【三種の神器】
それは日本神話の中で天照大神が授けた三種類の宝器であり、【剣】【玉】【鏡】からなる宝器の総称である。
近年では、【剣璽等承継の儀】が行われたことで話題となったこともあった。
しかし、実物は誰も見てはならないとされており、それが本物であるかなども曖昧とされている。
だがその曖昧さは神秘性とも捉えることができ、多くの創作物の中でいまだに取り上げられ続けていた。
少なくとも現代の日本では三種の神器は曖昧なもの、多くの人間がそう捉えている。
――しかし、実際は違った。
三種の神器のうちの一つ、【草薙剣】。
日ノ本に迫る炎という【災厄】を払い続ける剣として、国民という宝を守る【者達】として、確かに今を生きているのだ。
2022年 2月 東京都内 某所 ○○ホテル
ガラスの向こうに広がる、夜の闇を照らす高層ビルの光を見下ろした影はふぅとため息をこぼした。
月明かりがその影を照らすと、そこにいたのは真紅に染まる髪の毛が印象的な美女、いや、美少女であった。
年齢は10代後半程度、だがその身体はとても同年代の少女と同じものには見えなかった。
己の髪色と同じく、赤を基調としたチャイナドレスを盛り上げる二つの豊満な果実。
ドレスの布下から覗く白い太腿は蠱惑的な雰囲気を彼女に纏わせていた。
部屋に備え付けられたアンティーク風のレコードプレイヤーから響くクラシックをかき消すのは、シャワールームから聞こえる水音。
やがて水音が消え、シャワールームから腰にタオルを回した初老の男性が戻ってくる。
その顔に浮かぶのは真紅の少女を見定める、下種な笑みだった。
少女はお眼鏡にかかったのか、男性はその笑みをさらに歪んだものに変える。
「素晴らしい。その姿、やはり君の真紅の髪によく似合っているよ」
「ありがとうございます、先生」
ニコリと微笑んで男性に返す。
「さて、まずは何か飲むかね。おっと、アルコールはまずいかな?」
男性は部屋に備え付けられている小さな冷蔵庫の扉を開け、中から数本瓶を取り出してテーブルに並べる。
ソフトドリンクが数本に、一本数十万円を超える高価なワインが並んでいる。
だが少女は男性に歩み寄って口を開く。
チャイナドレスの胸元の留金に指をかけながら。
「いえ、私の方はもう準備はできておりますので」
「……君のような娘を堪能できるのは、やはりこの仕事を続けていてよかったと思うよ」
パチンと、チャイナドレスの留金が外れると無理やり押さえ込んでいた果実が待っていたとばかりに顔を出す。
柔肉が残りの留金と布によって持ち上げられるような姿となっており、まだ完全にこぼれ落ちていないが、時間の問題だろう。
「えぇ、私も……よかったです。
少女が口元を弧月状に歪めると同時に、部屋の照明が落ちた。
そして軽い金属が落ちた音が響く。
「っ!?」
男性は、突如おとずれた暗闇に完全に思考が停止してしまった。
瞬間、何かがズブリと己の身体に突き立てられた。
【何か】が突き立てられた場所は頭と身体をつなげる部位、【首】だ。
突き立てられた瞬間から、脳が理解を拒否するような壮絶な激痛が身体を硬直させる。
だがわずかに残った理性が、己に突き立てられたモノを把握した。
己の首に突き立てられたモノは、深く肉を裂いたのは鋭利な【短刀】だった。
そしてその短刀は真一文字に、肉を裂く。
溢れる真紅の液体が部屋に撒き散らされ、純白だったベッドを汚す。
