問題児? 失礼な、俺は常識人だ。   作:怜哉

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どうなってしまうんや


生きているなら神様だって殺せちゃうeyes

 

 

 

 

 

 

 

 俺──佐久本燈也がカルデアに来てから、早一週間が過ぎた。

 

 すぐに第七特異点だかに行くものだと思っていたのだが、そういうわけではないらしい。なんでも特異点の特定が終わっていないのだとか。

 それに加え、つい数十分前に立香が「始まるね、お祭り(イベント)が...!」とかなんとか言って微小特異点にレイシフトした結果漂流(ドリフト)したらしいが、まぁ些細な問題だろう。スカサハやクーの兄貴も付いてるしな。

 まぁ、半泣きになりながらスカサハに引きずられて行ったリリアナのことは多少心配だが、なんとかなる気はしているし大丈夫だろう。多分。俺は、かわいい従者には旅をさせる系主人なのだ。

 

 

 

 

 とまぁそんなこともあってロマニやダ・ヴィンチらが慌てふためく中、俺は食堂でカレーを頬張っていた。

 

 

「ふーん、カレーにブロッコリーって案外合うんだな」

「まあ、カレーに合わない...もとい、カレーに染まらない食材を探す方が難しいだろうな」

 

 野菜たっぷり栄養満点なカレーに感心している俺の正面から、カルデアの調理人の一人であるエミヤがそう言ってくる。

 確かに、魚介でも山菜でも、多分ゲテモノ系でもカレーには染まっちゃうんだよなぁ。カレーつえぇ。

 

「.....?」

 

 野菜カレーに舌鼓を打っていると、ほんの一瞬ではあるが、不意に異質な感覚に襲われた。

 感覚、とはいっても第六感レベルの話だ。なんの根拠もないただの勘だが、俺の勘はよく当たる。

 

「(...刃物を突きつけられたような感じなのに、殺意や敵意とは違う。緊張感...てのも違うな。なんだ、これ?)」

 

 手は止めず、周囲に意識を飛ばす。

 現在食堂にいるのは、カルデアの子供サーヴァントと、その世話を焼くケモ耳弓兵、キュケオーンの魔女、闇堕ち聖女、薄幸っぽいJK、とそこまで多くはない。その誰もが俺に興味を抱いている気配はなく、皆カレーなりキュケオーンなりを食べている。

 

 ...いや、今一人食堂に入ってきた奴がいるな。

 

「今日はカレーか...。コック、オレにも一皿くれ」

 

 そいつは、俺のすぐ近くに腰を下ろし、エミヤにそう要求する。

 エミヤは「了解した」と告げ、厨房の方へと下がってしまった。

 

「...........」

 

 じっと、というほどじゃないが、軽くそいつのことを観察する。

 和服の上に赤い革ジャンの様なものを羽織った女だ。東洋人らしい顔立ちで、艶のある黒髪は肩口辺りで切りそろえられている。

 

 一見すると、少し珍しい和洋折衷な服装以外は取り立てて注目することのない少女、という印象。まぁこいつもサーヴァントなのだから、それなりに特殊な能力もあるんだろうが...さっき俺が感じた異質な感じはしない。

 こいつもハズレか...と判断しかけたところで、和洋折衷女がこっちを見る。

 

「おい。さっきからじろじろと、なんだお前」

 

 特にじろじろ見た覚えはないが、女にとっては少々気に障るものだったらしい。

 一言すまないと言えば済む話だし、とりあえず形だけ謝罪しておくかと思ったところで、先程の異質な感覚が再来する。

 

「.....お前の目」

 

 感覚の元を辿ると、それは和洋折衷女の黒い瞳に行き着いた。

 髪色と同じで、これまた東洋人らしい黒目。だがその中に、薄らと青色も混ざっているようだ。

 その目が綺麗だとか、そういう話じゃない。その目に違和感がある。普通の目とは違う何かがある。

 

「は? オレの目がなんだよ」

 

