代理人の異常な愛情、または如何にして私は心配するのを止め戦闘を愛するようになったのか。   作:イエローケーキ兵器設計局

59 / 76
サブタイトル
『汚れ仕事』


1万人救済計画-4

「で、話とやらは?」

 別室に移動して鍵をかけた瞬間、ネズミ代理人(先輩=ニューマ)が突然冷たい視線を浴びせてくる。その視線は私が訓練生だった頃(廃都事変前)に向けられたものに等しかった。

 

『その…』

「その?」

目の前のコルセアの形をした何かよくわからないモノ(得体のしれないDOLLSらしき何か)が、私の目の奥を透かして見ようとしている。その紅い眼が私の眼窩(がんか)を捉えたとき思わず身震いしてしまった。

「…何ですか?」

ネズミ代理人とは1mくらい離れているはずなのに目と鼻の先にあるように感じてしまう。

『…すいませんでした。』

絞り出しかろうじて出た声はとても細かった。

「…?」

『貴官とその部下を侮辱した事を謝罪させてください。』

「はあ。そう…その言葉、私は受け取れないね。」

「君は謝罪する相手を間違えていると思う。私に言ったって無駄。私じゃなくて君の部下やⅢ号代理人の所に言うべきだろうね。特に…Ⅲ号戦車。ロリコン紛い(Ⅲ号代理人)玩具(恋人)…確かに言えてる。だって私達DOLLSは君たち人間と違って…」

反論できない。正論に聞こえて反抗する気も沸かない。

「人間に利用されるために作られた存在だから。人を殺すためにも守るためにも作られた存在、それがDOLLS。Ⅲ号戦車とⅢ号代理人はかなり傷ついたんじゃないかな。…私とは違って君は賢い。その賢さをうまく使いなさい。」

「君が戦力を率いる覚悟をしたならば、私は君達を守ろう。この身が腐っても……まずはⅢ号代理人の所に謝罪しに行け。話はそれからだ。まあ…もっとも…君はここで死ぬのだけれど。」

へ?単なる説教で終わらない…だと?

「すまないね。これも仕事なんだ。職務上、殉職って扱いになるけど構わないよね?」

 ネズミ代理人(コルセア型DOLLS)が私の口を片手でもって強い力で抑えるなり、資料で見た事をかろうじて思い出せるくらい古い減音カービンライフル(型落ちどころではない)を「生成」し、右手で構えた。

君の幼馴染(戦友)によろしく言っておいてくれ。」

壁に押さえつけられて最後に見たのは普段無表情なコルセア(先輩)の笑顔と銃口からの閃光であった。

 

 

 代理人が"死体袋(真っ黒な袋)"を片手に引っさげて執務室に入ってきた。さっきドアを強く閉めるような音(減音された銃声)が聞こえたが…

「それは…一体…」

「うーん…そうだね…YA-10A(サンボルⅡ)…やれ。」

その一言で空気は凍った。

 目の前のT-34-85をブラックジャックで殴打し失神させる。頭部にブレイン(重要部)を備える構造上、頭部への衝撃には強くないのだ。

 

『代理人、これで良かったんです?』

「ん?全く?ZSU-57-2も見つけたし。」

「人間…ねぇ…あとは…3エフにイージーか…ホねが折れるなァ…」

『代理人?』

「ん?あぁ…すまない。さ、行こうか。忘れていくなよ?」

『ええ。』

 

 

新しく着任してほしい架空DOLLS募集

  • オイ車(極東重鋼)
  • T-95GMC(星屑連邦)
  • T-35(赤色10月同盟)
  • それ以外で…
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。