宇宙戦艦ヤマト2199 白色彗星帝国の逆襲   作:とも2199

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宇宙戦艦ヤマト2202とは別の世界線を歩んだ宇宙戦艦ヤマト2199の続編二次創作小説「白色彗星帝国の逆襲」です。「白色彗星帝国編」、「大使の憂鬱」、「孤独な戦争」、「妄執の亡霊」、「連邦の危機」、「ギャラクシー」の続編になります。


白色彗星帝国の逆襲120 要塞都市帝国の出現Part3

 ヤマトは、頭上に要塞都市帝国の小惑星部を見ながら、速度を上げて下へと潜って行った。

 その後ろに、都市部の偵察に向かった篠原の部隊のコスモタイガー隊が追い付き、着いて行く。

「こちら篠原。上はどうにもならなかった。下からしか侵入路は確保出来そうも無い」

 古代は、篠原の通信を受けて回答した。

「分かった。篠原の部隊は、半分はヤマトの防衛、半分は加藤の部隊と合流してくれ。何としても侵入路を探すのを優先する!」

「了解……! にしても、敵機が多過ぎて、こっちもちょっと厳しいみたい」

 古代も、敵戦闘機部隊が多数ヤマトに飛来しようとしている事は察知していた。

「分かっている。くれぐれも気をつけろ。決して無理はするな!」

「無茶な事を言う。分かったよ、戦術長殿!」

 古代は、通信を切ると、艦内の各種兵装を担当する部署に指示を発した。

「敵機が多数接近中! 煙突ミサイル、及びパルスレーザー砲台は、直ちに弾幕を張れ!」

 ヤマトの周囲に集まってきた多数のイーターⅠに対して、パルスレーザー砲が火を吹いた。短い時間で連射されるパルスレーザー砲は、早速敵の機体を撃ち落とし始めた。そして、レーダーが捉えた標的に対して、煙突ミサイルが続々と撃ち出された。ヤマトの周囲は、それらの敵機が撃ち落としても撃ち落としても接近してくる。

 古代は、艦内通信で更に指示を送った。

「山本! 揚羽! 直ちに発艦して、ヤマトの周囲の敵機撃墜を頼む。ヤマトの弾幕に注意してくれ!」

「……古代さん。了解しました」

 その指示を受けた山本は、揚羽に手で合図すると発艦準備に入った。コスモゼロのエンジンを吹かすと、間髪入れずにヤマトの後部カタパルトは、機体を撃ち出した。

 急激なGに耐えながら、山本と揚羽は、一気にヤマトの後方に出ると、機体を傾かせて旋回し、すぐさま敵機を捉えた。

「こいつ……!」

 山本は操縦桿のトリガーを親指で押すと、機首に据付けられた機関砲から大口径の砲弾が発射された。正面から迫っていた敵の機体は、その砲撃で一撃で粉々になって爆発した。山本の機体は、その下をかい潜ると、更に次の標的を探して旋回した。しかし、何処からか機体がロックオンされた時の警告音が鳴り響く。山本は、目を皿のようにして、レーダーのどの点が相手か探そうとした。

 彼女の後に遅れて続いていた揚羽は、後方から山本の機体に接近する敵機を捉えた。

「山本さん……! 後ろの奴は、俺が相手をします!」

 山本は、ちらりと後方を見たが、そのまま揚羽に任せた。

「助かる! 後ろは任せた!」

 揚羽は、標的を捉えると直ぐに機銃で攻撃を加えた。敵の機体は、あっという間に穴だらけになると、空中分解してばらばらになって四散した。それを確認する間もなく、揚羽は、機体を巧みに制御すると、再び山本の後を追った。

 

 ヤマトは、コスモタイガーとコスモゼロを引き連れて、小惑星部の下で旋回を始めた。しかし、そこに上から陽電子砲の砲撃が襲った。ヤマトの波動防壁が激しく火花を散らして、その攻撃を遮っている。

