宇宙戦艦ヤマト2199 白色彗星帝国の逆襲   作:とも2199

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宇宙戦艦ヤマト2202とは別の世界線を歩んだ宇宙戦艦ヤマト2199の続編二次創作小説「白色彗星帝国の逆襲」です。「白色彗星帝国編」、「大使の憂鬱」、「孤独な戦争」、「妄執の亡霊」、「連邦の危機」、「ギャラクシー」の続編になります。


白色彗星帝国の逆襲64 多国籍軍の初陣Part3

 三十隻の山南率いる第二艦隊は、十五隻づつ二手に分かれた。エンジン全開で、それぞれ新手のガトランティス艦隊が迫る惑星の反対側へと急行した。そして、目標座標に到着すると、艦隊の陣形を整え、舷側をガトランティス艦隊へ向けた。地球艦隊は、駆逐艦とミサイル巡洋艦が多数を占め、波動砲を搭載した主力戦艦は、全部で四隻が含まれていた。アンドロメダを含めれば、五隻が波動砲を発射可能だった。地球艦隊の背後にはボラー連邦支配下の惑星バースがあり、彼らは、そこを死守しようと迎撃態勢に移行した。

 南部は、砲雷長の滝川に目配せしてから、艦内通信で指示を出した。

「全艦、砲雷撃戦用意! 全砲門開け! 続いて、魚雷発射管全門装填! 目標、敵、ガトランティス艦隊! 航空隊は、いつでも出られる様に待機してくれ!」

 アンドロメダや、続く主力戦艦と共に、すべての砲門を右舷へと回転させた。回転を止めた砲門は、自動追尾により、じわじわと動いている。

 ザグレスの残して行ったガミラスの駆逐艦艦隊は、地球艦隊を囲み、同じく陽電子砲の砲門を、ガトランティス艦隊へと向けていた。

 一方、二方向から迫るガトランティス艦隊には、それぞれ一隻づつの機動要塞ゴルバがいた。それに対抗する為、主力戦艦ナガトとムツは、それぞれ艦首をガトランティス艦隊の正面に向け、波動砲の発射準備を進めていた。

 ナガト艦長大村耕作は、艦長席で軍帽を取って、額の汗を拭った。そして、艦長の証である軍帽をかぶり直すと、緊張の面持ちで波動砲の発射準備を進める乗員の様子を見つめた。

 こんなことでは、後輩の古代に笑われるな、と彼は心の中で苦笑した。なにせ、実戦で波動砲を撃つのは初めてのことなのだ。

「艦長、波動砲の発射準備完了しました!」

 大村は、そう報告する戦術長に頷いた。

「……うむ。そのまま、指示を待て!」

 

 一方、山南は、アンドロメダの艦長席で、スクリーンに映させたレーダーの表示を確認していた。二手に分かれた第二艦隊の光点と、惑星バースに急速に接近してくるガトランティス艦隊の総数五十隻程の光点とが、徐々に近づいていた。ガトランティス艦隊には、通常の駆逐艦と巡洋艦、空母からなる艦隊が、ゴルバを引き連れて接近している。カラクルム級や、メダルーサ級戦艦はどうやら含まれていない。

「艦長! あと、二分で、敵艦隊は射程圏内に入ります。敵艦隊は、艦載機を発艦させた模様!」

 それを聞いた山南は、南部に声をかけた。

「こっちも航空隊を発艦させろ。砲撃の邪魔にならない位置で、待機させてくれ」

「了解。航空隊、直ちに全機発艦!」

 アンドロメダの下部艦載機発着口から、コスモタイガーが次々に飛び出して行く。

 山南は、通信マイクを掴むと、艦隊全体へと伝えた。

「全艦、攻撃用意! アンドロメダの砲撃開始を見届けて、各艦も砲撃を開始してくれ。佐藤、このまま、通信回線を開いておく。敵艦隊を射程圏内に捉えるのを、全艦に聞こえる様にカウントダウンしてくれ。南部、カウントダウン終了と同時に砲撃開始だ!」

「了解しました! カウントダウン開始します!」

「任せてください! 滝川! 主砲連続斉射用意!」

「了解、主砲、連続斉射用意!」

「敵艦隊、射程圏内到達まで、あと一分三十秒……!」

 

