えー、ヒーローネームとか職場体験にしようと思っていたのに思いのほか話が広がってしまいました。なので時間的には未だ朝です、ごめんなさい。
体育祭の後、体には違和感が表れていた。何かこう、肩がこる様な血の流れが悪い様なムズムズする、特に尻尾と耳の辺りが違和感が凄い。お母さんやお父さんに相談しても心当たりがないという事は俺自身の問題、そこで精霊たちに話を聞いてみると体内で力の流れがよくないとのこと。
その話を聞いて思い出した、獣人種の血壊は成長しきっていない子供や女性が使うと体内で精霊の流れが悪くなる。恐らくは俺もその症状だろうと確信しお父さんとお母さんにマッサージをお願いしたが、お父さんは論外、お母さんはまだお父さんよりマシレベルだったが家事があるので長く出来ない。違和感を抱えたまま二日間の休みが終わってしまい。
〈獣狼、大丈夫ー?〉〈我らは、大丈夫ー〉〈体が、カチコチー〉
「・・・行って、きます」
「獣狼ちゃん大丈夫?体調悪いなら休んでも平気なのよ?」
「ううん、平気、だいじょぶ」
「そう・・・?なら良いのだけれど・・・」
〈我らに、お任せー〉〈と言いつつ、我らもー〉〈動きが、悪いー〉
「・・・みんな、そろそろ、行くから、戻って」
〈〈〈はーいー〉〉〉
雨の日は尻尾が水分を吸って重くなるから嫌なんだよなぁと、カバンにタオルとそれを入れる袋を少し多めに詰めて傘をさしながら出かける。今日はこの調子だし二人には一人で行くと伝えてある、教室でゆっくりしたいと思いつつも傘に当たる雨音を聞いて歩く。・・・この選択を、後悔する少し前であった・・・。
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やっと・・・やっと着いた・・・、這う這うの体で1-Aと書かれた扉を開ける。その扉の音に気付いた人たちがこちらに目を向け、俺の姿を確認してギョッとする。
「か、回精ーーー!!?」
「ん?かっ回精大丈夫かお前!?なんでそんな
「回精ちゃん、何があったのかしら?」
「・・・話せば、長い・・・。いや、短い・・・」
そう、割と短い話だ。駅でこの姿は知られていなければ目立たず、逆に知られていればよく目立つ。大人も子供も群がって来る、大人は無意識なんだろう、子供は悪意なく興味本位で、濡れた傘が当たり合羽を着た子供には尻尾に抱き着かれ更に耳を勝手に触る。
騒ぎを聞きつけた駅員さんに助けてもらうまで身動きが取れず、子供の親は子供を叱った後に謝られる。駅員には降りる駅でも同じことが無いようにと親切心で護衛された───この時聞いたが雄英体育祭の後はこういった事も仕事に入っているらしい、こっそりサインをお願いされた───が完全に見世物になっている。血壊の違和感と相まって精神的に疲れしてしまい今に至る。
「と、いう事、がね・・・」
「うわぁ・・・それ聞くと目立つってのも考えものね・・・」
「というかお前も子供の被害者か・・・」
「お前、も?」
「・・・小学生にドンマイコールされた・・・」
「・・・瀬呂、くんは、相性、悪すぎ、ただけ、だよ・・・?」
「回精・・・お前だけだよドンマイと言わなかったの・・・」
ごめん、言いかけた。心の中にそっとしまい込み、タオルで濡れている部分を拭うが体の動きがぎこちない。
「回精ちゃん、動きが悪いけど何処か具合でも悪いのかしら?」
「ううん、ただ、強化の、デメリット、がね・・・」
「けろ・・・、回精ちゃん。私思った事は何でも言っちゃうのだけれど、やっぱりみんなにデメリットを伝えた方が良いと思うわ」
「うっ・・・、でも・・・」
「確かに恥ずかしい事だと思うわ、でも何かあった時に周りが知っていればフォローできると思うの」
梅雨ちゃんの言う事は頭の中では正しいと思う、しかし恥ずかしさがまだ勝っており中々実行できない。その事を気にかけてくれたのか梅雨ちゃんは。
「なら、私も一緒に事情を説明するわ。それなら恥ずかしさは減らないかしら?」
「うぅ・・・わか、った。ありがと、梅雨、ちゃん」
「けろけろ、良いのよ。私たち仲間じゃない。それに回精ちゃんが思うような事は無いと思うわ」
そして梅雨ちゃんの案でまずは俺の血壊について話すことになった。いきなりデメリットについて言うよりは話しやすいという作戦だ。そこからみんなからこの強化の名前、どんな効果、使用時間と聞かれて行き最後にデメリットについて話す事になった。
「けろ、実は回精ちゃんの血壊にはデメリットがあるのよ」
「やっぱそんな身体強化してたらデメリットもあるか・・・、どんなんだ?」
「その・・・、幼児、退行・・・」
「え?わりぃ聞こえなかったわ」
「けろ、私が言うわ。回精ちゃんはしばらくの間幼児退行しちゃうのよ」
大きな声で言えないと気遣ってくれた梅雨ちゃんにデメリットを言われる、流石に恥ずかしく下を向いてしまっている。
