甘々にユナイトして   作:さわたり

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スプリットさんはたぶん全体的に見たら主人公。
降蓮さん周りは追加設定多いですが気にせず。


第二話

「…任務完了」

 

『では帰還願います』

 

「WIG。すぐ向かうわ」

 

今回のジェムストラは、かなり小型だった。レジストコードはサードニクス。トンボ型でちょこまか動き回るタイプだが、私の敵ではない。

 

『…今回で何回目ですかね、ユナイト無しで勝つのは』

 

「4回目。ま、この個体はすっごく弱かったもの。誰でも行けるわ」

 

『私でも?』

 

「貴女なら余裕よ。私よりも動き軽いでしょうし」

 

ユナイト無しでの勝利は、基本的に普通ではない。自分で言うべきかは知らないが、私は魔女たちの中でもかなり強い方のようだ。

 

『そうですか……帰還後、白水寺へ来てください』

 

「オペレーターじゃないなと思えば…またカウンセリング?」

 

『ええ、そうです』

 

だが、やはりというか、私がユナイトをしたがらないことに関して皆思うことは多いらしい。スプリット・フェイト。ユナイトに思うところがある職員たちが私につけたあだ名というか、コードネームのようなものだ。

 

「…WIG」

 

バイクに乗り込み、道を行きながら考える。ユナイトについて。その魔法が実用化されたのは9年前のことだ。私はまだ10歳。…いや違う。まだ11歳。

 

「…ケーキでも買おうかしら」

 

仕事柄…ではないんだろう。この前エージェント万李が15歳になったとき、彼女もウキウキしていたし、周りもお祝いムードだった。単に私の性格上、こういうのに浮かれないだけだ。それは真面目と言えば聞こえがいいかもしれない。

 

「…いいですか、貴女には余裕が足りません。隙もなさすぎる」

 

そう、余裕がない。目の前で優しく語りかける降蓮が正しいのであれば、コレは人間として問題である。自分の世界がはっきりしすぎていて、他人を寄せ付けない。私は、あまりその自覚はないのだが。

 

「貴女、状況や作戦によっては命令違反になるかもなんですよ。場合によっては懲戒処分!」

 

かえって厳しい口調になる降蓮。今回、単独で敵を撃破した私に関して、戦闘の技術は認めているようだった。それでも、無駄な被害を出しかねなかったと彼女は続ける。

 

「責めるようには言いたくありませんが……人命が助かって街が吹っ飛ぶのと人命が助かって街も無事。どっちがいいかは聞きませんよ分かるでしょうし。意識や思想を変えろとは言いません。ですが勝てたからいいというわけでもないのはお分かりでしょう?もう少しやり方を見つけましょうか」

 

「…そう、ね。ごめんなさい」

 

「と、まあ本作戦計画者としての注意は以上。今から私は…カウンセラーになります。聞かせてください、貴女の心境」

 

 

第二話 切り裂いても闇

 

 

小一時間ほどで、彼女のカウンセリングは終わった。大学では心理学の研究をしていたという彼女。何大学かも教えてくれないのでよくわからないが、少なくとも人心に詳しいのは嘘ではなさそうだ。彼女の前に座ると、自然と吐露できることも多い。

 

「…スプリット」

 

「エージェント龍騎。その、今日は悪かったわ」

 

白水寺を出る私へかかる声、龍騎叡無(えいな)だ。戦闘も兼任する諜報エージェントだ。そして、今回の任務での相方である。私の顔を見ても、彼女の様子は変わらない。

 

「別にいい。オレだって正直あんたに心を許せるわけじゃねぇ。アンタもそうだろ?」

 

「……」

 

「何が引っかかってるか知らないけどさ、ユナイトは戦いのための手段だと割り切った方がいいぜ」

 

「だとしたら……だとしたら………!」

 

「だとしたらなんだってんだよ!殴り合いに情を持ち込む時点で…いや、アンタはそういうことじゃなさそうだけど。まあいい、次一緒に任務向かわされたら…その時は頼むぜ」

 

「…そうね」

 

