冒頭からちょっと特殊な語りを行っています、いちいち区切ったら読みづらいと思いこの方法を取りました。
2年前の夏にあったショッピングモールでの事件って知ってる?うん、緑谷くんの言っているテロ事件。・・・薄々気づいてはいたけど、緑谷くんはこの手の話に詳しいね、悪い意味じゃないよ?緑谷くんの言う通りあの事件でプロヒーローの民間協力者ってのがあの事件で人質にされた当時中学2年生だった俺だよ。
事件を簡単に言うと武装したテロリストがショッピングモールを襲撃し占拠し人質も取った、けれどプロヒーローがテロリストたちを無力化した、でもその後凄い力を発揮する個性を持った黒タイツの男が表れてプロヒーローが死にかけた。その時に勝手に飛び出してプロヒーローとその場に侵入したと思われるヒーロー殺しの協力で黒タイツを無力化、事態を解決出来た。
これが飯田くんに関係ないって言われた時に言い返した関係だよ、助けてもらったお礼も言いたかったけど、あの場じゃお礼よりも誰かが死ぬのを阻止しなきゃいけなくなっちゃったけどね。
これで終わり。だったら誰も死なずヴィランもテロリストも捕まってハッピーエンドなんだけど、そうはならなかった。うん、飯田くんの言う通り名前や存在を明かせない協力者・・・つまり未成年に助けを求めるヒーローとは何事だ、ってその場に居たたった一人のプロヒーローが非難されたんだ。
何故かって言えば俺を助ける為だったんだ、未成年とはいえ個性不正使用で誰かを傷つけた。でも自分の命の恩人に前科をつける訳にはいかないという事でプロヒーローがその場を目撃した者がほぼ居ないという事であの場で俺に協力してもらった、と言う事にした。このほぼ居ないってのが厄介で俺が飛び出すところを見てた人質の人が居たんだ、だからテレビで未成年の子供って出たんだと思う。
俺の為に泥を被ったヒーロー・・・ワイヤードさんはしばらくって言ってたけど、時間にして大体夏から次の春だから半年ほど活動自粛をすることになった。緑谷くんなら知ってると思うけど、活動再開する時には自粛する前に組んでいた三人とチームを結成して活動することになったんだ。
運よくワイヤードさんと一緒に活動してくれる人が居たから今も活動出来ているけど、もしもそういう人が居なかったらどうなるか、問題行動を起こして活動を自粛したヒーローなんて人気が出ないからね。犬嗣さんが学んだって言ったのはこの辺りをちゃんと報告して動いたからだと思う。
・・・そして轟くんの事を卵と言ったのも、人を助けるために誰かに迷惑をかけてしまっている事に目を向けなかったからだと思うよ。でも今回に関してはそこまで大事にならなかったって意味なら俺より全然いい状況だから、この話を聞いてみんなの糧にして欲しい。
「とまぁ、これが、俺の、ヒーロー、を、目指す、事に、なった、事件、だよ」
「・・・確かに許せねぇとは言え、誰かに迷惑かけちまうヒーローなんて卵って言われても仕方ねぇな・・・」
「うん、僕もあの時はグラントリノの迷惑になるなんて思ってもみなかった・・・」
「俺に限っては復讐のために誰かのヒーロー活動を永遠に止めてしまうところだったのか・・・回精くん、本当に付いてきてくれてありがとう」
「ううん、気に、しないで。でももし、自分が、許せ、ないなら、飯田、くんが、言った、インゲ、ニウム。人を、導き、規律を、守る、ヒーロー、目指して、ね?」
「・・・あぁ、わかった。俺は兄の意思を引き継ぎ立派なヒーローを目指す」
轟くんと緑谷くんが落ち込んでしまったが、飯田くんが前を向き始めたお陰で場の空気が少し明るくなった。更に空気を変える為に手を叩き注目を集める。
「じゃ、犬嗣、さんにも、言われた、し、質問、タイムに、しよ?」
「そういえば僕たちって回精くんの個性とか性格とかは知ってるけど、他は全然知らないよね」
「・・・俺はあんま接点無かったから仕方ないが、流石に全然って程じゃないだろ?」
「・・・いや、正直回精くんがかなり温厚な性格に個性が動物の力と精霊が存在し、中学の友人が二人経営科に居る事くらいしか俺は知らないぞ」
「うん、僕もそんな感じ。個性のデメリットがそこに加わるかな?」
「何!?回精くんの個性はデメリットありなのか?」
「・・・回精くん、言ってもいいかな?」
「・・・寧ろ、恥ずか、しいので、お願い・・・」
そういえばデメリットに関しては緑谷くんはその場に居たらしく、梅雨ちゃんに連れられてクラスに報告した際には轟くんも反応が無かったとはいえ居たね・・・。緑谷くんの説明に体の動きが悪くなる事も付け加えて教えると飯田くんは。
