(アナザークリスちゃんマジ天使)
「世界の歌姫ねぇ……」
5唱目.雪音クリスの嫉妬
「マリア・カデンツァゔぁ……」
「噛んだな」
「う、うるひゃいやい!」
今日は意外も意外、なんとクリスの方から俺の部屋にやって来てくれた。
まさか初めて家に入れるのが可愛い可愛いクリスなんて……夢心地だな。
「それで、その歌姫さんってのはそんなに凄いのか?」
「凄いも何も桁違いだな」
「へー」
興味無さそうだからいっちょ俺が教えてやろう!
「デビューからたったの二ヶ月でトップに上り詰めた人で、オリコンチャートは堂々の一位連発だ」
「あー、あんま気にしたこと無かったが、よくあの人が出てるCDランキングでもいっつも一位にいるよな」
あの人とは翼の事だろう。歌手としての仕事に引っ張りだこな翼。今ではその活動範囲を海外に伸ばそうという企画があるらしく、英語を猛勉強してるとかなんとか。
てか、クリスの奴ちゃんと翼の出てる番組チェックしてるんだな。可愛い奴め。
「そしてなんと言ってもその歌声だ。自分のありとあらゆる物をぶつけるようなメッセージ性と透き通りながらも力強い声色。あれだけの逸材今までなんで出てこなかったんだってくらいだぞ」
「……ふぅーん」
「そしてあの大人の色気というか、他を寄せつけないオーラって言うのか、あれは絶対高級な物しか食べてない人だな。普段の私生活とかも綺麗だと思う」
「へぇー……」
「あのークリスさん? なんかテンション低くないっすか?」
ソファに両足乗せて体育座りみたいにしてるクリス。ちょっと俺がしゃがんでしまえば、大事な布が見えてしまうんだが……。
だってスカートだぞ!? フリフリの薄い赤色のやつ! めっちゃ可愛いし、上着もフリフリの白だし、それで下は赤とか色合わせも完璧。
もう何から何まで可愛いよ。
「……別に」
うん。やっぱり怒ってる。
なんかソファに置いてたシロクマの抱き枕を抱き始めたぞ!? なんだこれ……。
なんだこれ! (二回目)
「随分とそいつにお熱なんだな」
「へっ?」
「まぁ? 確かに美人だよな。全体的にスラッとしてるし、歌も上手いし」
タイミング良くテレビで流れた"マリア・カデンツァヴナ・イヴ特集"そこで以前海外の番組で披露されたマリアの曲が流れていた。
「胸大きいし」
「ぐぅぅぅ……」
そこは俺が一番見てたヤツ……や。あれか、女性に向けられたいやらしい視線は他人であろうと分かるものなんですか。
だってくっそ揺れてるし、あれ絶対90後半確定じゃん。
……ん、待てよ? もしかして……、
「クリスさん……?」
「……」
「嫉妬……してくれてる?」
「……(ぷいっ)」
お決まりのやつ頂きました。
顔を背けてすぐさまシロクマの抱き枕に顔をお埋めになられたクリス。
顔は隠せてもその赤い耳だけは隠せなかったようだ。髪で隠れてようとも綺麗な雪色の髪の中では目立つよな。
「……確かにマリアは魅力的だな」
「……。」
「だーがしかーし。俺はそれよりももっと魅力的な女の子を知ってる!」
ピクっと反応を示した。
「その子の歌は、なんというか、ほんとに自分の思ってる事をぶちまけるような歌を歌うんだよ」
「────ぶ、ぶちまけ……」
「だけど声はめっちゃ綺麗で、ことりのさえずりとはよく言うがまさにその通りだし、聴いてるだけで落ち着くんだ」
「…………」
「でも普段は口悪いし、大雑把だし、あと食べ方汚いし」
……何か言いたげな視線を感じるが無視だ。
「なのに心開くととんでもなく甘えてくるし、イヤイヤ言いながらも面倒見良いし、食べてる時なんか一生懸命美味しそうに食うから見てるだけでお腹いっぱいになりそうだ。あと胸がデカい!」
「────っ。……そ、そいつ聞く限りすっげぇめんどくさいやつじゃねぇか」
「でも可愛いんだよ。俺にとってはその子が一番だ! 世界の歌姫だ? その子は大銀河宇宙の歌姫だよ」
かの有名な戦闘機と歌で未知の敵と戦うあれに出てくるような歌姫だと思ってくれ。
「いや待てよ……それだと独占出来ないから、俺の歌姫……春風拓真の歌姫……うーん」
「────ぷっ」
「……な、何がおかしいんだよ」
「最後までかっこつかねぇなーって思ったんだよ……ばーか」
気がつけばイチャイチャしてた二人だった。
ただの優しい歌姫「くしゅん……」
とんがり帽子「ど、どうしたデスか!? 風邪デスか!」
たや姫「いえ……どこかで私の噂でも流れているのかしら」
てがみ「きっとマリアのファンの人たちデスよ!」
298円「確かに、マリアは人気だから」
ダメな女「で、でも……なんだか、私の噂のはずなのに何故だか見ているだけで甘い雰囲気になるようなものを感じるの……」
ザババ「「きっとチョコ(デス)(だ)よ」」
たやマ「……多分、違うと思うわ……」