りゅうおうのおしごと!RTA 最年少タイトル奪取チャート   作:ぺたんこ

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評価、お気に入りがかなり増えて動揺したので、初投稿です(皆様、ありがとナス!)


3.少女の気持ち

 非情な現実に、迫真将棋部の動画を見て癒やされてました(現実逃避)。

 さて、現在は白塗りの白雪姫に衝突したところからですね……。

 やべぇよ……やべぇよ……(タイムが)

 

「あのぉ、姉弟子?

 多分ですが、誤解があると思うんです」

 

「どこが?」

 

「この子は、決してそういうのじゃなくて」

 

「合意の上でも、お前はもう犯罪者」

 

「違いますって! この娘は今日から俺の弟子になるんです」

 

「で、四段になったクズ先生は、丁稚に入玉しようとしてるわけ?」

 

「丁稚じゃありません!」

 

 ”八一お兄ちゃん……先生になってくれないん、ですか?”

 

「萌ちゃん。

 違うから、少し待ってて」

 

 あーもうめちゃくちゃだよ。

 目の前の、ゴミを見るような目でこちらを見ているのは、ご存知虐待お姉さんこと空銀子。

 ロリ王が自分以外の女(桂香さんを除く)と居るのを見つけると、まとめてサーチ・アンド・デストロイを完遂しようとする、棋界のユニコーンです。

 目を付けられると、イビられすぎてデバフが掛かるという、ロリ王チャート最大の敵。

 本来なら、チャイムを鳴らしてから入ってくるのですが……引っ越ししたばかりだからか、実家感覚で遠慮の欠片もございません、不法侵入ですよ不法侵入!

 それにしても、これは玉のガバ逃げ八手の損ですね(致命傷)。

 

 はぁ~、あ ほ く さ。

 

 いずれ出会うにしても、この状況での顔合わせはまずいですよ!

 原作の天衣ちゃんの様に、姉弟子と出会う機会が少ない場合、そこまでイビられることはありません。

 ただ、あいちゃんの様に、ロリ王との限りなくセンシティブな接触を目撃されると、姉弟子の警戒レベルがバク上げされ、目を付けられた状態になります。

 どうしてくれんのこれぇ(ガバの末路)

 脳裏に再走の文字が点滅しますが、もしかしたら乗り切れるかもしれないので続行します。

 

 ”あ、あの、空先生。ごめ、んなさい、びっくりさせて、しまって。

  でも、空先生が、どうしてここに……”

 

 あ(察し)と言った表情を浮かべるホモちゃん。

 それに伴って、何やら怪しい選択肢が増えました。

 これ、いや、もしかすると、何とかなる可能性が、微粒子レベルで存在しているかもしれません。

 ……覚悟を决めましょう。

 お前ら、俺の生き様をよーく見とけよ(やけくそ)

 

 ”もしかして、ですけど。

  八一お兄ちゃんの恋人さん、なのです、か?”

 

 彼氏とか……いらっしゃらないんですかぁ?(ねっとり)

 ホモちゃんの問いかけに、絶句しておられますね、これは。

 普段のチャートだと、メンタルつよつよの幼女かホモでしかプレイしてなかったのですが、クソザコだと謎の猜疑心から奇手を放てるみたいですね。

 姉弟子の恋愛センサーがビンビンでいらっしゃるよ、続けて差し上げろ(追撃)

 

「そ、そんなわけ無いだろ、何言ってるんだよ萌ちゃん!?」

 

 ”八一お兄ちゃんは……やっぱり嘘つき、です。

  親しくないと、勝手にお家になんて、上がりません”

 

「だから、姉弟子なんだって!」

 

 ”言い訳は、空先生が、可哀想、です”

 

 涙目気味のホモちゃん。

 無事にクソザコゲージが溜まり、直ぐにでもこの場から逃走して有耶無耶にできそうです。

 ですが、それでは自慢の弟子入りチャートが、それじゃ台無しだぁ(手遅れ)

 ですので、何とか踏み留まって姉弟子に懇願しましょう。

 

 ”空、先生。私、八一お兄ちゃんの、恋人になりたいんじゃない、です。

  あの人の将棋が好きで、好きで好きでいっぱいで、弟子にしてくれるって言ってくれて、すごく幸せ、でした。

  だから、それだけは……。

  何でもしますから、取らないで、ください”

 

 ん? 今なんでもするって言ったよね?