「なるほど・・・、厄介なデメリットだな・・・。よし、もしも起きてしまっても安心してくれ。俺が必ず安全な場所まで運ぼう」
「・・・うん、ありがと。ちなみに、質問、があれば、よっぽど、じゃなきゃ、答える、よ?」
「回精、ずっと気になってたんだが。どうしてそんな区切り区切りで話すんだ?」
「あ、それね、発声、器官が、人の、形、してない、から」
「え?割と深刻な問題とかじゃなかったの!?」
「うん、動物、の、器官に、近い、から、連続、して、発声、は、難しい。逆に、遠吠え、とかなら、だいじょぶ」
轟くんの質問が出たときに飯田くんと緑谷くんが急に固まってしまったが、俺が答えるとどうやら何か深刻な事態でこうなってしまったと思い込んでいたようだ。犬嗣さんの言う通り喋らなすぎっていうのも問題だな・・・。恐らくクラスメイトも似たような事を考えてしまっているだろう、どうやって誤解を解くか考えていると飯田くんに話しかけられた。
「では、俺もいいだろうか?」
「うん、いいよ」
「ヒーロー殺しと話しをした時にいつもと口調が違っていたが、そっちが素なのだろうか?」
あー・・・確かに元の口調になってはいたし、飯田くんはあの場で一番長く俺の会話を聞いていた人だからな、何時かバレる事だと諦めて白状する。
「うん・・・、あっちが、素。何時もの、口調、は、問題、を、起こさ、ない為、の、猫、かぶり?的な?」
「問題を起こさない?回精くんに問題があるとは思えないが・・・?」
「見た目が、ね?素で、話すと、同い、年には、不評、で・・・」
「・・・あぁ、ガキにため口で話されてるみたいって文句言われたのか・・・」
「特に、不良に、よく、絡ま、れるから、この、口調、にね?」
「でも雄英にはそういった人たちはいない・・・うん、いないはずだよ」
「ごめん、使い、過ぎて、中々、戻せ、ない。でも、徐々に、でも、素で、話せる、様に、するね?」
緑谷くんには表向きの嘘で対処する。だって本当は
「じゃ、じゃあちょっと前から気になってたけど、回精くんが使ってる鉄扇ってどうやって訓練してたの?かなり特殊なものだと思うけど・・・」
「そっちは、お父さん、の、職場、が、ヒーロー、の、アイテム、作りも、してて、そこでね」
「ヒーローのアイテム作りも?・・・あっ!もしかして・・・あった!この会社の事!?」
「う、うん、そこだよ?」
「うわぁ!凄い!!ここって個性の研究成果をコスチュームやサポートアイテムに反映させててプロ御用達の会社だし何より雄英高校の被服控除にもかかわって「ちょっと、待って」あ、ゴメンつい熱くなっちゃって・・・」
「ううん、それより、被服、控除、にも、関係、してるの?」
「うん、結構前から雄英高校のコスチューム制作依頼の他にも個性の事でアドバイザーみたいな事もしていたみたいだよ?」
「俺の、改造、巫女服、モドキは、あそこの、人たち、が、犯人、か・・・!」
「・・・あっ、殆ど無視されたって言ってたもんね・・・」
思わぬところで俺のコスチューム案をほぼ無視した犯人が判明し、納得がいくと同時にどうしてくれようかと考えていると。
「と言う事は回精くんのところはお父さんがその会社で中々の地位に居るという事か?」
「うん、個性の、研究、者。室長、も、やってる」
「室長って事は実質そこのトップじゃねぇか、だからそんな多機能な物になったのか」
「うーん・・・、実は、増強、系用、の、試作、品を、借りたの」
「試作?かなり使い勝手が良さそうなのにか?」
「重い、らしい。後、鉄扇、使う、なら、普通に、殴った、方が、良いって、人が、多い」
「なるほど・・・確かに色々間合いとか覚えなきゃいけないもんね・・・」
「重いって・・・どんだけ重量あるんだよ」
「・・・大体、子供、二人、分?」
確かにそりゃ重いな、と言う呑気な声とマジかコイツと言う二人の視線。鉄扇にはパーツを付け替える事で状況対応能力を上げた代わりに増強系が常に発動していなければ扱えないほどの重さになってしまっている、そういう意味で試作品なのだ。
その後も他愛ない好き嫌いの話や家族構成などと言った少し踏み込んだ話もして、逆に三人に質問したりと時間が過ぎて行った。こんなに他人を知ったのって妖目以来な気がすると、三人とは前よりかは仲良くなれたであろう事に嬉しさを感じた一日になった。
情報の交換会、と言うと変でしょうがお互いを詳しく知れた一話になりました。
獣狼は精神年齢が他の人に比べると前世の記憶の影響でかなり進んでいます。なので周りが年下に思えてしまうのです。
大体文字数は3000~5000の間を目指しています。このくらいが一番気楽に読めるというのと、これを過ぎると誤字とかが増えるからです。純粋に疲れますね・・・。