宇宙戦艦ヤマト2199 白色彗星帝国の逆襲   作:とも2199

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宇宙戦艦ヤマト2202とは別の世界線を歩んだ宇宙戦艦ヤマト2199の続編二次創作小説「白色彗星帝国の逆襲」です。「白色彗星帝国編」、「大使の憂鬱」、「孤独な戦争」、「妄執の亡霊」、「連邦の危機」、「ギャラクシー」の続編になります。


白色彗星帝国の逆襲42 ギャラクシー強襲Part3

 ギャラクシーに対する陽動作戦を展開していたガトランティス艦隊の後方で、艦隊を指揮していた、メダルーサ級の艦では、艦長ガレンがじりじりと戦況を見守っていた。

「ええい! 中に潜入している兵からの連絡はまだなのか!」

 ガレンは、その手に持つ巨大な剣を振り回して床に叩きつけた為、艦橋に大きな金属音が響いた。

「まっ、まだです!」

 ガレンは、攻撃もせずに一進一退を繰り返す陽動作戦に、少し前からいらいらとし始めていた。

 砲撃手は、ガレンが自分を睨んでいることに気がつくと震え上がった。何でも、砲撃に失敗した前任の砲撃手は、彼に刺殺されたというまことしやかな噂を聞いていたからだ。確かに、彼ならやりかねないと背筋の凍る思いで、持ち場についていた。

「艦長、連絡が来ました! 電波が非常に弱いので、音声はとぎれとぎれです」

 ガレンは、立ち上がって、通信士の方を見た。

「やっとか! 首尾はどうなんだ?」

 通信士は、ヘッドセットのスピーカーに耳を澄ませている。

「……作戦は失敗したようです。イスカンダル人の拉致に向かった仲間が、予定した時間を過ぎても戻らないと言っています」

 そう言った通信士の士官は、自分を睨みつけながら、ガレンが凶悪そうな表情に変化するのを目の当たりにした。

 こっ、殺される……!

 そう思った矢先、ガレンは大声で笑い出した。

「そうかぁ……! ならば仕方が無いな。イスカンダル人の拉致が上手く行かないのなら、殺してもいいと命令を受けている。非常に残念だがやむを得まい!」

 ガレンは、嬉々として凶悪そうな笑みを浮かべると、剣を振り回して、前方にまっすぐ向けた。

「これより、全艦を持って、あの基地を破壊する! 作戦変更を全艦に指示しろ!」

「……待ってください。中にいる仲間はどうしますか?」

 ガレンは、水を差された気持ちになっていた。

「自分で何とかしろと言っておけ!」

「りょ、了解です!」

 ガレンは、気を取り直して再び指示をした。

「本艦も突撃する! 火焔直撃砲発射用意!」

 

「ガトランティス艦隊の一部が、射程圏内に突っ込んで来ます!」

 ギャラクシーのレーダー手は、敵艦隊の動きの変化に気がついて報告した。それを聞いたカーゼットは、即座に指示をした。

「よし、艦隊の一部をを急行させ、迎撃を開始しろ!」

 遂に、戦闘が始まったのだ。

 古代は、司令室のスクリーンを凝視した。ギャラクシーを取り囲むガトランティス艦隊は、一斉にギャラクシーへの接近を開始していた。

「やはり、サーシャの誘拐に失敗したことに気がついたか……」

 レーダー手は、更なる報告をしていた。

「二時の方向から接近する艦隊の中に、一隻メダルーサ級と思われる艦を探知!」

 古代は、その報告に蒼白になった。メダルーサ級と言えば、火焔直撃砲を搭載している艦だ。あれを撃たれたら、ギャラクシーは一撃で破壊されてしまうだろう。

「ヤマトとイセに連絡! メダルーサ級の接近方向へ移動し、波動防壁で砲撃の盾になるように伝えてくれ!」

「分かりました!」

 

 古代からの連絡を受けたヤマトでは、北野が大きな声で叫んでいた。

「太田! ギャラクシーの二時の方向に艦を移動させてくれ!」

「了解!」

 続いて、北野は技術科長席にも声をかけた。

「桐生さん! 波動防壁を今すぐに展開!」

「はい! 任せてください!」

 同じように、イセでも島が指示していた。

「皆、俺たちの出番だぞ。ギャラクシーを守るんだ! すぐに発進させてくれ!」

 ヤマトとイセは、一斉に移動して、ギャラクシーを背後に背負って、二隻並んで火焔直撃砲の着弾予想地点に並んだ。

 