後ろ手に手を振り、去っていく彼女。悪い子ではないが、他人と関わるのを嫌がる傾向がある。…皆まで言ってくれるな。私が言えたことじゃないのは知っている。

 

「おっと、我妻(あがつま)じゃないの」

 

「…斎藤さん」

 

そんな私へ声がかかる。幼女と言っていい体格だが、訳あって戻れないだけの32歳男性。それが斎藤凛音(りんね)氏だ。話し方も、アラサー男性そのままである。…我妻、それは私の本名の方の苗字だ。

 

「我妻、今日誕生日だったろ?」

 

「よく覚えてますね」

 

CJ(クラックジャパン)本部の戦闘エージェントと研究員の誕生日は全員覚えてるぜ」

 

自慢げにキャンディを舐める姿だけなら、小学生で十二分に通用する。しかも今着ている服は戦闘時用の『魔服』だ。彼の魔服のデザインは一言で言うとロリータである。

 

「で、誕生日パーティーでもすんのか?我妻は」

 

「…?いえ、しませんが」

 

「ならよ、今日一杯どうよ。酒飲めるようになった……のは2年前か」

 

「ああ、17年前でしたっけ、未成年者飲酒禁止法が変わったのって」

 

「俺だってまだガキだったんだけどな。やっぱその頃の事の方が印象には残るってもんよ。酒は好きなのか?」

 

「少し嗜む程度です」

 

「オッケー。ならいいじゃねえか。お前が嫌じゃなければ付き合ってくれよ」

 

「……相手の誕生日に対して付き合ってくれよとは言いませんよ」

 

「うるせえな。俺の家は遠いし……」

 

「私の家もあまり近くないですからね…」

 

 

 

「だからってボクの家ってのもどうかと思います」

 

「だったら断りゃいいのに」

 

結果エージェント舞浜…舞浜那月の家に。文句は言いつつ特に嫌そうでもないのが彼女らしい。斎藤さんが渡されたスティックにんじんをおつまみにしようとするが、明らかにそういうことではない。私は彼の腕を止めた。

 

「…あの、斎藤さん。それ違います」

 

「え?あっウサギ用!?」

 

「そうに決まってるじゃないですか。……あぁ〜、もう寝ようかな」

 

「まだ夜8時だぞ?」

 

「別になんだっていいでしょう。泊まってもいいんで。布団はそっちです」

 

「流石に泊まりゃしねえよ」

 

「そうよ。まあでも…那月は飲めないものね」

 

「そうですねぇ…」

 

魚へと餌をやりながら、彼女は少し眠そうに言う。斎藤さんに渡したにんじんは、餌やりをしろということのようだ。素直にウサギを愛でながら、斎藤さんは食べさせていく。

 

「…我妻はさ、コレからどうしたいの?」

 

「どうって…別によく考えてる訳じゃ無いです」

 

「……そうか」

 

彼としては、たぶん私の人生について何かしらの心配をしているのだろう。付き合いは五年ほどになる。特別親しいわけでは無いが、思うところもあるのだろうか。

 

「……」

 

「悪い。変なこと聞いちまった」

 

距離感を掴みかねているようだ。私は自分のぼんやりした不安を言いたいような気分と、これ以上踏み込まれたく無いような気分。混ざり合って訳がわからず、言葉が出なかった。

 

「…ケーキ、さっきコンビニで買ったんですけど」

 

そんな私達の間を叩き割るように、プラスチックのパック机の上に置く那月。自宅で歳上の同僚二人が気まずくなるなど最悪極まる状況だろう。いや、別にそういうのを気にするタイプではなさそうだが。

 

「…さっきっていつだよ」

 

「Lメッセ送ってきた時」

 

「準備いいのね」

 

「ついでで買っただけですよ。ねぇマイケルー」

 

ウサギを抱きかかえながら言う那月。もう一匹の名前はジャネットだ。もちろんまとめて呼ぶ時は『ジャクソン』である。

 

「じゃ、いただきましょうか」

 

「おう、だな。歌うぞ舞浜」

 

「その前にロウソク…は無いからアロマキャンドルでいっか」

 

