宇宙戦艦ヤマト2199 白色彗星帝国の逆襲   作:とも2199

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宇宙戦艦ヤマト2202とは別の世界線を歩んだ宇宙戦艦ヤマト2199の続編二次創作小説「白色彗星帝国の逆襲」です。「白色彗星帝国編」、「大使の憂鬱」、「孤独な戦争」、「妄執の亡霊」、「連邦の危機」、「ギャラクシー」の続編になります。


白色彗星帝国の逆襲43 ギャラクシー強襲Part4

 その頃イセでは、新たな報告が島へと上がっていた。

「波動防壁消失まで、あと十分!」

 島も、艦長席でじりじりと待っていた。

 艦橋の窓の外では、再び火焔直撃砲の砲火が命中し、波動防壁が放つ光とが交錯していた。

「頼んだぜ……真田さん!」

 その時、通信士が島へと報告した。

「島艦長、古代司令から連絡です」

「スクリーンに出してくれ!」

 古代は、司令室から、ヤマトとイセへと通信を行った。映像スクリーンには、北野と島が映しだされた。

「島、ムサシの波動防壁の展開成功を確認したら、直ちにメダルーサ級へと全力航行で接近して砲撃を加えて欲しい」

 島は、大胆な古代の作戦に少し驚いていた。

「正面から敵艦隊のど真ん中へと突っ込めって言うのか?」

 古代は、頷いた。

「こんな時、沖田艦長ならどうするだろうって考えたんだ……。きっと、死中に活を求めろって言うんじゃないかな……?」

 島は、なるほどと思ったのか、少し口元を緩めている。

「しかし、波動防壁はあと十分も保たないぞ」

 古代も真剣な表情で言った。

「分かっている。だからこそ、波動エンジンを二基搭載しているイセにしか出来ない作戦だ。イセのフルパワーなら、数分で一気に間合いを詰められるはずだ」

 島は、少し難色を示しながら質問をした。

「だけど、その後はどうする? 俺たちが、メダルーサ級の撃破に成功しても、その後、ガトランティス艦隊に囲まれるんじゃないのか? 波動防壁もその頃は消失している」

 カーゼットは、古代の横から話をした。

「そこで、我々のガミラス艦隊が支援をする。イセが中央突破した道を、我々の艦隊が背後からついていく。周囲の艦隊を撃破しながら一緒に進み、その後は、イセを中心にして、艦隊行動を取らせてもらう」

 島は、満足そうに言った。

「分かった。古代、いい作戦だと思うぞ」

 北野は、少し焦って確認した。

「その間、ヤマトはどうしますか?」

 古代は、頷いた。

「すまないが、ヤマトはムサシのそばに移動して、そのまま待機して欲しい。まだ波動砲を撃つ可能性が無くなった訳じゃない。まずは、波動防壁を展開するムサシを守ることが優先だ」

 北野は、まだ待たなければならないのか、と苦渋の表情を浮かべていた。そんな北野の様子に気がついた古代は、最後に北野に言った。

「北野、ヤマトはこのギャラクシー防衛の要であり、最終兵器なんだ。すまないが、もう少し耐えてくれ」

「……分かりました」

「僕は、引き続き防衛軍司令部に連絡が取れないかやってみる。いずれにせよ、波動砲を使用するかどうかは、僕が最終判断する」

 

 実験艦ムサシは、ギャラクシーに接舷していたロックを外すと、補助エンジンを吹かして少しづつギャラクシーを離れて行った。火焔直撃砲の光が眩しく瞬く中、ギャラクシーの影になる位置へと艦を移動した。

