宇宙戦艦ヤマト2199 白色彗星帝国の逆襲   作:とも2199

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宇宙戦艦ヤマト2202とは別の世界線を歩んだ宇宙戦艦ヤマト2199の続編二次創作小説「白色彗星帝国の逆襲」です。「白色彗星帝国編」、「大使の憂鬱」、「孤独な戦争」、「妄執の亡霊」、「連邦の危機」、「ギャラクシー」の続編になります。


白色彗星帝国の逆襲122 救出作戦Part1

 その頃、アンドロメダでは、遂に敵機動要塞に肉薄していた。

 南部は、まだ使用可能な第二主砲の照準を合わせ、攻撃を開始した。

「うちーかた始め!」

 アンドロメダの第二主砲が火を吹くと、発射されたショックカノンの螺旋状の光跡が、巨大な敵機動要塞のブラックホール砲の発射ノズルの一つを捉えた。それは、真っ二つに引き裂かれると、爆発して粉々になった。

 

 ガトランティスのナスカ提督の座乗する空母でも、その報告を受けていた。

「機動要塞、ブラックホール砲の発射装置を破壊されました!」

 ナスカは、たった一隻の戦艦にしてやられた事に愕然としていた。

「ば……馬鹿な。機動要塞を直ちに後退させろ!」

 

 山南は、それを確認すると、主力戦艦に指示を出した。

「主力戦艦ヒエイに命ずる。直ちに波動砲の射線を確保し、攻撃を加えてくれ!」

 主力戦艦ヒエイは、前方に生成されたブラックホールを避けるため、補助エンジンを全力で吹かして移動した。そして、位置取りを決めると、既に発射準備を整えていた波動砲を発射しようとした。

「目標、敵機動要塞! 波動砲発射まで、三、二、一、発射!」

 ヒエイの波動砲口に、大きな光が輝いた。

 その瞬間、収束モードの波動砲のエネルギーが放出され、真っ直ぐに光跡が伸びて行った。

 そして、機動要塞はその攻撃を真正面から受け、一瞬で蒸発して消えて行った。

 山南は、それを確認して命じた。

「全艦、波動砲の発射体制を解除。全砲門開け! 残存艦隊を殲滅する」

 後退したアンドロメダと主力戦艦五隻は合流し、隊列を整えると再びナスカ艦隊へと向かって行った。

 各艦の主砲が一斉に火を吹き、ナスカ艦隊を次々に撃沈して行った。

 

「あ、あの保護シールドがある限り、あの艦隊には歯が立たない。百八十度反転、この場を離脱しろ! ユーゼラーの艦隊と合流するのだ!」

 ナスカは、艦隊を反転させると、エンジンを全開に吹かしてその場を去って行った。

 

 山南は、しばらく後を追わせたが、途中で指示を変更した。

「もういい。深追いするな。あいつらは、ガルマン帝国とガミラスの艦隊が相手をしてくれるだろう」

 山南は、アンドロメダの頭上のスクリーンで、要塞都市帝国の方の戦況を確認した。

 南部は、山南の方を険しい表情で振り返った。

「あの小惑星部の下は、敵の陽電子砲砲台が多数設けられて居るようです。現在ヤマトは、波動防壁の稼働限界を迎えて、砲撃をまともに食らい始めています。それに、多数の敵機に囲まれています!」

 山南は、スクリーンの映像を見て、そこは明らかに危険な場所だと考えていたが、僚艦を救う為にも一刻の猶予も無いと判断した。

「よし、俺たちも加勢する。要塞都市帝国の中央の回転砲台を避けて、俺たちもあの下に飛び込め。全艦、全速前進!」

 アンドロメダと主力戦艦五隻は、波動エンジンを咆哮させると、まっしぐらに要塞都市帝国の下部へと急いだ。

 

 一方その頃、戦闘空母ミランガルでは、ヤマトと共に激しい敵の猛攻に耐えていた。

「敵の陽電子砲で、駆逐艦二隻が大破!」

 ネレディアは、大きな声で指示を出していた。

「直ちに戦列から離脱させろ! 怯むな! 何としても侵入口を見つけ出すのだ!」

 ガミラスの各艦は、巧みな操艦で攻撃を避けていたが、多数の敵機に囲まれていた。

 イーターⅠと、デスバテーターが多数飛来して、自軍の戦闘機部隊と、各艦の弾幕で耐えていたが、撃ち落とし損なった敵機からのミサイルが飛来する。

「飛行甲板の第三砲塔に被弾!」

「舷側に敵のミサイル二発が当たりました!」

 艦内は激しく揺れが続いていた。

「くっ……! 流石に厳しいな。早く侵入口を見つけねば、これ以上は持ちこたえられん……」

 ネレディアのそばには、相変わらずランハルトの姿があった。

「大使……! ここは危険だ。もっと艦内の安全な場所に行っていてくれ!」

 ランハルトは、艦内の揺れに対処する為に、足を踏ん張って耐えていた。

「そんな事をしても、この船が沈めば同じ事だ。俺もここで、お前たちと侵入口を探す」

 言う事をどうしても聞かない彼の態度に、ネレディアは本当に呆れていた。

「……ったく! 知らないからな、どうなっても!」

 

