りゅうおうのおしごと!RTA 最年少タイトル奪取チャート   作:ぺたんこ

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久しぶりなので、初投稿です。


8.姉弟子との車窓から

 うわぁ……これは姉弟子ですね。これは空女王で、ああ、こっちは空女流玉座ですね。間違いない。なんだこれは……、たまげたなあ(白目)

 

 ”空、先生”

 

 これにはホモちゃんも思わず絶句、悪夢の様なシチュエーションです。テストプレイではこんな事は無かったのですが……痛いですね、これは痛い。

 

 兎に角、言い訳して何とかしなければいけません。ここで叩き出されたら、指した手(行動)が空振ることになりますので。

 

 ホモちゃん、どうにかしろ(無責任)

 

 ”その、東京に、八一、先生、を迎えに、いきま、す”

 

「馬鹿なの?」

 

 う、羽毛、端的な一言にホモちゃんも痺れてますね。ホモちゃんも正直に話しすぎって、それ一番言われてるから(遠い目)

 

 やべぇよ……やべぇよ……。

 

「……フン」

 

 ん? 何でしょう、これは。

 

 不思議なことに、それ以上の追求を受けませんでした。それどころか、ホモちゃんの隣に腰を降ろしましたね。お前、ホモ(レズ)なんだろう?(勘違い)

 

 と、それはさておき、電車が動き始めてしまいました。死ぬほど重い空気が漂ってますが、どうしようもありません。持ってきた逃れ将棋も読めませんし……どないしてくれんねん姉弟子お前(八つ当たり)

 

「2六歩」

 

 唐突な符号、これは……。

 

 ”……3四、歩?”

 

「2五歩」

 

 脳内将棋ですね、間違いない。

 

 なんの気紛れか、驚いた事に構ってくれてますね、たまげたなぁ。それも、恐らくは昔ロリ王と電車に乗ってた時にやっていた類ものも。デレ期? ロリ王以外の男にデレないのは、姉弟子がレズだったから……?

 

 兎に角わかりませんが、これはチャンスです。好感度を上げて、ホモちゃんの姉弟子に対する苦手意識を取っ払いましょう。

 

 ………………

 …………

 ……

 

 ”うー、ん?”

 

「……10秒……20秒……1.2.3.4――」

 

 ”1四、角です”

 

 戦型としては、矢倉戦なのですが、姉弟子は最近流行りの急戦調(入城しない形の矢倉)に対して、ホモちゃんは菊水矢倉に構えての戦いです。姉弟子がまさかの角香交換からの、2三の地点に香を捩じ込んでホモちゃんの囲いをガバガバにしていきます。

 

 ホモちゃんの矢倉は欠陥住宅って、それ千年前から一番言われてry。

 

 ただ、ビックリした事に、意外と指せてますね、これ。勿論、ホモちゃんの大劣勢は変わらないのですが、焦って符号を間違うなんて事もないですし。

 

 姉弟子が秒読みを始めるという、畜生ルールを追加した時はどうなることかと思いましたが、手数が進んでも符号を間違えないのは立派なものです。

 

 ですが、残念ながら、そう長くは続きません。秒読み付きの目隠し将棋なんて、悪手を指さない方が無理なのです。姉弟子が4三角を指したところで、ホモちゃんが投了しました。

 

 ”無理攻め、かと思って、ました”

 

「盤がない将棋で、下手に受けようとするから間違える。将棋星人じゃないから、脳内将棋盤はあまり頼りにならない。分かりやすい形じゃないと、指し手が混乱する」

 

 ”将棋、星人?”

 

 おっと、本当に珍しい。姉弟子が、分かりやすく教授までしてくれてます。もしかすると、感想戦のつもりなのかもしれませんね。

 

 ”空、先生。将棋星人って、なん、でしょう、か?”

