宇宙戦艦ヤマト2199 白色彗星帝国の逆襲   作:とも2199

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宇宙戦艦ヤマト2202とは別の世界線を歩んだ宇宙戦艦ヤマト2199の続編二次創作小説「白色彗星帝国の逆襲」です。「白色彗星帝国編」、「大使の憂鬱」、「孤独な戦争」、「妄執の亡霊」、「連邦の危機」、「ギャラクシー」の続編になります。


白色彗星帝国の逆襲136 超巨大戦艦の出現Part1

 ヤマトの艦長席にいた土方は、頭上の大スクリーンにアップで映し出された要塞都市帝国から火の手が上がり、ばらばらに崩壊して行く様子を確かめていた。

 既に、都市部から離れたビル群の脱出ポッドは、ユーゼラー提督率いる多数のガトランティスの艦艇が、懸命に牽引してそこから移そうとしている。

 真田は、土方に話し掛けた。

「艦長。要塞都市帝国は、完全に沈黙しました。しかし、内部に高エネルギー反応も探知されています。内部から、例の脱出用宇宙船というのが、現れるものと推測されます」

 百合亜も、土方に報告した。

「要塞都市帝国下部から、古代さんたちと思われるコスモタイガー二機がこちらに向かって来ます!」

 相原は、ちょうどその時、古代からの連絡を受けていた。

「艦長、たった今、古代さんから連絡がありました。行方不明だった篠原隊長を発見し、加藤隊長、山本一尉と共に、要塞都市帝国を離れたそうです」

 島は、艦の操艦をしながら、ほっと胸をなでおろしていた。

「まったく。心配かけやがって」

 土方は、満足そうに頷いた。

「皆、ありがとう。あともう少しで決着がつく。その調子で、最後まで気を緩めるな」

 その時相原は、新たな連絡を受けていた。

「土方さん、岬さん! ガトランティスの大帝の名前で連絡! 星名、斉藤の二名も無事に要塞都市帝国を脱出したとのことです!」

 百合亜は、目を輝かせて、立ち上がっていた。

「相原さん、本当!? 本当なんですね!?」

「間違いないよ。安心して」

 百合亜は、感極まって、その場にへたり込んで泣き出した。

「よ……良かった……。本当に……!」

 土方は、艦長席から立ち上がると、百合亜の元に近付いた。そして、腰を落として彼女の肩に手を置き、笑顔を向けた。百合亜は、瞳を拭いながら、突然の土方の行為に驚いていた。

「良かったな」

 百合亜は、不思議そうに土方の顔を眺めていた。

「は、はい。ありがとうございます」

 土方は、彼女と目を合わせずにそっと言った。

「岬くん。君のお陰だ。君の強い想い、その願いがなければ、俺もここに辿り着けなかった。本当に感謝している」

 土方が、一度は地球に撤退する艦隊に乗っていたにも関わらず、今こうしてヤマトに乗っているのは、確かに彼女のお陰だった。

「ありがとう」

 そう言い残すと、土方は、軍帽を目深に被り、すぐに艦長席に戻って行った。

「いいえ……。こちらこそ……ありがとうございました」

 百合亜は、気を引き締めなければと思い直し、再びレーダー席に戻った。

 

 アンドロメダでは、南部が同じく古代たちが帰還中と聞いて、涙ぐんでいた。

「何だよ……。あいつなんかの為に、何で俺が……」

 その彼の目には、現れたコスモタイガーの機体が、アンドロメダを通り越して、すぐ後ろにいるヤマトに向かうのが見えていた。

 山南は、軍帽を被り直して前を見つめていた。

「さあて。こっからは何が起こるんだろうな。皆、まだ終わっていないぞ。周囲の警戒を怠るな!」

 

 その頃サーダは、脱出用宇宙船の発進準備が完全に整ったことを確認していた。既に、エンジンはフル回転しており、そのエネルギーにより、要塞都市帝国全体が崩壊しようとしている。

