りゅうおうのおしごと!RTA 最年少タイトル奪取チャート 作:ぺたんこ
現実文庫「Vやねん! 藤井聡太七段。最年少タイトル目指し爆進中!(棋聖戦、王位戦に挑戦)」
あ(察し) 藤井先生許して、RTA壊れちゃ~う!
???「壊れる~」
ん?
白鳥先生(Twitter)「ラノベが壊れちゃ~う!(将棋の神様にストーリーの作り方を教えてやりたい)」
えぇ……
連盟の売店で、ギアスでも掛けてきそうなポーズを取っている、我らが歩夢きゅん。
不法侵入ですよ不法侵入!(天海春香)
”あ、あの?”
ホモちゃんももれなく困惑、引いてますね、これは……。
どうも今日はランダムイベントに見舞われますが、ままええわ(寛容)
それに、どちらかと言えば、美味しいと言えます。
何故かというと、それは歩夢きゅんと(繋がりが)出来ると、彼の妹と年齢が近い場合、条件を満たせば、のじゃロリ狐耳娘将棋幼女の馬莉愛たそを紹介してもらえるからです。
因みに条件は、歩夢きゅんと仲の良い棋士と知り合っているなので、もう達成済みです。
ロリ王と歩夢きゅんは、ズッ友だよ(はーと)
そういうことで、ロリ王の居場所を聞きましょう。
「ほぅ、噂には聞いていたが、本当に弟子を取っていたか。
……それで、八一は現在失踪中であると」
興味深そうな視線に、ホモちゃんも思わず引け腰。
大丈夫だって、同類(ロリ王好き)だから、仲良く出来るって。
「まぁ、良い。
では、考えてみるとしようか。
八一は大阪に、帰ってきてはいない。
知り合いにも、会いたくはないであろう。
故に、実家にも帰っていない。
では、奴はどこに行ったか、少女よ、分かるかな?」
無駄に完璧な無駄なポーズを挟みつつ、優しく問いかける歩夢きゅん。
一分もロリコンの気配を感じさせない、お兄さん属性の問いかけです。
流石の師匠萌え、序盤中盤終盤隙がないですね。
”……分かり、ません”
少し考えてから、首を振るホモちゃん。
これだけでは、分かる訳がありません(当たり前だよなぁ)
「では、もう少し、ヒントを与えるとしよう。
行く宛も無いのだから、あとは己の心が惹かれる場所に、向かうしか無い。
将棋の関係のない場所で、だ」
”……海、です?”
なんで分かるんだ(困惑)
歩夢きゅんも、満足気に頷いてないで、事情を説明してどうぞ。
「そう、海。
他に寄る辺を持たなくなった八一は、自らの名前にこそ居場所を求めるはず」
”えっと、あ、の、八一先生、海、行きたいって、言って、ました、から”
ホモちゃんの言い分が、ホモの滑舌よりも分かりやすかった(こなみ)
そういう訳で、海の方へ向かいましょう。
歩夢きゅん、ありがとナス!
”神鍋、先生、ありがとう、ございました”
「フッ、礼には及ばん。
何れ、まみえようと伝えてくれさえすれば。
我が名はゴットコルドレン歩夢、
然りげ無く名前を訂正する、中二病患者の鏡。
唖然とするホモちゃんを他所に、高笑いをしながら去っていきました。
店番は良いのか(困惑)
……あ、戻ってきましたね。
「少女よ、何か求めるものはあるか」
”……ない、です”
「ならば往くが良い。
師とは、己が太陽とも呼ぶべき存在。
弟子とは、その高みに手を伸ばすイカロスたる存在なのだ」
頷いて、ホモちゃんは走り出しました。
ところで、首都圏の海水浴場って、千葉が多めな印象ですが、八一がいるのは神奈川県の茅ヶ崎。
たどり着けるか、心配な方がいらっしゃるかと思います。
が、安心してください。
八一への好感度が高いキャラだと、何故か八一の場所へ吸い込まれるようにたどり着く(通称、逆探知ロリ王)事が可能です。
”待ってて、八一、先生”
そういう訳で、3倍速開始!
