宇宙戦艦ヤマト2199 白色彗星帝国の逆襲   作:とも2199

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宇宙戦艦ヤマト2202とは別の世界線を歩んだ宇宙戦艦ヤマト2199の続編二次創作小説「白色彗星帝国の逆襲」です。「白色彗星帝国編」、「大使の憂鬱」、「孤独な戦争」、「妄執の亡霊」、「連邦の危機」、「ギャラクシー」の続編になります。


白色彗星帝国の逆襲56 四国同盟Part2

 一行は階段を駆け上がった。海兵隊員たちは、先に屋上に出ると、一斉に散って小銃を構えると、そこに敵が居ないか確認した。

「クリア!」

 彼らは、合図して、ランハルトとライアンらを屋上に呼び寄せた。遅れて、キーリングやゴルサコフらも、護衛に囲まれながら屋上に現れた。

 屋上では、今まさに脱出用の各国政府の複数の航空機やシャトルがホバリングして着陸しようとしており、それらの巻き起こす風が屋上に吹き荒れていた。

「こっちです!」

 海兵隊員たちは、ランハルトとライアンらを、それぞれを乗せてきた機体へと誘導した。

 しかし、上空でアマール政府の機体が突然被弾し、建物の外側を燃え落ちて行った。

「危険だ! どこからか、敵の航空機が狙っているぞ!」

 ゴルサコフの怒鳴り声が屋上に響いた。

「ハラール防衛長官! アマールの防空体制は、いったいどうなっておるのだ!」

 ハラールは、通信機で状況を確認している。

「惑星軌道上から、許可無く航空機を発艦させた艦がいるようです! おそらく、それもシャルバート教過激派組織のものです! 敵機を四機確認しています。現在、アマール空軍に連絡して、スクランブル発進させようとしています! あと、五分でここに到着します!」

「奴らの目的は、我々各国の要人の殺害に違いない! 早くしてくれ! 私は、まだ死ねんのだ!」

 そう言っているそばから、敵の航空機と思われる機体二機が、肉眼で空の彼方に見えていた。

「こ、こっちにやって来るぞ! ミサイルや、機銃で狙われたら、一溜まりもないぞ!」

 ランハルトは、シャトルに乗り込む途中で、指を指した。

「見ろ! 別の機体が急接近している! あれは……! 地球連邦の戦闘機だ!」

 アマール空軍よりひと足先に、コスモイーグル二機が、轟音を響かせて、建物と同じ位の低空を飛んできた。

 海兵隊員は、駐機したシャトルのコックピットで、通信機で連絡をとった。

「あれは、山本、ルカの二名の機体です!」

 

「こちら、山本! 接近中の機体を排除する! 悪いけど、この星の発砲許可をとっている暇はない!」

 山本は、風防越しにルカに合図を送ると、迫りくる敵機の方へそれぞれ旋回して向かった。

「敵は、私たちのシャトルをロックして攻撃する気だ! ルカ、敵のミサイルを探知したら、フレアを射出して!」

「分かった! 任せて!」

 そう言っている間に、敵の機体はミサイルを発射した。

「今!」

 コスモイーグル二機は、一斉にフレアを撃ち出した。光の束が空にばら撒かれ、高熱を発している。コスモイーグルは、そこで急激に垂直方向へ上昇して、その場を離れて行った。敵のミサイルは、フレアが放つ熱源に吸い寄せられ、建物のすぐ近くで爆発した。

「うわあ!」

 建物の屋上にいた人々は、大きな爆発音と衝撃で声を上げている。

 垂直上昇したコスモイーグル二機は、そのまま中空でループを描き、接近する敵の航空機の背後に回っていた。山本とルカは、それぞれ敵を照準に捉えると、即座に機関砲を撃ち出した。重低音の機関砲の発射音が鳴り響き、機体から薬莢がばらばらと落ちている。