 じゃあヨツンヴァインになるんだよ、あくしろよ。

 お、綺麗な土下座、なんか芸術的。

 ……控えめに言って、急にロリ王将棋への愛を語り、土下座するロリとかいう構図は最悪かもしれません。

 さて、姉弟子の反応は……。

 

「……そう」

 

 お、無関心か?(願望)

 

「萌ちゃん!?

 そんなことしなくていいから。

 ほら、姉弟子も止めてください!」

 

「…………」

 

 いやぁ、キツイっす(素)

 無言で姉弟子に見下される時間、これ即ちロスなので、早くして欲しいですね。

 ロリ王、どうにかしろ(無責任)

 

「小童、八一はこれから忙しくなる。

 4人目の中学生棋士、全部これから始まるところ。

 お前が居ると、邪魔」

 

 ダメみたいですね(弟子入り)

 ホモちゃんももう限界ですし、これは再走ですかね……。

 中々面白いチャートになりそうだっただけに、残念でs

 

「邪魔じゃないです、萌ちゃんは俺を助けてくれました」

 

 おっと。

 

「三段リーグで戦ってた時、萌ちゃんは姉弟子と同じくらい、俺の事を支えてくれたんです。

 それに、この子にも才能はあります。

 少なくとも、女流棋士になれる才能は」

 

 ロリ王、まさかの反抗です。

 まさか本当に何とかしてくれるとは……お前の事が好きだったんだよ!(大胆な告白はホモの特権)

 まだ走れそうです、Foo↑

 

「その程度なら、居ない方がマシ。

 足手纏いになる前に、元いた場所に捨ててくるべき」

 

「イヌネコじゃないんですから、そんな事出来ませんよ。

 兎に角、もう決めたことなんです。

 幾ら姉弟子でも、これは撤回しません」

 

 ロリ弟子を守る、ロリコンの鏡がこの野郎……。

 さしもの姉弟子も、ロリ王の強い言葉に何を言うか決めかねてますね。

 頼む、一年間だけ待ってくれ(女王挑戦)。

 後輩(弟子)を庇いすべての責任を負った三浦九段(九頭竜)に対し、浪速の白雪姫、空銀子が言い渡した示談の条件とは……。

 

「兎に角、駄目」

 

 示談の条件すら提示されませんでしたね。

 ねぇ!どうなっちゃってんのよ!(マジギレ)

 あああああああもうやだああああああ!!!!

 

「駄目も何もありません」

 

 ロリ王も、これは徹底抗戦ですね、たまげたなぁ。

 恐らく、姉弟子相手にここまで噛み付くという事は、ホモちゃんはロリ王に相当好かれてます。

 ロリっ子RTA的に、ロリ王の好感度が高いのは加速要素ですが、一体二人はどういう関係なのか。

 JS研のみんなと同じくらい、庇い倒してくれますね。

 

「……馬鹿やいち、もう良い。

 頓死しろっ、ロリコン!」

 

 姉弟子、頭に血が上ってたのか、目が青くなってましたね。

 でも、ロリ王ガードからの、怒りの帰宅。

 無事(致命傷で)、切り抜けられたようで幸いです。

 大幅ロスでタイムが壊れましたが、走者は幸いにも自分だけらしいので、多分これが一番早いと思います(走者の屑)

 

 あと、関係が拗れたので、姉弟子と会うと敵対イベントか関係修復イベントが発生する様になってしまいました。

 ただでさえタイムがガバガバなので、姉弟子はタイトル戦までスルー安定で行こうと思います(手遅れ)

 なお、姉弟子と友好度が高いロリは、お姉ちゃんと呼んで無茶苦茶ベタベタ出来ます。

 姉弟子と仲良くなりたいレズネキは、是非お試しください(レズはホモ)。

 

 では、ロリ王が走者よりも優秀であると分かったところで、今回はここまでです。

 ご視聴ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 八一が家から居なくなった。

 中学生で棋士になって、鳥が羽ばたく様に飛んでいってしまったのだ。

 それだけで、世界が色褪せたように感じた。

 何時も一緒だった、二人ならどこまででも行けると思った。

 でも、今の私はたった一人で、八一だけが高みへとどんどん進んで。

 悔しくて、悲しくて、今まで飛べていた空を羽ばたけなくなったみたいで、胸にポッカリとした空洞を感じる。

 

 これもそれも全部、私を待っててくれなかった八一が悪い。

 あいつは、翼なんて無くても飛べたのだ。

 姉弟子なんて呼んでいても、本当は微塵も敬っていない。

 ずっと姉弟子と呼び続けて、意地悪を続けてるだけなのだ。

 

「銀子ちゃん、大丈夫よ。

 直ぐに会いに行ける距離だもの、何なら今から会いに行っちゃえば?」

 