………………
…………
……
はい、時刻は午後8時。
辺りは真っ暗、10月にもなると、海水浴客もこの時間帯では疎ら。
現在位置は、神奈川県茅ヶ崎市のとあるビーチ。
……知ってましたが、どうしてたどり着けるのか本当に謎です。
恐らくは、ホモ特有の超能力か何かなのでしょう(ホモちゃんはノーマル)
”みつ、けたっ。八一、せんせぇ!”
おっと、勢いよく、ホモちゃんがロリ王に抱きつきましたね。
大胆な行動はホモの特権。
そしてロリ王、人間のクズにしてロリコンのクズがこの野郎……。
戻ってもらわないと、チャートが壊れちゃうでしょ、反省して!(自分本位)
「萌ちゃん……どうしてここに」
”いっぱい、探し、ました。
毎日、寂し、かったからっ”
ホモちゃんの言葉に、オロオロしていたロリ王も、思わず抱きしめ返しました。
ホモちゃん視点では美しい光景。
ただ、傍から見ると、アロハシャツ着た中学生が幼女を抱きしめる姿は、何ともイリーガル。
でも、ロリ王を逮捕させる訳にはいかないので、程々で離しましょう。
さ、ホモちゃん、離れて♡
……あれ、操作を受け付けない?
”どっかに、行っちゃ、嫌、です”
「ごめん……そうだよな。
俺には萌ちゃんが居て、責任があるんだ。
逃げて、ごめん。
次からは逃げない、いや、勝つから」
イイハナシダナー。
ところでホモちゃん、そろそろ離れてください、オナシャス!
……なんででしょうねぇ、ホモちゃんに無視されます(困惑)
良いだろお前、成人の日だぞって話なのでしょうか。
「八一ぃ、あくしろー」
おっと、遠くから、上半身だけやたら体格が良い人が近づいてきましたね。
……ロリ王、不味いですよ!
「も、萌ちゃん、ちょっと離れてくれるかな?」
”だめ、です。
離して、あげません”
あ(察し)。
「うっそだろお前!」
「店長、違うんです!
この娘は俺の弟子で……」
「弟子ぃ? もう許せるぞオイ!」
はい、ロリ王が淫行犯逮捕となったところで、今日はここまでとします。
ご視聴ありがとうございました。
負けた。
負け、た。
負けた負けた負けた負けた。
『やっぱり天才は普通の人間じゃ絶対にありえないポカをするようだね!
いやぁこの見落としは天才ですよ天才!
やっぱり関西一の天才は違う!
普通はありえないもんこんなポカ』
………………………………ぁ。
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああ」
走った、走って走って、とにかく走った。
涙と鼻水が止まらず、大声で叫びながら、目的地なんてなく、ただ前へと。
情けなくて、恥ずかしくて。
脳裏に過る少女に、合わせる顔がなくて。
簡単な詰みがあったのに、逃してしまった。
逆転できそうだったのに、自分から手放してしまった。
自分の驕りで、棋譜を辱めてしまった。
昔、人間失格の冒頭文を読んで、首を傾げた事があった。
”恥の多い生涯を送ってきました”なんて言葉。
二手指しで二歩をしても、ここまでは言わないだろう、と。
ただ、今なら……分かる。
この言葉は、自分だけじゃなくて、誰かへの気持ちを背負ってないと、出てこない言葉なんだ。
人生で唯一のデビュー戦を不意にし、萌ちゃんの期待を裏切って最悪な醜態を晒した。
師匠を、姉弟子を、歩夢すら、俺はこの棋譜で裏切った。
それが、何よりも耐えられなくて。
強い衝動を持ちながら、全速力でどこまでも走り続けた。
「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああ」
気がつけば、辺り一面は暗く、真っ黒な海が広がっていた。
ここから大阪湾まで、泳いで帰らなきゃ、とそのまま海に飛び込んで……。
「この頃の若い奴はなってねぇよなぁ。
こっから先に進むと、お前もう生きて帰れねぇな?」
近所のサーフショップの人に、自殺と勘違いされて引き上げらた。
