宇宙戦艦ヤマト2199 白色彗星帝国の逆襲   作:とも2199

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宇宙戦艦ヤマト2202とは別の世界線を歩んだ宇宙戦艦ヤマト2199の続編二次創作小説「白色彗星帝国の逆襲」です。「白色彗星帝国編」、「大使の憂鬱」、「孤独な戦争」、「妄執の亡霊」、「連邦の危機」、「ギャラクシー」の続編になります。


白色彗星帝国の逆襲106 最終防衛ラインPart4

 バーガーらが放った二基の惑星間弾道弾は、ガルマン帝星を大きく迂回して、反対側の月軌道で発見された白色彗星と思われる物体に急速に接近していた。物体は、まだ白色彗星化しておらず、惑星間弾道弾の威力で、充分に破壊可能だと推測された。

 惑星間弾道弾は、更に速度を上げると、ルカたち偵察隊が報告した座標へと一目散に向かった。

 しかし、その物体の表面に走る稲光の様な光は、次第にその数を増し、やがて物体全体に広がって行った。

 更には、その周辺に空母の歪みが発生し、ガトランティスの艦船が一つ、また一つと次々に現れて行った。

 物体の前方に展開した、約三百隻余りのガトランティスの艦艇は、接近する惑星間弾道弾に対抗しようと、艦首をその方角へと向けた。

 やがて、砲撃が一斉に始まると、惑星間弾道弾は、多数の穴を開けられて、やがて大爆発を起こした。

 

 その場に、少し遅れて到着したバーガー率いるガミラス艦隊は、小ワープから抜け、徐々にその姿を現し始めた。

「前方に、ガトランティスの艦影多数! 臨戦態勢に入っています。惑星間弾道弾は、撃墜された模様!」

 バーガーは、前方を睨んで言った。

「やっぱ駄目か……。全艦、攻撃準備! 古代たちの地球艦隊が来るまで、あれを足止めする! 艦載機を、全機発艦させろ!」

 

 その頃、山南隊は、小ワープでガトランティス艦隊の背後に現れていた。

 アンドロメダは、舷側のロケットに点火して、艦首を白色彗星に向けた。

 山南は、落ち着いた声で命じた。

「波動防壁展開」

「波動防壁、展開します!」

「続いて、波動砲発射用意!」

 南部は、復唱して準備を始めた。

「了解、波動砲発射用意始め」

 機関長の海原は、それに呼応して準備を始めた。

「波動エンジン、エネルギー充填開始。現在、エネルギー充填十パーセント」

 南部は、目を閉じて、アンドロメダの力が高まって行く音を聞きながら、思いを馳せた。

 

 島、太田、北野……忘れられないヤマトの仲間たち。

 こんな事をした所で、ヤマトやイセの皆の仇をとれる訳も無いけど。

 皆のぶんまで、戦わせてもらうからな……!

 

 南部は、目を開けると、正面に肉眼で大きく見える白色彗星を見つめて、決意を固めた。

 アンドロメダが準備を進める中、その他の五隻の主力戦艦は、前に出て波動防壁を展開した。どのような攻撃が来ても、波動砲を放つアンドロメダを守る態勢である。

 ガトランティス艦隊も、後方に現れた地球艦隊に気が付き、反転して接近を試みようとし始めた。 

「敵艦隊、及び、敵戦闘機多数接近中!」

 山南は、それでも冷静だった。

「やっぱり、気がつくよなぁ。南部、出来るだけ急いでな。でも、慌てるな。確実に仕留めるんだ」

「分かってます!」

 