 ムサシの第一艦橋では、アナライザーこと、AUO5が操艦を行っている。

 ムサシの機関長役を務める徳川彦左衛門は、機関室から第一艦橋に上がって来ると、タオルで汗を拭いながら真田に報告した。

「補助エンジン、波動エンジン共に、稼働状況は問題なしじゃ。第三艦橋の波動防壁の装置も正常に動いとるよ。始めるかね?」

 真田は、艦橋中央に立ったまま、徳川を迎えた。

「徳川さん、ありがとうございます。新見くん、それでは、波動防壁リレーを射出してくれ」

 ヤマトならば、技術科の座席に座った新見は、操作パネルを操作した。

「はい。射出、開始します」

 ムサシの煙突から、一斉に小型の装置が射出された。

 そして、装置自身の持つスラスターで、徐々にギャラクシー全体に広がっていった。

 レーダー席に着いた雪は、レーダーを操作して、波動防壁リレーの分布状況を確認した。

「波動防壁リレー、順調に広がっています。あと、一分程度で展開が完了する見込みです」

 真田は、満足そうに頷いた。

「順調だな」

 真田の足元に居たサーシャは、真田の服の裾を持ったまま、寄り添っていた。サーシャは、真田の顔を見上げると、そっと言った。

「志郎パパ、頑張ってね」

 真田は、今まで見たことも無いような笑顔をみせていた。

「ありがとう」

 そうしている間にも、波動防壁リレーは展開して行った。

「真田さん、波動防壁リレーの展開完了しました」

 真田は、雪と新見の方を見て言った。

「分かった。では新見くん、始めてくれたまえ」

「承知しました」

 新見は、技術科席のパネルを操作した。

「波動防壁、展開開始……! 波動防壁リレーへのエネルギー伝達、順調です」

 ムサシが展開した波動防壁は、ギャラクシーの周囲に散らばった波動防壁リレーへと、少しづつ、そして一気に広がっていった。波動防壁リレーは、エネルギー伝達が正常に行われたことを示す、小さなパイロットランプが瞬いている。その小さな光が、ギャラクシー全体を覆った。

「……。先生、成功です。波動防壁、ギャラクシーへの展開完了」

 雪も、それを確認していた。

「火焔直撃砲の砲火がかすった場所に、損害ありません。攻撃を遮るのに成功しています!」

 真田は、大きく頷くと、古代に連絡を行った。

「古代、成功だ。今から二十分間、ムサシの波動防壁がギャラクシーを守ってくれるだろう」

 スクリーンに映った古代とカーゼット、そして島と北野は、それを聞いていた。

「真田さん。やってくれると思っていました。よし! 島、カーゼット大佐、そして北野! 作戦開始だ!」

「分かった。カーゼット大佐、後ろは頼んだぜ!」

「了解した。任せてくれ」

「ヤマトは、波動防壁を解除して、ムサシの護衛につきます」

 

 ヤマトは、ギャラクシーの側面に沿って移動し、反対側にいたムサシの舷側に並んで停止した。

 そして、イセは、二基の波動エンジンを咆哮させると、ゆっくりと、そして勢いよく加速して行った。

「行くぞ、皆! 立見、全速前進! 目標、敵メダルーサ級砲艦。金田、主砲発射用意!」

「了解!」

「主砲、一番、二番、発射用意!」

 イセは、主力戦艦二隻を繋ぎ合わせて建造された、空母型巡洋艦だった。片側に飛行甲板、もう片側に、二基の主砲塔と、艦橋がある構造である。

 島は、艦内通信のマイクを掴むと、艦載機格納庫へと連絡した。

「加藤、間もなく出番だ。いつでも航空隊を出せるように準備してくれ!」

「了解だ!」

 艦載機格納庫にいた加藤は、大きな声で指示を出した。

「野郎ども、俺たちの出番だ! 直ちに機体を飛行甲板に出せ!」

「おう!」

 格納庫に立ち並んでいた航空隊の隊員たちは、コスモタイガーなどの自分の機体に走って乗機していった。格納庫の作業員は、飛行甲板へのエレベーターを動かし、機体の誘導を始めた。

