位階序列十四位のヒーローアカデミア   作:生活常備薬第3類

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 UAを見てお気に入りがちょこちょこ減っているのを見てショックを受け、しおりとお気に入り数が300と700を超えた事に喜びつつも「お前減ったじゃん」とツッコミを入れていますが。

 とても嬉しいです、ありがとうございます。

 今回独自解釈のある話をしますのでご容赦ください。


第四十三話:知るという事の重さ

 車が発進してからすぐのころにお父さんの言葉もあったからか後ろが賑やかになってきた、個性発現当初に詳しく調べて終わりだったものをまた調べてもらえる事に、自分がどれだけ成長したのか確認できる事に興奮を隠せないのだろう。

 

 気分的には小中学生の時に身長がどれくらい伸びてるかワクワクしたのと一緒かな?でもこの場合あんまり伸びてなくて落ち込むまでがセットだしこの例えはダメだね・・・。

 

 後ろから聞こえてくる賑やかな声を、助手席で外を眺めつつぼんやりしていると今になって考える余裕が出来たのか、麗日さんがお父さんに質問をしていた。

 

 「獣王さん、聞きたい事があるんですけど!」

 「何かね?麗日くん、残念ながらプライベートの事はうちの獣狼がちっちゃい頃しか答えられないぞー」

 「答え、るなっ!」

 「何それめっちゃ気になります!じゃなくてどうして会社の名前がトライスターなんですか?」

 

 その言葉に他の三人も気になるのか静かにお父さんの回答を待っている。その事にお父さんは肉食獣特有の牙をにやりとバックミラー越しに見せつつ───この笑いは感心している笑いだ───答えた。

 

 「ふふふ、みんなはオリオン座は知っているかね?」

 「オリオン座って言うと冬の星座ですよね?」

 「その通りだ緑谷くん。ではオリオンのベルト、もしくはオリオンの帯と呼ばれるものが英語ではなんというか知っているかね?」

 「もしやトライスターですか?」

 「正解だ飯田くん、しかし今の流れでは簡単すぎた問題だったな。ではここからは少し趣旨を変えて歴史の授業だ、だが君たちにとってはかなり刺激のある内容もあるから気を引き締めて聞きなさい」

 

 お父さんの言葉に自然と俺を含めた全員が姿勢を正す、その様子をバックミラーで確認したお父さんは全員が唐突な話でも覚悟を持って聞く姿勢に入った事に再びにやりと笑い。

 

 「よろしい、まずはヒーローの成り立ちに付いてだ。君たちは何処まで学校で習っているんだい?」

 「はい、超常黎明期に個性によって悪事がなされていた時、それを良しとしない人たちが個性を使い立ち向かった際の自警団がヒーローの原型になったと記憶しています」

 「ふむ、大体その辺りか・・・。ではその自警団・・・ヴィジランテに関しては何処まで知っているかね?」

 「えぇっと、今だとヴィランとほぼ同じように認識されてます」

 「そうだ、それであっている。だが自警団時代の・・・ヒーローとも呼ばれていない時代はとても過激でね、今ではヒーローは殺しはご法度だが昔ではそうではなかった」

 「えっ!?それってどういう?」

 「昔でも自警団の扱いは今とそこまで変わらないという事だよ、今で言うならばヴィラン同士が戦っている状況だ。何もかもが足りない時代、相手の事を考慮などしていられない時代だ」

 

 お父さんから語られる言葉には実際に見てきたかのような実感がある、まるで詳しい人から話を聞いたかのような言葉に重みがあった。その重みのせいか修羅場を一緒に潜り抜けた飯田くんや緑谷くんも固まってしまっている。

 

 「そんな状態であったが故に自警団たちは自らの手で人々を守らねばならなかった、何故かわかるかね?」

 「それ、は・・・自分たち以外が信用できなかったから?」

 「いい着眼点だ緑谷くん、しかしこれでは合格はあげられないな。・・・答えは後がないからだよ。今では増援が来るまで待てばいいが昔は増援なんてない、自分たちが倒れれば人々を守る者が居なくなるという極限状態だったのだ」