 同じ頃、古代隊も、小ワープから抜け、バーガーの艦隊のすぐ近くに現れた。

 主力戦艦ハルナに乗る古代も、周辺の状況をすぐに把握する事になった。

「報告のあった座標付近に、多数のガトランティス艦隊の艦影あり! バーガー大佐のガミラス艦隊が、これに対抗して戦闘が始まっています!」

 古代は、努めて冷静に振る舞った。

「分かった。このまま、ガトランティス艦隊は、バーガー大佐に任せる。我々は、波動防壁展開と同時に、直ちに波動砲発射用意!」

「波動防壁、展開用意!」

「波動エンジン、エネルギー充填を開始します!」

 その時、ハルナの艦橋は、眩い輝きに包まれた。

「な、何だ!?」

 艦橋の窓の外には、まるで太陽かと思う様な真っ白く輝く物体が現れていた。

「白色彗星です!」

 古代は、腕を顔の前に上げて、その光から目を守った。

「やはり、白色彗星だったのか。波動砲の発射準備を急いでくれ」

「艦長!」

 レーダー手は、新たな発見に驚いた様子で話し掛けてきた。

「どうした?」

「ここから離れた別の場所にも、もう一基、白色彗星が現れました!」

 古代は、眉間にしわを寄せた。

「三基目の白色彗星だと……?」 

 

 総統ボルゾンを乗せたガイデル少将の座乗する大型空母は、約千隻の艦隊を引き連れて、ガルマン帝星から離れようとしていた。

「もっと速度を上げれんのか?」

 ボルゾンの言葉に、ガイデルは振り返って笑顔を向けた。

「現在加速中です。月軌道を通過し、ジャンプ可能速度に達したら、直ちに実行する予定です」

 ボルゾンは、相変わらず不機嫌そうにしている。その表情を恐れたガイデルは、乗組員に確認した。

「おい、あとどの位でジャンプ出来る!?」

「あと、一分でジャンプ可能速度に達します」

 ガイデルは、再びボルゾンの方を向くと、ご機嫌を取るべく話し掛けた。

「総統、あと一分だそうです」

「ああ、聞こえとるよ」

 ボルゾンは、あと一分と聞き、少しだけ機嫌を直したようだった。

「ここから、遠く離れたガルデラン星系に向かいます。そこまでは、連続ジャンプで、およそ五日程度で到着出来るかと。我々の東部方面軍司令部で、少しお休み頂けるかと」

 ボルゾンは、黙って頷いた。

 

 そこに着いたら、数日はゆっくり出来るな……。

 その間に、ガイデルには、東部方面軍全艦隊を集めさせ、防衛体制を固めさせよう……。

 

 そんな事を考えている所に、艦橋の乗組員が、甲高い声を上げた。

「ガイデル総司令! 先行した艦艇数隻が、突然爆発しました! 艦隊を緊急停止させます!」

「な、何? 何があったのだ?」

「分かりません、確認します。レーダーには、前方に何も映っていません」

 ガイデルは、目凝らして前方の様子を探った。

「何も無いではないか」

 ボルゾンは、再び不機嫌な表情になると、ガイデルを叱責した。

「何をお前はやっているか! 艦隊を停めるとはどういう事だ!」

「も、申し訳ございません。安全を確かめてから、再度発進致します」

 ガイデルは、ボルゾンを振り返って腰を低くして説明した。

 ボルゾンは、ガイデルの顔を眺めているうちに更に不快になり、視線をガイデルの後ろにある、艦橋の窓の外に向けた。

 その時、ボルゾンは、何か稲光のような発光現象が発生しているのを目撃した。

「何だ? あれは」

 ガイデルは、ボルゾンの視線の先を辿って、後ろを振り返った。

 その稲光は、次第に増えてきて、激しく発光しだした。

「何だあれは! 科学士官は、直ちにあの現象を報告しろ!」

 科学士官は、慌ててセンサーで前方の様子を確かめると、真っ青な表情で報告した。

「ガイデル総司令! 白色彗星です! 前方に、白色彗星が存在します!」

 ガイデルとボルゾンは、同時に顔面が蒼白になっていた。

「こ、攻撃を加えろ! まだ完全に白色彗星になっていない、ただの鉄の塊だ! 急げ!」

 ボルゾンは、表情を歪めて、大きな声を出した。

「ガイデル! この船を直ちにこの場から離脱させろ! 攻撃は他の艦に任せるのだ!」

「は、はい!」

 ガイデルは、大慌てで指示をした。

「本艦は、総統の乗る特別な艦だ! 直ちに反転して離脱するのだ!」

 ガイデルの艦隊は、戦闘配置の指示もないまま、散発的な攻撃を開始した。陽電子砲やミサイルが白色彗星化しようとする前方の物体へと撃ち込まれた。しかし、それは僅かに遅かった。