ガサゴソと小さなアロマキャンドルを出し、それを斎藤さんがライターで着火。タバコを吸えない体になってしまったというのにまだ持ってるのか。そして那智が電灯を落とす。

 

「スプリットがいい?名前がいい?」

 

「…スプリットで」

 

「よし名前で行くぞ」

 

「えっ」

 

「せーのっ」

 

「待って斎藤さん。本名知らない」

 

「そうなの。我妻、教えていいか?」

 

「ダメって言ったらどうするんですか」

 

「千歌って言うんだ。チカちゃん。かわいい名前だろ?」

 

「あはは、確かにそうですね」

 

「セクハラで訴えますよ」

 

「それこそハラスメントハラスメントだぜ」

 

ケラケラ笑う斎藤さん。この空間が楽しく感じる。私も賑やかなことは嫌いじゃない。それでも、ふとこちらを見る二人から、不安を感じてしまう。あんまり仲良くなっても、また…。

 

「「はっぴばーすでーとぅーゆー!はっぴばーすでーでぃあちかちゃーん!はっぴばーすでーとぅーゆー!」」

 

二人の絶妙に揃ってない歌で、私は現実へ引き戻された。ふうと消すアロマキャンドル。甘い香りが、今はひどく心を締め付ける。…本格的なカウンセリングが必要だろうか。

 

「…成人おめでとさん、我妻」

 

「でも20歳でやることってもう成人式だけですよね。酒もタバコもボクが生まれる前には18歳」

 

「俺の体は12歳。最悪だぜ」

 

「…うふふっ、ありがとう、二人とも」

 

そうしてケーキに手をつけようとした時、私の通信機に連絡が入った。仕事終わりでも持ってんのかよという視線が二人から送られる。この通信機は私のものなのだが、GPSが入っているためプライベート保護のため基地内のロッカーにしまうことができる。持ったまま帰るのはワーカホリックの証なのだ。

 

「…すぐ近くね。っていうか…60m?本当に目の前じゃないのよ…!」

 

魔服に着替えながら駆け出していく私。中世の貴族のようなデザインだ。それに続くかのように、彼らの携帯からビービーと警報が鳴る。避難勧告だ。水槽はどうしようもないが、那月はジャクソン二匹を抱えてシェルターへと向かった。

 

「…この子達を避難させる!私も後で向かう!」

 

「俺はすぐ向かう!…すぐそこなんだな!」

 

こうなればやはりプロである。一瞬で魔服を着ると、道路へと駆け出した。逃げ惑うサラリーマンをかき分け、丸の内仲通りに出る。…が、何もいない。

 

「…いないわね」

 

「いいえ居ます。下ですよ」

 

バイクに乗って私の横へ来たのは月桂葉研究員だ。軍服のような魔服がはためく。相当優秀な彼女の事だ。間違いはないのだろう。斎藤さんもあたりの状況をキョロキョロ見回し、私達の立つ位置を指示した。

 

「…きます!」

 

「げぎゅるるるる…!!!」

 

アスファルトを破壊し、丸ビルを取り込みながら、地面からジェムストラが飛び出る。腕の鎌、細い全身、巨大な羽。普通の生物の外見を模すことが多いジェムストラにしては異常だ。全高は12mはあるだろうか。

 

「…ジャスパー、サードニクス、オニキスが取り込みあってくっついたってとこか」

 

「レジストコードは…カルセドニー、だそうです」

 

「今は名前はどうでもいい。早速ビル一個ダメにされてんだ。行くぞ!」

 

斎藤さんが駆け出したのに合わせ、私も向かう。彼の合図に合わせて振り向き、バレーボールのようなポーズで腕を低く構える。

 

「せいっ!」

 

「シャオラ!」

 

私の腕の上に乗り、すぐさま腕を上げる。要はカタパルトだ。彼が12歳少女の体格だからこそできる荒技である。そして彼の魔法は『変貌』。自分の足をバネに変えての大ジャンプなど難しいことではない。

 

「ぜい!」

 

「めぎゅっ…ぎぐっ!」

 

