位階序列十四位のヒーローアカデミア   作:生活常備薬第3類

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 オラァ!前向きに書いていくぞおらァ!オイラァ!!・・・あちゅい・・・。


第五十一話:束の間の休息

 木々の隙間から夕日が辺りを照らし始めたころ、四人を主力に一部のデメリットで行動不能組をローテーションで行動させ、個性に限度のある八百万さんを温存しながらも相澤先生とプッシーキャッツ、そして快心さんと男の子が出迎える建物───恐らく今回の合宿場だろう───に到着した。

 

 全員がボロボロになっており、特に個性の関係で体の一部を酷使した者はその部位にダメージが入っているようで、手で押さえながらも建物前まで歩いていた。みんなよりは元気だけど、お昼抜きでここまでは少し辛い。流石に動物を捕まえてその場で食らうという事は一部の生徒たち(主に口田くん)に刺激が強すぎるので出来ないし、救護にまわったのは正解だったかな。

 

 全員がしばらく歩き、もう動けないと地面に座る。建物付近で魔獣を出す事も無いのはわかってはいたものの、雄英だし(除籍宣告)プロヒーローだし(さっきの土の津波)で若干気を張り詰め過ぎていたようだ。担いでいた()()を地面に優しく降ろす、この大砲は八百万さんが最初の方で作り出したもので勿体ないので持って来ていた。そうすれば後は鉄球と撃ちだす火薬を創造するだけで強力な遠距離攻撃にもなるし、近づかれてもこれでぶん殴ればいいというお得な武器だ。

 

 「なにが3時間ですかぁ!」

 「それ、私たちならって意味、悪いね。でも想像よりずっと早かったじゃない」

 「実力差自慢かよぉ、やらしいぜ・・・」

 「腹減ったァ、死ぬぅ!」

 

 赤色の人からお褒めの言葉を貰うが、誰一人として喜ぶ者はいない。だって結局お昼抜きだったし。ピクシーボブさんが独特な笑い声の後にクラスの評価を下す、魔獣を適切に対処し思ったより簡単に突破され予想以上の早さで到着したと。その中でもやはり個人戦力の大きい四人が褒められているが、魔獣と何らかの方法で繋がって居たりするのだろうか。と考えていると唐突に指さされる。

 

 「ところで?なんで君戦わなかったの?君だってこの四人くらいには戦えたでしょ?」

 「山中、で、戦闘、経験、が、あった、のと、救護の、経験、が、欲し、かった、んです」

 「へぇ?もしかして魔獣じゃヌルいってわけかな?」

 「誰かが、救護に、まわった、方が、良いと、判断、しました」

 

 実際に思っていた事を伝える、あの時クラスのみんなは手早く何人かのチームを組んで魔獣に対処していたが、全員が攻撃役と足止め役ではバランスが悪いと思い救護と言う支援役を務める事にしたのだ。・・・若干、考えがファンタジーゲームのパーティー編成チックになっているのは、魔獣の森と聞いたみんなの発言に少し引っ張られてるからだろう。

 

 俺の発言に再び独特な笑い声を出す、反応からして俺の判断は間違いではなかったのだろう。

 

 「ネコネコネコネコ!その判断力に免じてヌルい扱いした事は目を瞑りましょう。フフフ・・・期待できる五人、三年後が楽しみィ!!唾付けとこぉ!!

 「うわっ!?汚ねぇ!!」「何を!?」「や、やめろ!」

 「・・・それじゃ」

 「逃がすかァ!!」

 

 うわっ、こっち来た。だがプロと言ってもあくまで発動系個性、異形型と増強型の複合である俺に純粋なスピードで敵う訳もなく、諦めて再び四人のところへ戻る。

 

 「チッ!救護に回ってたせいで体力がまだ残ってるか・・・。なら先にこっちよ!!」

 「オイクソ犬ゥ!もっとコレ引き付けてどっか行けやァ!!」

 「無茶、言わない、で」

 「あっ!適齢期といえb「と言えばってぇ?」ずっと、気になっていたんですが、その子はどなたのお子さんで?」

 