 「それ故に自警団は徐々に過激になっていた、守りたい者を守るために。世界で最初のヒーロー公認制度が決まった時何故7人しかプロヒーローに選ばれなかったと思う?答えは他の連中が過激過ぎたのだ」

 「7人しかいないプロヒーロー、手が足りない故に自警団は戦い続け、そして過激になった自警団はやがてヴィラン退治をこう言うようになった。───“狩り”と。・・・ここまでくれば会社が何故トライスターと言う名前かわかるのではないかね?」

 「・・・オリオン座のオリオンは偉大なる狩人の名、そしてその狩人が身に着けていた帯の名を冠した会社・・・。もしや」

 「恐らくは君の考えている通りだ常闇くん。そう、ここトライスターは元々は自警団を支える為のアイテムを作っていた民間人たちが集って出来た会社だ」

 

 会社の意外過ぎる成り立ちに言葉も出ない五人、しかしお父さんは気遣いの為か雰囲気を軽くするために。

 

 「と言っても今はもう昔の話だよ!今ではちゃーんと安心安全だよな?のホワイトな会社さ!」

 「・・・安心、安全、を、言い、切ろう、ね」

 「ハッハッハ!まぁともかく今の話で各々思う所はあるだろう。ヒーローとヴィランは表裏一体、だからこそキチンとルールを守って行動する様に!」

 「「「「はいっ!」」」」

 

 お父さんが良い感じで締めくくっている、その言葉にみんなも返事をする。だからこそ俺は言わねばいけない。

 

 「お父さん、それ、犬嗣、さんに、もう、言われた」

 「・・・マジ?」

 「マジ」

 「・・・あー・・・、おぉっと!もうそろそろ研究所に着くぞ!楽しみに待っているといい!!」

 「「「「(話を流した!!)」」」」

 

 流石にこれ以上掘り返すのは無粋なので流させる、しかしお父さんのフォローが上手く行ったのか車内は先ほどの話の雰囲気を引きずる事はなさそうだ。

 

