位階序列十四位のヒーローアカデミア   作:生活常備薬第3類

8 / 70
 ちなみに私は僕アカ、なんとアニメしか見てません。静粛に、立ち上がらないで座ってください。物も投げないで!!うん、買いたくても置く場所が・・・。

 後アンケートもこの後実施予定だよ、無かったらしばらく時間をおいてから更新してね。・・・やってくれる人いるかなぁ・・・?
 あ、アンケートは一応1日くらい待ちます。なんで1日?私が続きが気になって書き始めちゃうからです。意思が弱いです。


第七話:恐怖を打ち破る真紅の獣

 周囲の全てを、まるでゲームの様に上から見ている様な錯覚に陥る。妖目の弱弱しい呼吸、快心さんの立ち止まる足音、そして妖目に拳を振りかぶっているタイツ男の筋肉のしなり。全て、全て。見て、聞いて、感じ取れる。否、恐らく五感以外の()()が教えてくれる。空気の流れ、相手の次の行動、そしてその過程まで。

 そして、妖目の死と言う運命を覆す為に。地を蹴った。

 

 

─────

 

 

 先ほど黒タイツの仲間と思しき同じ黒タイツを着た男の襲撃に、一人の男性が叫びながら体を変質させつつ立ち向かうも黒タイツの男は無造作に腕を振り抜き、男性は吹き飛ばされながら壁に激突した。その光景を目の当たりにしその暴力が次は自分に振るわれるのではないか。と言う恐怖に人質たちは立ち止まる。

 

 「うおおおおおおおおおお!!」

 「!?妖目くん!?行っちゃだめだよ!!」

 

 一人の少年が少女の静止を振り切り黒タイツに立ち向かう。その姿を目にした人々は今のうちに我先にと逃げだすもの。壁に激突した男を救出して一緒に逃げようとするもの。未だ動けないもの。様々だ。

 少年は黒タイツの振り下ろしの拳を避ける、しかし地面に衝突した際にその怪力で吹き飛ばされる。吹き飛ばされつつ体勢を立て直そうとする少年だが、それより先に黒タイツが少年の足を掴む方が早かった。そして足を持った腕を振り上げて振り下ろす。単純な動きだけで少年は更に傷つき動きが鈍る。相手の都合など関係ないと言わんばかりに黒タイツは地に伏せている少年を蹴り飛ばす。先ほどから力を入れていないのだろう。少年は一回バウンドしただけで済んだが、少年のダメージは最早許容限界だった。かすかなうめき声と共に少年の首が掴まれ持ち上げられる、そして黒タイツの男は首を掴んでいる方とは反対の腕を構える。遊びは終わりだ。そう告げる様に腕に力を込めていく。人々は恐怖し、少年から背を向けて走り出す。次は自分だ、早く遠くに逃げなきゃ。

 すると、炸裂音、しかし爆発とは違う軽い、とても軽く乾燥した炸裂音が人質たちの後ろから聞こえてきた。

 

 「もう、お前の、好きに、させない」

 

 とても中性的な声が後ろから響いてくる。一部の人が後ろを振り返る、近くには先ほど少年を止めようとした少女と恐怖に立ち竦んでいた人たち。そしてその先の光景に今までに見覚えのない色を見る。

 黒タイツの、少年の首を掴む腕の上に、まるで白黒漫画の一コマにインクを落とした様に主張する赤。赤く、しかし赤よりも濃い赤──真紅色だった。

 それが髪と獣の耳、そして獣の尾だと気づいた。

 それがしゃがみこんで、片手で黒タイツの拳を止めている子供と気づいた。

 それが夏らしい、半袖半ズボンの服から見える肌に同じ真紅の紋様が現れている事に気づいた。

 それが伏せていた顔をゆっくり上げる。顔にも体に現れている模様と似た模様がある。そして閉じていた目を開く。

 

 「命を、救う。だから、お前を、倒す」

 

 ──真紅色の目。それが、力強く輝いていた。その全ての影を祓う様な輝きは、まるで──

 

 再びの炸裂音で現実に戻される。次の瞬間真紅は消え──。

 轟音と共に黒タイツが頭から天井に刺さる、そして黒タイツに掴まれていた少年は真紅に抱えられていた。

 

 真紅は少年を降ろす。少年は意識が朦朧としながらも真紅に手を伸ばす、そして真紅は手を取り。

 