 緑谷くんが指さしたのはこの場には明らかに場違いな小さな子供、小学生くらいだろうか?赤色の人に洸汰と呼ばれた子供は挨拶するように言われるも、こちらを睨みつけるだけで何も言わない。緑谷くんが自己紹介をし握手を求めるも急所を殴って立ち去ろうとする。しかし咄嗟に倒れる緑谷くんを支えた飯田くんに呼び止められるが「ヒーローを目指す奴とつるむ気はない」と爆豪くんの様なセリフを言い残しその場から立ち去ってしまう。

 

 話が終わったと判断した相澤先生の指示で、バスの荷物を運ぶ際に比較的体力の残っていた障子くんと一緒に動けない人の荷物を運んでいる、他の人より最後に移動し始めたので前の方で何人かは居るが実質二人きりだ。そう言えば障子くんと初めて一緒に行動しているのではなかろうか?教室ではちょくちょく話していたし、彼は聞くのも話すのも上手だ。

 

 「嬉しそうだな、回精」

 「うん、そこそこ、話す、仲、だけど、一緒に、何か、やるって、初めて、だな、って」

 「そういえばそうだったな、ヒーロー基礎学でも個性が近しいせいか一緒に組むという事も無いしな」

 「うん、だから、少し、嬉しく、て」

 「・・・お前は時々、物事を直球で言うな」

 「気に、障った?」

 「いや、だがそうやって好意を直接言われるのは慣れてなくてな。少し反応に困る」

 「くくく、じゃあ、慣れない、とね」

 

 その後も雑談しながら移動していると同じく直球で言う繋がりで話題が轟くんの話に。そしてそんな話をしていると本人が名前を呼ばれたと会話に参加してきて更に話が広がって他のクラスメイトが話題に上がれば、その人が参加してと二人増えた辺りで部屋に到着。流石に会話よりも荷物を置いて早く晩御飯にしたかったらしい、みんなは荷物を部屋に置いてすぐさま移動していたので、おいて行かれない様に俺たちも部屋を後にした。

 

 「いただきます!!」「いただ、きます」

 

 一部の人は空腹に耐えられずに食事を始めていたが、隣の尾白くんも食事始めの挨拶はするようで、しかしその後はドンドン食べ進んでいた。俺は救護だったのもあってお昼抜き以外は厳しいがそこまででもなかったので、何時もなら頼まないメニューも並んで精霊たちが気になった物をお皿にとっては味覚を明け渡して食事をしていた。

 

 ゆっくり食べていると配膳をしていた快心さんに心配されるというハプニングもあったものの、みんなの分を取ったら悪いから最後に残ったものを食べると言ったら納得してくれた。事実食べ終わった人がちらほら出ていたが、テーブルの上にはおかずが残っていたので快心さんに頼んで持って来てもらい、精霊たちも粗方食べて満足したらしくちゃんと味わって食べる事が出来た。

 

 そしてお風呂・・・と言うより露天風呂か?和風な作りで旅館によくありそうなお風呂だが俺は入れない、別に入るなと言われているわけではないが、気になって前に中学の修学旅行で一人部屋になった事を妖目に聞いたところ。

 

 「いやだって、獣狼がお風呂入ると尻尾の毛が浮くでしょー?だから、そういう人用の部屋を用意してもらったってワケ」

 

 と言われてしまった。お陰で謎が解けたのと同時に公共のお風呂が使えなくなってしまったが、今回は尻尾についた土をかき出すのと汗を流す程度なのでシャワーで問題ないだろう、それに元々お風呂が好きと言う訳でもない。

 

 みんながお風呂に入りだした辺りで尻尾の土は恐らくだが全て取り除けたので、チャチャっと髪と尻尾、体を洗えば峰田くんが仕切りの方をガン見しながら何か言っていたが、まぁ何時ものだろうと誰かが対処すると判断して脱衣所に戻る。今なら快心さんもお風呂だろうし途中で捕まる事を警戒しなくてもいいだろう、寝間着の洋服に着替えて一度食堂によって水を飲んでから男子部屋に戻る。

