位階序列十四位のヒーローアカデミア   作:生活常備薬第3類

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 書いては消して、書いては消して、書いては消して・・・。多分もう三話分か四話分書いては、こっちの方が良いんじゃない?ここ抜いてもいいのでは?ここもうちょっと詳しくしない?と思いついてしまい、迷い迷ったこの期間。

 つまり、遅れてごめんなさい。


第五十九話:初めましての自己紹介

 梅雨ちゃんの事が気になるものの、本人が話してくれないなら無理に聞き出すことは出来ない。時間が経つのを待つか、何等かの方法で解消してくれるのを待つしかないのは、少しもどかしいが仕方がない。

 

 後を追う様に寮に入れば、中は外観通りにとても広いものになっていた。大きい長方形の建物の中央には中庭もあるのでガーデニングやお昼寝、家庭菜園など色々と楽しめそうだ。相澤先生の寮に関する説明も終わり、気になっていた他クラスの人が入れるかを聞けば、門限を守るならとやかく言わない、との事だったので妖目も快心さんも遊びに来られるだろう。

 俺からも行ければいいんだけど、正直自分のクラスメイトに慣れてきたばかりで他クラスの人とも、なんて俺には無理だしあっちも分かってるからか、その事は話題に上げない。

 

 だがまぁ、とりあえずは。

 

 「荷ほどき、だよね」

 「〈キャーウ!〉」

 「・・・夜桜、物を、持てない、じゃん」

 「〈キュゥー・・・〉」

 「・・・仕方、無い、ちょっと、ズルい、けど、“腕”、使おう?」

 「〈!キャーゥ、キューゥ!〉」

 

 荷ほどき、と言っても自分の部屋から持ってきたものはあんまりないし、すぐ済むよね。頼んでいた物も流石に一人じゃ無理と判断されたのか、設置されているみたいだし。

 

 

~~~~~

 

 

 一度お昼を挟んだとはいえ想像以上に荷ほどきが早く終わり、次いでとばかりに掃除と食材の買い物をしてもまだ夕方。夜桜を部屋の中で煩くしない事と物を荒らさない事を条件に自由にさせる間、1階の共同スペースにあるキッチンで自分用の料理を作っていた。背が低いので台が必要だったりと中々に大変だったが、少し大きめの鍋でカレーを、フライパンできんぴらごぼうの二品を作り終え、そろそろご飯も炊ける頃、問題が発生して悩んでいた。

 

 冷蔵庫に入れる為に冷やしたいのだが、そこそこ大きいので冷えるのに時間がかかる。この大きさの鍋だと氷水で冷やそうとしても時間がかかるだろう。でも夏の暑い季節で冷やすのに時間をかけていたら、細菌が繁殖して大変な事は目に見えている。出来ればこう、内外から冷やしたいが・・・。あ、出来る人いるじゃん、轟くんに冷やしてもらおう。ついでにお昼を食べれなかった夜桜にも持って行ってあげるか。

 

 「と、いう訳、で、助けて、ください」

 「・・・そんなに食う量が必要なのか?」

 「お昼、は、抑えて、いたから、ね。普段は、朝と、夜に、ガッツリ、と」

 「大変なんだな。・・・冷やすのは良いが、料理を少しもらってもいいか?」

 「良いけど、なんで?」

 「時間が時間だろ、腹減ったし焼肉以外も食いてぇ」

 「あー、切島、くん、言ってた、ね・・・。二品、と、ご飯、しか、無いけど、いい?」

 「正直今から作るのは面倒だ、文句はねぇよ」

 

 ちなみに夜桜に焼肉はどうするか聞いたところ、肉もいいけど甘いの頂戴と返された。・・・砂藤くんなら何か持ってそうだな・・・譲ってもらおうかな?

 

 夜桜の好みはともかく、先にきんぴらごぼうの方だけでも冷やしておいてよかった。この手の料理は冷えた方が味がしみ込んで美味しいからね。1階の共有スペースに到着すると、男子を中心に中庭へテーブルと七輪を運び、女子がお皿や箸等の準備をしていた。

 

 「おっ!轟に回精じゃん!」

 「七輪って本格的だな、よくあったなそんなの」

 「先生に聞いてみたら、ランチラッシュが持って来てくれたんだよねー!」

 「おぉ、凄い、という、事は、炭も?」

 「もっちろん!バケツも用意したし、今回は雰囲気重視で中庭焼肉パーティーだ!!」

 

 かなり本格的な焼肉にテンションが上がっていく芦戸さん、なら邪魔にならない為に早く用事を済ませた方が良いなとキッチンへ向かう。

 だがキッチンには鍋が無かった、いやカレーだけじゃない、水で冷やしていたきんぴらごぼうの入った容器も炊飯器もなくなっている。おかしい、なんで?辺りをキョロキョロと探していると。

 

 「あら?回精さんどうされましたか?」

 「八百万、さん。ここに、あった、鍋、知らない?」

 「あぁ、あちらでしたらホラ。中庭に移しておきましたわ」

 

 八百万さんの指さす方には鍋敷きの上に乗った俺の探していた鍋と、その隣にかなり見覚えのある容器と炊飯器。あー・・・確かに、この時間に大きな鍋をおきっぱならそう思っちゃうもんね・・・。

 

 「もしかして回精さんが作ってくれたんですの?」

 「・・・うん、まぁ・・・」

 「やっぱり!キッチンに台があったのでもしかしてと思いましたの!でも回精さんのお陰で滞りなく焼肉パーティーを始められそうですわ、ありがとうございます!」

 「あはは・・・、どう、いたし、まして・・・」

 

 では、私も中庭のお手伝いに行ってきますの。そう言って立ち去っていく八百万さん、まぁ普通そう思っちゃうよね、アレを一人用と思う人はそうそう居ないもんね・・・。僅かながら・・・いやそれなりに落ち込んでいると、肩に手を置かれる。

 

 「回精、ドンマイ」

 「えー、まぁ、約束、は、果たせ、そう、だよ・・・」

 

 とりあえず、今回の材料分は共有スペースから後で自分用に抜き取ろう。・・・許されるよね?

 

 