 ガミラス艦隊は、メダルーサ級を撃破すべく攻撃を始めるも、周囲を囲む駆逐艦や巡洋艦に阻まれていた。そうしているうちにも、メダルーサ級はギャラクシーへの射程圏内に突入していた。

「火焔直撃砲、発射準備完了しました!」

 艦長ガレンは、にやりと笑って舌なめずりした。

「火焔直撃砲、発射!」

 メダルーサ級の前方に、巨大な火の玉の様な光球が生まれると、勢い良く前方に発射され、ワープして消えた。

 

「火焔直撃砲、来ます!」

 桐生の報告で、北野は艦内通信のマイクで艦内に連絡した。

「全艦、衝撃に備えろ!」

 右舷を向けて並ぶヤマトとイセの前に、ワープから出た火焔直撃砲のエネルギーが突如現れた。二隻を包み込むようにそのエネルギーと波動防壁の光が瞬き、ギャラクシーは明るく照らされている。

 そして、波動防壁に阻まれたそのエネルギーは、二隻を大きく迂回する様に走っていった。

 ギャラクシーの周りには、そのエネルギーが通り過ぎて行ったが、その一部が僅かにかすって行った。

 そして、ギャラクシーの内部は、まるで地震に襲われた様に、小刻みに揺れ動いていた。

「古代司令! ギャラクシーの上部構造物が、先程の攻撃で溶けてしまったようです。火災も発生しています!」

 古代は、大きな声で指示をした。

「消化班をすぐに向かわせてくれ!」

 その時、新たな発見をレーダー手がしていた。

「九時の方向から接近する艦隊に、カラクルム級戦艦と思われる艦艇五隻を発見!」

 カーゼットは、真っ青になっている。

「何だと!?」

 そうしている間にも、攻撃に向かっていたガミラス駆逐艦が、次々に撃沈されていく。

「古代司令、まずいぞ。あの艦に搭載している衝撃砲は、我々の射程圏外から攻撃出来る。前の戦争でも、ガミラス正規軍はあれにかなりやられているのだ」

 古代は、歯を食いしばってカーゼットと顔を見合わせた。

「大佐、了解した。メダルーサ級を何とかして、ヤマトとイセをそっちに回せるようにする」

「急いでくれ! こちらは、駆逐艦艦隊を小ワープで接近させ、高速機動で、カラクルム級に接近攻撃を仕掛ける!」

 

 メダルーサ級の艦内では、艦長ガレンが不快そうに怒鳴っていた。

「何故、火焔直撃砲が当たらんのだ!」

 砲撃手は、震え上がっていた。

「て、敵のヤマッテと、大型空母がバリアのようなものを展開して、攻撃を遮っています!」

「またあ奴らか……! 忌々しい船だ! 火焔直撃砲、次弾装填! 位置を変えて砲撃を続けるのだ! いつまでも、あんなものが保つ訳がない!」

 

 火焔直撃砲は、再び発射された。ヤマトとイセは、メダルーサ級の動きに合わせて移動し、これを受け止めている。再度ギャラクシーの内部はがたがたと揺れていた。

 桐生は、北野に報告した。

「艦長! 波動防壁消失まで、あと十五分!」

「分かった」

 北野は、気ばかり焦り、いらいらが止まらなかった。艦長席の肘当てをとんとんと叩く手が止まらない。

 ゴルバなど現れる以前に、あの艦を撃破しなければ、やられる……!