ドシャッと床にたまった液体の上に男性は倒れこんだ。
すでに痛みすら感じていない男性の意識は、暗転する直前に自分に向けられた声を確かに聞いた。
「日ノ本の為に死ね」
それは、【若い男性】の声だった。
ここには自分と彼女以外、いるはずがない。
そこまで持った彼の意識は、暗転し二度と目覚めることはなかった。
10分後――
ホテル ラウンジ
ホテルのラウンジで2人の男性が向かい合って座っていた。
1人は無精髭を残して身に着けているスーツのジャケットもボタンを全開で外しておりタバコを吸っている。
もう1人は少し緊張している様子の若者であり、無精髭の男性に比べてスーツはしっかりと身につけている。
そんな彼は目の前の無精髭の男性が作り上げる吸殻の山を見つめいていた。
「……さて、そろそろ終わった頃だろうな」
無精髭の男性は、そう言って銜えていたタバコを一気に吸い込み、残りを吸殻に変えた。
「前元さん、本当に【彼】1人で大丈夫なんでしょうか?」
「あ?」
前元と呼ばれた男性は、若者を怪訝な表情で見つめる。
顔には「何言ってんだお前」という文字がはっきりと浮かんでいるようだった。
「そういえば天城、お前、アイツと仕事すんのは初めてか……おっと」
ちょっと待ってなと、前元は周囲に注意を向ける。
先程まで浮かべていた緩い表情とは異なり、鋭利な刃のような表情だ。
少しして、前元は警戒を解く。
周りに自分達以外に誰もおらず、遠慮なく話し合うことができる状況だと判断したのだ。
「よし……んで、なんだっけ?」
「前元さん……」
呆れたようにため息をこぼす天城の姿に、前元が苦笑する。
「冗談だって。アイツ一人で大丈夫かってことだろ?」
「えぇ。聞いてますよ、彼が【草薙】だってことは……でも流石に自分よりも年下に始末をさせるのは……」
「今回の目標は確実に始末しなきゃいけない対象だ。だから草薙が出たんだよ」
前元がそう言って胸元のポケットから携帯端末を取り出して、起動する。
画面に映るのはとある新聞記事であり、記事は2つあった。
【若年層の失踪者増加傾向】【男性の社会的地位の低下に伴う育児放棄の増加】
「身寄りのないガキ共を引き取って、その一部を海外の人身売買やら臓器売買のルートへ流して自分はこんな五ツ星ホテルなんかで贅沢三昧。ホント反吐が出る」
「……そうですね。特に近年は男子の失踪率が【例の思想】のせいで高い……」
天城は同意して首を縦に振る。
今回のターゲットである初老の男性は、表では児童養護施設に出資している資産家として一部に有名だった。
だが、その実態は己の私腹を肥やす為に前途ある子供達を臓器売買という闇に引き込んでいた悪魔であった。
しかも彼の市場は国内から海外に広がりつつあったのだ。
「こんな相手だからこそ【更識】が【草薙】と連携するのが適任なんだよ。流石に片方だけじゃターゲットを1人でこんなところに引っ張り出せるかよ」
「……」
「まぁ、俺達は後始末組だがな」
前元がそう言って懐から追加でタバコを取り出そうとしたのと同時だった。
「あ、前元さん」
若い男性の声が響く。
前元が顔を挙げ天城が振り返ると、そこには確かに青年が立っていた。
年齢は10代後半、身長は180cm程、黒真珠のような漆黒の瞳に、端正な顔立ち。
身に着けているのは自分達と同じ様なスーツであった。
端正な顔以上に目立つのは、黒髪の一部に【炎】の様な真紅のメッシュが入っていることだろう。