~~~~~

 

 

 焼肉パーティーも終わり、自分の食べる量を減らして夜桜分の焼肉を無事確保、4階の自室に待つ夜桜へ届けていた。みんなが片づけをしている最中にこっそりと脱け出したし、お皿は紙皿にラップで再利用可能にしているが・・・、まぁ捨ててもいいだろう。

 

 「〈キュー、キャゥ〉」

 「後で、聞いて、見るから。でも、ダメ、だったら、我慢、してね?」

 「〈キャウ〉」

 

 甘いものを欲しがる夜桜を部屋に残し、お風呂の準備をして1階に下りれば男子は荷ほどきが終わって談笑中の様だ。

 

 「あ、回精くんはこれからお風呂?」

 「うん、何時も、お風呂、早い、から」

 「早い時間に寝てるって言ってたもんな」

 「そそ、それじゃ、お先」

 「あいよー」

 

 お風呂場では室内の大浴場、と言った雰囲気の大きいお風呂だ。ただまぁ惜しむらくは、一番最初に入った俺がお風呂を使えないという点か。お風呂に入りたければ一番最後に入るしかなさそうだしなぁ、まぁそこまで気にしても仕方ないか、別にシャワーでも平気だしね。シャワーから流れるお湯を受けつつ、手だけはキッチリと次の準備のために動いている。最初は手こずっていた長い髪の手入れも、今じゃ慣れたものだ。

 

 お風呂から上がれば、タオルで水気を取りそのままドライヤーで髪と尻尾を乾かす。まだ誰も来る気配はないからゆっくりと乾かせる。ただ、流石にブラシまでは脱衣所でやるのは気が引ける、髪の毛ならともかく尻尾の毛は不味いだろう。

 

 とりあえずブラシは髪も含めて部屋の中でやればいいかな、夜桜には申し訳ないけどドライシャンプーで我慢してもらおう。

 共有スペースに戻ると、みんなが居ない事が気になったが寮の左側───つまり男子側から騒ぐ声が聞こえるので、部屋に集まってパーティーでもしているのかな?今回はやる事があるので参加出来ないのが寂しいが、夜桜の為だ。

 

 

─────

 

 

 お部屋訪問から始まった部屋王決定戦。クラスメイトの部屋を見て回るという現状にテンションの上がった女子二人と、こういったイベントに目が無い男子により、一部クラスメイトを除いた全員がみんなの部屋を見て回る事となっていた。