 

 そこに突っ込んでいくのか(困惑)

 まぁ、中々に面白い表現ですからね、聞きたくなるのも分かります。

 

「……凄く深い、盤面の底の宇宙からやってきた、侵略者よ」

 

 少し苦い顔をする姉弟子に、ホモちゃんもそれ以上は聞く気にならなかった様です。そのせいか、暫しの無言が続き、何とも気まずいです(姉弟子の好感度がガバガバ)

 

 喋ってよ、怒ってんの?(棒読み)

 

「そろそろ着くわ」

 

 そうこうしてる内に、到着みたいですね。姉弟子に続いて降りたらそこは、日本の中心である東京駅。将棋会館のある千駄ヶ谷、淫夢民の聖地である下北沢に通じる要衝です。

 

 中々の人で目が回りそうですが、人波に呑まれたら最後、何故か秋葉原行きの電車に乗ることになるので注意が必要です(1敗)

 

 ”空、先生……”

 

 ホモ特有の口下手さで、待ってと口に出せませんが、何とか追いかけます。目指すは同じく将棋会館ですので、ここは大人しく姉弟子に着いていきましょう。

 

 シレッと姉弟子の乗る電車に便乗乗車すれば……到着です!

 千駄ヶ谷よ、私は帰ってきた!(初来訪)

 

 

 ”空、先生、ありがとう、ござい、ました”

 

「別に、行き先がお前と一緒だっただけ」

 

 ”それでも、です。嬉し、かった、から……”

 

 無言で去る姉弟子、好感度バグかなんかでデレたのでしょうか。

 

 本当に謎ですね……まま、エエわ(ガババーバ・バーババ)

 何が日本一(強い女流)やお前、世界一やぞ(感激)

 

 原因は後ほど調べる事にして、ここからはロリ王訪ねて3000里くらいの始まりです。下手に外をほっつき歩いてると補導されるので(1敗)、将棋会館で情報収集に務めしょう。

 

 すぅいませ~ん、ホーモなんですけど、誰かいらっしゃりませんか~。

 

アポロン(太陽)が中央に座する刻にコロッセオ(将棋会館)に現れるとは、中々に見所がある少女よ。如何なご用事か、このゴッドコルドレンが要件を承ろう」

 

 歩夢きゅん!?

 売店のカウンターで何してるんですか、不味いですよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 八一が何を考えているのか、分からない。

 

 三段リーグ入りをして、その将棋が更に怪奇なものになって、私が抱いた感想はそれだった。置いていかれる焦りと、圧倒的なスピードで強くなっていく才能への嫉妬。

 

 昔は私の方が強かったという記憶と、現在との乖離。私は八一と将棋が指したいのに、八一の耳にはそれが届かない。ただ、八一の才能を私は知っていたから、苦虫を噛んだように、それを受け入れていた。

 

 八一は、将棋の星の王子さまだって、私も、師匠も、知っていたから。

 

 ……ただ、最近の八一の事が、もっと分からなくなっていた。

 

 弟子を、取ったのだ。いつもこちらの顔色を伺っている、小さな小動物。八一が家を出ただけでも事件なのに、それ以上のこと。いつも八一はソレに構うようになり、余計に距離が遠くなった気がした。

 

 それどころか、いつの間にか家にまで出入りする始末。アレを認めたら、もう取り返しがつかないのでは、と。そんな気もして、私が居た筈の八一の隣が、取られた気がして……。

 

 私は、小童を拒絶した。最後の一線だけは、私が守らないとと、そう決意して。

 

「空、先生」

 

 だから、こうしてこちらを呆然と見上げるコレに構ったのは、ただの偶然に過ぎない。一人の旅、海原で遭難しているみたいな、中段に逃げ出している玉みたいな、そんな心細い気配がそこにはあって。

 

 無視しようとした、けど……。その寂しい感触を、私は知っていたから。そのまま去るのは、無責任な気がして。

 

 仕方なく、私はソレに関わった。

 

 少し会話をすれば、八一を東京まで迎えに行こうとしているらしい。馬鹿だった、アホだった……少しだけ、昔の八一に似ていた。

 

 なので、気紛れに、手慰み程度に勝負を吹っかけた。八一にするように、八一にされたみたいに。寂しそうなこいつに同情して、なんて気持ちは一切ない。

 

 ただ、暇つぶしの代わりに。

 

「1四、角です」

 

 上からの攻撃に強い菊水矢倉を、2四の拠点から無理やり踏み潰して、それでもコイツは抵抗した。棋力は、まだまだ遥かに格下。ただ、投げずに綾をつけようとする姿勢は、どこかに関西棋士の血を感じて。

 

 そこだけは、少し認めても良いと思えた。

 

「……参り、ました」

 

 受けも、こちらの詰みも見つからずに投了。感想戦で目隠し将棋のコツに触れて、会話の中でつい口からあの単語が溢れた。

 

「将棋、星人?」

 

 将棋星人、81マスの宇宙からやってきた、人類とは感じてるものも見えてるもの違う、盤上の侵略者。人類の私と、五感以外の第六感を持っている彼らには、棋力の断絶がある。

 

 それが、私と……八一の差。

 

「空、先生。将棋星人って、なん、でしょう、か?」

 

「……凄く深い、盤面の宇宙からやってきた、侵略者よ」

 

 何時になったら、私は空に手が届くのだろう。宇宙(盤面)を、呼吸せずに渡れるようになるのだろう。

 

 私は、八一に追いつけるの?

