頭に靄がかかった様な感じで中々上手く書けませんでしたね・・・。
職場体験最終日の午前、既に飯田くんと轟くんは退院していた。飯田くんは昨晩の夜に身内の人が迎えに来てくれてそのまま家に帰る事に、轟くんは比較的軽傷だった為に学べる事はまだあると朝早くに職場体験へ戻る事にしたみたい。しかし病室から出る途中で爆弾を放り込んできた。
「そうそう回精、お前のお陰でアイツの面白れぇ顔が見れた、ありがとよ」
「え?どういう?」
「あっ、多分あれじゃない?体験先を僕に相談してきた時にエンデヴァーの事知らないってバレたときの」
「雄英生、しかも体育祭で入賞した奴に知られてねぇって知った時のアイツの顔は中々良かった」
「ちょ!?それ、目を、付け、られる!仕方、ないでしょ、最近、まで、無、関心、だった、から!」
「安心しろ、そうだろうと思ってちゃんとそこも言っといた。そしたら余計変な顔になったがな」
そう言いつつ立ち去っていく轟くん、しかし違うそうじゃないと言いたかったが多分伝わらないだろう。初めのころのそっけない感じからかなり親しみやすくなったのは良いが、何かこう、かなり天然さんでマイペースだからなのだろう。所々ズレている。
親しみやすくなったと言えば体育祭で緑谷くんとの試合の会話を聞いてしまった事を飯田くんに内緒で謝ると、「回精が話してるし俺も話す」と言った具合に家族関係が良くないという事をいきなりみんなが居るところで叩き込んだ時には驚いてしまったが。しかしこれも彼なりに俺達と歩み寄ろうとしていると思うと驚きはしたが、悪い気はしなかった。
「それ、ヒーロー、殺しの?」
「うん、ニュースとエンデヴァーの記者会見。回精くんはいつ退院になりそう?」
「今日の、午後には。緑谷、くんは?」
「右腕にヒビが入っちゃってて、念の為に今日一日は安静にして明日の朝だって」
「そっか、寂しく、なったら、連絡、してね?」
「そうは言っても、回精くんが居なくなってから半日もしない内に退院するんだから平気だって」
病室に戻ると緑谷くんがスマホでニュースを見ていたので横から覗きこむ、流石に緑谷くんとは一緒に退院とはならず少し冗談を言ってみると通じたのか笑いながら返してくれた。犬嗣さんのアドバイスのお陰で三人との仲は確実に良くなったし、クラスメイトとはここ最近で一気に仲良くなれた気がする。しかし緑谷くんの声で思考が中断された。
「あの・・・回精くん、耳が当たってくすぐったいんだけど・・・」
「あ、ごめんね?・・・触ってみる?」
「えっ!?・・・いいの?」
「くくくっ、気に、なってた、でしょ?緑谷、くん、個性の、事は、凄い、好きそう、だし」
「じゃあ、失礼して・・・」
どうやら少し近すぎたようで緑谷くんの顔に耳の先が少し当たっていたようだ。少しからかい交じりに聞いてみれば食いついてきたことについ笑い声が出てしまう。最初はおずおずと手を伸ばされ耳を親指で耳の縁をなぞるように、確認するように触られ次第に指全体、手のひらと触られ始める。意外な事に口田くん程でないにしろ多分緑谷くんは撫でるのが上手そうだ、芦戸さんと同じくらいか?そう思っていると。
「触り心地としては子供のころに触った耳が立っている動物たちと変わらない純粋に大きくなっているだけか?外側の毛は髪の毛よりも固めで内側に関しては髪の毛よりも柔らかいな熱もそこそこあるって事は体温調整も兼ねている?でもそれにしては耳の大きさが───」
「きゃぁきゃきゅぅ!耳、触られ、て、考察、されたの、初めて、だ」
「あっ!ごめん、ついつい・・・。でも触り心地は良かったよ?」
「ううん、構わ、ないよ。乱暴、に、しない、だけ、全然、良い」
「あはははは・・・、あ、笑い声は動物っぽいんだね」
「前も、言った、けど、発声、器官、の、関係、だね。キツネ、っぽく、なる」
「へぇー、あっ!ならさ・・・」
こうして緑谷くんによる俺の個性考察が始まってしまったが、有意義な時間だったので良しとする。彼はヒーローのこと以外にも個性の事にかなり見識が広い、しかし俺の個性は特殊なパターンらしく色々詳しく聞かれたが精霊の事に関しては常闇くんと約束があるからと断った。
代わりに獣人としての個性をかなり詳細に語る事になったが、悪意を感じ取るのもやっぱり動物の感情を読み取る力の派生だったり、聴覚や嗅覚は人間の比率が高いからそこまで性能がよくならなかった、力に関しては純粋にいいとこ取りと中々に興味深い事が聞くことができ、気付いたら午後になるところだったのでマニュアルさんのところへ行く準備をし。
「それじゃ、緑谷、くん。また、学校、で」
「うん、回精くんも学校でね」
お別れをしマニュアルさんの事務所へ寄る、流石に迷惑をかけっぱなしで何も言わずさよならは失礼だからだ。辺りが赤く染まり始めたころ、事務所に着くと受付の人にすぐさま通される。そこにはマニュアルさんがヘルメットを脱いだ状態で事務仕事をしていたがこちらに気づくと近づいてくる。
「あれ?回精くん何か忘れ物でもしたのかい?」
「お世話に、なった、ので、挨拶、に」