 「助けて、来る」

 

 炸裂音と共に、真紅は消えた。人々はまるで狐につままれたような中、しかし確かに黒タイツが無力化され少年が救出され。気づいた時には出口の方から複数の足音が来てそれが救出部隊と気づき、助かったと喜んだ。

 

 

─────

 

 

 先ほど自分たちが捕まっていた広場に戻る。そこにはまだヒーローの気配がするから、生きているからと。そして広場に一瞬で到着する。そこにはボロボロのヒーローと、そのヒーローの背を踏みつける黒タイツが居て。

 

 『なんだ、お前』

 

 と言う放送の声が聞こえてきた。放送の声は無視。ヒーローは生きている事を通常よりも格段に強化された五感で認識すると、先ほど無力化した勢いで黒タイツに接近。そしてその勢いを利用した回し蹴りを頭に叩き込む、が。

 

 「重ッ!」

 

 想定より黒タイツは飛ばず、しかしヒーローから黒タイツを引き離しつつ、壁際という()()()()()()()()()()()()動きづらい場所から中央に移動させる目的は達成したのでよしとする。

 

 『!ハハハァ!そいつは特別性でねぇ!君がぶっ飛ばした奴より全ッ然強いよぉ!!』

 

 だろうな、と心の中で呟く。さっきの黒タイツは反応もせずにカチ上げられてくれたがこいつは咄嗟に腕でガードしやがった。完全には追えてないだけだろう、追えていればカウンターをしてくるはずだ。だったら・・・。

 もっと速く、もっと強く。なぜか()()()()()()()。このくらいまでは大丈夫、アイツはこのくらいは耐えられると教えてくれる。

 

 低い姿勢から勢いよく突撃、そして黒タイツの手前付近で床に手をつきそれを支点に膝に回転の勢いをつけた蹴りを入れるが、膝から脛に打点をずらされ良いダメージが入らない。それならばと腕の力だけで跳ね上がり、踏みつけの要領で胴体に足を繰り出すも腕に防がれる。ならばと防がれた腕を足場に一旦離れ、着地と同時に未だ胴体を守っている腕に拳を連続で叩き込むも他の部位より頑丈なのかダメージが入った気がしない。胴体を守っているのならと、顎を狙おうと行動しようとした瞬間。手を広げこちらを掴もうとしていた為に空中を蹴って離脱。

 

 『ヒャハハハハハ!!どうしたぁ!?全ッ然ダメージが与えられてないじゃないかぁ!!』

 

 ・・・先ほどから聴覚が起動している小さめの機械の音を捉えている。どうやら相手は監視カメラでこちらを見ているだけのようだ。そりゃそうか、監視カメラじゃ血壊の速さを捉えきる事は不可能だ。だからこそこっちが攻めあぐねている様に見えるし、監視カメラが下手に視界を動かさない様に黒タイツの前面にしか攻撃をしていない。それに()()()も仕込みが終わったようだ。仕留めよう。

 黒タイツから離れる。先ほど頭を蹴った時より速度をつける為に姿勢を低くする。

 

 『いいよぉ!!やけくその特攻!!ハハハハハハァ!!』

 

 放送は無視、視界の隅で準備が出来たようだ。向こうでこちらに合わせるようで流石としか言いようがない。

 

 「いくぞッ!!!」

 『ヒャハッ!その生意気なガキをつぶせぇぇ!!』

 

 足で溜めた力を開放する。先ほどよりも速く黒タイツに突き進む。黒タイツは腕を上げ殴り潰そうとしたのだろう、完全に意識を此方に向けている。故に、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 『んなぁ!?この死にぞこないがぁ!!』

 「市民ばっかりに・・・子供が頑張ってるんだ・・・!これくらいぃ!!」

 

 既に限界を迎えているのだろう、自分は立ち向かえないし黒タイツに届く力がない。しかしならばと一矢報いる為の妨害を行う。その為にワイヤーを使い自分を引きずりながら移動する。そしてその妨害は功を成す。腕が途中で鈍る、ワイヤーは建物の柱に固定したようで、流石のパワーも柱を一気に壊す程ではない。

 