 

~~~~~

 

 

 「さて、ここが今日君たちを案内する第三研究室だ!今日は運よく第三研究所の手が空いてな、話をしたら今話題のヒーローの卵たちの測定を快く引き受けてくれたのだ!」

 「研究室と言うか・・・」

 「運動施設じゃない?」

 「いや、まぁ・・・、最初は研究室だったんだよ。最初は」

 

 お父さんが何か言い訳しているが緑谷くんと麗日さんの言葉が正しいのでフォローはしない。確かに測定するために広いスペースが必要なのはわかるが、ここはぱっと見が三階はあるだろう体育館と多目的なグラウンド、ついでにプール付きだ。

 

 「獣狼から事前にみんなの個性を聞いているが・・・、なんと全員が計測方法がバラバラなので一旦解散になるぞ!まぁ一緒でも個々で分けるがな、個性を計測するという事はその人の知られたくない部分まで明かす事もある。その辺り人としてプライバシーはちゃんと守るぞ」

 

 お父さんの言葉で体育館から白衣を着た男性三人女性一人の計四人が歩いてくる。四人はお父さんの横に一列に並び自己紹介が始まる、と思いきや。

 

 「すまん、子供たちに話をする為に速度落としてきてちょっと時間がおしているんだ。自己紹介は道すがら頼むよ」

 「いや、まぁ遅れてるしそんなとこだと思いましたよ」

 「全くもう・・・それじゃあなたが麗日ちゃんね?私の後に付いて来て」

 「あ、緑谷くんはどの子だい?あっ君ね?君はこっちねー」

 「飯田くんってのは・・・君か、君は着替えてもらうからこっちだ」

 「残っている君が常闇くんだね?かなり特殊な個性と聞いている。きたまえ」

 

 四人は自分の担当する子を見つけるとそれぞれが準備のために移動を始める、それは良いのだが。

 

 「俺の、担当、は?」

 「私だが?」

 「・・・仕事は?」

 「お昼までは大丈夫だ、その後の案内人も決めてある。獣狼はこっちだ」

 

 何処までも用意周到なお父さんに少し呆れつつも後を追う、どうやら向かう先は麗日さんと常闇くんと同じ体育館のようで何を測定するのか聞いてみると。

 

 「前までは獣狼の身体能力を測ってばっかりだったからな、今回は特別な機械が使えるようになったから試しにと言う事だ」

 「特別、な、機械?」

 「あぁ、詳細は省くがもしかしたら精霊を視認出来るやもしれん」

 「おぉ・・・!みんなが、見える、ように?」

 〈我らが丸見えー?〉〈恥ずかしいー〉〈見ないでー〉

 「もしかしたら、だ。運が良かったら程度だぞ?」

 

 お父さんの言葉に精霊たちも面白がって騒ぎ出す、かく言う俺も期待に胸を躍らせていると体育館───詳細は違うがほぼ体育館なのでこう呼称する───の二階に上がり個性因子観測室と書かれた部屋に入る。部屋の中は中央で大きいガラスのはめ込まれ扉が取り付けられた壁で横に区切られており、俺たちの入ってきた手前側で観測しガラスの向こう側でデータを取ると言った形か?

 

 「ここは個性因子を観測する部屋だ、奥の壁一面に設置されている突起がそれだな。これならば個性で生み出された精霊と呼ばれるものも認識できるはずだ!」

 「おぉ、お父さん、が、頼も、しい」

 「ハッハッハ!普段からドンドン頼っていいんだぞ!」

 「・・・前向き、に、検討、する」

 「辛辣ゥ!お母さんに似てきたな獣狼!」

 

 などと言いつつも作業の手は止めないお父さん、準備が出来たのか壁の扉が開く。中に入れと言う事だろう、中に入ると部屋の中央に両足のマークがあるのでそこに立つ。

 

 『よし、良いぞ獣狼。そこで立ちつつ個性を使う、今回は精霊たちを体の外に出してくれれば観測できるはずだ』

 「うん、〈みんな、出てきて〉」

 〈久々に我らが認知されるー〉〈獣狼とお話は楽しいけれどー〉〈稀には他の誰かと話てみたいー〉

 「でも、それには、みんなの、声が、聞こえ、なきゃ、いけない、ね」

 『お?おぉぉぉぉ!?獣狼!今周りに三つ浮かんでいる反応があるぞ!もしやこれが精霊か!!』

 

 お父さんの声でガラスから様子を伺うと肉食獣が獲物を見つけたような凄まじい笑みを浮かべたお父さんが居た。これが子供に怖がられる原因かなぁ、そんな事を思いつつもお父さんの続きを待つと。

 

 『ん?んんん?しかし・・・、何やら反応が少し弱いな・・・。これがお母さんとの違いか・・・?』

 〈我らを見るのは百年早いー〉〈ふっふっふ若造めー〉〈出直してこいー〉

 「・・・ちなみに、声は、聞こえて、る?」

 『全く聞こえん!もしや何か喋っていたのか?』

 「・・・聞こえ、無いなら、いいかな」

 『むぅ・・・、気にはなるが仕方ない。次は身体強化をやってみてくれ』

 「はーい、じゃあ、みんな、行くよ」

