会社に関しては法律とか諸々に詳しくないので大目に見てください。服装に関してもセンスゼロなので大目に見てください。
喫茶店での話し合いからしばらく経った、メールの後すぐに会社から注意事項や服装と持ち物などの事でメールの返信が来たために四人にチャットで伝える。撮影や録音は原則禁止、服装は私服で構わない、持ち物は常識の範囲内で、お昼は社員食堂でこちらが出すので気にしなくてもいい、などと言ったことだ。
そして今日は約束の土曜日、予めこれから向かう会社の最寄り駅で午前中に待ち合わせと言う事だ。待ち合わせ場所で待っていると遠くから常闇くんが歩てくるのが見えた。
下が焦げ茶で上が白、黒の上着を着た常闇くんのイメージとは違うカジュアルな服装だ。手を振ればこちらに気づいたのか真っ直ぐ歩いてくる。
「待ち合わせの十数分前に来たのだが、回精は早いな」
「一応、誘った、本人、だからね、誰、よりも、早く、ないと」
「なるほど、いい心がけだな」
しばらく常闇くんが来たお陰で時々話をしながら時間を潰していると、遠くから何時もの三人組が表れる。緑谷くんは少しゆったり目の茶色い下と紺の上に肩掛けの緑色のカバンと言った動きやすそうな服装だ。男性陣の中でも飯田くんはベージュの下に白のシャツとキッチリした衣装にこちらも青色の肩掛けカバンと言う凄く飯田くんらしかった。最後に麗日さんは青色のロングスカートに白の上と小さめなピンクのカバンと言う女子らしく可愛らしい服装だ。
三人もこちらに気づいたのか歩いてくる。時計を確認すれば待ち合わせの十分前、余裕をもって行動しようと言って決めた待ち合わせ時間を余裕をもって集まるという若干困る様な状況だった。
「二人とも早いね、うちらも早めに来たのに」
「むぅぅ・・・やはりもう少し早めに来た方が・・・」
「飯田くん、流石に早すぎて会社に入れないんじゃないかな・・・」
「多少、なら、だいじょぶ、だと、思う・・・よ?」
「・・・そう思うなら断言して欲しいがな・・・」
五人も集まれば一気に賑やかにもなるが、流石にずっとここに居ては他人の迷惑になってしまうので会社まで歩いていくことに。しかしみんな私服を見るのが初めてだからかやはりそっち方面の話題になる。
「常闇くんってオシャレさんやねー、てっきり興味ない人と思ってたよ」
「あぁ、服も自分で買うようにしているからな」
「ほぇー、自分で買うって凄いね!似合っとるよ!」
「・・・感謝する」
「あ!でも似合っていると言えば回精くんも凄い服だね!」
「面白い、でしょ?」
「面白いというよりかは・・・アニメキャラみたいな服だよね」
「確かに、どちらかと言えばテーマパークで見そうな服だな」
「うーん、でもうちは可愛くて似合ってると思うなー」
そうだろうか?水色の裾の大きい半ズボンに白色のシャツ、持ち物は必要最低限にズボンの数あるポッケの中。個人的には面白そうだから着てみたのだが、他の人には違う風に見えるらしい。
雑談を交えつつ歩いていけば数分と言ったところで会社が見えてくる、見慣れていない四人は今からそこに行くという事で緊張する者や好奇心を抑えられない者、服を正す者に静かに見据える者など様々だ。会社の入口まで到着すると守衛室に声をかける。
「おはよう、ござい、ます。回精、獣狼、です」
「ん?あぁ!獣狼くんか!話は聞いているよ、そちらがお友達の四人かい?」
「はい、クラス、メイトです」
「おぉ、良かった良かった。獣王さんが中々友達を家に連れて来てくれないと嘆いていたからてっきり友達が居ないのかと思ったが・・・杞憂だったみたいだね」
「俺も、友達、くらい、居ます」
「おぉっとそりゃ失礼!そうだった。はい、彼らの分の入館証だ。獣狼くんはもう持っているんだろう?」
「はい、ちゃんと、あります」
「よろしい、では皆様。良い一日を」
「「「「はい!」」」」
おぉう、ここでもタイミングいいねみんな・・・。気を取り直してみんなに入館証を配り自分の入館証を首から下げる、道のりは知っているために守衛さんには案内を断ってみんなと一緒に歩き出すと、関心したように麗日さんが口を開く。
「ほー・・・、外から見てわかってたけど広いねー・・・」
「これだけ広いと移動にも時間がかかりそうだよね・・・」
「移動、には、車を、使う、から、安心、して」
「ほー、ちなみに見学って言ってもどのくらい見せてくれるん?」
「んー・・・、大まか、くらい?流石に、その、辺り、なんとも・・・」
「そっかー、でもそこは会社の人が考えるところやもんね」
そんな話をしている内に目的地であるビル───ここでは主にデスクワークに来客対応をしている。───に到着した。守衛室を通った時に連絡が行っているだろうし案内係の人が来るのを待っていると。