「では、出るぞ! 発進!」

 艦体防御システムを全開で起動した脱出用宇宙船は、強引に格納庫の内部でゆっくりと前進し、その壁を突き破って進んで行った。

 そして、意識を失ってそこに残されたゲーザリーや、亡くなったカミラの遺体に、崩壊した壁や床が折り重なり、やがて見えなくなった。

 

「見ろ!」

「何か、中から出てくるぞ!」

 ガルマン帝国本星の首都に集まった大勢の民衆は、街頭に映し出されたモニターの映像に釘付けになっていた。そこには、要塞都市帝国が炎を上げて崩壊して行く様子と、その中から、黒く大きな物体が、現れようとしているのが見えていた。

 既に、ガトランティスとの停戦に応じたガルマン帝国艦隊のキーリングや、グスタフも、その様子を見つめていた。

「高エネルギー反応を探知しています。先程のガトランティスの大帝ズォーダーからの話通り、反乱を起こした者たちの脱出用宇宙船が出てこようとしているようです」

 キーリングとグスタフは、二人並んでその映像を見つめていた。

「大きい……。物凄く大きな船が出てこようとしているようだ」

「参謀長。今のうちにあれに……攻撃を仕掛けますか?」

 キーリングは一瞬考え込んだが、すぐに頭を振った。

「いや。我々は、ガトランティスとの停戦に応じたばかりだ。相手の出方を見るべきだろう」

 

 そして――。

 

 炎を上げる要塞都市帝国の都市部から、巨大な黒い影が現れていた。使用されなかった無人のビル群の脱出ポッドががらがらと崩れ、内部からその物体が突き破って出てこようとしていた。

 

 ヤマトの艦橋にようやく戻った古代は、土方に敬礼して早速報告した。

「艦長、人質救出作戦は成功しました」

 土方は頷いた。

「本当に、ご苦労だった」

 土方は、古代に頭上のスクリーンを見るように促した。古代は、その光景に釘付けになっていた。

「あ……あれは……!?」

 そう言って、古代は自身の戦術長席に向かい、窓から肉眼でその様子を見つめた。そして、座席に置いてあった双眼鏡を取り出すと、すぐに要塞都市帝国の様子を確かめた。

「あれはまさか……あの時の!」

 要塞都市帝国は、みるみる崩壊し、遂に大爆発を起こした。そして、その光の中から、黒い影が現れ、ばらばらに散らばった要塞都市帝国の破片を押し退けて、その全貌を現した。

 十キロ以上もあるその全長の艦体に、はりねずみのように、大小の無数の砲門がついている。その艦体下部には、ヤマトなどの艦艇よりも大きな砲門が一門ついていた。艦首には、複数のライトのようなものが光を放っていて、独特のデザインが施されている。 

 古代は、島と目を合わせた。

「あれはガミラス・ガトランティス戦争の時に現れた、超……巨大戦艦……!」

 土方も眼光も鋭くその艦を見つめた。土方も、あの戦争に古代らと居合わせて、よく知っていた。そして、あの艦の威力も。

「全艦隊に通達! あの艦から距離を取る為、後退しろ!」

 

「な、な……なんでえ、ありゃあ!」

 斉藤は、ラスコー級巡洋艦の艦橋の窓から、超巨大戦艦の大きさに驚愕していた。

 星名も、彼の隣でそれを見つめながら言った。

「先のガミラス・ガトランティス戦争の最終決戦で、前の大帝ズォーダーの乗艦として現れた艦艇と恐らく同じものだと思う。たった一隻で、ガミラス軍の数千隻の艦隊でも、まるで歯が立たなかった。あの時、波動砲を撃ったばかりのヤマトは波動砲が使えず、対応に苦慮した。最終的には、ヤマトは波動防壁で接近し、近距離からの砲撃でウイークポイントを作り、デスラー総統の機転で撃破することが出来た」

 斉藤は、怪訝な表情をした。

「あれがそうだったのか。俺も情報としては知っていたが、あんなにバカでかいとはな。でもよ、そん時とは違って、こっちには、波動砲を撃てる艦がまだ何隻かいるみたいだぜ」

