「……どうしてあたしがお前と寝なきゃいけねぇんだ」
9唱目.雪音クリス後日談
「言っただろ、単独行動した罰だって」
「だ、だからってよ……」
ソロモンの杖を奪うためとはいえ、あたしは一度裏切った。
それだって言うのに、あいつらは何も言わずにあたしを受け入れてくれた。それがどうにも納得いかなくて、モヤモヤしてた所にこいつが罰を寄越しやがった。
それが添い寝……らしい。
「クリスだって、このまま何も言われないっていうのも納得いかないんだろ?」
「……ま、まぁ」
「なら素直にこの罰を受けるんだなー」
ちなみに使ってるベッドはこいつの部屋のベッドだ。流石にあたしのベッドはマッサージで使ってもいいが、寝るとなっちゃ話は別だ。
「ところでクリスさんや、戦場で全裸だったっていうのは本当かい?」
「────っ!?」
変な汗が出てきた。
こいつが言ってるのはつまりあれだよな、ウェルのやつが仕込んだアンチリンカーでギアを制御してられなくてアーマーパージしたあの時だよな……。
でもその場にこいつはいなかったし、モニターで確認出来ていた訳でもねぇはず。
「心優しい防人が教えてくれたんだが」
先輩────ッ!
尊敬できる人だと思ってた矢先にこれか! あたしはこれから誰を信用したらいいんだよ……。
「だ、だからなんだってんだよ」
まさかこいつ、今ここでやれって言う気かぁ……!?
お天道様がまだ顔出してる時間に、こ、こいつと……その……あの……ごにょごにょ……を、
「あ、あたし達にはまだそーいうのは早っ────」
「────状況が状況だったから仕方ないとはいえ、あんまりやるなよ?」
……は?
「は?」
「クリスだって装者の前に一人の女の子なんだからさ、自分の体大事にしてくれよって話」
────なんだよ……いつものこいつらしくない感じで調子狂うじゃねぇか。
でも、こいつの表情は真剣であたしは口出しできなかった。
「……らしくないのは分かってるんだ。でも今回の事件では、と言うより今回もだが色々ありすぎたろ?」
「まぁ、確かに……あのバカが死にかけたとか、あの子が行方不明になったと思いきやギア纏って出てきたりとか、後は……ノイズが全て消滅したこととかな」
今ではFISが使ってたガングニールをあいつが受け取って変わらず装者やってるし、あの子は無理やり纏ったギアの後遺症とかも無く無事だ。
「てか、それとあたしに何の関係があるんだよ」
「女の子は体が命なんだから、もう少し自分の体大事にして欲しいってこと」
「大事にって……」
「ただでさえシンフォギアって際どいエロ装備なのにそれを全部脱ぐとかさ……」
「え、えr────っ!?」
そりゃあ、あたしだって思うところが無いわけじゃない。だからって何とかしろって言われてもどうすることも出来ねぇし、文句言うならフィーネのやつに言えっつんだよ。
……って、今はあたしのアーマーパージについて文句言われてんのか。
「こ、今回は仕方なく全部飛ばしただけであって、本当はちゃんと装甲だけ飛ばすんだよ!」
「本当だな?」
「もちろん、本当だ」
「うん、なら信じる」
信じるの早すぎだろ……。
まぁ、でも……心配してくれてるってのはちゃんと伝わってるし、悪い気はしない。
あたしにとっては、こいつも信用出来る大人の一人だからな。
「よし、聞きたかったことは聞けたし俺は寝る」
「はぁ? お前マジでさっきのが聞きたかっただけなのかよ」
「当たり前だろ! 大好きなクリスが全裸で助けを乞うたなんて聞いたら頭おかしくなるわ!」
「言い方気をつけやがれっ!!」
てか、しれっとだ、大好きとか言うな……。
「これからは俺以外の前では全裸になんてなr────」
「なるかぁー!!!」
未来「拓真さん……もしかして、クリスに言ってた体を大事にとか、一人の女の子だーとかって、分かりやすく言うと、裸を軽々しく見せるなーってことですよね?」
拓真「……当たり」
未来「ところで拓真さん? シンフォギアをいやらしい目で見てたみたいですけど、まさか……響もそういうふうに見ていた……なんて」
拓真「有り得ません……」
未来「……なら安心ですっ」
拓真「(あっぶねー。響の尻モニターでガッツリ追いかけてたなんて死んでも言えねぇ……)」
未来「…………ふふっ」