 ヒーローが作ったチャンスを逃さないために、途中で向きを変え黒タイツの腹に片足を刺し込む。しかし黒タイツの腹筋はギリギリで足を食い止め、腕を固定したワイヤーと足で踏ん張る事で吹き飛ばされることを防いだようだ。想定外の事態に反応が遅れた。何とか耐えた黒タイツは残った腕でこちらを掴もうとしている。不味い。このチャンスを逃せば次の攻撃のタイミングが。

 そこまで考えたタイミングで、聴覚と()()が空気を割いて飛んでくる小型の物を知らせてくる。段々音が大きくなっていくが小型の物は俺に当たるルートではなく──。

 掴もうとしていた黒タイツの肘に大型のナイフが上から刺さる。神経を傷つけたのだろう、黒タイツの腕は力なく下がっていく。

 

 「オオオ、オオオ!!」

 

 ──今だ。腹に刺した足を軸にその場で回転する。狙うは、黒タイツの顎・・・!

 つま先が黒タイツの顎を捉えパァンと言う軽い音と共に振り抜かれる、と同時に離れ警戒をする。想定より力が入っておらず、すぐさま仕留められるように警戒するものの。黒タイツは力なく膝から崩れ落ち、正座のような体勢で動きを止める。どうやら脳を揺らされれば流石に動けないようだ。安心したのか徐々に体の力が抜けていき、そして俺は倒れた。

 

 「おいっ!大丈夫か!?」

 「なん、とか。ただ、力が、もう」

 「個性の反動か・・・?とりあえず急いで救急隊員を呼ぶから待っていろ!」

 

 ヒーローがそう言うと一人喋り始める。無線か何かだろう、もう安心だと気を抜こうとした時。

 

 『てめぇぇぇ!!許さねぇからなぁぁぁぁぁ!!』

 「そう、言えば、まだ、いた」

 『ハッ!てめぇらもう力使い切っちまったんだろぉ!?ならそのまま仲良くあの世に行っちまえ!!』

 「何を・・・っ!まさか爆弾がまだ!?」

 『ヒャハハハハ!その通ぉり!!じゃぁな!!!』

 『うーん、それはもう無理だと思うよ!』

 『・・・は?』

 

 唐突に別の声が聞こえる。語尾が上がるかなり特徴ある声。しかしその声は着実にもう一つの声を追い込む。

 

 『友人に頼まれちゃってね!「息子がテロにあった、どうやら警備システムを乗っ取れるだけの準備をしてきている連中らしい。お願いだ、警備システムを乗っ取り返してくれ」だってね!彼には色々お世話になっているし、借りを作るのも悪くないから引き受けちゃったよ!』

 『乗っ取れるわけねぇ!俺様の作った完璧なシステムが、乗っ取れるわけが!!』

 『いいや無駄さ!今君の操作を受け付ける物は一つもない。その手に持った起爆スイッチもね?』

 『ッ!なんだよ!ざっけんなよ!!ふざけるな!!くそっでれねぇ!!』

 『HAHAHAHAHAHA!!諦めてヒーローが来るまでそこに閉じ込められてるんだね!!HAーHAHAHAHA!!』

 

 ・・・何か、最後少し狂気的な笑いだったような・・・でも、どうやら特徴ある声の人のお陰で助かったのだろう。・・・最後にあのナイフを投げたのは誰なのだろうか、少し気になり上階を探すと一人、男が立っていた。口が動いているから何かを言っているのだろう。生憎血壊の反動かしばらく耳がいつもより鈍い。でも、その目は何かを期待している様な目でこちらを見ている。・・・どうやら限界のようだ、ヒーローの呼びかけと、複数人の足音を聞きながら意識を落とす。




 警察とヒーローが突入したデパートの屋上から抜け出し、隣の建物に乗り移る事で早々にデパートから離脱する。今日は良い日だ。ヒーローに襲撃されたとは言え4人の内2人は見所がある。残り2人には逃げられたがそれを加味してもいい日だ。しかし、それと同時に見極めるべき存在もいた。

 民間人の身でありながら個性を使い、そして自分からヴィランに立ち向かう。不用意に個性を使い、被害を広げるその行為はヴィランと同じであり、粛清対象であると言える。しかし本人はあの場のヒーローの命すら救おうとしていた。その精神は寧ろ見所があると言えよう。

 「・・・今回は見逃す、しかし民間人の身でまた今回の様な無茶をするなら・・・ハァ・・・粛清対象だ・・・」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。