 同じく艦橋にいたサーベラーは、ミルに尋ねた。

「……当然、対策をうっていると考えた方がいいな。そなたは何か知っているのか?」

 ミルは、残念そうに頭を振った。

「すみません。私には、何も知らされていません」

「そうか……」

 サーベラーは、腕組みして超巨大戦艦の姿を見つめた。

 その時、ゼール中佐は、大きな声で艦内に指示をした。

「ユーゼラー提督とナスカ提督の艦隊と合流し、出来るだけ艦隊を後退させる。これは、大帝のご命令だと全艦に伝えよ!」

 

 その頃、ユーゼラー提督は、ナスカ提督と通信で会話していた。二人は、スクリーン越しに議論していた。

「ユーゼラー。先程の大帝の話を、お前は本当に信じるのか?」

 ユーゼラーは、訝しげな表情で答えた。

「確かに私も半信半疑……。あのサーベラー丞相が生存していたというのも驚きですが、あの方までそう言うのであれば、我々は信じるしかないのでは?」

 ナスカは、釈然としない様子でため息をついた。

「我がガトランティス帝国が、これまでずっと科学奴隷に支配されていたなど、いくらなんでも、簡単には受け入れられん」

 ユーゼラーは、超巨大戦艦の動向に注目し、ナスカに言った。

「きっと……あれの様子を見ていれば、すぐに分かる気がします」

 

 同じ頃、デウスーラの艦橋では、スターシャとサーシャ、そしてユリーシャの三人は、互いの手を繋いで、祈りを捧げていた。

 神々しい様子の三人のイスカンダル人たちに、デスラー総統は目を細めて見つめていた。ランハルトは、デスラーの隣に立って、そっと話し掛けた。

「あれは……前のガミラス・ガトランティス戦争の時の」

 デスラーは頷いた。

「そのようだね。祈りで、戦いを終わらせたあの時と同じことを試そうとしているらしい。しかし……テレサは、今度は同じようにはいかないと、そう、私に言っていた」

「……」

 ランハルトは、テレサに会ったと言うデスラーの話を不思議そうに聞いていた。

「そうか……その顔は、信じていないね?」

 ランハルトは、頭の後ろをかいた。

「……失礼。まだまだ、私も知らない想像を超えたことが世の中にはあるらしい。あの、ユリーシャたちが今やろうとしていることだってそうだ。だから、叔父さん……いや、デスラー総統の言うことも信じますよ」

 そんなやり取りしている中、サーシャは、スターシャとユリーシャの手を振りほどくと、勢いよく二人に訴えた。

「二人とも! やっぱり、わたくしには信じられない。祈りを捧げてサーダたちを止める? 本当にそんなこと出来るの!?」

 瞳を閉じていたスターシャとユリーシャも、目を開けてサーシャの方を見た。ユリーシャは、ため息をついて言った。

「サーシャ姉様。出来ると信じなければ、出来るものも出来なくなっちゃうと思う。もう少し、試してみない?」

 スターシャは、困ったような顔で二人に言った、

「ユリーシャ。確かに、あの時はすぐに不思議な感覚があった。今はそれを感じないわ。もしかしたら、人数が足りないのかも。あの時は、私の娘と、ユリーシャの記憶を持った雪さんがいたから。他にも、何か条件を満たしていないのかも知れない。例えば、ここは、マゼラン銀河から遠く離れていて、テレサもいないし……」

 サーシャは、頬を膨らませて不満そうにしている。

「何でもいいけど、まだあれは、何もしていないじゃありませんか。少し、様子を見てから、試してもいいんじゃありません?」

 スターシャは、デスラー総統の方をちらと見た。彼も、静かに頷いている。

「あなたの言うことももっともね。まずは、あのサーダと言う方が、何をするつもりなのか、確かめてからでも遅くはないわ」

 デスラーは、イスカンダルの三姉妹に聞こえないように、小さな声でタランに命じた。

「デスラー砲の用意を」

 タランも、そっと応じた。

「承知しました」

 

続く…




注)pixivとハーメルン、及びブログにて同一作品を公開、または公開を予定しています。
注)ヤマト2202の登場人物は、役割を変更して登場しています。
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