 鬱屈としていた私に、桂香さんはそう声を掛けてくれて。

 背中を押されるように、私は八一のマンションへと向かった。

 いきなり来たら驚くだろうか、それとも喜んでくれるだろうか。

 行くなら、何か買っていった方が良いか。

 いや、会館から近いなら、イレブンで一緒に食べる手の方が喜ぶか。

 折角だし、昇段祝いに奢ってあげても良い。

 そう決めて、一直線に八一が引っ越したというマンションへと向かう。

 

「……ここが八一の引越し先ね」

 

 そうして辿り着いたのは、雀刺しを食らった矢倉ぐらいにはボロボロな場所。

 安く、直ぐに会館に顔を出せる距離でというのが、ここだったのだろう。

 できれば、もう少し良い場所じゃないと、隣に引っ越したいとは思えない。

 まぁ最悪の場合、私が一人暮らしを始めたら、八一が私の家の隣に引っ越せばいい。

 うん、と一つ頷いて、私は扉を開けた。

 

 呼び鈴を押さなかったのは、単純に八一の家という事で気が回っていなかったこと。

 後は、少し驚かせ様と、八一の驚いた顔を想像していたからだ。

 だから、だから……。

 

「八一……幼女抱きしめて、何してるの?」

 

 この光景は、あまりにも予想外だった。

 八一が、何かちまっこいのを抱きしめて、頭を撫でている。

 盤上での変態ぶりは十分に知っていたが、まさかリアルでもこんなに変態だったとは。

 もしかすると、小学生が好きすぎて、中学生になった私の事はどうでも良くなったのか。

 そう考えると、急に家を出ていった辻褄が合ってしまった。

 

 ……ぶちころすぞ、われ。

 

 弟子にするとか意味の分からない言い訳を始めたのが、更に見苦しい。

 小学生を侍らせたいが故に、適当な事ばかり言っている様に聞こえる。

 ――私よりも、そこに居る小動物の方が良いのか。

 そう言ってやろうと思ったけれど、流石にそれは幾ら八一でも私の気持ちを察してしまう。

 だから言い出せなかったのに……。

 

「もしかして、ですけど。

 八一お兄ちゃんの恋人さん、なのです、か?」

 

 八一が拾ってきた小動物が、急にそんな事を言い出して焦ってしまった。

 まだ違うと口走りそうになり、危うく頓死筋に入りかけたので、思わず口を噤んでしまう。

 

「そ、そんなわけ無いだろ、何言ってるんだよ萌ちゃん!?」

 

「八一お兄ちゃんは……やっぱり嘘つき、です。

 親しくないと、勝手にお家になんて、上がりません」

 

「だから、姉弟子なんだって!」

 

「言い訳は、空先生が、可哀想、です」

 

 全力で否定する八一にムカついたが、それでも小動物は勘違いし続けていた。

 どうやら、私と八一はセットで居ると、恋人に見えるらしい。

 ……満更でもないのが、結構腹立しかった。

 でも、だからこそ、この小動物の言葉が許容出来そうになかったのだ。

 

「空、先生。私、八一お兄ちゃんの、恋人になりたいんじゃない、です。

 あの人の将棋が好きで、好きで好きでいっぱいで、弟子にしてくれるって言ってくれて、すごく幸せ、でした。

 だから、それだけは……。

 何でもしますから、取らないで、ください」

 

 それは他の誰でもない、八一じゃないと駄目な事だった。

 八一の棋風は、玉を固める現代将棋において、その考えに真っ向から喧嘩を売っていくスタイルをしている。

 薄く、時には居玉で相手に襲いかかる。

 初心者と見間違える戦型で挑むくせに、最後に寄ってないのは八一の玉だ。

 手品の様な、不思議な将棋。

 それに子供が夢中になるのは、分かる話だ。

 

 でも、それをこの小動物は、土下座をしてまで求めている。

 心の底から、八一を求めているのだ、こいつは。

 それだけで、私にとっては危険だった。

 何時しか感じた、万智さんの怖さと一緒のものを、コレからも感じたから。

 

「小童、八一はこれから忙しくなる。

 4人目の中学生棋士、全部これから始まるところ。

 お前が居ると、邪魔」

 

 さっさと、居なくなれ。

 そう思って、正直に小動物を追い払おうとした。

 事実であるし、否定のしようもない事柄で。

 

「邪魔じゃないです、萌ちゃんは俺を助けてくれました。

 三段リーグで戦ってた時、萌ちゃんは姉弟子と同じくらい、俺の事を支えてくれたんです。

 それに、この子にも才能はあります。

 少なくとも、女流棋士になれる才能は」

 