「やぁ獣狼、予定より早かったが待ちきれなくなったか?」
「あれ?お父さん、なんで?」
「「「「お父さん!?」」」」
「何故かって?何故なら私が今回みんなを案内するからさ!!」
「・・・案内、担当、の人、は?」
「今回は本格的なものでもないし、頼むのは筋違いとは思わないかね?」
「・・・本音、は?」
「獣狼のお友達を見てみたいし話してみたい」
「・・・、・・・~っ、・・・今回、は、見逃す、ね」
「(((ものすごい葛藤してた!?それに今回は!?)))」
かなり、かーなーり悩んだが守衛さんからお父さんが俺の友人関係で心配している事を知ったので、今回ばかりは心配をかけた俺が悪いので見逃すことにした。俺の言葉に気を良くしたお父さんは仕事モードでみんなに自己紹介を始める。
「では獣狼からも許可が下りたところで、みんな初めまして!ここトライスターの個性研究所統括室の室長を任されている回精 獣王だ。今日は楽しんでいってくれたまえ!!」
「まって」
「む?なんだね獣狼、これから「統括、室、って、何」・・・あぁ!そういえば昇進した事を伝え忘れていたな!簡単に言えば全ての研究室を効率よく運用する為に上からの指示を各室長に指示するところが統括室。そしてそこで一番偉い室長に抜擢されたのがこの私なのだ!」
「えっと、質問良いですか?」
「おっと、早速か?はいそこの少年よ!私に答えられる範囲ならば答えよう!」
「回精さんはもしかして個性研究部で一番偉い立場なんですか?」
「はははっ、名前で構わないぞ!ここには回精が二人もいるからな。そしてその質問にはNoと答えよう、私の上には所長と副所長が居るからね!」
唐突な一学生が会って良いレベルではない地位の存在に俺以外のみんなも固まっている、この沈黙をもう自分への質問が無いと判断したのか。
「では私への質問は無いようだし、みんなの自己紹介をしてもらってもいいかな?」
「あっはい!緑谷 出久です、回精くんと同じクラスです」
「麗日 お茶子です!同じくクラスメイトです!」
「飯田 天哉です!1-Aの委員長を任されています!今日はよろしくお願いします!」
「常闇 踏陰、回精・・・くんとは同じ組の同士だ」
「ハッハッハ!先ほども言ったが私の事は名前で構わないので獣狼は何時も通り呼んでくれて構わんよ!とりあえずこれ以上立ち話もつまらないだろう?移動しながら話そうではないか」
そう言い歩き出すお父さん、みんなもその後を付いていきつつもお父さんの言う今後の予定を聞く。
「さて!まずは私の管轄である個性研究所に向かった後にお昼の為に食堂に向かう、お昼を食べ終えたらアイテム作成所とコスチューム製作所に向かう流れだが、ここで質問のある人は居るかね?」
「はいっ!」
「うむ!元気な良い挙手だ、何かな?飯田くん」
「今日は遊びに来たと言う事ですが、具体的には何をするのですか?」
「個性研究所では学校でも自分たちの個性を計測しただろうが、こちらではちょっと本格的に計測しようと思う。だがそこまでしっかりやる訳ではないので気楽に身長を測るくらいの気概で大丈夫だ」
「アイテム作成所では君たちが望めばだが、サポートアイテムを使ってみたり彼らが興味で作ったオモチャで遊んでもらおうと思う。ただオモチャと言って舐めてかかると痛いぞ!」
「コスチューム製作所では一風変わってヒーローコスチュームの性能を持たせたユニークな服が紹介されると思うが・・・まず間違いなく着させられると思うので頑張ってくれ」
「「「「(着させられるって何を!?)」」」」
あぁ、今回はコスチュームの人たちが爆発しそうなのね・・・。お父さんがユニークと言うからには多分そこまで変な恰好ではないと信じたいが、望み薄だろう。みんなが視線を此方に寄越すがお父さんがこう言うという事は諦めた方が良いので首を横に振る。みんなが何を着させられるのかと戦慄していると駐車場に着いたお父さんが一台の大きめの普通車の前で止まる。
「さて、ではコイツでこれから各場所に向かう事になる、席は丁度埋まるはずだ。移動中は好きに会話してると良い、私に質問があるのなら答えられる範囲で答えよう」
お父さんの言葉で各々が好きな席に座り、全員座った事を確認したお父さんが運転席に乗り込む。そしてシートベルトなどの安全確認を行った後、俺たちを個性研究所に案内する為に車は発進した。
区切りが良さそうなのでここで区切ります。次は個性研究所とお昼、次の次がアイテムとコスチュームで終わる予定になりそうです。・・・終わると良いなぁ・・・。
という訳で会社名がちらっと出て来ました。統括室ってなんだよって思う方もいるでしょうが、それはここだけの特別な奴とかアレとかそんな感じに。