「おう。【剣】、終わったか」
「えぇ、【処理】しました。部屋の鍵はこれです」
前元に【剣】と呼ばれた青年は、部屋のカードキーを手渡して笑みを返す。
「よし。なら表に車を待機させてあるから、お前はさっさと帰れ」
「了解しました。後始末お願いします」
おう、と前元は立ち上がりながら返事をする。
すると、剣は前元につられて立ち上がった天城に視線を移す。
「あー、えーっと……初対面、ですよね?」
剣は少し言いにくそうにそう告げた。
「あっ、あぁ……【更識実務部隊】の天城だ」
「天城さん、ですね。初めまして」
ニコっと微笑んだ剣はそう言って右手を差し出す。
「【剣】です、これからよろしくお願いします」
「……あぁ」
面食らったような表情になった天城は、すぐに自分も右手を差し出して握手をした。
「それじゃ、俺はこれで。後はよろしくお願いします」
「あぁ、任せてくれ」
握手を終えた剣は、前元と天城に深く頭を下げた後、ホテルのラウンジから外に出て行く。
「拍子抜けしたか?」
後姿が見えなくなるまで、天城は見つめていたが前元の言葉で我に帰った。
「えっ、えぇ。普通の好青年って感じでしたし」
「そりゃ、【当代草薙頭首】だからな、アイツ」
前元が【後始末】の為に歩き出す。
彼の言葉に天城は、驚愕の表情を浮かべていた。
「なっ、頭首って……っ!?」
「いやー、いいリアクション。ごほん、うちの【楯無ちゃん】と同じってわけよ」
ケタケタと笑みを浮かべる前元が続ける。
「現存する三種の神器、【護国の剣】である草薙家 第19代目頭首【草薙剣】、それがアイツだよ」
数時間後。
【草薙】と書かれた木製の表札に、SP付きの大きな門、数百mは続いている立派な塀。
坪面積にすれば相当の数値をたたき出すであろう【豪邸】の前で、黒塗りの高級車はエンジン音を停めた。
剣は後部座席から降り、運転手に一礼する。
遠ざかっていく静かなエンジン音を尻目に、剣はぐっと身体を伸ばした。
「さて、と」
そう呟いて、剣は門に向かう。
門で警護を担当していたSP達は剣の顔を見ると一礼してくるため、剣もそれに返していた。
それから30分、親族達への今回の【仕事】の報告をようやく終えた剣は、部屋着である着流しに着替えて自室の前にたどり着いていた。
「ん?」
休息の為に自室で休むかと考えていた剣は、部屋の中に気配があることに気づく。
だがこちらに脅威となるものではない。
何故そう判断できるか、それは見知った気配だったからだ。
だから剣はそのまま障子に手をかけて開く。
「お疲れ様、剣」
襖を開いた先の自室には、腕を組んで優雅に椅子に座っている【水色髪の少女】がいた。
水色の綺麗な髪の毛は肩口くらいの長さで、外側に少しだけ跳ねている。
紅い瞳に浮かぶのは、優雅さと余裕。
とある学園の制服を身に着けた彼女の手には【扇子】が握られていた。
「たっちゃんか。こんな遅くまで起きてると肌が荒れるぞ?」
「ご心配ありがたく受け取っておくわ。まぁ、この時間まで起きてるのはそっちのせいなんだけどね?」
「ごめんごめん、中々タイミングが合わなくてさ」
両手を合わせて平謝りする剣に、たっちゃんと呼ばれた少女【更識楯無】はため息をついた後笑みを浮かべた。
「まぁ、今回は仕方ないわね、相手が相手ですもの」
「そうだな」
そう相槌を打った剣だったが、突如として頭の中に声が響いた。
(つーるーぎー!私も、たっちゃんとはーなーすーっ!)