 

 そして現在、4階は今いる切島、障子の部屋を訪問し終わりエレベーターで5階に移動しようとボタンを押そうとしたところで。

 

 「あれ?エレベーターが動いてる?」

 「でも男子で今居ないのって、回精だけじゃ・・・」

 「つまり、ここで待てば回精の部屋が見れる・・・?」

 

 先に部屋で寝てしまった爆豪や、部屋からにじみ出る邪悪なオーラでそもそも訪問したくない峰田。しかし回精に関してはタイミングが合わず、お風呂に行ってしまった。ならタイミングが合えば?同じクラスの友人、更にはクラスでも上から数えた方が早い実力者であるが。

 

 「そーいやアイツの私生活って俺には想像できねぇな」

 「確かに合宿の時も朝すっげぇ早く起きたり、夜も早く寝てるもんな」

 「そんで見た目とは裏腹に大食いで」

 「すっごく可愛い!」

 「それ、絶対落ち込むだろうから本人には言わない方が良いよ・・・?」

 

 彼の特徴について今上げただけでもこれだ、更に上げようと思えば時間はかかるだろうが、まだ出てくるだろう。そんな個性的な同級生に、一部を除きクラスの思いが一つとなる、即ち───部屋めっちゃ気になる。

 

 一部の思いが一つになったところで、エレベーターが4階で止まる。中からは合宿でも見たゆったりとしたパジャマに着替え、その手にはお風呂やお風呂上りに使う道具を持った回精が出てくる。なので早速と言わんばかりに芦戸と葉隠が回精に詰め寄った。

 

 「ねぇねぇ!今お部屋訪問してるんだけど!」

 「回精くんのお部屋も見てみたいなーって!!」

 「えっ、面白い、物、とか、ないよ?それに、まだ、見せ、られる、状態、じゃない、し」

 

 お部屋訪問をやんわりと断る回精、しかし一部の者達は気づく。回精の尻尾がぴんと立ち緊張していた、つまり今部屋を見せたくない何かがある。それを察しすぐさま回精の肩を掴んで動きを止める芦戸と葉隠。

 

 「えー、何々?見せられない物でもあんのー?」

 「私たちすっごーく気になるんだけどぉー?」

 「まさか回精、お前もエロいもn・・・あ何でもないです、スイマセン・・・」

 

 肩を掴まれ、頬の柔らかさを楽しむ様に左右から指で押されるも慣れてしまっているのか、少しの間上の空になっていた。しかし峰田の、まるで自分と同じという様な発言を無言で睨みつけて黙らせた後、少しの間何か考える様に目を閉じ、ため息と共に。

 

 「それじゃ、見る、だけだよ?」

 「「ぃやったぁー!!」」

 「・・・ところで、離して、ほしい。逃げない、から」

 「あぁ、ごめんごめん!触り心地よくってついつい」

 「あんまり、人で、遊ばない、でね」

 

 とは言いつつも、尻尾は緩やかに揺れているので、本人も人との───クラスメイトとの触れ合いは満更ではないのだろう。

 回精が歩き出せばそれにつられ、全員が歩き出す。そうして扉の前に到着すれば回精は最終確認をするかのように全員に尋ねる。

 

 「本当、に、何も、無いけど、良いの?」

 「いいのいいのー!さぁ早く早くー!」

 

 葉隠の言葉にため息を吐くが、諦めたのかドアノブに手をかけそのまま扉を開く。

 

 「うわぁー、家具ちっちゃい!」

 「身長、に、合わせ、たら、こうなる、からね」

 「家具が小さい分、部屋が広く感じるな・・・」

 「おぉぉぉー・・・、なんかおっきくなった気持ちになるね・・・!」

 

 部屋の中は明るさを抑えた緑をメインに茶色をサブとしたカラーリング、葉や蔦と言った模様の壁紙に似たような装飾の施された家具。全体的な色合いや装飾から森の中、もしくは林の中と言った印象を受ける。

 

 回精の身長に合わせたからか、全ての家具が全員から見ても小さいものになっていた。部屋の中には椅子が無く、中央にクッションと机があるので床に座る事がメインになるのだろう。

 だが部屋の中に入れば、外からは見えなかった異質なものも見えてくる。

 

