位階序列十四位のヒーローアカデミア   作:生活常備薬第3類

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 お久しぶりです。修正したり書き加えたりしてのどったんばったん大騒ぎが終わったので次を書きたいと思います。そろそろ原作の入試だ・・・!

 ところで初めて登場する原作キャラがステインで次が根津校長って中々無いよね。どうしてこうなった。


第八話:目覚めと致命的失敗、あとお叱り

 目が覚める。長い間寝ていたような体のだるさと意識がぼんやりした中で、一定間隔で鳴る特徴的な電子音と薬品の匂いが意識を覚醒させる。目を開けるとぼんやりとした視界が段々と鮮明に物を捉える。白、白、白。一面が白ばかりなこの場所は電子音と薬品の匂いから病院だろうか?そう考え起き上がる、が。

 

 「・・・おなか、すいた」

 

 異様にお腹が空いた。この体になってから食事の量は確かに増えたがここまで空腹を訴えることも無かった。・・・いや、前に一度あった。確かあれは小さい頃に血壊を使った時だ。あの時は血壊がすぐに収まったがそれでも今みたいな空腹を訴えていて、お母さんに頼んで沢山食べさせてもらったっけ。そう考えているとドアの向こうからいい匂いがしてきた。

 ───食べ物だ。そう考えるよりも体が動く、少し動きづらいがまぁ問題ないだろう。ベッドから降りドアの方向に進むと。

 

 「あれ?獣狼くんもう動けるようになったの!」

 

 声が聞こえる。けれど視界は“それ”を捉えて離さない、手を伸ばそうとすると“それ”は上がっていく。“それ”を追いかけ目線と手が上に向かうと口元を片手で抑え顔を少し背けた快心さんが居た。恐らく“それ”は快心さんの物だろう、どうにか譲ってもらわなきゃ。と考えたところで。

 

 「・・・獣狼くん、これ。欲しい?」

 「・・・!うん、ほしい」

 「・・・じゃあ、ちょっとお願いがあるんだけど。いいかな?」

 

 おぉ、これが妖目だったらくれなかっただろう。アイツは薄情だからな。俺は“それ”をもらえる嬉しさに、快く承諾した。・・・してしまった。

 

 

─────

 

 

 「あれから丸一日、か」

 「あぁ、命の危機って訳じゃないが本人は目覚めなくてな」

 「原因はわかっているのか?」

 「いいや、恐らくは個性を限界まで使った反動。という事くらいしかわからん」

 「そう・・・か、命の危機が無いとは言えテロ事件を解決に導いた恩人だ。早く目覚めて元気な姿を見せてほしいよ」

 「そう・・・だな」

 

 病院内をスーツを着たがっしりとした男と白衣を着た細見の男が歩く。スーツ姿の男は白昼堂々と爆弾を使い何処からか手に入れた銃をチンピラに与え終いには改造人間などという倫理観を完全に無視した存在を二人も用意するも、奇跡的に死者が0人で終わった事件。通称“テロ事件”を解決したワイヤードの()()()である一人の少年の容態の確認に来ていた。

 ・・・実際は協力者ではなく改造人間を二人無力化するという功績を残しているが・・・。一人目はまだ正当防衛で対処出来る、しかし二人目に関してはヒーローを救うためとはいえ一般人が事件現場に戻り個性の不正使用・・・未成年とはいえ立派な犯罪行為である。だが現場の判断。ヒーローが一般人に協力を求めた事にしたために少年の存在は明るみに出ることは無かった。

 しかし、世間はヒーローが一般人の少年に助けを求めるという事態を騒ぎ立てた。そしてその矛先は現場に居た唯一のヒーローに向いた。ワイヤードの名声や実力派ヒーローとしての地位に少なくない影響があったものの本人は「俺を助けるために戻ってきてくれた少年に、犯罪者の烙印を押すような事はしたくない。それに恩人の為に泥を被るのも、あの場で少ししか活躍できなかった俺の役目だ」と非公式ながら関係者に語っていた。

 

 「ほんっと、カッコいい事言ってくれるよ。ワイヤードは」

 「全くだ。・・・聞いたか?ワイヤードがテロ事件の前に3人の実力派ヒーローと一時的に組んでいたらしいが、ワイヤード含む4人でチームを結成したらしいぞ?」

 「・・・カッコいいなぁ、お陰で刑事の肩身が狭いよ」

 「ふん、そんな事言いつつ、ヒーローとは違う方向で市民を救いたかったんだろう?だから態々連絡が来てからくればいいもを、連絡が来る前に見舞いに来やがって」

 「うるせぇ、お前だって似たようなもんじゃねぇか。ナースが居るんだから容態の確認位任せてやれよ」

 「・・・違いないな」

 

 彼らは長年の友人の様な気やすさで未だ眠る少年の病室に向かう。本人たちは口に出さないものの心配しているのだ。スーツ姿の男はまだ書類が残っているのに外食と称してこの病院に訪れ、白衣の男は案内するついでに容態の確認を。しかしスーツ姿の男は前も一度来ている為に患者とぶつからない様に気を付けつつ進む。少年の病室に着いたのだろう、扉の前で止まるといきなり扉を開ける。

 

 「・・・」

 「おいおい、ノックくらいしろよ。・・・突っ立ってないで早く入ってくれないか?形だけとはいえ容態を確認・・・」

 

 空気が凍る、その表現がこれ以上ないほど適切であった。視線の先では黒髪の少女がベッドに座っている少年に手渡しで果物を食べさせていたのだから。扉を開ける音に反応したのだろう、こちらを見たまま固まってしまった少女と来客に気づいていないまま少女の指が摘まんでいた果物をぼんやりとした目で食べているのだから。