 苛立たしげに、トゲのある言葉を向けてくる女。

 そんな女の目は、だんだんと青色に染まっていく。それに応じるように、俺の中で警鐘は大きくなっていった。

 

「待たせた、カレーだ。...なんだ? この空気は」

 

 不安を拭う為にも、とりあえず和洋折衷女に攻撃(ちょっかい)をしかけてみようかと思い始めたころ、エミヤがカレーを持って登場した。

 俺が和洋折衷女に手を出そうとしたことを察したのか、エミヤは俺に目線を向けてくる。

 俺がエミヤの問いかけるような目線を無視していると、先に和洋折衷女が口を開いた。

 

「そこの変なやつがオレの目がどうとか言ってきたんだよ。お前アレか? ナンパ的な。残念、そういうのは間に合ってるんだ」

 

 別にナンパじゃないが。そういうのは俺も間に合ってんだよ。

 不満げな視線を和洋折衷女に送っていると、エミヤが「ふむ...」と思案顔になる。

 

「...目、というのは、彼女の魔眼のことか?」

 

 そんなエミヤの発言に、和洋折衷女は「あー...? そういう」と呟く。

 

 魔眼? ってアレか。石化の魔眼的な。

 この前()った紫髪の女に、確かそういう能力を持ってる奴がいたはずだ。

 俺はカンピオーネの体質?的な魔術無効が働いて全く効かなかったが、普通の人間ならあの瞳に睨まれただけで石になってお陀仏らしい。

 

「キミの魔眼は少し特殊で、しかも強力だ。そも、キミのそれは魔眼とは違うわけだが...まぁ似たようなものだろう。その特異性、強力性に彼は興味を持ったんじゃないか?」

 

 俺は何もしてないのに全てを解説してくれるエミヤまじエミヤ。本当によくできた執事だな。家事も完璧だし、ウチ(ヨグソトース)にもこんな万能執事が欲しい。

 

 ダメ元でエミヤをカルデアからヘッドハンティングでもしてみるか、と俺の思考が少しズレたところで、和洋折衷女から声がかかった。

 

「...ああ。よく見たらお前、最近話題の神殺しじゃないか。なんだ? さいきょー無敵の神殺しサマは、オレの瞳に興味津々か?」

 

 カレーを食べるために取ったスプーンの先を俺に向け、和洋折衷女は意地の悪い笑みを浮かべる。

 

「まぁ、そう言われればそうだな。俺はお前の魔眼に興味津々だよ」

「お、おう...そう真っ直ぐに返されるとちょっとアレだな、引くわ」

 

 なんだこいつ。

 

「まぁいいや。それで? お前のその特殊で強力な魔眼ってのは、一体全体どういう能力なんだ?」

 

 俺に少しでも警戒させた能力。

 気にするな、という方が無理な話だ。

 

「あー...あんま他人(ヒト)に言うもんじゃないんだけどな。まぁいいか。オレの瞳は、モノの死を視るんだ」

「モノの死を視る...?」

「ああ。例えば...そうだな。お前、何か壊れても構わない物とか持ってないか?」

 

 壊れても構わない物...ああ、確か鬼化した樹の枝をいくつかギフトカードにテキトーにぶち込んどいたな。それでいいか。

 

「ほい。これでいいか?」

「ああ、構わ...なんだそれ、普通の木の枝じゃないな」

「分かるのか? 吸血鬼だかなんだかに鬼化された樹だ。そこらの金属なんかより頑丈だぞ?」

「吸血鬼、ってお前...」

 

 何故か引き気味の和洋折衷女に「いいから早くしろ」という催促の目を向ける。

 

「まぁ視えないワケじゃないし、いいか。じゃあ──」

 

 和洋折衷女はそう言いながら、懐から果物ナイフのような刃物を取り出し、樹の枝を凝視する。

 そしてゆっくりと。特に力を込めた様子もなく、まるで豆腐を切るかのように、樹の枝を果物ナイフで両断した。

 

「.....は?」

 