 古代は、小惑星部の様子をスクリーンで確認した。どうやら、砲台があちこちから顔を出して、ヤマトに向けて砲撃を行っているらしい。

「主砲、副砲、小惑星部の砲台に照準合わせ!」

 古代の命令で、ヤマトの前部、後部の主砲と副砲が旋回し、仰角を最大に上げた。

「自動追尾設定完了。砲撃開始!」

 ヤマトの艦内に、ショックカノンを発射した時の衝撃が襲う。

 次々に火を吹いたヤマトの主砲から伸びた螺旋状のエネルギーは、小惑星部から顔を出す砲台を捉えると、大爆発を起こした。しかし、一部は、ヤマトの砲撃を探知したのか、砲台が内部へと引っ込み、命中しない物もあった。

 

 その頃、ヤマトが小惑星部の下へ逃げ込んだ事に伴って、ネレディア率いるガミラス艦隊へと、要塞都市帝国の中央のリングからの砲撃が行われていた。既に、二隻の駆逐艦がその餌食となって撃沈されていた。

 ネレディアは、大きな声で叫んだ。

「これ以上、ここに留まるのは危険だ! 我々も、ヤマトの後を追って、あの下へ潜り込め!」

 戦闘空母ミランガルと、護衛の駆逐艦六隻は、急激に下降すると、まっしぐらにヤマトの近くへと突っ込んで行った。

 ミランガルは、旋回して来たヤマトに合流すると、横に並んで並走した。そのミランガルにも、敵の戦闘機部隊が多数集まって来る。

「直ちに戦闘機隊、攻撃機隊を発艦させろ!」

 ミランガルの飛行甲板には、エレベーターでデバッケやスヌーカが上がると、次々に発艦して行った。

 ルカも、飛行甲板に出て、発艦位置につけると、宇宙服を着た甲板員に手で合図した。そして、甲板に備え付けられたカタパルトから、わずか数秒で射出され、彼女は強烈なGに耐えた。

 しかし、飛び出した宇宙空間には、彼女の周囲だけでも、おびただしい数百もの敵機の群れが待ち構えていた。彼女のコックピットからは、ヤマトの航空隊が激しく敵戦闘機とやり合っているのが見えた。

「我々も、加勢する! 分散して攻撃を開始しろ!」

 ルカの隊長機の合図で、彼らは少数の編隊を組み直すと、それぞれのターゲットに向けて飛び込んで行った。

 

 ヤマトやガミラス艦隊が小惑星部の下で激しい戦闘を繰り広げている中、要塞都市帝国の都市部では、民衆が都市から内部へと逃げ出そうと道を塞いでいた。

 そこでは、異なる部族間での対立も起こっていた。

 逃げ出そうとする民衆の前に、筋肉質の武闘派の部族の若者が立ちはだかり、巨大な剣を振り回して威嚇していた。

「馬鹿どもが! ガトランティス人ともあろうものが、この程度の事で慌てるとは、情けない!」

 しかし、知性派の住民の代表が、それに歯向かっていた。

「ガトランティス人もくそもあるか! お前には、あれが見えないのか!? 外では、敵の戦闘機や戦艦が暴れまわってるんだぞ!」

 武闘派の男たちは、知性派の男たちに向け、剣を真っ直ぐに伸ばした。

「それがどうした。成人すれば、軍人となって戦うのが、俺たちの責務だ。奴らを倒そうという気概を持たんか!」

 武闘派の男たちは、それぞれ武器を構えると更に大勢が集まった。しかし、知性派の部族も負けてはいなかった。武器を恐れる事無く、その場を離れない。

「そこをどけ! だいたい俺は軍人じゃない! 俺には、守るべき家族や恋人も居るんだ! お前たちに、俺たちの気持ちが分かってたまるか!」

「そうだ、そうだ!」

「お願い、退いて! 子供がいるのよ!」

 女たちの悲鳴に、流石の武闘派の男たちも少し気後れした。彼ら自身も、敵艦隊の姿を間近に見て恐れおののいていたのは確かだった。しかし、誰かが情けない民衆に説教を垂れようと言い出した為に、引っ込みがつかなくなっていたのだ。

「……く、くそう! そもそも、要塞都市帝国が丸裸になった状態で戦おうっていう軍の頭がおかしいんだ! しかーし! 我々は、ガトランティス人としての尊厳を持ってだなあ……!」