 イセは、一気に速度を上げると、ガトランティス艦隊の中央に突き進んだ。その後ろからは、ガミラスの高速駆逐艦が追っている。

 イセに対して、前方にいたガトランティスの駆逐艦や巡洋艦が、一斉に攻撃を加えるも、波動防壁が攻撃からイセを守っていた。

「波動防壁、消失まであと三分!」

 技術科長の平泉は、不安そうな声を出している。レーダー手の望月も、声に焦りがあった。

「ガトランティス艦隊、イセの周りに集結して来ます!」

 島は、それらの不安を断ち切る為に、大きな声で叫んだ。

「皆、イセを信じろ! 金田、進路上にいる敵艦を排除しろ!」

「了解! 主砲、連続斉射開始!」

 イセの第一、第二主砲は前方に連続で発射された。

 ショックカノンの二本の束が、前方にいたガトランティスの駆逐艦の土手っ腹に命中し、艦は真っ二つになって爆発した。その爆発に向かってそのまま突っ込んだイセは、炎の中から現れると、速度を更に上げて前方に突き進んだ。

 その後ろから付き従うガミラス艦隊からも、陽電子砲のビームが放たれ、周囲のガトランティス艦は、次々に被弾していった。

 

 メダルーサ級の艦長ガレンは、その報告に驚きを隠せなかった。

「敵の大型空母、こちらにまっすぐ向かって来ます! あと一分で本艦に到達します!」

「な、何だと!? あの忌々しい空母か! 何をやっている! 火焔直撃砲で吹きとばせ!」

「駄目です! 接近し過ぎでもう当たりません!」

 ガレンは、砲撃手に剣を突き出して言った。

「だったら、主砲で攻撃しろ!」

「は、はい!」

 メダルーサ級の巨大な砲塔は、イセに狙いをつけると、大きなエネルギーの束を発射した。

「島艦長! 敵の主砲弾来ます!」

 島は、艦内通信のマイクを掴んで言った。

「全艦、衝撃があるぞ! 何かに掴まれ!」

 メダルーサ級が放った主砲弾のエネルギーは、イセの前方に命中して跳ね返ると、波動防壁にイナズマの様な光が走った。

「うわあ!」

 イセの艦内は、その衝撃で大きく揺れていた。島は、艦長席の肘当てを強く掴んでその揺れに耐えていた。

「怯むな! 敵艦はもう目の前だ! 金田、狙いをつけろ!」

「は、はい! 敵、メダルーサ級への自動追尾を開始します!」

 イセの前方には、敵艦がぐんぐん大きくなって迫っていた。

「今だ! 撃て!」

 島の号令で、戦術長の金田は、満を持して叫んだ。

「うちーかた始め!!」

 イセは、メダルーサ級の右舷を通過しながら、主砲を連続発射した。イセの主砲弾は、至近距離から敵艦に命中し、その巨大な主砲塔を破壊すると、そのまま艦橋にも砲撃を加えた。

 爆発と共に一瞬のうちに艦橋に大きな穴が空き、艦長ガレンを始めとした乗員は、悲鳴を上げる間もなく、宇宙へと吸い出されて行った。

「波動防壁、消失しました!」

 イセは、通り過ぎると、その勢いのまま、ガトランティス艦隊のいない後方まで飛び去っていった。

 そして、そこでようやく速度を落として回頭すると、後方から追ってきたガミラス駆逐艦艦隊が周囲を取り囲んだ。

「やったぞ、古代! これより、イセはガミラス艦隊と共同で、ガトランティスを後方から叩きつつ、カラクルム級戦艦の撃破に向かう!」

 古代とカーゼットは、イセのスクリーン越しに返答した。

「島! よくやってくれた。そのまま、予定通り作戦を実行してくれ!」

「了解」

 通信を切った島は、続けて艦内通信で加藤に連絡した。

「航空隊を直ちに発艦させてくれ! 俺たちの艦隊に、ガトランティスを近づけさせるな!」

「了解!」

 イセの飛行甲板は、慌ただしく作業員が発艦作業を開始した。そして、次々にコスモタイガーと、コスモイーグルの編隊が飛び立って、ガトランティス艦隊に向かっていった。

 

続く…




注)pixivとハーメルン、及びブログにて同一作品を公開、または公開を予定しています。
注)ヤマト2202の登場人物は、役割を変更して登場しています。
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