 前方の物体は、雷に打たれたかのような激しい輝きを放つと、一気に白色彗星としての姿を現した。

 目前まで近付いていた艦艇の多数が、その発光現象に巻き込まれて、次々に爆発した。そして、完全に白い光を放った白色彗星は、その超重力で艦隊を引き寄せ始めた。

 ガイデルは、大きな声を上げた。

「退避! 全艦、退避だ!」

 ほとんどの艦艇が、ゆっくりと引き込まれて、どんどん飲み込まれて行く。

 ガイデルの大型空母も、既に重力に捕まっていた。艦体を傾けて、じわじわと引き込まれて行く。

「エンジン出力全開だ! 脱出しろ! 早く!」

 ガイデルの叫びも虚しく、艦は更に引き込まれて行く。

 ボルゾンは、青ざめたまま、立ち上がってガイデルに掴み掛かった。

「お、お前は……! どうするんだ! なんとかせんか!」

 その時、艦体が大きく揺れた。ボルゾンは、その巨体を支え切れず、もんどり打って床に転がった。しかし、そこにはガイデルが下敷きになってしまっている。

「そ、総統……! ど、どいて下さい……!」

 ボルゾンは、転がったまま頭を抱えていた。

「こ、そんな所で、わ、わたしは死ぬのか……! わたしは……! ガルマン帝国の総統なのだぞ……!」

 側近の女たちは、床に座り込んで泣いていた。

 総統の機嫌をうかがい、いやいやながらも、ついていけばまだ裕福な暮らしが出来ると、打算的な判断をした自分たちの傲慢さを悔いた。

 やがて、艦体が軋み、潰れて行った。大型だった空母は、小さな塊になると、そのまま粉々に粉砕して消滅した。

 

 白色彗星は、ガイデルの艦隊を壊滅させると、今度は、土方らのいる座標へと方向転換した。そして、速度を上げると、ガイデルの残存艦艇が蜘蛛の子を散らす様に逃げ惑う中、それらを無視して突き進んで行った。

 古代は、三基目の白色彗星の動きを確認した。かなりの高速で移動している。その動きに、古代は不穏な空気を感じ取った。

 そして、通信マイクを掴んで急ぎ指示を出した。

「これよりハルナは、三基目の白色彗星を追う。こちらの二基目の白色彗星の撃破は、主力戦艦ヒエイに命ずる! 古代隊の指揮は、本艦の代わって、ヒエイに引き継ぐ!」

 古代は、マイクを切ると艦内の乗組員に指示した。

「波動砲の発射は一時中止! 全速力で、三基目の白色彗星を追跡しろ!」

「は、はいっ!」

「波動砲、発射シーケンスを停止!」

「おもーかーじ!」

「波動エンジン、約十秒で全力運転に移行!」

 ハルナの波動エンジン噴射口から、眩い光が輝くと、突進しながら方向転換を行った。

 後に残された古代隊は、多少の混乱の中、隊列を変更して、ヒエイが波動砲の発射用意を開始していた。

 古代は、前方に輝く白色彗星を見つめた。

 ハルナの副官となった葉山は、古代に意見した。

「土方さんの旗艦艦隊にも、まだ十数隻の主力戦艦が配備されています。そちらは、土方総司令にお任せしても良いのではないでしょか? 急な作戦変更で、ヒエイにも混乱が見られます」

 古代は、葉山の方を真剣な表情で見た。

「君の言う通りだ。しかし、この白色彗星は、艦隊の護衛も無く、速度を上げて突進している。この動きはおかしい」

 葉山は、そう言われてレーダーチャートを確認した。

「確かに非常に動きが速いですが……。ま、まさか!?」

 古代は頷いた。

「そうだ。恐らく、小ワープをする気だ。本艦も、小ワープの用意をしてくれ」

 ハルナは、どんどん速度を上げて、白色彗星を追った。しかし、その白色彗星自身も、更に速度を上げていた。

 

続く…




注)pixivとハーメルン、及びブログにて同一作品を公開、または公開を予定しています。
注)ヤマト2202の登場人物は、役割を変更して登場しています。
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