「あー・・・上鳴と同じタイプってぇことかぁ・・・そりゃ災難だったな・・・」
「えー?でも上鳴は可愛くないアホになるけど、ウチはこっちの方が可愛くていいと思うなぁー?」
「ちょ!?可愛くないって酷くね!?というか砂藤も災難は言い過ぎだろ!?そりゃ可愛くねぇしアホも間違ってねぇけどそこまで言わなくてもよくね!?」
「梅雨ちゃんが説明してるって事は見た事あるって事だよね、アタシもちょっと見てみたかったかも」
「だねー!私もちょっと回精くんが可愛いところ見てみたい!!」
「けろ、流石に本人が恥ずかしがってるからやめてあげてね?葉隠ちゃん、芦戸ちゃん」
「「はーい」」
みんなが意外にあっさりしている事に驚いて顔を上げる。みんながこちらを見て笑っているがそれは悪い感情ではなく暖かいものだと一目でわかる、その事に更に驚いていると。
「俺も正直笑いごとじゃねぇからよ、個性でドンドン知性が下がってくからなぁ・・・」
「まー確かにそのデメリットには驚いたよ?でもさ、さっき砂藤が言った通り上鳴っつー更に恥の上塗りしてる奴もいるんだし回精は可愛いもんでしょ」
「恥の上塗りとかやめてくださる!?でもまぁ個人的には才能マンにも同じ欠点があって親近感わいて嬉しかったり?」
「そうねー、確かに親近感っていうのも変だけど、デメリットとかをちゃんと言ってくれるって辺り信用されてるんだなーって思えて嬉しい感じはあるかも」
「けろ、回精ちゃん、言ったとおりだったでしょ?」
「うん・・・みんな・・・ありがと」
みんなの優しさに思わず笑みがこぼれた。するとみんなキョトンとしてこちらを見る、なんだろう?と思っていると。
「わ・・・わ・・・」
「わ?」
「「「笑ったぁ~~~!!!」」」
「ウチ回精がそうやって笑ったところ初めて見たかも・・・」
「あ、俺も。というか騎馬戦の時の獲物を定めた様な笑顔しか見てなかったからギャップが凄いわ・・・」
「寧ろそっちが気になるんだが・・・」
「けろ、回精ちゃんいい笑顔ね。・・・耳を塞いじゃってるわ」
「耳が・・・きーんって・・・」
後で聞いた話じゃ俺の笑顔が見たことなかったので反応してしまったそうだ、しかしちょくちょく笑っていたと話すと満面の笑みは見たことないと言われてしまった。確かにそういったのは見せたことないかも・・・。でも、これからは笑えるかな。
「あ、幼児退行で忘れちゃってたわ。回精ちゃん体動かしづらいんでしょ?大丈夫なの?」
「うん、血壊、使い、過ぎた、みたい。体が、こって・・・」
「解決方法とかわかっているのかしら?」
「耳と、尻尾、特に、こってる、から、マッサージ、が効くね」
「けろ・・・マッサージなんて経験が無いから手助け出来ないわね・・・」
「一応、撫でる、だけでも、効果は、あるよ?」
「回精くん尻尾触らせてくれるの!」
「あ!アタシ耳やりたーい!」
「けろ、本人の許可をちゃんととってね」
「・・・うん、お願い、しても、いい?」
「「やったー!!」」
そこから葉隠さんと芦戸さんにタオルで乾かすついでに撫でられたりしたが、葉隠さんはそこまで上手くなく途中で参加した梅雨ちゃんはそこそこ、意外にも芦戸さんが上手かったが途中で気になって参加してきた彼には及ばなかった。
「うー・・・口田、くんが、一番、かもー・・・」
「回精、お前机の上で溶けてんぞ・・・」
「うー!くーやーしーいー!」
「そっかぁー、口田って個性柄動物たちとよく触れ合うもんねー」
「おい回精、お前動物と同レベルになってんぞ」
「あー・・・別にー、構わないー・・・」
「・・・ダメだ、気持ちよくて考える力が無くなってる・・・」
ホームルームが始まる時間になったので名残惜しくも口田くんに感謝すると両手と頭を横に振って気にしてないのジェスチャー・・・かな?をしてくれた。それでもありがとうと伝えると後頭部に手を回して照れている様子だった。
今回デメリット暴露は梅雨ちゃんの言う事もそうですが、何より獣狼がA組にちょっと一歩引いたところに居るな、と思いA組全体に近づけようと思い入れました。
作者的メタ発言は獣狼が甘えられる環境作りたかった。
えー、今回ハッちゃけた一話でしたが「ここ不味くない?」「ここ問題でしょ」とかそういうのがあれば言ってください。出来る限り直しますので。
今回の様に幕間は入れた方が良いですか?
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入れる
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入れない
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頻度が多くなければ
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寧ろ多くして