日輪の子は夜と踊る   作:凡人EX

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初戦闘シーン。
勝手がわからない。
どうしようもない。
拙いところは目を瞑っていただければ幸いです。


日輪の子は訪れる・中

 親衛隊達も、荒魂が現れたことを知った。荒魂探知に使われるスペクトラムファインダー。それは今、四方向ほどに荒魂がいることを示していた。

 

「しかし、見事にバラバラに現れたものだな」

 

「私達も、四手に別れた方がいいでしょう。幸い既に現場に向かっている刀使もいるようですので」

 

「りょーかい! それじゃ、私あっちね!」

 

 そう言って結芽は北の方角に向かって行った。

 

「あっ、こら! ……全く、結芽の単独行動には困ったものだな」

 

「でも、今はそれぐらいがいいでしょう。私達も別れましょう」

 

「わかった。僕は向こうを担当する。寿々花は南西、夜見は南東方向を頼む」

 

「「了解(ですわ)」」

 

 三人もまた別れ、それぞれ荒魂討伐に向かった。

 

 

「どっんなあっらだ〜まい〜るのっかなあ♪」

 

 上機嫌で直進していく結芽。刀使の特殊能力である“迅移”を駆使し、いち早く荒魂のいる場所に向かっている。

 

「……みぃつけた!」

 

 獰猛な笑みを浮かべる結芽。スピードを落として、改めて荒魂と対峙する。10メートル程の、獣のような四足歩行の荒魂が、見たところ5体。

 

 しかし、それでもなおこの燕結芽という少女は余裕を崩さない。

 

「さぁ〜てと、簡単にやられちゃ、嫌だからね!」

 

 この幼い少女は規格外の戦闘能力を持つ。故の余裕。故のこの言葉。それを皮切りに、結芽は荒魂に果敢に飛びかかっていった。

 

 

 

ダァン!!!!
 

 

 

 刹那、雷鳴の如き轟音がその場を支配した。そして、結芽が手始めにと向かっていった荒魂は、

 

 真っ二つになっていた。

 

「……え?」

 

 数瞬遅れて、起きたことを把握した結芽。着地し、荒魂が周りにいるのにも関わらず、硬直してしまう。

 

 だが、荒魂もそれは同じだった。何せ、

 

 結芽や荒魂の目線の先には、緋色の髪を持つ少年が、居合の構えで佇んでいるからだ。

 

 

(……あの子は刀使か。幼いが相当な強者。放置していても大丈夫そうだ)

 

 冴え渡った頭で考察する緋色の髪の少年こと、新。周りを見ても、自分と少女以外に人はいない。ならば、

 

(そこそこ暴れても大丈夫そうだな)

 

 なお、建物への被害は考えないものとする。

 

「──森羅万象示す神々、我らが信ずるは秘となる神々」

 

 先程収めた刀をもう一度抜く。右手に刀を持ち、自然体になる。

 

「秘となるなれば、我らが紡がん、人なる我ら、神話を語らん」

 

 荒魂が襲いかかってくるのを感じる。しかし、避ける必要も無い。時間の流れが遅いのだ。余裕がある。

 

「此処に現す秘となる神楽、いざや収め奉る──」

 

 目を開く。眼前に荒魂が迫っていた。ならば、

 

「ヒシン神楽・演目・水の弐──」

 

 迎え撃とう。

 

(さざなみ)

 

 荒魂の腕に対し、細かい連撃。刀を振るう度に、その威力は増していく。この荒魂は十回目までもった。

 

 倒れたならば次だ。

 

「演目・岩の参・金剛砕(こんごうくだ)き」

 

 先の荒魂の斜め後ろにいる荒魂に向かって跳び、刀を全力で振り下ろす。荒魂の頭を斬り、なお勢いが死なずに道路にクレーターを作った。

 

 着地を狙ってか、真横から荒魂の攻撃。新を喰らおうとしているようだ。

 

 即座に横跳びで近くのビルの壁に足を着ける。張り付くことは出来ないので、地上3メートルから落ちる前に壁を蹴る。ちょっと壊れたが、まあ仕方ない。

 

「演目・風の壱・春一番(はるいちばん)

 

 再び荒魂を横に真っ二つにし、遅れて風の刃で細切れにされる荒魂。新は更に奥にいる荒魂に向かって走っていく。

 

「演目・炎の壱・火火天焼(かかてんしょう)

 

 荒魂の下に潜り込み、上に跳びながら高密度の連撃。荒魂が倒れ伏し、その上に着地する。此処はこれで終わりらしい。ここまでの時間、約40秒。

 

 

「さて、と。次どこ行こうか」

 

 まだ荒魂の気配はある。同時に刀使の気配もあるが、手助けするぐらいならいいだろう。そう思って刀を鞘に収め、居合の構えをとろうとした瞬間、

 

「えい!」

 

「うおぉ!?」

 

 さっき見つけた刀使っぽい子に斬りかかられた。

 

(掛け声可愛らしいのに殺気が尋常じゃねえ! 防いでなかったら脳天割られてるわこんなもん! ってか何か怒ってらっしゃる?)

 

「もぉ〜!! 何で全部倒しちゃうの!? 私もやりたかったのに!!」

 

「おっま、バトルジャンキーかよ!! 混ざりたきゃ混ざりゃ良かったのに!」

 

「だっておにーさん凄く綺麗な戦い方だったんだもん!!」

 

「嬉しいねぇ、でもそれで俺のせいにされんのは勘弁願いたいなおい!!」

 

「うるさい!! 責任取って私と勝負して!!」

 

「嫌、です、けどぉ!?」

 

 新が下の鍔迫り合い。刀使の能力と、軽いとはいえ体重をかけられているため、かなり苦しい。

 

「つかまだいんだろ荒魂なら!! ほか行けばいいじゃねーか!!」

 

「いーやーだー!! もうおにーさんと勝負するって決めたもん!!」

 

「俺嫌っつったろうが!!」

 

「じゃあこのまま潰れちゃえ!!」

 

「嫌に決まってんだろ!!」

 

「ワガママ!!」

 

「どっちがだ!!」

 

 物騒な言葉や、刀を持っていることを考えなければ、まるで兄妹喧嘩である。

 

 結芽からしてみれば、買ってもらったばかりの玩具を目の前で横取りされ、壊されたようなものである。それに対する怒りもあるが、転校初日に遊ぼうと声をかけられたような心境もあるのだ。

 

(せっかくの獲物を横取りされたんだもん。これぐらいいいよね!)

 

 嗚呼複雑也乙女心。新からしたらいい迷惑である。というか、一応新は刀使ですらないのだが、結芽は興奮でそこまで頭が回らないらしい。

 

 そこから膠着状態(とレスバトル)が続き、5分ほどしたところで寿々花に止められた。

 

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