位階序列十四位のヒーローアカデミア   作:生活常備薬第3類

61 / 70
 最初は五十八話の後書きに書こうかなーって書いてたら長くなって、そのまま本文の後に書こうかなーって思ったら更に長くなって、結局幕間になりました!バカじゃねぇのお前。

 という訳で本日二つ目の投稿です、この幕間の前に話が一つ、更新されているのでお気をつけて。


幕間:私の、隠せなくなった想い

 バスを降り、彼が玄関に向かって走り去っていく後ろ姿を眺める。うん、今日触れ合った事で相談した事の答えが出た。

 

 最初は可愛らしい姿の彼に触れたかった。ヴィランの襲撃で怯える彼の不安を取り除きたくなって抱きしめた。逃げている最中、手を離されて振り返った時に見た優しい笑顔を見て、このままじゃ何処か遠くへ行ってしまいそうだと思って離れて欲しくないと思った。この日から私は、三つ全ての条件を熟せる彼のお姉ちゃんになろうと思って動き出した。

 ・・・今思うと、この時からなんだろうなぁ・・・。

 

 その後の中学生活は楽しかった、彼は本当に嫌でなければ断らないし、嫌だった時の変化も分かりやすい。だからこそ線引きも簡単にできた為に、どんどん彼の内側に入れたと思う。

 

 高校に入ってからは喜びと心配の連続だ、同じ高校に入った事を当日に知って拗ねる可愛い彼。ヴィランから襲撃を受けたと聞いて心配したが、次の日には一緒にお出かけして彼の秘密・・・の様な物を知れた。

 

 体育祭で初めて競争心を刺激されたのだろう、何時もの優しくて可愛い目から、獲物を逃さないという肉食獣の様な鋭い目、新たな彼の一面を見れて嬉しくなった。

 職場体験でヒーロー殺しに襲われて入院した、と聞いた時は不安だったけど、すぐに連絡が来て安心した。

 

 林間合宿で先生から指名を受けた際にどうしようかと悩んだ、でも1-Aのみんなと遊んでみんなの為になるなら、って思って参加する事にした。合宿へ向かうバスの中、彼が珍しく寝ている事に気づき、そっと膝枕をしてあげれば頬ずりしてくる彼がとても可愛かった、でもみんなに見られるとは思わなかったな。

 

 合宿の最中もワイプシのお手伝いをしながら彼を目で追っていた。虎さんに格闘を挑み、けれど吹っ飛ばされるもまた接近する彼。合間の休憩で汗をぬぐう為のタオルや水分補給のためのスポーツ飲料を渡せば嬉しそうにお礼を言ってくれる彼を見て、私も合宿に来た甲斐があったと思ってしまった。

 

 合宿も三日目の夜、突然ヴィランの襲撃に会った。そこで再びあの時の様な優しい笑顔をしてくれたから、また大丈夫だって、戻ってきてくれるって思ってしまった。

 でも、私がヴィランに捕まって、彼はどうしようもなくなって、そして彼はヴィランに撃たれた。私はパニックになりながらも、弱っていく彼の延命をしようとして、間違った方法で人工呼吸をしちゃって。

 

 そこからいきなり彼が目を覚ましたと思ったら、何時もより鋭い、まるで獲物を探す様な目をしていた、そして初めて彼が怒っている事に気づいた。あまりの出来事に驚いていると、ヴィランが大きな銃を構えて彼に逃げて、と伝える前に砂埃で見えなくなる。彼が無事か不安だった、けど大きな金属音とヴィランの声で彼が生きている事を喜んだ。でも次の瞬間、耳を塞ぎたくなるようなナニかが潰れる音と、悲鳴、そして感情をなくしてしまったかの様な彼の声。

 

 そこからの彼はとても淡々とヴィランを倒していった、でも最後のヴィランになった途端、まるで人が変わったかのように、その顔は冷たい笑みを浮かべていた。そして、彼の口から殺す、と出た時、私は彼を止める為に走り強く抱きしめた。

 

 彼は止まってくれた、けどその表情がまるで夜に道に迷った子供の様で、でも事情を聴くには血生臭いので移動して話を聞いた。彼に起きた変化を、大切な家族の死を。そんな彼はまるで泣きそうな顔で、でも泣けないと言った雰囲気があった。だから私は思いっきり泣かせてあげる事にした、思っている事を、出来る限り優しく。

 

 それを聞いた彼は泣き始めた、でも私はその彼の鳴き声をとても寂しく感じて、胸を貸してあげる事にした。どうやらそれは正しかったようで、彼は私の胸の中で、くぐもった獣の様な声で泣き続けた。

 

 泣き疲れて、眠ってしまった彼をそのまま抱きしめながらも、私は自分の中にお姉ちゃんになろうとは違う、この暖かい感情になんて名前を付けて良いのかわからなかった。

 

 事件が終わり、妖目くんにこの感情の事で相談をした。妖目くんは最初から最後まで聞いて、この感情を教えてくれた後私に伝える。

 

 「もしも次、彼と触れ合った時にその感情があるのなら、それはもう」

 

 そこまで考えたところで、何時も笑っている顔を今日は少し引き締めた妖目くんに声を掛けられる。

 

 「どう?もう最初っから答えなんてわかりきってたけど、答え合わせする?」

 

 最初は撫でるだけで満足できていたのに、最近になってよく彼を抱きしめるのも、今思えば私が彼との触れ合いに満足できなくなったんだと気づいてしまった。ごめんね、でももうお姉ちゃんという言い訳だけじゃ、この感情を我慢できそうにないや。

 

 「うん、私ね、獣狼くんの事が」

 

 ───好きになっちゃった。




 あーあ、コイツ出来るはずないって言ってた事を始めちゃったよ。でも、獣狼くんが一番感情を見せてるのって快心さんなんですよね・・・。

 ・・・妖目は幼馴染、つまり負けヒロイン。などという訳のわからない事を思いついてしまうのは、恐らく私が疲れているだけでしょう。気にしないでください。とりあえずBでLな展開は絶対にないです。

 私個人としては、幼馴染は正統派ヒロインと言えるでしょう。近すぎる距離感をどうにかするという必要があるものの(以下自主規制)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。