血と汗と涙のバトル作品でも甘酸っぱい恋愛ラブコメ作品でもありません。
ただただ甘い作品です。
「なんであたしがお前の枕にならなきゃいけねぇんだよ……」
1唱目.雪音クリス枕
「いやーあのね? 俺も毎日仕事仕事で疲れてるのよ。だから安らぎの時間が欲しいわけよ」
「だからって……その、なんだ……ひ、膝枕……なんて……」
見上げるその先にはお顔が真っ赤なクリスちゃん。照れてる姿が可愛いものです。
「第一、なんであたしなんだよ……他のやつに頼めばいいだろ」
「例えば?」
「た、例えば……あのバカとか……こう、それに適したやつがいるだろ!」
「クリスがいい」
「!?!?!?!?」
少し直球過ぎただろうか。両手で顔を隠し慌てふためくその姿に、自分の奥底から湧き上がるムズムズ感が抑えられない。
「お、おま……っ! おまそういう事を軽々しく言うんじゃねぇよ!」
「なんでさ」
「なんでって……か、勘違いするじゃねぇかよ……」
「勘違いされたいなー」
「────っ。お前ほんとばか……」
はい。今、クリスから"ばか"を頂きましたけどもね、こんなんいくらあっても良いですからねぇー。
クリスの"バカ"は本当にバカなものを見た時に使うが、一方の"ばか"は恥ずかしいものを見た時や照れている時に使う一種の愛情表現です。
ここ、テストに出ますよ。
「あたしにここまでさせたんだ。他のやつに目移りしたら許さねぇからな……」
「そりゃあもちろん。クリス以外の枕に浮気したりしないから安心してくれ」
「……」
自分から浮気するなって言ったのに照れるのやめて欲しい。だって可愛いからさ。
しばらく静かにしていると、クリスが口を開いた。
「なぁ……」
「ん?」
「感想は?」
質問の意図が読めず、俺が聞き返すと、
「だーかーら! あたしの膝枕の感想だよ! 人様を枕にしといて感想の一つも無いとか無しだぞ」
「あーそうだった」
クリスをイジるので満足してしまっていた為か、大事なことがすっかり抜けていた。
「まず柔らかい」
「……お、おう」
「それにすべすべだし、いい匂いするし」
「……おう」
「上を向けば山脈、耳をすませばクリスの可愛い声がする」
「……」
「まさに完璧な枕だ」
「……」
淡々と感想を述べる。途中からクリスからの相槌が消えていったのが気になり、そっとクリスの顔を覗こうと動く。が、
「み、見るなぁ……!」
「むぐっ!」
クリスは手のひらで俺の顔を抑えた。俺が力を入れて動かそうにもビクともしない。
「……どうしてお前はそう、恥ずかしい言葉がペラペラ出てくるんだよぉ……」
「良いものを良いと言って何が悪いのさ」
「そういう事じゃねぇだろぉ……」
「とりあえずさ、手を退けてもらえないか?」
「……やだ」
駄々っ子か。
と、心中で思うが決して声には出さない。
「……罰としてしばらくそのままだ」
「それはご褒美では?」
「う、うるせぇ!」
「素直じゃないなー」
「────もうほんとだまれよ!」
その後、小一時間程俺はクリスの膝枕を堪能したのだった。
風鳴先輩「そういう事は家でやれ」
ビッキー「家でならいいんですか……いいなぁー私も彼氏が「響?」……あれ、いまなんか寒気が」
風鳴先輩「風邪か? 防人たるもの戦場には常に万全な状態で向かわなければならないぞ」
ビッキー「はいぃ……帰ったら未来にあっためて貰おう……」