 

 部屋に戻ればやっぱり誰もいない、寝間着を取りに来た時に荷物の位置が整えられて壁際にあるくらいか?お陰で中央が広く使えるけどあまり関係なかったり。特にやる事も無いので尻尾と髪にブラシを通す、5分にも満たずにちょっと面倒になり、これでいいやとブラシを辞め寝っ転がるとノックも無しに部屋の扉が開くと、お風呂から上がった男子がぞろぞろと入ってくる。

 

 「いないと思ってたら部屋にいたのか」

 「早めに、上がった、からね」

 「みんなには風呂で言ったが、この後女子も部屋に来るってよ。なのでぇ、こんな事もあろうかとトランプを持ってきましたァ!」

 「あ、俺UNO持って来てるから貸すぞ」

 

 瀬呂くんの遊ぼう発言で他にも持ち運びやすいパーティーゲーム、主にトランプなどの紙で出来たものがドンドン出てくるが、常闇くんがまさかの花札を持ってきたところに驚きだった。ワイワイと遊ぶ準備をしていると扉がノックされ女子が入ってくる、参加しなさそうな八百万さんも来ていたのは驚きだが、こうやって遊ぶのが楽しみだったのだろうか?

 

 俺もこういった事は無かったので参加しようとトランプの組に加わっていたが、後ろに誰かが座ったと思ったら尻尾が捕まれる。後ろを振り向けば快心さんが俺の荷物の上に置いてきたブラシをもって片手で尻尾を掴んでいた。

 

 「・・・ブラシ、したよ?」

 「適当に済ませたでしょ?だからちゃんとやってあげるね」

 「・・・・・・お願い、します・・・」

 「よろしい」

 

 ちゃんとやったと言いたいところだが、ブラシをもって尻尾を掴まれた時点でもう逃げ場は無いだろう。諦めて尻尾に入れてた力を抜けば満足そうに頷く快心さん。こうなると快心さんには毎度勝てないんだよなぁ、と前を向けば耳郎さんと葉隠さんもトランプに参加するようだ。

 

 最初はルールのわかりやすいババ抜きから始まって、七並べ、ブラックジャック、そして現在ダウトをやっている中、ふと気になり後ろを向かずに快心さんに聞いてみる。

 

 「ところで、サポート、って、何、するの?」

 「個性で疲労が激しい人を眠らせたり、雑用とかかな?一部は自分たちでやらせるからって手伝わなくていいみたい」

 「ふーん。あ、ダウト」

 「ぎゃー!?なんで回精くんそんな当ててくるのー!?」

 「さて、なんで、だろう、ね?」

 「くーやーしーいー!!」

 「後半になってドンドン当ててくるよね・・・、個性とか使ってるの?」

 「企業、秘密、です」

 「お前それ、殆ど使ってるって言ってるじゃねぇか・・・」

 

 流石に嘘を察知するのはかなり難しい、だけどこう何度も嘘を見せられ更に同じ時を過ごしたクラスメイトだからこそ、ギリギリだがわかってしまう。だが流石にこれはズルいので別の遊びに変わった。・・・大富豪?アレは地域によってルールが違いすぎて統一するのに時間がかかるので却下になった。

 

 19時から遊んでいたが、21時に来た相澤先生の一言で女子は部屋に戻り、男子だけで遊ぶことに。だがそれも22時までと事前に言われていたので時刻が近づけば飯田くんによって強制終了、そして全員が布団を敷いて寝る準備が完了すると、お昼の疲れからかすぐさま寝息が聞こえてくる。俺も何時もよりちょっと寝る時間が遅いので目を閉じて横になって、しばらくすれば心地よい眠気と共に意識が遠のいていった。




 うーむ、飛ばせるところは飛ばした方が良いのだろうけど、こういった戦闘とは関係ない日常的なところも筆が進んで書いてしまっている・・・。
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