 そのミランガルと行動を共にするヤマトも、同じ様に苦戦を強いられていた。

「波動防壁、完全に消失しました!」

「舷側に、敵機による攻撃が命中! 隔壁を閉鎖して対応します! 数名の死傷者が出ている模様!」

 古代は、必死に防御の指示を出し続けていた。

「弾幕をもっと厚く張れ! 航空隊を一部ヤマトに呼び戻せ!」

 更には、古代は加藤にも連絡をとっていた。

「加藤! 敵の侵入口はまだ見つからないのか!?」

 応答した加藤は、明らかに余裕の感じられない声で返答して来た。

「馬鹿野郎! こっちはドッグファイトもやってんだよ! そんな事してる暇なんてほとんどねぇ!」

 古代はその応答を聞いて、加藤も限界だと感じて頭を抱えた。そのヤマトの第一艦橋の眼の前を、二機のコスモゼロが高速で通過する。山本と揚羽が、敵機と激しく渡り合っているのだ。

 古代は、戦闘が長引いており、航空隊の状況をかなり気にしていた。既に、六機が撃墜されたとの報告もあった。

 古代は、土方を振り返った。

「艦長! 航空隊は、そろそろ補給が必要です! このままでは、航空隊は全滅してしまいます! 一度、帰投させてもいいですか!?」

 土方は、頷いた。

「分かった。直ちに着艦指示を出せ」

 しかし、航空隊を帰還させるという事は、それだけヤマトへの攻撃が激しくなる事を意味していた。

「真田! 敵の戦闘機の発着口がある筈だ。何としても早く見つけ出せ!」

「はい。先程からやっていますが、上手くカモフラージュしているようで、なかなか発見出来ません」

 

 山本は、古代からの帰還命令で、揚羽と共にヤマトの艦底部の艦載機発着口付近を旋回していた。加藤や篠原の部隊の帰還中に、敵機の攻撃から守る為だ。

「山本さん! もう、機関砲の弾も残りがほとんどありません!」

 揚羽の通信を聞いた山本も、自機の残弾数を確認したが、似たようなものだった。

「分かってる。それはこっちも同じ。ほら、加藤隊長たちが戻ってきた! 弾がなくても、敵機を追い掛けて追っ払う事ならまだ出来る!」

「そんな、無茶な……!」

 加藤の部隊は、次々に艦載機発着口に侵入して行く。加藤は、コスモタイガーを旋回させて山本と合流し、自分の部隊が帰還するのを支援し始めた。

「加藤隊長! そっちの残弾数は?」

 山本の呼びかけに、加藤はあっさりと答えた。

「んなもん、とっくにねぇよ。だが、脅すぐらいならまだ出来んだろ」

 揚羽は、二人の通信のやり取りに呆れていた。

 そうしている間にも、敵機が複数艦底部に迫って来た。

「お客さんだよ! 揚羽、残りの弾で追い払うよ!」

「は、はいっ!」

「よし、俺も行く!」

 コスモゼロとコスモタイガーは、それぞれ敵機を追い掛け始めた。しかし、そこから逃れたデスバテーター一機から、ミサイルが放たれた。

「まずい!」

 山本たちがそれに気が付いた時には既に遅かった。艦載機発着口は逸れたものの、艦尾付近にミサイルが一発命中した。

 

 ヤマトの艦内は大きく揺れた。

「艦尾付近に被弾!」

「機関室で火災が発生した模様!」

 波動エンジンの出力が急激に低下し、艦の制御が困難になった。

 島は、慌てて徳川に確認した。

「徳川さん! もっと出力を上げられませんか!? ヤマトに被弾する確率が上がってしまいます!」

 それを聞いた徳川は、慌てて艦内通信で状況を確認しようとした。

「おい、薮! そっちはどうなっておる!」

 しかし、応答は無く、返事が返って来ない。

「薮! 返事をしろ! おい! 誰か居ないのか!?」

 それから暫くして、やっと応答があった。

「……こちら機関室の薮。親父さん、酷い火災が発生して、たった今、何とか火を消し止めたよ。でも、波動エンジンのエネルギー伝導管がこのせいで高熱を発してる……」

「分かった! 今すぐ、わしもそっちに下りるから、それまで何とか保たせるんじゃ!」

「分かったけど……もう、こっちに動ける奴が居ないんだ」

 薮の声は、明らかに元気が無く、今にも消え入りそうな小さな声になった。

「薮!? お前、まさか怪我をしてるのか?」

「……」

 それ以上、応答は無く、徳川は慌てて席を立った。

「下を見てくる。すまんが島、もうちょっと我慢してくれ」

「分かったけど、早くして下さいね……!」

 島は、決死の表情で操艦を続けていた。その瞬間、ヤマトのすぐ近くに、上から敵の陽電子砲のビームが下りてきた。島は、操舵を動かして、それをぎりぎりでかわした。

 

