いい!!」

 

─────

 

 「あー・・・行っちゃった・・・妖目くん、少し意地悪しすぎじゃない?」

 「あー、いいのいいの。あのくらいが丁度いいのさ。最後も快心ちゃんの自己紹介聞いてたみたいだしね?」

 「え?聞いてたの?てっきり怒って聞いてないかと思った・・・」

 「獣狼クンはああ見えて中々怒ったりしないからねぇ、ただあんまりいじられるのが好きじゃないから怒った風で逃げてるだけだよ」

 「そうだったんだ・・・でもあんな風にしてたら・・・その・・・余計に子供にみられるんじゃ・・・」

 「そうなのよねぇ・・・獣狼クン、頭いいのに変なところで抜けてるから困ったちゃんだよ」

 「でもいいなぁ妖目くん、あの耳とか触り心地いいんだろうなぁ・・・。尻尾とか絶対手放せなくなるよ・・・」

 「ごめんねぇ、でも獣狼クンにお近づきになるお手伝いをしたんだし、許して?・・・獣狼クンって押しに弱いし、頼み込めばきっと触らせてくれるよ」

 「そうなの?ありがとう!明日会うのが楽しみだなぁ・・・!でも、なんでこんなに手伝ってくれるの?」

 「そりゃぁ、可愛い弟分がクラスに馴染めずくらぁーい一年間過ごさせるのって嫌だしぃ?それに、一年の頃から獣狼クンを狙ってたんでしょ?それなら知ってるっしょ?獣狼クン、あんま人付き合い得意じゃないんだよね。なら、馴染みやすい人を宛がうさ・・・最も、恋愛感情というより耳と尻尾に触りたいって知った時は流石に笑っちゃったけどねぇ」

 「だって仕方ないでしょう?あんな可愛い耳に人の視線を引き付ける尻尾が悪いのよ・・・。それにちっちゃくって弟か妹みたいで可愛いし・・・」

 「・・・その話、獣狼クンにしたら確実に落ち込んじゃうからやめてあげなよ?」

 

─────

 

 帰り道を少し大幅に歩いて帰る。学校からある程度離れたし歩幅は戻すか。と頭の隅で考えつつも新しく自己紹介された事に少し嬉しさを感じつつ、あの野郎許さねぇと明日ジュースでも奢らせる事を決意する。・・・でもアイツのお陰でもあるのには変わりないので流石にリットルではなく500の方にしてやる。と何だかんだ妖目の居ることが既に確定している様な考えに苦笑しつぶやく。

 

 「今日も、楽しい、一日」

 

 なお、先に帰った俺の事を妖目が色々言いふらしたらしい。次の日快心さんに可愛がられやっぱり妖目は許さない事にした。




 キャラ設定は多分どんどん生えます。TRPGでよく学んだ。

 感想とか見るの怖い、評価見るの怖い。具体的には心に毎秒9%のスリップダメージ食らう位怖い。でも頑張る。

 次も出来る限り4日以内で・・・
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