 その時、一発の銃声が響いた。

 騒乱の中にあった民衆は、その音で、急に静かになった。

 先頭で一席ぶっていた武闘派の男の一人が、その場で突然うつ伏せに倒れた。彼の背中には、銃で撃たれた弾痕があり、そこからおびただしい血液が流れ出していた。

 辺りは、再び悲鳴や怒号が鳴り響き、騒然となった。そこに要塞都市帝国内部から現れたのは、ガトランティス軍の軍服に身を包んだ数十名の軍人たちだった。

「お前たち、ゲーザリー参謀長官からのご命令だ。直ちに帰宅し、自宅で待機しろ。要塞都市帝国が、あの程度の艦隊に落ちる事はあり得ない!」

 再び、複数の銃声が聞こえると、民衆は来た道を引き返そうと、再びパニックに陥った。人々は、自宅に戻ろうとする者、先頭で起きている事態を把握していない後方の者とがぶつかり合い、混乱は更に酷くなっていた。

 治安部隊のガトランティス軍の者たちも、この混乱には呆然としていた。その中の一人の男が隊長のそばへと近寄った。

「隊長……。私は、彼らの気持ちも分からんではありません。私には、家族が居るんです。私も、要塞都市帝国の姿を晒したままで戦うべきだとは思いません……。我々は、直ちに撤退すべきでは無いのでしょうか?」

 隊長の男は、苦々しい表情で部下の男に言った。

「そんな事は、俺も百も承知だ。だが、これは上からの命令なのだぞ! お前がそんな事では、統率が出来ない! 上からの命令は絶対だ。いいから持ち場へ戻れ!」

 

 同じ頃、ガルマン帝国艦隊と、バーガー率いるガミラス艦隊は、付近に居たガトランティスの無人艦隊を蹴散らして、後方のユーゼラー率いるガトランティス有人艦隊へと接近し、月軌道の少し外側で、再び戦闘が始まっていた。

「撃って撃って撃ちまくれ! これは、本土防衛の為の最後の戦いだ! 出し惜しみは不要だ。徹底的にやれ!」

 グスタフ中将のその号令で、ガルマン帝国艦隊は、砲撃の激しさが更に増していた。

 一方、バーガーもガミラス艦隊を率いてそこに同行していた。

「艦載機を全機発艦! お前ら、遠慮はいらねえ! 徹底的に奴らを叩き潰せ!」

「おー!」

「やってやる!」

 ランベアの艦内は、活気に溢れ、いよいよ最後の決戦という空気で満たされていた。

 バーガーは、腕を組んで前方に睨んでいた。そして、他の者に聞こえないように独り言を漏らした。

「……ったく。さっさと人質を何とかしてもらわねえとな。こっちも、いつまで保つか分からねえ」

 

 更に同じ頃、山南は、ガルマン帝星上空五万キロ付近で、アンドロメダを駆り、急速にナスカ艦隊へと接近していた。

「波動防壁最大展開! アンドロメダを囮にして、敵の機動要塞を波動砲で撃破するんだ! 南部!」

 南部は、振り返らずに返事をした。

「分かってます! 発砲可能な全砲門開け! 二番主砲は、敵、機動要塞のブラックホール砲の発射装置を狙え!」

 ガトランティスのナスカ提督は、アンドロメダの無謀な動きに慌てていた。

「ええい! たったの戦艦一隻だぞ! 早く撃沈しろ!」

「ナスカ司令! 敵の艦は、保護シールドと思われるものを展開しています! 我々の艦隊の攻撃が通じません!」

 ナスカは、渋い表情でその報告を聞いていた。

「くそう。ゴルバやカラクルム級がいれば……!」

 ナスカ艦隊に突撃したアンドロメダを遠くに、五隻のヒエイを始めとした主力戦艦は、散らばって波動砲の発射準備を進めていた。

「アンドロメダが、ブラックホール砲の発射装置を破壊したら、直ちに波動砲で機動要塞を撃破する! そのまま波動砲の発射用意を進めろ!」

 

続く…

 




注)pixivとハーメルン、及びブログにて同一作品を公開、または公開を予定しています。
注)ヤマト2202の登場人物は、役割を変更して登場しています。
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