 「うぉ!?でっけぇ冷蔵庫!」

 「沢山、食べる、からね」

 「中は・・・まぁそんなに入ってねぇよな。調味料はあるっぽいが」

 「今日、使い、始めた、からね」

 

 部屋の中にある大型のメタリックブラウンの冷蔵庫、業務用冷蔵庫と言われても通用する様なソレには、マグネットのデフォルメされた可愛らしい昆虫や葉などが上から下まで点々と取り付けられ、回精の身長程の高さにはホワイトボードとそれに書き込む為のペンも取り付けらていた。

 

 特にめぼしい物も無く、しかし自然の中の様な部屋という他にはない特徴に興味の無かった者以外の好奇心が満たされる。・・・約一名、何かエロい物がないか物色している者が居るが、誤差だろう。

 ()()()()()、興味の無かった者の声は良く通った。

 

 「なぁ、この皿どうしたんだ?」

 

 轟が指さす先には、そこを探そうとしなければ死角となる場所に隠されたお皿が置いてある。全員が再び好奇心を刺激されるが。

 

 「自作、カレー、ライスの、摘まみ、食い、だよ」

 「食べる為の道具も無しに、か?」

 

 なんともない風に答える回精、しかし轟はその言葉に続けるように回精を追い詰める一言を発する。この言葉には回精は何も言い返せず、それに、と言葉を続けた。

 

 「この皿、カレー食ったにしちゃ綺麗すぎだろ?舐めたって線もあるだろうが、割としっかり者のお前がそんな事するとは考えづれぇしな」

 「・・・割と、は、余計、だよ。でも、舐める、かもよ?だって、キツネ、だし」

 

 若干間が開いたものの、回精の言い分はわからなくもない。しかしどうあがいても苦しい言い訳にしか聞こえない、少なくともこの場にいるほぼ全ての人がそう感じている。

 

 ───では、そう感じていない人はというと。

 

 「ベッドの下に紙の束!間違いねぇ・・・エロ本だァ!!!」

 

 全く話を聞いていなかったようだ。しかし彼の発言は回精のポーカーフェイスを崩すには十分だったようで、一瞬ではあるが体が反応してしまう。

 

 「峰田、くん?勝手に、部屋を、漁る、のは、よく、ないよ?」

 「へっへっへ・・・エロ本はもうオイラの手の中ぁ・・・!」

 「聞いて、ないなら、力、づくで───」

 

 すぐさま取り繕い正論で止めようとしても、峰田は血走った目でベッドの下に腕を突っ込み、話すら聞いていない。仕方なく、回精は強行策を取って止めようとするが。

 

 「えー?回精エロ本持って来てんのー?」

 「そもそも、無い、けど?」

 「ならいいじゃねぇか、それともやっぱりそういうのだったり?」

 「・・・対処、に、困る。だから、見せたく、無い」

 「対処に困る・・・まさか常闇みたく黒歴史なノートとか!?」

 「黙れ・・・!」

 「それで回精、お前この部屋に何を隠してるんだ?」

 「・・・・・・・・・」

 

 芦戸と瀬呂に捕まれ動きを止められてしまった。彼らの言葉を否定するも、ニヤニヤとした表情が「面白そうだから」と物語っている。上鳴の不要な発言で常闇に飛び火してしまい、轟の確信を持った発言には沈黙するしかない回精。真面目な者達も回精を信じているが、もし本当にそういった物を持ち込んでいたら?と、僅かな疑惑のせいで二の足を踏んでいた。

 

 「ぐぐぐ・・・なんかに引っかかってんのか・・・?だが後少し、後少しでおタカラがぁ・・・!」

 「っ、待って!」

 「おぉっと、悪いが止めさせてもらうぜ?これも寮内の風紀の為だからな?」

 「そーそー!そういうのはもっと大人になってから、ね!」

 「風紀、なら、そこに、一番、乱し、てる、のが、居る、けど!?」

 「ハッ!?確かに回精くんの言う通りだ!峰田くん!他人の部屋よりも、まず君の部屋を改める必要があるのではないか!?」

 「よっしゃぁ!取れ───」

 