「あぁ!別にそこまで気にしなくてもいいんだよ?退院したばっかりだし安静にしてなきゃ。でもそういう所をしっかりするのは飯田くん共々良い事だね!」
「いえ、迷惑、を、かけて、しまった、ので・・・」
「そんな気にすることないって!・・・君のお陰で本来なら5割のところ4割の減給で済むそうだ、それに君に相談されたときに飯田くんを無理やり送り返す事も出来た、飯田くんにも言ったが自分で背負い込んだことだから気に病むことは無いよ」
「・・・はい、ありがとう、ございます」
「よろしい!教えられることは少なかったけど、君も立派なヒーローになるんだぞ!」
「はいっ!」
こうして、俺の職場体験が終わった。飯田くんの復讐心もなくなり誰も死なず、迷惑が掛かったとはいえ表ざたにはならなかった。ハッピーとは言えなくとも良い終わり方かな?帰りは雄英に寄らずにそのまま帰っていいらしい、流石にヒーローの職場体験が厳しいものだと学校側も判断しているようでそのまま帰宅出来た。コスチュームは次登校する時に持ってこいとの事。
帰宅後は両親に怪我の説明をするも「まぁヒーロー目指してるんだし」で済んでしまった事にそういえば我が家は割とスパルタだったと思い出した。しかしこれで終わる訳ではなくお父さんへの裁判が始まった、罪状は人のコスチュームを勝手に改造しまくった事。しかし本人から反論、どうやらお父さんは関わっていなかったらしく無実だと主張した。怪しかったものの、バリカンの前でもそういうのなら本当の事だろうと信じる事にした。
土曜日は大事を取って安静にし、日曜日には色々頑張ってくれた精霊たちの為に前回とは趣旨を変えて焼肉の食べ放題に来た。今度は快心さんも来ておらず正真正銘一人焼肉と言う奴だが、精霊たちが居る為に一人ではない。精霊たちもテンション高めで食べ物のリクエストや食べ放題でよくあるちょい足しもして時間いっぱいまで楽しんだ。周りからはマジかと言う目で見られるも個性故に仕方ないと諦めたし、外食をするときは大抵こういう目線を受ける。帰宅後はゆっくりと精霊たちと会話したり室内で出来る遊びをしたりして次の日を迎えた。
月曜日、早朝の日課を久々に行えた事に懐かしさと満足感を感じている中で少し気になったことを精霊たちに尋ねる。ヒーロー殺しとの戦いで無理やり血壊を行ったことの影響が未だ出ているらしいからだ。
(どう?使えるようになった?)
<あんまり調子よくないー><使えないことは無いー><時間はかなり短めになっちゃうー>
(・・・そっか、みんなにも無理させちゃったみたいだし、しょうがないよね)
<気にしなくていいよー><一番獣狼が大変んだったー><でもそんな獣狼が好きー>
(うん、みんなありがとう。俺もみんなは家族みたいで好きだよ)
その言葉と共に精霊たちが騒ぎ始めるが何時もの事なので聞き流す、流石に無理をし過ぎている気がするし血壊はしばらく封印だな・・・。帰宅し汗を流した後朝食を取っているとお母さんから話しかけられる。
「ところで獣狼ちゃん、お腹の怪我の事は聞いたけど個性の方は大丈夫かしら?」
「うーん・・・、ちょっと、怪しい、身体、強化、が、し辛い」
「そっかぁ、後でお父さんにも聞いてみるわね?何かわかるかもしれないし」
「うん、ありがと。後、ごちそう、さま」
少し遅れ気味だったので急いで準備をする。久々の妖目と快心さんとの登校だから遅れる訳にはいかないし、相澤先生相手に遅刻なんてしたくない。着替えてカバンを肩にかける、時間的には問題ないだろうが早めに行って問題にはならないだろうと言う事で家を出た。
駅に到着すると二人は案外すぐに見つかった、二人の匂いならもう記憶しているので簡単に場所が分かる。二人もこちらに気づいたので駆け寄る、近くまで行くとすぐさま快心さんが口を開いた。
「久しぶり、獣狼くんも事件に巻き込まれて大変だったね」
「うん、ひさし、ぶり。チャットで、送った、通り、だけど、良い、経験、だったよ」
「流石ヒーロー科期待のA組上位入賞者だねぇ~、凄い事件をいい経験で済ませるとは」
「後ろで、見てる、だけ、だからね」
「・・・だろうねぇ~。ま!エンデヴァーが捕まえたようだし、一件落着じゃない?」
「そう、だね。これで、ヴィランも、活動、しなく、なると、いいけど」
「そっか、A組ってすごい頻度でヴィランに襲撃されちゃってるもんね・・・。A組のみんなもだけど獣狼くんも気を付けてね?」
「だいじょぶ、何か、あれば、逃げる、し」
「ヒーロー志望が言うセリフじゃないよねぇ~、そう言うところが獣狼らしいけど」
たった一週間離れただけでも今の会話がとても楽しい、その後は俺たちが職場体験に行っている間の出来事や他にも他愛ない話をしつつ、雄英高校を見たときには少し懐かしさを感じてしまう事に実は寂しがり屋だったのかな?とらしくない事を考えてしまう。けれどもクラスのみんなに会えると思うと少しばかり、嬉しくなった。
轟くんの叩き込んだ内容は流石に個性婚とかは話していません、エンデヴァーがスパルタで家族関係が悪くなったぐらいですね。
飯田くんも緑谷くんも怪我が減りましたね。