 しかし、ギャラクシー防衛の為にも、ここを動く訳にはいかない。

 まずいぞ……。このままじゃ。

 

 その頃、古代も同じように考えていた。

 波動砲をあの艦に使えば、一撃で撃破することは可能だ。だが司令部に連絡がつかない今、それは連邦政府の決定した法をおかすことになる。

「相原、亜空間通信の状況は!?」

「既に射出した亜空間リレーは、目標地点に到達しているはずですが、繋がりません! もしかしたら、ガトランティスが電波妨害をしているのかも知れません」

 ガミラス艦隊が次々に撃沈されていたカーゼットは、話に割り込んできた。

「古代司令! ヤマトの波動砲は使えないのか!?」

「……許可が無いんだ。もう少し待ってくれ」

「我々の艦隊の被害が拡大している! もうこれ以上は保たないぞ!」

 古代は、黙ったまま判断を迷っていた。

 古代は、ガトランティス戦争の時の絶望的な状況を思い出していた。白色彗星を撃破する為に波動砲を使った直後、二つ目の白色彗星が現れ、連射が不可能な波動砲の弱点を突かれた時のことを。

 波動砲は、最後の武器だった。使い所を間違えば、あの時と同じ状況になってしまうだろう。

 その時、相原は新たな報告をしてきた。

「古代司令、真田さんから映像通信が来ています」

 古代は、途端に色めき立った。

 そうだ、真田さんがいた……!

「スクリーンに出してくれ」

 スクリーンには、真田が映し出されていた。真田の背後には、ヤマトの第一艦橋の様な場所が映っていた。

「古代、危険な状態が続いていると見られるが、少し手伝いをさせてもらってもいいかね?」

 古代は、嬉しそうに言った。

「助かります! 今、どちらに?」

 真田は、いつものように冷静さを失わずに頷いた。

「今、ムサシの第一艦橋にいる。アナライザーと徳川さんに手伝ってもらって、機関を始動したところだよ」

「私たちも乗ってるけどね」

 真田の横に、新見とサーシャ、それに雪の姿が映っていた。

「すまないが、新見くんとサーシャ、雪くんにも乗ってもらっている。ギャラクシーが沈めば、一蓮托生だからね」

 新見は、笑顔をみせていた。

「元、防衛軍の軍人として、この状況で何もしないままって訳にはいかないって、先生が言うものですから」

 古代は、これまでもヤマトの危機を何度も救ってくれた科学士官の二人の協力に、少し顔をほころばせた。

「ありがとうございます。しかし、ムサシは非武装艦で、防衛軍の所有艦でもありません。何をしようとしているんですか?」

 真田は、大きく頷いた。

「君の指摘の通り、このムサシは、ヤマトの改装前のパーツを再利用して作られた非武装艦だ。しかし、武装以外の様々な設備は、ヤマトとほぼ同じだ。だから、ムサシも、波動防壁を展開することが可能だ」

 古代は、それを聞いて難色を示した。

「なるほど、ムサシを出して頂ければ、代わりに、ヤマトかイセのどちらかを、戦闘に参加させることが出来ますね。しかし、火焔直撃砲の盾にする船に、サーシャを乗せるのは許容出来ません」

 真田は、少し得意げな様子で話をした。

「心配しなくても大丈夫だ。これから、ムサシから小型の装置を射出して、このギャラクシー全体に張り巡らせる。この装置に、ムサシの波動防壁のエネルギーを伝達させ、基地全体に波動防壁を拡大させることが可能だ。今度の調査に役に立つかも知れないと思ってね。開発を進めておいたんだよ」

 古代は、その話に心底驚いていた。

「そ、そんなことが可能なんですか?」

「まだ、試験が済んでいないが、やってみる価値はあると思うよ」

 古代の横にはカーゼットもやって来て、その話を聞いていた。

「本当に大丈夫なのか?」

「カーゼット大佐、やってみよう。成功すれば、ヤマトとイセの二艦だけでなく、全艦を戦闘に参加させることが出来る」

「少々心配だが……分かった。では、急いで進めて欲しい」

 そして、最後に雪が笑顔で言った。

「きっと信じて大丈夫。真田さんの言うことだからね」

 雪は、スクリーン越しに古代にウインクしてみせた。

 古代とカーゼットは、互いに頷きあった。

「真田さん、ではお願いします。すぐに始めて下さい!」

 真田と新見は笑顔で言った。

「了解した」

「じゃあ、始めるから、少し待っていて」

 

続く…




注)pixivとハーメルン、及びブログにて同一作品を公開、または公開を予定しています。
注)ヤマト2202の登場人物は、役割を変更して登場しています。
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