位階序列十四位のヒーローアカデミア   作:生活常備薬第3類

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 ぶっちゃけ僕アカの世界って獣人種に勝てるのでは・・・?と思う人がいるので獣狼の力を割と抑えなくてもいいのでは?と思い始めた生活常備薬第3類です。
 まぁ抑えないと他の生徒の活躍を奪いまくるので、それは望まない展開故に抑えますが。

 ちなみになんと原作キャラが一人、短いですが出てきます!やったね!!


第四話:強く輝くほどに深く影は落ちる

 土日、祝日。学生にとっては最も喜ばしい時間であろう。体を動かすことが好きな俺だって休日は好きだ。運動ばっかりしても体がダメになるらしい。週に一回は公園でのんびりしたりお母さんの買い物の荷物持ちをしたりとしている。今日は荷物持ちをしに家から離れた大き目のショッピングモールに自動車で来ている。流石に7月になるとお昼は暑い、お父さんとお母さんの3人で出発したのだが・・・。

 

 「なんで、付いてき、た」

 「いやぁ~獣狼クンのお母さんに乗せてってもらってホント助かったよ~。流石にこの暑い中を歩いていくのはキツかったからねぇ~」

 「あははは・・・ごめんね?でも向かう場所が近いから・・・」

 「・・・快心、さんは、悪くな、い。悪いの、は付いて、きた、コイツだ」

 「そんな事言わないでよ獣狼ク~ン、僕の行き先も同じなんだからさぁ~」

 「・・・あのまま、歩いて、いれば、よかった、のに」

 

 ・・・そう、休日なのにクラスメイトに出くわしてしまったのである。妖目は歩いていたところをその鬼火の様な白と青の混じった髪の色をお母さんが見つけ、行き先が一緒と分かると車に乗せ。快心さんはモールに着いた後にばったり出くわしたのである。その上二人ともプール開きの為、水着を新調しに来たらしい。ちなみにお父さんは暑さでダウンしている。タテガミを切って減らさなかったのである。本人曰く

 

 『いいか獣狼!お父さんのタテガミを減らすという事は他の男性で言うなら髪の毛を薄毛にしろ。と言っていることと同じなんだぞ!流石にお父さんライオンの顔をしているが、いや寧ろライオンだからこそ───』

 

主張をしていたが(言い訳をしていたが)流石にバリカンを構えたお母さんに敵わず、妥協してモールにある安めの理髪店でカットしてもらう事になったそうな。だが移動中の車の暑さに負けさっき見たときはお母さんにモール内の休息スペースで看病されている。車のクーラーつける事も提案されたが、お母さんが寒がりなのをお父さんが心配しそこそこの温度でしかクーラーがつけられなかった。・・・何だかんだお母さん想いの良いお父さんだ・・・。

 

 と、お母さんが動けないので仕方なく三人で売り場に向かう途中だ。快心さんに親と一緒じゃなくていいのか?と聞いたが「流石にお父さんに水着を見せるのは無い」と軍資金だけ貰って別行動をしてるそうな。なお、快心さんのお父さんは一緒に来ていた快心さんのお母さんの夏服持ちをしている。・・・どの家庭でもお父さんの扱いは酷いのだろうか・・・。

 

 大き目、と言っても売り場さえ知っていればすぐに付いた。そこで学校から指定された条件に合う水着を選ぶだけだ。そこは男子、そこまで時間もかからず水着を選び終えて用意していたお金で購入も終わらせた。しかし女子である快心さんはやはりお洒落を気にする歳なのだろう、真剣に選んでいた。・・・不用意に女性の水着コーナーに近づき過ぎた為に妖目が女性客に少し睨まれてた、ざまぁ。と内心笑っていると店員さんに「お姉ちゃんでも待ってるの?待ってる間飴でもどう?」と聞かれ妖目に爆笑されたので脛をかるーく蹴っておいた。

 

 

─────

 

 

 同時刻、7月に相応しい暑い日と言える中。しかしこの薄暗い路地裏では関係ないと言わんばかりに冷え込んでいた。・・・否、冷えているのではない。()()()()()()()()()()()()()()()()に、例えヒーロー活動を長くやっている者でも、相対し身構えていたとしても、動揺を隠せないレベルの殺気が周りのヒーローたちに放たれていた。目元を包帯の様な物で覆い、首には赤いマフラー。そして胴体には多数のナイフと背中には一本の鞘、左手に持たれた刀は所々刃こぼれしており見る者に言い知れぬ恐怖を与える。