 思わず、呆けた声が俺の口から漏れた。

 俺が気を取られたのは、俺でも切るのに結構な腕力とコツを必要とする鬼化した樹をいとも容易く両断したということ──ではない。

 

 女によって両断された、鬼化した樹の枝。それが、ただの(・・・)木の枝に(・・・・)戻っている(・・・・・)という(・・・)ことだ(・・・)

 

「...なんだ、今の。鬼化っつー概念を切ったのか?」

「ちょいと違う。殺したんだよ。枝ごと、その鬼化とかいうやつをな」

 

 言って、女はナイフを仕舞い、カレーを食べ始めた。

 

「モノの死を視る...なるほど、視るだけじゃなく殺せるのか。モノの弱点を視てるのか? それとも、死っていう概念をモノに付与してる? ...いや、違うな。そのモノに存在する死を視覚化してる...さっきの言葉通りの意味なのか」

 

 ということは、恐らく“モノ”の対象には生物も当てはまるはずだ。

 不死身相手にはどうなるか分からないが、少なくとも俺の“死”は視えているだろう。だって俺、何回か死んでるからね。

 自らの“死”を視られたが(ゆえ)の、さっき感じた違和感。そう考えると納得がいく。

 

「なぁ。そのモノの死ってのはどういう感じに視えてんだ?」

「んぁ? 線だよ。死の線が視えるんだ」

 

 線...。なるほどな、だから切断なのか。

 その線に沿ってナイフを入れれば、対象は死ぬと。

 

「...いいなぁ、それ」

 

 それがあれば、どれだけタフなやつが相手でも瞬殺できる。雷になった俺の速度についてこれるやつなんて早々いないし、一撃必殺と言っても過言じゃない。

 

「ちなみにだが、佐久本燈也。いくらキミとか言えど、彼女の持つ《直死の魔眼》は取得できないぞ?」

「あ? なんでだよ。その和洋折衷女にできて、俺にできないことがあっか」

「両儀式だ」

 

 和洋折衷女の自己紹介を聞き流し、俺はエミヤを見る。

 別にキレてるとかじゃない。俺には取得できないと言い切る理由が気になっただけだ。

 

「《直死の魔眼》は《魔眼》と銘打ってはいるが、厳密には超能力に分類されるものだ。その超能力を操るには、先天的な資質が不可欠。キミは魔術の才能に溢れてはいるが、超能力の資質はない。違うか?」

「超能力? 魔術とは違うのか、それは」

「超能力は魔術や魔法、人外の力などを介さずに超常現象を起こす力のことだ。超能力者にとっての超能力は、私達にとっての呼吸と一緒で『できて当然』のもの。教えを請おうというのも不可能だ。キミは他人に『どうやって呼吸をするのか』を教えることができるか?」

 

 長ったらしい説明だな。

 だがまぁ、だいたいは理解した。努力すればどうこうとか才能が眠っている云々じゃなく、産まれた時からできるか否か、ってことか。

 いかに俺とて、初めから無いものは作れない...こともないが、理屈すら分からんものはさすがに無理だ。

 

「...あれ、じゃあ《魔眼》ってのはなんなんだ。石化の魔眼とか、ああいうのも超能力ってやつになるのか?」

「簡単に言ってしまえば、眼球を弄って外界に働きかけられるようにしたものが《魔眼》、といったところか。ライダーのキュベレイ...石化の魔眼は、神の呪いによるものだ。神によって弄られた彼女の眼球は《魔眼》に該当する」

 

 神々の呪い...権能による作用とかか? それならデヤンの《ソドムの瞳》も《魔眼》になるのか?