 回精の説得に芦戸と瀬呂はそろって目を逸らす、しかし捕まえた手を放すつもりはないらしい。しかし飯田にはその説得が通じたようで、未だ見ていない峰田の部屋には学生には相応しくない物があるとほぼ断定しているが、日頃の行いの結果だろう。だがそれでも間に合わなかったようで、峰田がベッドの下から紙の束を引き出す。

 

 ()()()()、紙と一緒に黒いナニかがベッドの下から引き釣り出された。黒いナニかは黒の毛であり、紙に噛みついている犬科の頭と緑色の瞳、峰田に胴体まで引き釣り出された為にのっそりと下半身もベッドから現れる。よく見れば上瞼に化粧の様に赤い線が入り、額には四枚しか花弁がない赤い桜。両前足には肩まで蔦の様に赤い線が枝分かれしつつ伸びており、肩で円を描いていた。

 立ち上がれば隠れていた尻尾も露わになり、特徴的な尻尾から狐と分かるが、それにしては大きい。狐の横で腰を抜かして尻餅をついた峰田よりも体長が長そうだ。

 

 あまりにも予想外な存在に、ほぼ全員が固まってしまう。回精は緩んだ拘束から脱け出し、疲れたようにため息を吐き。轟はというと、意外な事にあまり驚いた様子はない。誰もが驚きで動けない中、ただ一匹はすぐ隣の峰田を恨みがましくジト目で睨み。

 

 「〈ギャゥ〉」

 「ぐぺぇっ」

 「「「み、峰田ぁぁぁぁぁぁ!?」」」

 

 器用に前足で頬を叩いた、爪を立てなかったのは慈悲であろう。しかし幾ら肉球だけとはいえ、それでも叩かれれば痛い物は痛い。一撃でノックアウト、そのまま倒れる峰田に一部の男子から叫び声。しかしそれでも状況が動いた事に変わりなく、故に。

 

 「わぁー!おっきい狐!」

 「ウサギもいいけど、この子も可愛い!!」

 「もー!これなら早く言ってよー!変な勘違いしちゃったじゃん!」

 

 葉隠さんに麗日さん、芦戸さんの動物好きが一気に狐に触れようと無警戒に近づく、高さを合わせる為にしゃがんだ次の瞬間。

 

 「〈ギャゥッ〉」

 「へ?わっ、わわわっわぷっ!?」

 「跳んだぁ!?」

 「うわっ、こっち来たぁ!?」

 

 狐が大きく跳び上がり、芦戸さんの後ろに着地する前に後ろ脚で背中を押す、その勢いで体が倒れるもベッドに突っ込んだ形になった為、怪我は無いだろう。その後一直線に回精の方へ向かって行く、驚いた瀬呂によってテープが射出されるが、まるでテープ自体が避けているかのように狐は止まる事無く突き進む。そして大きく跳び上がり。

 

 「うぉっ!?とっとと!」

 「〈キャゥ〉」

 「はい、ありがと。でも、ちょっと、悪戯、し過ぎ」

 「んで?そいつの説明はしてくれるよな?」

 

 瀬呂の肩に着地し、回精に飛びついた勢いで瀬呂は体勢を崩すもそこはヒーロー科、持ち直し飛びつかれた回精に目を向ければ、狐は回精の腕を足場に器用にバランスを取り、口に咥えた紙の束を回精に渡していた。それだけで回精の関係と分かり、轟の追求に回精は諦めたように告げた。

 

 「ホント、なら、明日、に、紹介、する、予定、なんだよ?まだ、これも、読み、終えて、ないし」

 

 その言葉と同時に、夜桜と呼ばれた狐は回精の胸に飛び込みそのまま入っていく。まるで幽霊が壁を通り抜ける様な光景は、その場に居た全員を唖然とさせる。しかし回精の変化にも目をむいた、回精の瞳には桜の花弁が四枚、バツ印を描いていた。

 

 「それじゃ、みんな、には、初め、まして、だね。この子は、夜桜。俺の、個性で、新たな、家族、だよ」

 

 あまりの変化に、連絡が取れなかった間に何があったのか、どうしてそうなったのか、クラスメイトの質問が殺到した。




 料理のチョイスにはかなり作者の趣味が入っています、が気にしなくていいでしょう。

 うーん、もっと短く済むと思ったのに長くなる。でも投稿出来たのでヨシ!

 そろそろキャラ設定も本格的にまとめようかなー、なんて。また時間がかかりそう・・・。
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