 毎分六千発が発射可能なコスモイーグルの機関砲の砲弾は、あっという間に敵の機体にばらばらと穴を開けた。そして、被弾した敵の機体は、炎を上げて地上に墜落していった。

「こちら山本! 脅威を排除した! 周囲に他の敵影無し。今が脱出のチャンスだ!」

 通信を受けた海兵隊員は、シャトルの後部座席の政府高官たちに声をかけた。

「山本一尉から連絡! 今なら、大丈夫です。発進します!」

 ランハルトを乗せたシャトルは、ゆっくりとその場を、垂直に上昇した。続いて、ライアンを載せた機体も、同じ様に上昇して行く。

 山本とルカは、建物の上空に戻ると、周囲を旋回して、二機のシャトルが飛び立つのを待った。

 建物の屋上からは、ガルマン帝国と、ボラー連邦の機体も、同様に飛び立っているのが見える。

 シャトルは、斜めに機体を傾かせ、エンジンを最大にふかすと上昇を始めた。そして、一路軌道上に待機している北米第七艦隊の巡洋艦シャイローへと向かった。

 ボラー連邦と、ガルマン帝国の機体は、低空を飛行して、それぞれのアマール大使館に退避するようだった。

 その時、山本は、超長距離レーダーに、新手の二機の敵影を捉えていた。

「玲! まだ来る」

「分かってる。シャトルに接近されては危険だ」

 山本は、コックピットのパネルを操作し、コスモイーグルの兵装を確認した。そして、最適と思われる武器を選択した。

「ルカ、超長距離空対空誘導弾を使おう。射程距離に敵機が侵入したら、直ちに発射して、遠距離から敵を排除する!」

「了解!」

 二人のコスモイーグルは、シャトルから離れると、鼻先を敵機の方へ向けた。

「射程内に間もなく捉える。あと、三秒、二、一……!」

「フォックス・スリー!」

 山本とルカは、それぞれ、超長距離空対空誘導弾を二発づつ、機体から切り離すと、四基のミサイルは、エンジンに点火して煙を吹き出しながら飛び去って行った。

 ミサイルの航跡は、遠くの目標まで到達すると、敵機は回避運動を開始した。ミサイルは、それを追って右に左に下にと向きを変えながら、敵の機体に肉迫した。

 そして、遂に敵機を捉えると、ミサイルはその土手っ腹に命中し、爆発した。機体は、ばらばらになって炎を上げながら墜落した。

 もう一機の敵機は、二発のミサイルうち一発をかわして、更に機体をひねっていた。そこに、もう一発のミサイルが右翼の根元に命中し、そのまま飛び去って行った。翼をミサイルにもぎ取られた機体は、きりもみしながら回転し、そのまま地上へと落ちていった。

「命中……! こちら、山本。アマール軍から報告のあった敵の機体四機は、すべて撃墜した」

「こちら、巡洋艦シャイロー所属、兵員輸送用シャトル。ありがとう、感謝する。艦までのエスコートを、引き続き頼む」

「了解」

 山本とルカは、速度を落として、シャトルを先導する位置につけた。そして、そのまま上昇して、大気圏外に脱出した。

 無事に、ミサイル巡洋艦シャイローに着艦したシャトルでは、機体の通信機を使ってスコーク宙将が艦に指示を出した。

「スコークだ。直ちに攻撃して来た機体の母艦を追い払え! すぐ近くの惑星軌道上にいるはずだ。だが、撃沈してはならんぞ。シャルバート教の過激派組織と言えども、ボラー連邦かガルマン帝国のどちらかの国民だ!」

 スコークの指示を受けたシャイローの艦橋では、艦長デイビスが、連絡を受領していた。

「諸君! これより本艦は、敵艦に威嚇射撃を行い、この惑星から追い払う。戦闘配置!」

 慌ただしく、シャイローの艦内は、戦闘準備に動き出した。

「補助エンジン始動! 敵艦を射程内に捕捉する!」

 ミサイル巡洋艦シャイローは、ゆっくりと動き出した。

 

 一方、要人殺害を目論んだシャルバート教の過激派組織が乗る所属不明の艦は、接近する地球艦に恐れを成していた。

「国籍不明の艦船が、こちらに接近してきます。我々の攻撃機隊を全滅させた航宙機の母艦です」

 その報告を聞いた、船長は、艦の性能分析をさせた。

「敵の火力を分析したところ、高性能の巡洋艦クラスと思われます。とても、我々が太刀打ち出来る相手ではありません」

 船長の髭面の男は、独り言のように言った。

「奇襲攻撃に失敗した時点で、我々に勝ち目は無いと言うことか。所詮、この船は、ボラー連邦の相手にもならないおんぼろ船だ。船にある砲塔は飾りだしな……」

 接近するシャイローから、艦砲射撃が始まると、彼らは逆方向に慌てて逃げ出した。しかし、速度が段違いに違うため、追いつかれるのも時間の問題だった。

「諸君、作戦は失敗した。我々は、ここを脱出し、近隣のシャルバート教の拠点に退避しよう。ワープ準備急げ!」

 

 スコーク宙将は、艦橋に上がると、艦長デイビスから軍帽を受け取って被った。その後から、ライアンとランハルトも艦橋に上がっていた。

「状況報告!」

「敵艦は、惑星軌道上から逃げ出しました。速度を急激に上げているため、ワープで脱出するものと思われます。追いますか?」

 スコークは、首を振った。

「必要無い。それよりも、惑星アマールのハラール防衛長官に連絡してくれ」

 通信回線を繋いでいる間に、その船は、ワープに突入して消えていった。

「ハラール長官が出ました」

「スクリーンに出してくれ」

 艦橋のスクリーンに、ハラールが映し出された。

「敵艦は、追い払っておきました。もう、安全でしょう」

 ハラールは、会釈して応じた。

「ありがとう。スコーク宙将。迅速な応戦に感謝します。こちらを襲ってきた部隊も、先程鎮圧しました。逮捕したメンバーから聞き取りを行います」

「それは良かった」

 今度は、スコークに代わってライアンが話をした。

「我々は、艦隊と合流して、明日、もう一度ここへ戻ります。先程決めた同盟の件など、正式に同盟条約を締結したい。ゴルサコフ長官と、キーリング長官にも、そのように伝えてください」

「分かりました。伝えておきます」

 スコークとライアンは、地球式の敬礼をして、通信を切った。

 ランハルトは、ライアンに向かって言った。

「ガトランティスの残党狩りとして編成された千隻の艦隊は、数日前に、この銀河中央部へと到着している。私は、バーガー大佐に艦隊の再編成を依頼するつもりだ」

 ライアンは、それに頷いた。

「デスラー大使、ご協力感謝します。我々の方も、土方宙将の主力艦隊が、そろそろ到着するはずだ。艦隊の編成に関しては、すぐに話し合いましょう」

 ライアンは、感慨深げにしている。

「……いろいろなことが重なって、忙しくなりそうです」

「彼らと違って我々としては、ガトランティスの撃退だけで無く、イスカンダル人の救出もやらねばならない。難しい戦いになるだろう」

「同感です」

 ライアンと、ランハルトは、地球式の握手を交わした。

 

続く…




注)pixivとハーメルン、及びブログにて同一作品を公開、または公開を予定しています。
注)ヤマト2202の登場人物は、役割を変更して登場しています。
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