「はぁ……疲れた」
8唱目.マッサージされる雪音クリス
ここ最近はほんと色々ありました。
響が命の危機に陥ってたり、翼がクリスのどこかをやけに気にし始めたり、未来が行方不明になったり……。
けれど捜査の末に、未来が誰かに攫われたという事が分かった。それは即ち、まだ未来は生きている。
そうと分かると装者達と司令は特訓の旅に出た。
その間、俺はクリスがいつ帰ってきてもいいようにとクリスの家に上がっては、掃除を繰り返していた。
「……お前それ、不法侵入だって考えなかったのかよ……」
「全く思わなかった。だって合鍵貰ってるし」
「それはあたしが渡したわけじゃねぇだろ!」
「でも、おかえりって言われるの良いだろ?」
「……まぁ、悪くは……ないな」
照れ臭そうに頷くクリスがあまりにも可愛くて、特訓の旅で会えなかった時の寂しさが一瞬にして吹き飛んだ。
「飯食べるだろ?」
「……作ってくれたのか。なんか悪ぃn────」
「────の前にだ」
「ん?」
きっと司令の事だ。相当ハードな映画引用の特訓をやらされたに違いない。
そうなればその疲労も半端ない……という事で、
「マッサージしてやる!」
「……は?」
「ささ、こちらへ」
「お、おい! ちょっと待てよ」
クリスの手を引き、ベッドルームへと誘い込む。
「あたしは別に疲れてなんか……」
「いやさっき疲れたって思いっきり言ってたろ」
「……」
「というわけで拒否権無しな」
観念したのか、クリスもベッドに横になってくれた。
「……で、あたしはどうしてればいいんだ?」
「うつ伏せでいいぞ」
「……こうか?」
そうそう、うつ伏せ…………ん? 待てよ。クリスがうつ伏せ……うつ伏せってことは、クリスの体の前側がベッドに押し付けられるって事だよな。
「な、なぁ……やるなら早くしてくれよ」
「……(ごくり)」
「おい……? なんか変な視線を感じるんだが」
「気のせい気のせい」
では、まずはクリスのすべすべの太ももから失礼して……、
「────ひゃ!?」
「うーん、程よく引き締まったクリスの足……」
「お、おい……」
枕で口元を覆ってるのか、声が籠って聞こえる。触ってない方の足をバタバタとしてる所がなんとも可愛らしい。
「どうだ、気持ちいいか?」
「……ま、まぁまぁだな!」
強がりを……。ならばこちらにも考えがある。
まずは無難に肩!
「肩凝ってるな」
「そりゃあ毎日訓練とか色々あるからとうぜ────んっ!」
次に腕!
「良い具合に筋肉付いてるな」
「き、鍛えてるからな……」
最後に背中!
「────っ」
「……へへっ、どうだ! 友里先輩に教えて貰ったマッサージテクニック!」
「……き、気持ちいい……」
「おう」
ちょっと涙目でこっち見るの反則だろ。
……やらしい気分になってきたな。
この後も思いっきり健全なマッサージをした。
拓真「友里先輩……頼みがあります!」
友里「ん、どうしたのそんなに改まって」
拓真「クリスが思わず"気持ちいい"と言ってしまうようなマッサージテクニックを教えてくださいっ!」
友里「……いいわ、でも生半可な覚悟じゃついて来れないわよ!」
拓真「お願いします師匠ッ!」
藤尭「なんだってこっちも特訓始めてるんだよ……」
拓真「藤尭先輩もさぁ!行きますよ!」
藤尭「は……?」