その声は剣とは似ても似つかない、少女のものであった。
まるでハンマーで頭を思いっきりぶん殴られたような衝撃を感じた剣は、顔をしかめた。
剣の頭に響いた声は楯無には聞こえていないようだったが、様子に気づいた彼女も苦笑している。
「【ヒメ】ちゃん?」
「あぁ。たっちゃんと話したいって。いいかな?」
「相変わらずね、ヒメちゃん。もちろんいいわよ」
「悪いな、んじゃ替わるよ」
そう言った、剣の身体が少しずつ小さく女性のものに変化していく。
180cmの彼の身長がどんどん縮み、最終的には150cmで縮小が停止した。
丁度よいサイズだった着流しが、いまやブカブカのサイズで動きにくいものになっている。
髪の毛も黒髪から真紅へとその色を変え、厚い胸板には豊満に育った二つの果実がその存在を主張していた。
それは1秒未満の、瞬きと同じほどの短い間に起こったことであり、顔つきも剣とはまるで違う先程初老の男性と相対していた【美少女】のものに変わっていた。
「たっちゃーん!おつかれー!」
剣から姿を変えて現れた真紅の少女が、そう叫んで楯無の胸元に飛び込む。
たいした勢いではなかったので、楯無は苦もなく彼女を受け止める。
「ヒメちゃん、お疲れ様。よしよし」
「うん、頑張ったから褒めろ褒めろー!」
楯無に頭を撫でられて、【ヒメ】と呼ばれた少女は満面の笑みを浮かべている。
(【人格切替による肉体変化】、ホント、剣とヒメちゃん、何度見ても同一人物とは思えないわね)
【人格切替による肉体変化】
それは1人の人間に2つ以上の自我や人格が存在している【多重人格】の派生ともいえるものだった。
【草薙剣】には、男性の人格である【剣】と、少女の人格である【ヒメ】が存在している。
ここまでならば通常の多重人格者と同じであるが、彼の場合は異なる。
剣の場合は、人格の切替を行うと肉体そのものが女性の肉体へと変化するのだ。
多重人格による肉体変化の症例としては、筋骨逞しい肉体に変化する等報告されているが、性別そのものが切り替わる症例なんてものは例がなかった。
草薙家としては家の都合から、この特異な人格切替については非常に有用とされ、一部では【草薙の最高傑作】などとも呼ばれているのだが。
閑話休題
「ヒメちゃん、剣と話がしたいからまた替わってくれる?」
「うん、分かったよー」
楯無の言葉に、ヒメが頷くとまた変化が起こる。
今度は先程とは逆に、柔らかなヒメの身体が男性のそれに変わっていく。
身長もぐんぐんと伸びて、あっという間に楯無を超える。
ブカブカだった着流しも丁度よいサイズになり、髪の毛も真紅から黒髪へとその色を変え、特徴的な炎のようなメッシュも現れた。
「それで、話ってのはなに?」
ヒメから切り替わった彼は、一息入れて座布団の上に座り込む。
ヒメを受け止めるために立ち上がっていた楯無は、小さなテーブルを挟んで再び座った後に口を開いた
「えぇ。まずは改めて、お疲れ様、剣にヒメちゃん」
「ほとんどヒメがやってくれたようなもんだけどな。俺は最後に仕留めただけよ、たっちゃん」
「……それが一番大変なの、分かってる?」
彼女が送ってくるジト目の抗議に、剣は肩をすくめて返す。
もう何度もやっているやりとりだ。真面目に返す気はさらさらない。
「それで仕事は終わったはずだけど、何か追加であるのか?」
「そうね、追加のお仕事よ。しかも19代目【草薙剣】であるアナタと17代目【更識楯無】とで行う合同のお・仕・事♪」
「合同って……たっちゃんはIS学園に通ってるじゃないか。そっちも中々忙しいだろうに」
【IS学園】とは文字通りIS操縦者の為の教育機関のことである。
正確にはISの情報開示と共有、研究のための超国家機関設立、軍事利用の禁止などを定めたアラスカ条約に基づき日本に設置された特殊国立高等学校である。
また操縦者に限らずIS専門のメカニックや開発者、研究者などISに関連する人材はほぼこの学園で育成されている。