 まぁどっちにしろ、そう簡単に《魔眼》を手に入れることはできないらしい。いや、手に入れることはできるんだろうが、低ランクのものを習得したところでなんの意味もない。どうせ習得するなら、役に立つものがいい。

 

「なんだろうな...視ただけで殺すとか?」

「そんな物騒な魔眼、習得できたとしても習得するな。それと早く食事を済ませたまえ、カレーが冷めるだろう。お残しは許さないからな」

 

 オカン、わりとガチめに睨んでくるやん...。

 

 

 * * * * *

 

 

 俺が《魔眼》について考え始めてから一週間ほどが経った。

 その間、突如発生したチェイテピラミッド城なるものを攻略し、ドリフトから帰ってきた立香と共にサンタなチビ邪ンヌと冒険に出るなどしたが、まぁ些細なことだろう。

 ブレイブな小竜娘より先にチェイテピラミッド城を攻め落として魔王ごっこしたのが楽しかったくらいか。

 

 そうこうあって、俺たちはついに第七特異点なんちゃらかんちゃらにレイシフトする準備が整った。らしい。

 

 

 そんな連絡があったのは、まだ目覚まし時計も鳴らないような早朝だった。

 

 

「ふぁ、あ...」

 

 借りている部屋から管制室までの道を歩きながら、俺は口を大きく開け、酸素を脳に送り込む。

 

「だらしがないですよ。王たる者、常に威厳に溢れていなければ」

 

 俺の二歩ほど後ろを歩くリリアナから、そんな注意をされる。

 こいつはそういう、威厳だとか貫禄だとかを気にする奴だ。俺が少しでも威厳尊厳を損なう行為をしようものなら、母親の如く文句を付けてくる。

 

「俺はそこらの王とは違うんだ。その他大勢みたいな模倣的な王の行動を、俺がするとでも思ったか?」

 

 などとテキトーに反論しておき、その後の小言は右から左。

 正直、貫禄云々には興味がないのだ。日頃の行いを見て俺を舐めてくる奴は一発殴って分からせる。俺はそういうスタンスで行きたい。楽だし。

 

 そうこうしているうちに、俺たちは管制室の前へ辿り着いた。

 自動ドアを潜り、エレベーターのようなもので下に降りる。

 管制室の中に入ると、そこには忙しなく作業をするスタッフ達と、ロマニ、ダ・ヴィンチの姿が。加えて、立香、マシュ、そしてスカサハと沖田総司、ヘラクレスの姿もある。

 

「おーおー。影の国の女王と大英雄に挟まれたら、かの有名な新撰組の人斬り隊長はずいぶんとちゃちく見えるなぁ」

 

 本人達には聞こえない程度で軽く笑い、俺は彼らに近付いていった。

 俺にいち早く気付いたのはロマニだ。

 

「あ、おはよう燈也くん。すまないね、こんな朝早くに」

「まったくだ。昨日はちと寝るのも遅かったし、寝不足気味だぜ。ほら見ろ、クマができてる」

「うん、今日も元気そうだね」

 

 話を聞けヤブ医者。

 まぁ俺にクマなんてものはできないんだが。三日三晩程度ならぶっ通しで戦い続けられることは師匠との特訓で実証済みだ。

 そんなことはどうでもいいか。

 

 ロマニに続いて立香達も挨拶をしてくるので、軽く「おう」とだけ返す。

 リリアナは律儀に頭まで下げて挨拶してるが...なんだ? なんか緊張してる? ...あぁ、スカサハがいるからか。スカサハのやつ、リリアナにどんな修行させたんだよ。無人島だかにドリフトして帰ってきてから、リリアナのやつスカサハの姿を見るだけで震える体になっちまってんだよな。

 

 一通り挨拶も終わったところで、再びロマニが口を開く。

 

「一応、たった今ブリーフィングは終わったところだけど...最初から聞くかい?」

「いや、いい。長くなりそうだしな。行先は古代メソポタミアだったか? 昨日ダ・ヴィンチから聞いた。さっさと行くぞ」

「そうなのかい? 分かった、それじゃあみんな、コフィンの準備はできてる。いつでもレイシフトできるよ」

 

 ロマニに促され、決意に満ち満ちた表情の立香と、どこか不安げなマシュがコフィンに入り込む。スカサハ、沖田、ヘラクレスも続き、リリアナも空いているコフィンに入る。

 