俺、何やってんだ、と正気に戻ったのは、サーフショップの店長にアイスティーを飲ませてもらった後のこと。
店長に何故、と理由を聞かれて、泳いで大阪に帰ろうとしました(小声)と答えたら、
「バカじゃねぇ?」
と、至極尤もなことを言われてしまった。
けど、それ以上の言及もされず、俺は店長の元に置いて貰えることとなった。
ボロボロの制服と革靴で、何かを読み取ってくれたのかもしれない。
ただ、働かざる者食うべからずという言葉があって、バイトとして働き始めることになった。
今は将棋のことが辛くて、考えたくなかった俺にとって、渡りに船な提案だったから。
ただ、そのバイトの最中でも……。
『八一、先生』
『八一』
二人の、俺を呼ぶ声がした。
気の所為だって分かってるのに、無視しようとすればするほど、余計に気にしてしまう。
……本当は、分かってる。
俺自身が、将棋から離れられない事は。
けど、二人にどんな顔をして会いに行けば良いか、全然わからない。
最初で最後のデビュー戦で、最後まで頑張れなかったから。
『負けと知りつつ、目を覆うような手を指して頑張ることは結構辛く、抵抗があります。でも、その気持ちをなくしてしまったら、きっと坂道を転げ落ちるかのように、転落していくんでしょう』
昔の、師匠が名人戦の記者会見で言った言葉だ。
また、頑張りますと、微笑みを添えながら。
あの時の師匠は、誰よりも格好いい、世界一の師匠だと思った。
その気持ちを、俺は負ける瞬間まで忘れていた。
苦く、苦しいものが、口の中に広がった感触がする。
「おいにゃんにゃんにゃん!
また仕事サボってるな、つべこべ言わずに来いホイ」
「す、すみません!」
仕事にも身が入らず、怒られてばかりな始末。
これじゃいけない、そう思いほっぺたを叩いて気合を入れる。
そうだ、俺はもう将棋のことは忘れるんだ。
じゃなきゃ、こんな気持ちをずっと抱えて生きていくのは、辛すぎるから。
店長みたいな、サーフ系ボディビルダーを目指すんだ!
「みつ、けたっ。八一、せんせぇ!」
胸に抱いた決意は、そのたった一言で、もろく崩れ去ることとなった。
俺の胸に飛び込んできた少女、この娘のことを、俺は良く知っていたから。
「萌ちゃん……どうしてここに」
「いっぱい、探し、ました。
毎日、寂し、かったからっ」
俺の中でとても大切になった女の子。
その娘が、俺の胸の中で、ほろほろと泣いている。
ズキリと、胸の傷が疼いた。
「どっかに、行っちゃ、嫌、です」
負けて、目の前が真っ暗になって、色々な事が見えなくなっていた。
そうだ、俺にとって萌ちゃんは、大切にしようと決めた、大事な愛弟子なんだ。
師匠が俺にしてくれた様に、今度は俺が萌ちゃんにしてあげようって。
そんな大事なことを、自分の事で精一杯になって、忘れていた。
負けた時の情けなさとは別の、不甲斐なさが胸に過ぎった。
「ごめん……そうだよな。
俺には萌ちゃんが居て、責任があるんだ。
逃げて、ごめん。
次からは逃げない、いや、勝つから」
秋風に晒されて、萌ちゃんの体は冷え切っていた。
けど、萌ちゃんの心は、俺を求めてくれる気持ちは、どこまでも暖かい。
オレの心まで、暖かなモノで包んでくれる様に。
萌ちゃんと頑張りたい、この娘の為になりたいと、心の底から、強く思う。
もしかすると、これが師匠になるという気持ちなのかもしれない。
強く、もう間違えないと、萌ちゃんを抱きしめた。
「八一ぃ、あくしろー」
店長の声が、遠くから聞こえた。
ふと、今の状況を俯瞰すると、小学生と抱き合っている構図の俺がそこには居て……。
あれ、まずくね?
そう感じたのは、棋士としての読みだったかもしれない。
「も、萌ちゃん、ちょっと離れてくれるかな?」
「だめ、です。
離して、あげません」
必至が解けない!?
不味い、このままじゃ(人生)詰む。
けど、萌ちゃんを無理やり引き剥がすなんて、俺には出来ない。
どうすれば……(心の中の)師匠、どうすれば良いですか!