 〈違和感なしー〉〈エネルギーよしー〉〈安全確認よしー〉

 「どこで、覚えて、くるの、そんな、知識・・・、ま、いっか。血壊

 

 片足を上げて指さしをする独特な(現場猫)ポーズをとって血壊の使用を許可してくれる精霊たち、一気に五感が広がる感覚に少し酔いそうになっているとお父さんが静かだ。

 

 「お父さん?どうした、の?」

 『ん!あぁいや、なんでもない。しかし凄まじい個性因子の活動を観測しているぞ』

 「奥の手、ですから」

 『全く・・・だがあまりこれを多用するなよ?お前にだって体の負担があるんだろう?』

 「そう、だね」

 『よし、これでデータは取れた。後は結果を楽しみに待っていると良いぞ』

 

 お父さんの言う通りあまり使うとエネルギーを使い果たしてしまうので解除する。そして扉からお父さんの居る部屋に向かうと何か考え込んでいるみたいなので話かける。

 

 「どうした、の?お腹、空いた?」

 「お腹が空いたのは獣狼だろう?いやなに、少し結果が出るのが遅れそうなのでな。家に着いてから渡してもいいか?」

 「別に、構わ、ない、けど、なにか、あったの?」

 「特殊過ぎてな・・・、中々に時間がかかるみたいだ。恐らく麗日くんや常闇くんも同じことになっているだろう、後で住所を聞いて郵便で送り届けねばな」

 「そういう、ものかー」

 「とりあえず結果は後にしよう、そろそろお昼の時間にもなるしな。みんなと合流だ」

 

 その言葉でお父さんの後を追い最初の場所に戻ると既にみんなが集まっていた、どうやら麗日さん担当の研究者が主体で話ているようだ。

 

 「それじゃさっき書いてもらったあなた達の住所に郵便で届けさせてもらうから、期待して待っててね」

 「「「「はいっ!」」」」

 「よろしい、それじゃあ遅れてきた統括室長も来たみたいだし。お昼ご飯の足に使っちゃってね」

 「ちょ!?それ酷くないか!?」

 「二連続で遅れてくる人に遠慮する必要はないでしょう?全く、どうでもいいところで変なドジするのが室長の悪いところですよ?」

 「うっ・・・、そこを突かれると痛いからやめて欲しいのだが・・・」

 「はいはい、ならさっさと子供たちの為に車を運転してくださいね」

 「うぅ・・・」

 「・・・なぁ、回精くん。いっつもあんな感じなん?」

 「・・・大体、は?やる時、は、しっかり、してる、よ?」

 「中々に、その・・・感情豊かなお父さんだな」

 「牙を抜かれた獅子か・・・」

 

 その後、お父さんの運転する車に乗り社員食堂に着いた俺たちは各々好きな食べ物を注文する。お父さん一押しのカレーライスを全員で注文し、トッピングでみんなの個性が出る形となった。俺はカツカレーにして福神漬けを入れ、お父さんはから揚げにらっきょう、緑谷くんは福神漬けオンリー、麗日さんは三種類ほどのチーズ、飯田くんは贅沢にハンバーグを、常闇くんは体作りの為か鳥のささ身を入れていた。

 

 「むっ!これは雄英高校の食堂にも負けず劣らず・・・!」

 「ほんまや!美味しい!」

 「ハッハッハ!そうだろう?何せ食堂にも力を入れているからな!腕利きを頑張って揃えたぞ!」

 「なるほど・・・これは美味だ。これと同等なら持参していたが食堂にも足を運びたくなったな・・・」

 「・・・そうなる、と、ヒーロー、と、兼任、してる、ランチ、ラッシュ、先生、って」

 「ほら!災害救助で大人数の料理を作るのに慣れてるんだよ!」

 「流石うわさに聞くランチラッシュ・・・」

 

 一体どんな噂だろうか、その手(食事)の話は泥沼になりそうだったので世間話に話題を変える。雄英の話だったり、俺のクラスでの立ち位置やちゃんと馴染めているかだったりと車内と変わってお父さんの質問が始まる。しかしみんなも本人の前でそういう話をするのはやめて欲しい。馴染めてるの部分で可愛がられてるとか答えないで、お父さんもまたかとか言わないで欲しい、ほらみんなが「あぁやっぱり」って顔してる!

 

 賑やかにお昼時間が過ぎていき、午後はアイテム作成所と問題のコスチューム製作所だ。




 はい、トライスターの名前の由来が出ましたが過去話は独自解釈です許してください。獣王がした話ですが、ちょっと過激なので教科書には乗らずに知っている人は知っている、アンケートを取れば三割位は知っている内容と言った感じです。

 イイ感じにタイピングが進み五千字行っちゃいましたね、この調子でバンバン書いていけたらいいですね。

 お昼ご飯のところは流石にこれ以上話を広げるのは俺の技量では厳しかったのです。
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