 徳川が機関室に下りると。そこでは、激しい火災が発生した事がはっきりと分かった。壁面や、エンジン部があちこち焼け焦げだ跡が残っており、何人か酷い火傷を負って倒れていた。黒焦げの死体が一体あり、徳川は、青ざめた表情で制御端末に走り寄った。そこには、倒れて気を失っている薮の姿があった。その手には、消化器が握られており、決死の消化活動を行っていたのだろう。良く見れば、身体のあちこちに火傷を負っている。

「し、しっかりするんじゃぞ。エンジンを何とかしたら、すぐに助けを呼ぶからな!」

 徳川は、端末を操作し、エネルギー伝導管をバイパスする設定を加えると、伝導管を閉塞しようとした。しかし、いくら端末で操作しても閉塞せず、仕方なく、伝導管を手動で閉じようとバルブのある場所に走った。そして、そのバルブを力ずくで回そうとした。

「お、お! あ、熱い!」

 バルブ自体が高熱を発しており、とても触れる状態では無かった。

 徳川は、近くの壁に据え付けられた冷却器を持ち出すと、それをすぐさまバルブに噴射した。エネルギー伝導管は、高熱で赤い色をしていたが、次第に黄色くなっていた。

「ま、まずい……。エネルギー伝導管が溶けてしまう……!」

 そうなれば、機関室に波動エンジンのエネルギーが流出し、最後にはエンジンが爆発してしまうだろう。

 やむを得ず、徳川は冷却器を捨てると、再びバルブに取り付いた。さっきよりは熱が収まってはいたが、まだ火傷しそうな熱さだった。

 徳川は、そばに落ちていた雑巾を掴むと、バルブをそれで掴んで力一杯回し始めた。

「あちち……!」

 熱で手のひらが焼ける様な熱さを感じていたが、止める訳には行かなかった。

「むう……!」

 バルブは、もう回せないという所まで回ったのを確認すると、徳川はその場で尻もちをついた。肩で息をしながら両手を確認すると、それは酷い火傷で、皮膚が黒焦げになってぼろぼろになってしまっている。

 エネルギー伝導管の様子を暫く眺めると、次第に温度が下がって行くのが見て取れた。

 ほっとした徳川は、ふらふらとしながら立ち上がった。第一艦橋に、この状況を伝える必要があったからだ。手のひらの燃えるような痛みに耐えながら端末の前に戻ると、まだ無事な方の指を使って、第一艦橋への通信機をオンにした。

「こちら、機関室。何とかエンジンの暴走は食い止めた……。出力は低下するが、航行には支障がない筈じゃ……」

「分かった。徳川さん、ありがとう」

 土方の返事が聞こえて、彼はにやりと笑った。

「なあに。年寄りが、今出来る事をやっただけじゃ」

「既に、救護班を派遣した。もう少し、待っていてくれ」

「すまんな」

 そう言って、徳川は薮の隣に座り込んだ。

 

 しかし、その報告に安堵したのも束の間、山本や揚羽が艦底部に行っている間に、ヤマトの艦橋にも複数の敵機が迫って来た。

「艦橋付近の弾幕を厚くしろ!」

 しかし、それらの機体は、艦橋の眼の前まで迫って来た。

「うわあ!」

「きゃあ!」

 艦内に悲鳴が響く中、艦橋は大きな衝撃で揺れた。そして、天井から大きな金属音が響いた。

 撃ち漏らしたイーターⅠ一機が、艦長室に飛び込み、ばらばらになって炎上したのである。

「艦長室に敵機が接触! 艦長室への隔壁を閉鎖します!」

 百合亜は、レーダーの表示が突然消えたのを確認して、大きな声で叫んだ。

「い、今のでレーダーが破損したようです! レーダーによる探索が出来ません!」

 土方は、急いで真田に言った。

「艦首センサーによる探索に切り替えろ。真田、その結果を、電探にも出せるか?」

「はい。やってみます。しかし、センサーの計測範囲に限られるので、遠くを見通す事が不可能になりますが」

「構わん、やってくれ」

 その時、ヤマトの真上に、何かが被さるようにやって来た。

 古代は、慌てて肉眼で確認した。

「艦長! アンドロメダです! アンドロメダが来てくれました!」

 ヤマトの真上には、アンドロメダと主力戦艦五隻が駆け付けていた。

 土方は、立ち上がってその様子を確認した。

「チャンスだ。アンドロメダの波動防壁で安全を確保している間に、敵の戦闘機発着口を探せ! 山南にも協力させろ!」

 

続く…




注)pixivとハーメルン、及びブログにて同一作品を公開、または公開を予定しています。
注)ヤマト2202の登場人物は、役割を変更して登場しています。
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