学園は本土から離れた離島にあり、あらゆる国家機関に属さず、いかなる国家や組織であろうと学園の関係者に対して一切の干渉が許されないという規約が存在している。
「まぁね、国家代表や学園でのお仕事のせいで肩もこるわね」
わざとらしく肩をもみ始めた彼女の様子に、剣は肩をすくめるが話が進まないために先を促す。
「それで学園を離れてどこかで仕事ってことか?」
「いいえ。その仕事はIS学園でのお仕事よ。はい、これ」
「?」
彼女が言葉と共に、胸ポケットから携帯を取り出す。
携帯はとあるニュースを録画した動画が流れていた。
『驚くべき速報です。先ほどIS学園入学試験会場にて男性のIS男性搭乗者が発見されました!男性搭乗者の名前は【織斑一夏】君15歳で……』
「……マジか」
【IS】――正式名称【インフィニット・ストラトス】
それは、現在の世界の中心にあるといっても過言ではない存在だ。
【宇宙空間での活動を想定したマルチフォーム・スーツ】であり、数年前の【白騎士事件】と呼ばれる、数千発という凄まじい量のミサイルが降り注ぐという前代未聞の事件で世界中にその有用性が広まったことは記憶に新たしい。
もっとも剣や楯無からしてみれば、苦い記憶になるのだが。
しかし現在では【マルチフォーム・スーツ】というよりは【大気圏内用パワードスーツ】や各国の暗黙の了解の下【軍事用パワードスーツ】として注目されている代物だが。
楯無が通っているIS学園もこのISが世界に広まったことで設立された教育機関である。
ISには1つ欠陥ともいえる、【特徴】があった。
それはISは【女性】しか動かせないことだ。
そのため、世界には女尊男卑の思想が広がりつつあるのだ。
だがその前提が、男性搭乗者の出現によって崩れ去った。
「……この発見は世界レベルで動きがあるよな」
「間違いなくね。それに彼、【織斑一夏】君はIS学園に通うことになる。これは彼の身を保護することにつながる」
「そりゃそうだろ」
全世界に1人の男性搭乗者、その希少価値は計り知れない。
IS学園に通わなければ、モルモットコース一直線なのは、剣でも分かる。
「それで、私とアナタで彼を警護することが決定されたのよ。もちろん秘密裏に、ね」
「成程……ん、私とアナタ?」
彼女の言葉と先程の映像が脳内でつながりかけ、引っかかりを覚えた剣は楯無の言葉を反芻する。
「えぇ。私と剣で」
満面の笑みで返す彼女のその言葉で剣は猛烈に嫌な予感を感じた。
「アナタにはIS学園に通ってもらうことになるの」
「あのー、たっちゃんさん、ワタシ男、ISうごかせなーい」
「ふふ、そこは心配要らないわ。実はねアナタの体質データとヒメちゃんに切り替わってるときのデータをちょーっと拝借して調べてたのよ」
「個人情報漏洩じゃねーか!」
(そうだそうだー!)
剣の抗議の声に、意識の中でヒメも思わず声を荒げた。
もちろんヒメの声は、剣以外には聞こえない。
だが楯無はまるで聞こえているかのように続ける。
「アナタ達と私の仲でしょう」
「はー……んで、調べた結果動かせる可能性、アリってこと?」
大きくため息をついた剣に、楯無はコクリと頷く。
「明日、検査の為に出かけるからそのつもりでね」
そもそも1人目の男性搭乗者なんてものが現れたため男性には検査がほぼ強制されるらしいけど、と楯無は続ける。
「……こりゃしばらく休めないな」
「なーに言ってるのよ。日ノ本を守る護国の剣でしょ、アナタ」
「ガンバリマス」
「はぁ……じゃ、明日の8時に出発よ。行き先は【日出工業】って企業ね」
ジト目でこちらを見てくる剣にため息をついた楯無は立ち上がり、障子に手をかけて続ける。
「この件については御館様に話は通してあるわ。それじゃ、部屋は使わせてもらえるみたいだから、おやすみなさいね」
「あぁ、おやすみ」
(おやすみー)
静かに障子を閉じて、楯無の気配は遠ざかっていく。
(大変になりそうだね、剣)
「そうだな。まぁ、やれるだけやってみるさ」
そう言って剣は身体をぐっと伸ばした後、仮眠を取るために横になった。
次回予告
第1話「その名は都牟刈」
『行くぞ、【都牟刈】』