 ───“ヒーロー殺し”、独自の倫理観と思想に基づき各地でプロヒーローを襲撃している連続殺人鬼である。

 

 「推測通り、と言う事か・・・」

 「貴様を捕まえるために組まれた特別チームだ、そう易々と逃げられると思うなよ?」

 「ステイン!お前の凶行もここまでだ!お前を捕まえて人々が安心出来る社会を!」

 「数ではこっちが有利だ!このまま奴を仕留めるぞ!!」

 「「「応!!」」」

 「・・・見極めさせてもらう・・・ハァ・・・お前たちが本物足りえるかを・・・」

 

 対するヒーローは四人。先ほどの殺気を受けても怯みはしたものの、それでも向かっていこうとする実力派の戦闘系ヒーローである。だがステインも伊達にヒーロー殺しを名乗っているわけではない。自分がいる地域のヒーローの情報は例え噂だとしても逃していない。故に。

 

 「ぐあっ!!」「大丈夫か!?」「あぁ・・・問題な、っ!か・・・体が、動かない・・・!」「くっ!ステインの個性か!?」

 

 油断はしていなかったのだろう。左手に持った刀を警戒し狙いを定めさせない様にお互いに代わりあって攻撃をしていたが、一人が傷つけられ行動不能に。このメンバーの中で唯一遠距離攻撃が出来る者が行動不能に陥った仲間の為にステインにあえて狙いが甘い攻撃を行い、遠ざけると同時に回収、安全な場所に退却を始める。他の二人はステインの足止めの為に残った。その迅速な行動は並大抵のチームワークでは行えない。

 

 「ハァ・・・俺の為の特別チームと言うのも納得できる良い連携だ・・・」

 「くっ・・・シュートスターが戻ってくるまで何とか耐えるぞ・・・!」

 「あぁ、悔しいが流石に俺たちだけでは手が負えないからな・・・」

 

 膠着状態。どちらかが迂闊に動けばステインに斬り捨てられる。緊張の糸が張り詰められ何かのきっかけがあればすぐに切れてしまいそうな危うさを保った中。

 

 衝撃、爆発音。明らかに事故等ではない人為的な、それも大きな爆発。目の前の相手から目をそらさなかったのは実力派の戦闘系ヒーローとしての矜持か。二人の耳につけたインカムから出来るだけ冷静に、しかし焦りを感じさせる声が聞こえる。

 

 『近くの大型モールにて爆発が発生!ヴィランの出現と思われます!!周りのヒーローはヒーロー殺し対策の為に散開しており、あなた達が一番近いです!!』

 

 殴られたと錯覚する程の大きな衝撃を受ける。どうしてこのタイミングなんだ。よりにもよってヒーロー殺しの被害が増えないよう周囲のヒーローにはこの場から離れろと通達を出していたのだ。動揺が隠せない、息が少し荒くなるのを感じる。しかし不思議な事にステインは動かない、まるで何かを見極めるかのように。

 

 「・・・行け、ワイヤード」

 「なっ!?だが俺が行ったらお前を一人残すことになる!!」

 「それでも、だ。俺が向かうよりお前の個性の方が人助けに向く」

 

 二人で向かうことは出来ない。何故なら相手はヒーロー殺し、多数のヒーローを死傷させてきた危険度の高いヴィラン。二人で背中を見せるなど二人とも殺される様なものである。故に一人を残し一人が向かう事が最適。例えそれがどれほど不条理で、残酷だとしても。

 

 「~~ッ!!必ず!必ず助けに来る!例え戻れなくても誰か救援を向かわせるからな!!!」

 「あぁ、楽しみに待ってるよ。でもそうだな、お前が来る前に別に捕まえてしまっても構わんだろう?」

 

 振り返らず走る、時には個性のワイヤーを使って壁をよじ登り最短路で現場に向かう。

 

 「・・・ヒーロー殺しと聞いていたが、やけに素直に見逃すんだな。君は」

 「俺が殺すのは贋物だけ・・・ハァ・・・俺と言う獲物よりも、市民を助けることを優先した・・・少しは見所がある・・・」

 「・・・なるほど、本当にヒーローしか興味がない。という事か・・・しかし私もヒーロー。市民を守ることも大事だが・・・目の前の凶悪ヴィランを野放しに出来ない事もわかってくれるな?」

 

 言葉は最早不要と言わんばかりに、両者とも駆け出す。敵わないとしても、それでも立ち向かう。それがどんな結末を迎えようとも。それがヒーローなのだと言わんばかりに。




 ステインのセリフって難しいね、でも頑張るよー。
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