 ちなみにだが、俺とリリアナはレイシフト適正があった。しかも相当の高ランクで、だ。

 残念ながらカレンには適正がなく、まぁ仮にあったとしても特異点は危険すぎるので、カレンはカルデアで待機ということになっている。

 

「ダ・ヴィンチ。リリアナの存在証明、頼むぞ」

 

 リリアナの入ったコフィンを見つめ、そばにいたダ・ヴィンチに言う。言わなくてもこいつはやってくれるだろうが、念のためだ。

 

「まっかせて! 天才の名にかけて、彼女の存在証明はしっかり受け持とう」

 

 胸を張る変態を信じ、俺も俺で準備を始める。

 俺は今回、というか時間旅行の際、レイシフトという手段は取れない。というのも、レイシフトする過程で使われる技術等を、俺の体は弾いてしまうのだ。

 レイシフト適正はあったが、レイシフトはできないとかいう矛盾が起きている。

 

 そこで俺が取る手段が、「レイシフトする立香達に自力で着いていく」だ。

 

「《古の大火、天上の眩燿(げんよう)。鳴る神は降臨し、天地を焚く霹靂とならん》」

 

 聖句を唱え、肉体を雷へと変質させる。

 

 レイシフトという技術は、人間を疑似霊子化(データ化)して目的の時間座標へ送りこむ。なら、電気になってそのデータに着いて行けばいいじゃない、という考えだ。

 これを考えた時にはダ・ヴィンチから「一周どころか、五周くらい回ってバカ」と本当にアホを見る目で見られたものだ。そんでチェイテピラミッド城に行った時に実際にやってみせたら、もっとアホを見る目で見られた。

 

『燈也くん、準備はいいかい?』

「OK。俺はいつでも行ける」

 

 マイク越しのロマンの問いに答え、意識を集中させる。気を抜いたらデータ化した立香たちを見失うからな。そうなったらそもそも時空渡航ができないか、もしくはどこともしれない時間軸にドリフトしてしまう。

 まぁそれならそれでその時代を楽しむんだが。どうせ俺が原因で特異点発生して立香たちが来ることにはなるしな。

 けど今回ばかりは、何がなんでも立香たちに着いていく。

 

『アンサモンプログラム、スタート。霊子変換を開始します』

 

 機械音声が流れる。

 古代メソポタミア。神々が跋扈していたという神話の時代。

 そんなもの、心躍らないわけがない。

 

『レイシフト開始まで、三、二、一...全行程、完了(クリア)。第七グランドオーダー、実証を開始します』

 

 今の俺の力を試すには十分すぎる舞台だ。思う存分、楽しんでやろう。

 

 

 

 * * * * *

 

 

 

 神殺しの少年が、時空を渡る。

 一番難しいのは、データ化した霊子に合わせて時空の“(あな)”に飛び込むこと。

 逆に言えば、そこ以外はほとんど難しいものではない。

 データの送信先さえ把握できれば、彼は一人で先行してでも時空を渡れる。

 

「(先に行って安全確認でもしてやるか)」

 

 次の舞台は神代。レイシフトした先に神がいました、という理不尽も考えられないわけではない。いくらサーヴァントが付いているとはいえ、それは立香があまりにも危険だ。

 

 ...というのは建前である。

 もし仮に神がいたとしたら、まず先に戦うのは自分だと。誰にも横取りはさせないという意志の元での考えだった。

 

 まだ見ぬ強敵を期待し、心を踊らせ、少年は立香たちのデータを追い越して送信先であるメソポタミアにアクセスする。

 

 

 

 人類最後のマスターを置き去りに突き進んだ燈也を待ち受けていたもの。それは神ではなかった。

 

「...ほう? 貴様が例の神殺し...予言の王(・ ・ ・ ・)か」

 

 玉座に深く腰を下ろし、万物を見下しながら鎮座する、不遜でありながら神聖な男。

 世界最古の王、英雄の中の英雄王が、不服げに君臨していた。

 

 




式の目はとりあえずアニメの演出引用しました。
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