彼の武器、「ふぉとんすてっき」をその頭部に叩き込んだ。使い方はメイスそのものだ。落ちてくる彼をキャッチしたのは月桂葉さん。しっかり着地させつつ、カルセドニーの後ろをとった。

 

「…はっ!」

 

月桂葉さんに惑わされているうちに、私が三日月型の大剣『クレセントエッジ』を奴の足へ叩き込む。怯むカルセドニー。いけるかと押そうとしたとき、いきなり空中へと飛び上がった。…まさか。

 

「ぎにゅん!」

 

やはり。急降下着地プレスだ。誰も食らわなかったものの、衝撃波が凄まじい。私は『固定』の魔法で踏みとどまり、月桂葉さんもどうにか水で衝撃を逃していた。

 

「うおおおおおお!」

 

だが変身が間に合わず、斎藤さんはそのままマンションへと叩きつけられてしまった。さらに、そこへカルセドニーが接近し、鎌を振り下ろした。

 

「っぶねぇ!」

 

鋭い鎌ではないし、引き裂かれても基本的に大丈夫なことが多いのが魔女だが、それでも痛いというもの。追撃をギリギリでかわし、斎藤さんは着地した。さらなる追撃を避け、どんどん遠ざかっていく斎藤さん。さっさと倒さねば。

 

「…我妻さん。ユナイトしましょう」

 

月桂葉さんからのこの提案は想定内であった。…しかし、私はそれにうなずくことができなかった。戸惑ううちに、月桂葉さんはカルセドニーへと攻撃を仕掛けていく。

 

「むぎゃっ!」

 

「我妻さん!」

 

「……しないわよ、ユナイトなら。二人がかりなら十分でしょ」

 

斎藤さんから対象を変え、月桂葉さんへと攻撃を仕掛けていく。巨大な一振りは避けるので手一杯だ。さらに羽を震わせ放つ風圧弾で、私へと攻撃を繰り出してきた。こうは言ったがユナイトしかないのか。…しかし。

 

「…っ!」

 

風圧弾と鎌のコンボをくらい、月桂葉さんも吹っ飛ばされてしまう。水を使って上手く受け身をとるが、それでも響いているようだ。彼女へ駆け寄る私に、カルセドニーが接近する。こんな状態では、すぐにユナイトはできない。…絶体絶命か、そう考え始めたとき。

 

「せいやっ!魔法少女!プディング・ア・ラ・モード!参上!」

 

4.4mほどのユナイト体がカルセドニーに蹴り込んだ。背中の翼が目立ち、桃色、水色、黄緑色の三色がグラデーションを描く派手なポニー。少なくとも、服装から斎藤さんが含まれたユナイトであるのは分かる。

 

「行くよ!ネコさん!カラスさん!」

 

巨大な杖を振り、ネコとカラスを出現させる。魔力で作り出したようだ。ならば…那月と斎藤さん、そして梅花…エージェント万李の三人ユナイトであろう。

 

「でえい!!」

 

そして炎を纏った二匹に体当たりをさせつつ、自分も杖でぶん殴った。そしてネコとカラスが杖に吸い込まれていく。

 

「合体!悪い虫さんを倒すよみんな!」

 

翼の生えたクロネコが杖から発射され、カルセドニーに激突。爆発し、相手の腕を破壊し。壮絶な戦いの隙に月桂葉さんが起き上がる。

 

「まさか見てるだけですか?プディングが頑張れるのも3分ですよ」

 

「…いえ、この際仕方がないです。ユナイトしましょう」

 

「…分かりました。あなたの傾向的に…こうですかね」

 

私の背中側から肩へと左手を回し、抱きしめるような姿勢に。そして右手を下げ、鎌を私の大剣へかちんとぶつける。

 

「行きますよ」

 

「ええ…!」

 

同時に武器を掲げると、私達は光の塊へと変わっていった。

 

 

 

 

初めての誕生だった。記憶から、私がユナイト体であることはすぐにわかる。スプリットは考えていなかったようだが、月桂葉は『ドクター・ペッパー』の名前を考えていたらしい。

 

「オーケイ、悪くないな。…レディースアンドジェントルマン!!始めるとしようか、破壊のショウタイム!」

 