(諦めて投了やな)
「うっそだろお前!」
現実は非情だった。
店長は萌ちゃんに抱きつかれてる俺を見て、心底たまげてる様だ。
「店長、違うんです!
この娘は俺の弟子で……」
「弟子ぃ? もう許せるぞオイ!」
その後、店長の誤解は解けたが、罰として(なんの罰なんだ)ブーメランな海パン一丁で撮影会をする羽目になってしまった(なんで?)
もしかしたら、これが将棋の神様の天罰なのかもしれない……。
萌ちゃんが手で顔を隠しながら、チラチラとこっちを見てたのが、何とも辛い一時だった。
逆探知ロリ王:八一が大好きなキャラだけが発露する現象。どれだけ離れてても、八一の事を感じ取れてしまう。発露してるキャラは、おおよそ愛が重い。歩夢きゅんでも可。
負けた後、自宅まで走って帰宅:四段時代の、森内俊之九段と吉田利勝七段戦が元ネタ。相手に頓死筋があったのに、気が付かず粘ったが実らず投了。吉田利勝七段は、君は詰みが読めなかったの? と言い、感想戦は行われなかった。その後、森内先生は悔しさのあまり、横浜の自宅まで(約30km)全力で走って帰宅した。家についた頃には、靴もスーツもボロボロになっていたとか。
森内俊之九段:18世永世名人。羽生先生と名人戦を幾度となく争ったライバル的存在。羽生先生の世代には、森内先生や佐藤康光先生、その他にも多数強豪棋士が存在し、その世代の実力が突出していたため、彼らのことを羽生世代と呼ぶ。
鉄板流と呼ばれ、強靭な受けが強い気風が持ち味(自陣飛車が似合う棋士No.1)。31歳が初タイトルと晩成型ながら、その後は破竹の勢いで次々とタイトル戦に登場した。2020年6月にYouTubeチャンネルを創設し、将棋界隈に大きな衝撃を与えた。
獲得タイトル:竜王2期、名人8期、棋王1期、王将1期
負けと知りつつ~転落していくんでしょう:木村一基王位の語録(将棋世界2007年5月号)。最後まで諦めず、苦しくても一生懸命盤面に向き合う、木村先生の棋風を表している言葉。本編で師匠は言ってない(独自設定)
木村一基王位:千駄ヶ谷の受け師の異名を持つ居飛車党。羽生世代と全盛期が運悪く被ってしまい、7回挑戦して獲得できたのは2019年の王位が1期だけ(ポケモンのサトシとデビュー年と経歴がクリソツで話題に)。
オジサン真夏の十番勝負と称された(王位戦七番勝負、竜王挑決三番勝負の計10回)豊島先生との戦いは、辛くも木村先生がタイトルを獲得した。
粘り強く、土俵が割れても新しい土俵を持ってくる棋風で、木村先生の血液には、納豆菌が混ざっていると噂されている。現在、藤井聡太先生の挑戦を受け、防衛戦中。世間の感触が、八一と名人の竜王戦の時のようで、ちょっと辛いものがある。
獲得タイトル:王位1期
神鍋歩夢:我らが歩夢きゅん。中二病継続中な18歳。八一が好きだけど、師匠も好きなので、恐らくはバイ。山刀伐七段相手に、八一を渡す訳には行かないと、大いにハッスルしている。
ホモちゃん:八一のビキニをチラチラ見ていたので、ホモ確定。八一先生の裸を見てると、謎のドキドキが止まらないらしい。
九頭竜八一:男に裸にされて、水着着せられたので、十中八九ホモ。弟子の大切さに気がつく。
店長:これマジ? 上半身に比べて下半身が貧弱過ぎるだろ。
個人的将棋トピックス:何と言っても藤井聡太先生のタイトル挑戦。奪取されたらRTA壊れる。りゅうおうのおしごと! 原作者の白鳥先生が、Twitterで”高校生がタイトル獲得なんて、将棋を舐めてるとしか思えないと叩かれまくったラノベ、1〜3巻までKindle Unlimitedで読み放題にしておきました。ノンフィクションになる前に、どうぞ”とオススメされてるので、もしまだ原作を読まれてない方がいれば(アニメ勢の人とか)と思います。