 けれど、八一は私の言葉でなく、小動物の方を取った。

 しかも、私と比較して、同じくらい助けてれたなんて言って。

 怒りで、カァっと頭に血が昇る。

 よりにもよって、将棋で私と同じくらいに八一の力になっているのが、恐ろしく癪に触った。

 しかも、それはつまり、知らない間に八一は私以外の女に現を抜かしていたということ。

 それが、何よりも純粋にムカつく。

 

「その程度なら、居ない方がマシ。

 足手纏いになる前に、元いた場所に捨ててくるべき」

 

 私の方が、もっと助けになれるのに。

 

「イヌネコじゃないんですから、そんな事出来ませんよ。

 兎に角、もう決めたことなんです。

 幾ら姉弟子でも、これは撤回しません」

 

 でも、やっぱり八一は私の言葉なんて聞かなくて。

 

「兎に角、駄目」

 

 私のお願いを、何一つ聞いてくれない。

 

「駄目も何もありません」

 

 キッパリと八一が断言したところで、もう耐えきれなくなった。

 八一の顔を見たくないと、その場を後にする。

 

「……馬鹿やいち、もう良い。

 頓死しろっ、ロリコン!」

 

 もうあんな変態の顔なんて、二度と見ない。

 そう決めて、私は全速力で、息が苦しくて仕方なかったけれど、家へと帰ってきた。

 あんな奴の事なんか、もう知らないんだと、桂香さんに言うために。

 

「あ、銀子ちゃん、お帰り。

 ……その様子だと、八一くんと喧嘩した?」

 

「違う、あんなのと喧嘩なんてしない」

 

「はいはい、また明日には、顔を見たくなってるわ」

 

 そんな訳ない、そう言おうとしたけれど、その前に私は桂香さんに頭を撫でられていた。

 思わず、顔を見られたくなくて、桂香さんをギュッと抱きしめてしまう。

 

「違うもん、八一なんてもう知らない」

 

「でも、会いたいでしょう」

 

「……別に」

 

「大丈夫、直ぐに仲直り出来るわ」

 

 桂香さんは、そう言って私をずっと慰めてくれた。

 だから、桂香さんに免じて、顔を見たくないというのは取り消そう。

 その代わり、まずはあの小動物を何とかしないといけない。

 全部、桂香さんに言いつけてやる。

 それで、今回は許してあげよう。

 それが、一番いい考えに思えた。




解説

玉のガバ逃げ八手の損:ホモ特有のガバ、級位者がよくやるやつ。本来の用語は玉の早逃げ八手の得。

玉の早逃げ八手の得:相手の攻めが強い時、下手に受け止めると陣地ごと潰されてしまうので、攻撃される前に逃げて、相手の攻撃を空振りさせている内に攻撃せよという格言

三浦九段:棋界屈指の研究家で、そのストイックさからついた渾名は親指武蔵。でも、みうみうという渾名も公認なので、ニコ生の解説で見かけたらみうみう呼ばわりしても良いかもしれない(失礼のない範囲で)。普段は物静かだが、兄弟子の藤井九段相手には饒舌になる姉弟子気質。A級順位戦で、成績が振るわない時でも、順位の差で残留できる性質を持っている。清滝師匠も三浦先生に頭ハネされてA級落ちてそう(偏見)
於鬼頭棋帝に、どことなく雰囲気が似てる。
獲得タイトル:棋聖一期

九頭竜マンションバグ……八一が棋士になっていることが、一人暮らしを始める条件設定になってるので、昇段して1日でも何故かマンションに住んでいるバグ。修正パッチで直せるが走者はパッチを当てていない(作者のガバ、見逃してください、センセンシャル!)

ホモちゃん:何やってんだあいつら……と、勘違いするホモの鏡。彼女が居るなら、と八一を見つめる瞳はなぜだか悲しげ。

九頭竜八一:姉弟子相手に一転攻勢したので、実質的にホモ。ホモちゃんを守りきった、ロリコンの鏡。

空銀子:素直になれない乙女。憎からずと思っている人の部屋に行くと、彼は強くロリを抱きしめていました、恐らくは被害者。もう顔も見たくないと言いつつ、明日になるとまた八一に会いたくなってる。

清滝桂香:姉弟子の味方のぐう聖。誰にでも優しいが、おばさん呼ばわりされると山姥と化す。清滝一門のメンタルヘルス担当、なお本人にも必要な模様。

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