 スーツ姿の男は一瞬で刑事としての自分に切り替える。確かあの少女はテロ事件の被害者で少年の友人だったはずだ、個性は安眠で今みたいな状況に持ち込むものじゃない。と考えたところで。

 

 「ち、違うんです。誤解なんです。獣狼くんがお腹空いたっていうのでまだ疲れてるだろうと思い果物を食べさせてあげてただけで・・・」

 「・・・おねー、ちゃん。つぎ、あーん、あーん」

 「・・・とりあえず外でお話を聞かせてくれるかな?」

 

 アウト。刑事の男は少年が口にした内容を吟味するまでもなく少女を廊下に連れ出し病人に何をしているんだとか、彼は一応君のクラスメイトなんだぞとか、周りの迷惑にならない程度に叱っておく

 

 

─────

 

 

 気が付いたら近くに細身の医者が居た。医者から何処か体調が悪いところはないかと聞かれすぐさま空腹を訴えると、苦笑した後にご飯を持ってくると言い病室から出ていく。すると入れ違いに何処か呆れたような表情のスーツ姿の男性と落ち込んだ様子の快心さんが入ってきた。・・・どんな組み合わせだこれ?とりあえず快心さんに挨拶するとビックリしつつも挨拶を返してくれた。・・・本当にどうしたのだろうか?聞いても何でもないと返され。スーツ姿の男性が気にしなくていいと言う。・・・?まぁいいか。と考えたところで先ほどの医者が食事を持ってきてくれた。・・・イメージしていた病院食と量が違う、明らかに通常のお皿より大きい上にその分沢山乗っている。どうやら異形型の中にはエネルギーを沢山必要とする人がいるらしく、そのために大きいお皿を用意したりするんだとか。しかし今はその気遣いが有難かった。とてもお腹が空いているのだから。・・・おかわりは一回までらしい。

 

 全品おかわりし、平らげた後スーツ姿の男性が自己紹介をした。どうやら刑事さんらしく、大事な話があるからもう一人呼んでくる。と言い退出した。誰だろうと考えていると思っていたよりすぐに戻ってきた。そこには。

 

 「妖目・・・?無事か!?」

 「獣狼クンよりは無事かなぁ。あの後回復系の個性を持ったヒーローに治してもらったからねぇ・・・」

 

 ?何か少し元気がない様だが・・・ともかく妖目が無事でよかった。・・・ちゃんと間に合ったんだな、と思っていると刑事さんが本題に入るらしく、話を聞く体制に入る。

 

 「大事な話というのは今回の君たちが巻き込まれた事件、通称テロ事件についてだが───」

 

 今回の事件で死者が0人だったことに喜んだ。しかし一般人が大暴れした事は公表できずに協力者として隠す事、そして現場に居たヒーローであるワイヤードに泥を被ってもらった事を聞いた時には、かなりのショックと落ち込んだ為か耳が倒れ視線が下がる。と、突然硬くて大きい掌が頭に乗せられて少し雑に撫でられる。

 

 「それだけ反省してるのなら、あんまり叱ってやるのもよくないな。それにお前さんのお陰で死者が0人なんだ。そこは誇っていいぞ」

 「だからと言って今回みたいな事をやられると次はそこの刑事に逮捕されるだろうからな」

 「ま、そういうこった。もし人助けをしたいならヒーローになってから個性を使えよ?君みたいな強い個性を持ってる人なら立派なヒーローに」

 「!待ってくれ、獣狼はヒーローには」

 「妖目」

 

 妖目が俺のトラウマの事を気にしているのだろう、過保護にもほどがある。だから俺の今の嘘偽りのない本心を伝える。

 

 「もう、大丈夫、だよ。もう、乗り越え、られた」

 「だがお前は、トラウマがあるだろう!!」

 「あの時、妖目は、助けを、求めた、でしょ?だから、動けた。妖目の、お陰で、乗り越え、られたよ?」

 「・・・もう、大丈夫なのか?」

 「うん、大丈夫。だから、妖目も、許して、いいよ?」

 「・・・そっか」

 

 全く、俺の親友は変なところで自分を責める。本人が許してるんだから自分を許せばいいものを。お陰で話を知らない三人が変な顔をしてる。

 

 「あー・・・とりあえず何ともないって事でいいか?」

 「お世話を、お掛け、しました」

 「まぁいいけどよ・・・こっちからはあんま事件の事を言いふらすなよって事と、事件に首を突っ込むなよって釘を刺しに来ただけだからよ。特に妖目君、君は黒タイツに自分から向かって行ったんだからな。反省しろよ?」

 「・・・はい、ご迷惑をおかけしました・・・」

 「めずら、しい。妖目が、おとな、しい」

 「・・・私、空気だよぉ・・・」

 「忘れ、てた。ごめんね?快心、さん」

 「もう・・・どうせ色々話してくれないんでしょ?しょうがないなぁ・・・」

 「あはは・・・悪いけど、流石に内緒って事で、ね?後で獣狼のちっちゃい時の写真、コピーしてあげるからさ?」

 「さらっと、人を、売るな!!」

 

 こうして、事件は無事に終わった。どうやらみんなの仲も変わらないし、寧ろ妖目も幼稚園の時の呼び方に戻ってくれたから万々歳だ。お母さんもどうやら連絡を受けてきてくれるらしい。・・・丁度、お母さんと話したい事が二つほど出来たところだ。これからの事を、目線位の高さで()()()()()()()()()()()()二頭身くらいの小人たちの事を。




 すいません、前話がシリアスばっかでゆるーい感じになってしまいました。ごめんなさい。シリアスは長続きしません。疲れます。

 親友だからこそ言葉少なくても伝わるものもあります。

 あとこれから獣人種のクロスとか言っときながら微妙にずれていきます。どうかご容赦ください。出来る限り獣人種の延長という形でやれるようにします。
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