 考えても、そんな事は分かりっこなかった。

 

 

 

「空、先生、ありがとう、ござい、ました」

 

「別に、行き先がお前と一緒だっただけ」

 

「それでも、です。嬉し、かった、から……」

 

 東京に着いて、なんの疑いもなく私に善意を感じてるのだろう小動物。私は、それ以上相手にしなかった。

 

 必要以上に、距離を詰めようとは思ってないから。ただ、対局が終わったら、私も探しにいこうと、それだけを決めて。

 

 ……本当に、八一のバカ。

 

 バカ八一の弟子も馬鹿だから、手間が二倍になった気分。迷惑を掛けられたから、帰ってきたらいっぱい八一には十倍以上にして、返してもらわないといけない。

 

「どこにいるの、八一……」




脳内将棋:またの名を目隠し将棋。将棋のイベント等で、プロ棋士の人が行ったりする、符号だけのやり取りで行われる将棋。脳内将棋盤を持ってる人でないと出来ない。

菊水矢倉:別の名をしゃがみ矢倉。銀を8八、桂馬を7七に跳ねた矢倉。棒銀や上からの圧迫に強い……のだが、今回は普通に姉弟子に上から攻め潰された。飛車先の歩の交換も許すが、交換させてる間に手得して先行できるかがポイント。矢倉版ミレニアムみたいな風情を感じる。

現代調の矢倉:最近は左辺に駒が密集する金矢倉より、6七金右を保留して指される城を作らない矢倉が流行ってる。中には、6七金左と指すバランス重視の土居矢倉が1940年来ぶりに復活したとか何とか。(知ってる矢倉の定跡が通じなくなって)狂いそうっ!

将棋星人:2ch発祥のパワーワード。因みにりゅうおうのおしごと!仕様に改変したものを用意しました。


810:名無し名人:2015/08/01(土) 00:10:08 ID:OK I to

おまえら、もし地球に将棋星人が攻めてきて、向こうの大将と地球代表が将棋一番勝負で対決し、負けたら植民地にされるという事態になったら、地球代表は絶対名人でないとイヤだろ?
山刀伐でもいいのか? 山刀伐に地球の命運を託せるのか?
名人をけなしてるやつは地球規模で考えるんだ。


なお、将棋星人は名人や八一の模様。

将棋会館:千駄ヶ谷と福島区の二箇所に存在する、棋士にとってもファンにとっても重要な建物。千駄ヶ谷の方には行ったことないので、詳しく書けません(白目)

姉弟子:なんだかんだで、ちょっとだけ優しい。ただ、デレと称するには遠いなにか。八一、何とかしろ(丸投げ)

ホモちゃん:一人でできるもん! そんな気持ちで電車に乗ったが、当然お買い物ではない。不安になってたところを姉弟子に助けてもらい、雑魚雑魚メンタルを救ってもらう。





ホモ特有の自分語り:こんにちは、ボビー・オロゴンの妹です(大嘘)。この度は投稿が遅れてしまい、誠に申し訳ございませんでした。ここから、遅れた言い訳をしていきます。
将棋ウォーズというスマホで他の人と対戦できるアプリがあるのですが、そちらで空前のスランプに会い、失明したように手が見えなくなりました。そうすると、何故か小説の方も、将棋関連の描写で何をどう書けば良いのか分からなくなり、書けなくなっていました。ついでに、5月頃にDMMでエロゲなどが大量に安くなり、それを買い溜めして、面白い作品がいっぱいで楽しく、中々投稿出来ませんでした(ついでにいうと、現在進行系です)。
最近は将棋は級位者のそれなのですが復調気味ですし、何とか文章を書いてみた次第です。あまり話が進みませんでしたが、今後は何とか更新頻度を上げていけたらと思う次第です。
今回も閲覧頂き、ありがとうございました。
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