「ぎぎぎ…!」

 

武器を合体させ、一つの武器へ。長い柄の先に、クレセントエッジが煌めく長刀だ。貴族風の服に羽織った軍服をはためかせ、私は駆け出す。

 

「HAHA!余裕がなさそうだな君ィ!でもそれじゃあ良くない!笑顔は愉悦の証だぞ?ドント・フォーゲット・トゥ・スマイル!」

 

私の華麗なる連続攻撃を浴び、カルセドニーが大きく怯んだ。さらに蹴り上げてやれば、ひっくり返ったではないか。

 

「よっこいせ…!」

 

「WOW!なかなか派手でパワフルなレディだ!そのまま叩きつけてやれ!」

 

ひっくり返ったカルセドニーを、1/3ほどの体格のプディングが持ち上げ、そのまま飛び上がりつつ地面へシュート!さらにカンガルーの能力を付与しながら蹴り込んだ。

 

「おっぼ!」

 

「さて、このまま……ありゃ、もう終わりだ。さよならー!」

 

そして構えたかと思えば、もう三分。ぼんと音を立てながら破裂し、三人が地面へ着地した。あとは任せたということか。ならそれもいい。華麗に決めてやるだけ。

 

「お待ちかねの虐殺ターイム!ま、ジェムストラちゃんに命はないがな!とにかくさよなら!」

 

上に飛び乗り、刃を下へと向けフィニッシュとして突き立ててやる。弾け飛んだのち、三つの石ころへと変わる。人間の手のひらサイズだ。

 

「HAHAHAHA!お楽しみ頂けたかな!ではまた!」

 

私は帽子を脱いで頭を下げて、消えることにした。戦いが終われば私の出番もない。

 

 

 

 

「……回収しました。サードニクス、オニキス、ジャスパーです」

 

「よし!任務完了ですね!うーん、またユナイトに頼っちゃったなぁ」

 

基地へ戻っていく月桂葉さんと梅花。梅花もユナイトしたがらないタイプだが、その心理は「一人で頑張りたい」という意地だ。私とは根本的に違う。そんなことを思ってる間にも、すっ転びそうなのを紫にキャッチされている。

 

「運がないわねぇあの子も」

 

「梅花さんお祓いして貰えばいいのに。降蓮さんとかに」

 

あんまり神やらを信じない私も、那月に思いっきり同意してしまう。その程度には彼女は運がない。

 

「さて…任務も終わりだ。続きでもするか?」

 

「ですね」

 

そう言われて、私は気づいた。先に那月の方が青ざめているのも当然である。

 

「ぼ…ボクの家ェー!」

 

マンションの一室を買って、兄と暮らす那月。その一部屋含めて、マンションがかなりぶっ飛んでいるからだ。奇跡的に水槽はちょっとした水漏れだけで済んでいるが、リビングは悲惨だ。ケーキは跡形もない。

 

「…」

 

「あー、ケーキぶっ飛んじまったなぁ」

 

「ケーキならまた買いますから…。んなことより家だよぉ……」

 

「半分俺のせいだ。めんどくせぇ寮の申請は出来る限り俺がやるよ…」

 

「いや別にそれはいいんですけど…。まあ補助金が出るかぁ。うーん……」

 

悩ましげに頭を抱える那月。だが、きっと私が一番暗い顔をしていただろう。…ケーキがないのは別にいい。買えばいい。「暖かい空間が続かなかったこと」が私にとって重要なのだ。

 

「…結局そうなのね」

 

「……?」

 

誰かと関われば、結局不幸にしてしまう。やはり一人の方が、私は似合っている。




「深呼吸………対話です、ユナイトは語り合うことなのです」

次回、「禅」

ごめんなさい驚きましたかね。敵がサードニクスで。実はこれ宝石の名前なんですよ。
しかしイレギュラーな融合体って第二話で出すべきだったのだろうか(今更)。本作は急展開でやってこうと思いますん。
那月のウサギは二匹いますがどっちもオスです。別に兄弟ではありません。マイケルジャクソンとジャネットジャクソンですけど。
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