「……恥ずい」
17唱目.雪音クリス水着
なんやかんやあって自動人形の親玉であるキャロル(フルネームは長いので省略)を退けたS.O.N.G.一同。まだまだ自動人形が残る中、装者達はさらなる強化の為に特訓に来ていた。
「未来〜日焼け止め塗ってぇ〜」
「じゅるり……じゃなかった。うん! いいよー!」
ある者たちはイチャイチャとし、
「───常在戦場」
ある者は特訓という言葉を真に受けて鍛錬(?)に励み、
「調〜パラソルここら辺でいいデスかー?」
「うん。ありがとう、切ちゃん。おーいマリア!」
「そんな所で何をやってるデスかー」
「───私はここに来た(ドヤ顔)」
せっせと設備を整える最年少組+不審者。
そして、
「うーん、遅いな」
先輩達や司令がお話中、装者達のお守りとして俺が抜擢されていた。マリアや翼という年長者いるのだから必要ないのではと疑問に思ったが、響達にどうしてもと言われ仕方なくお守り役を受け持つことにした。
仕方なくだからな!(大事な事なので以下略)
決して、アイドルやJKの水着がみたいからとかいう理由じゃないからn……、
「──ま、待たせた……な」
簡易更衣室から一向に出てこない一人を待っていると、やっとその声が聞こえてきた。
さっと振り向くと、そこには真っ赤な水着姿のクリスが立っていた。
「おお!」と思わず声を漏らすほどに、その姿は可愛い。
「なっ、なんだよ……あたしの水着がそんなに意外かよ」
「まさか着て来てくれるとは思ってなかったら意外だった。うん、めちゃくちゃ似合ってるぞ」
「──ったりめぇだ!」
などと強気だが、内心ほんとは照れまくってるのが見え見えだ。
現に今、咄嗟に体を捻り、水着を隠すような姿勢になっているからな。
どうやら水着は響達と一緒に買いに行ったらしく、選んだのは未来のようだ。神様、未来様、仏様ってやつだ。
「わぁー! クリスちゃんやっぱり似合ってるねぇ!」
「ほんと、可愛いよクリス」
「お、お前ら……」
「それにしてもクリスちゃんの肌って白いよね」
「ひゃっ────おま……どこ触って!」
響はクリスに近寄るとその二の腕をぷにっと摘んだ。「おお、もっちもちだ!」と要らぬ付け足しをした事によってクリスの拳が頭にヒットしていた。
「……い、痛いよクリスちゃ……ん。いくらなんでも殴ることはないよぉ……」
「今のは響が悪いよ。でも……うん。ほんとにクリスって肌が白くて綺麗だよね」
「あ、クリスも日焼け止め貰ったらどうだ?」
響と未来が塗りあっていたのを思い出し、提案した。
「日焼け止めか……別にあたしは……」
「ダメだよクリス。焼いちゃうなんて勿体ないよ。はい」
遠慮するクリスを押し切り、未来は日焼け止めを取り出すとそれをクリス……ではなく、俺に渡してきた。
「ん? クリスじゃないのか」
「拓真さんが塗ってあげたらいいんじゃないですか?」
「なっ────」
「それもそっか」
「なっ! お前はそれでいいのかよっ!」
「嫌か?」
少しいじわる過ぎた。こう言ってしまえばクリスは優しいから断ろうとしない。
渋々といった様子で「嫌じゃない」と言ってくれた。
クリスをパラソルの下に誘導し、敷いてあるブルーシートにうつ伏せになってもらう。
「それじゃ塗るぞ」
「お、おう」
クリーム状の白いそれを両手にしっかりと馴染ませ、そっとクリスの肌に触れる。
「ひゃっ……ん」
「……」
「ぉま……ど、どこ触ってんだよぉ……」
「……」
塗れば塗るほどイケない事をしている気分になってきたな。
まずは背中全体に塗りたくり、ふくらはぎからアキレス腱まで丁寧にクリームを染み込ませる。柔らかいその肌触りと触れる度に耳に流れてくるクリスの甘い声色にクラっときた。
「────ふぅ、よし……終わった」
「お、終わった……のか……?」
「完璧」
いつぞやマッサージした時とはまた違った感覚で、まさに夢心地だった。
「ちなみに前もやらせてくれたり……」
「させるかぁっ!」
流石に前はやらせてくれなかった。
「────こ、こんなとこで見せられるわけねぇだろ……ばか」
エルフナイン「拓真さん、こういうのも楽しいですねっ」
拓真「……あれだな、拓真さんじゃ堅苦しいな。先輩って呼んでくれてもいいぞ」
エルフナイン「先輩……ですか?」
拓真「……想像以上にいいなこれ……」
クリス「……」
エルフナイン「拓真先輩っ」
拓真「おっふ────」
クリス「おい、ちょっとこい」
拓真「ク、クリス!? ち、違うんだ!これは……」
マリア「覚えておきなさいエルフナイン。これが修羅場よ」