 一方、ボラー連邦バース星防衛艦隊旗艦では、艦隊司令のラムも、バース星に迫る新手のガトランティス艦隊に気がついていた。

「バース本星に、新たなガトランティス艦隊接近中! ゴルバが二隻現れたようです!」

 ラムは、ガトランティス艦隊との交戦の最中だったが、この事態に焦りを覚えていた。

「いかん。ゴルバに本星が攻撃されてしまう……!」

「地球艦隊が、バース本星防衛に動いてくれたようです。既に、迎撃態勢に入ったと報告がありました!」

 ラムは、その話に不安を隠さなかった。

「ありがたい話だが、地球艦隊を、このまま信じて良いのか……」

 ラムは、地球艦隊がゴルバや彗星を一撃で破壊可能な兵器を持っていると言う情報について、まだ半信半疑だった。彼は、不安を払拭する為、そこで決断をした。

「この座標から、惑星破壊ミサイルで、ゴルバを狙えるか?」

「可能です!」

「よし、我々の星は、自らの手で守ろう! 直ちに、ゴルバに向けて惑星破壊ミサイルを二発づつ緊急発射する。発射用意急げ!」

 ボラー連邦艦隊の後続にいた惑星破壊ミサイルを抱えた特務艦四隻は、後退して艦首をゴルバの方へと向け、発射態勢へと入って行った。

 

 このボラー連邦艦隊の動きを、ガルマン帝国艦隊の艦隊司令ダゴンは見逃さなかった。

「……すると、ゴルバが現れたのだな?」

「はい。地球艦隊は、迎撃態勢に入っています。ボラー連邦艦隊は、ゴルバを撃破しようと、惑星破壊ミサイルの発射態勢に入りました」

 ダゴンは、そこで思案した。

 キーリング参謀長官からは、同盟を堅持して協力してガトランティスと対峙するように指示されていた。しかし、それとは別に、ガルマン帝国本星のボルゾン総統の側近から、密かに指示を受けていた。この機会に、ボラー連邦を弱体化させることに、キーリングは消極的だった為、タゴン少将のもとに、本星から直接指示が出ていた。

 その指示とは、ガルマン帝国国境に近い一大軍事拠点であるバース星の基地を、ガトランティスに破壊させるように仕向けるか、何らかのやむを得ない事態が起こったと見せかけるか、方法は任されていたが、バース星を無力化すると言うものだ。

 これが上手く行った暁には、キーリングの代わりに、ダゴンを参謀長官に推すことも可能だとも聞いていた。

 まさに、今がそのチャンスであるとダゴンは考えていた。

「惑星破壊プロトンミサイルの発射用意をしろ! 我々も、ボラー連邦艦隊と同じタイミングで撃つのだ!」

 そこで、ダゴンは艦橋にいた戦術担当の士官にそっと近づいて言った。

「……分かっているな?」

 振り返らずに、彼は黙って頷いた。

 

「惑星破壊ミサイル、発射準備完了!」

 それを受けて、ラムは直ちに命じた。

「よし、発射しろ!」

 惑星破壊ミサイル特務艦は、抱えていた巨大なミサイルを艦体から切り離した。そして、四発のミサイルはエンジンに点火すると、勢いよく飛び出して行った。

 時を同じくして、ガルマン帝国艦隊からも、惑星破壊プロトンミサイル二発が発射された。

「ラム司令! ガルマン帝国艦隊も惑星破壊ミサイル二発を撃ちました! 我々のミサイルと同じコースです!」

 ラムは、眉をひそめてミサイルの航跡を見つめた。

「ふむ。我々に先を越されたく無かったということか?」

 

 その頃、アンドロメダでは、通信士の佐藤がカウントダウンを続けていた。

「敵艦隊、間もなく射程圏に到達します! 五、四、三、二、一……!」

 南部は、満を持して号令を発した。

「うちーかた始め!」

「了解、うちーかた始め!」

 砲雷長の滝川が復唱すると同時に、アンドロメダの全砲門が火を吹いた。アンドロメダから放たれた三本の光跡がガトランティス艦隊に向かう最中、艦隊のすべての艦からも一斉に砲撃が始まった。

 ガトランティス艦隊からも、同じく砲撃が始まり、双方の間で、多数の緑や青の光跡が飛び交った。更に、ガトランティスの艦載機が接近して来て、アンドロメダの航空隊は艦隊を防衛しようとこれに立ち向かって飛んで行く。しかし、空母から発艦した敵機の数は、圧倒的に多い。アンドロメダの航空隊は、数の上で劣勢に立たされていた。

 ガトランティスの艦載機による攻撃を受けたことで、辺りは激しい乱戦となっていた。しかし、地球艦隊のイージスシステムは、敵の攻撃から艦隊を守ろうと、ミサイル巡洋艦から、自動的に多数のミサイルが放たれた。ミサイルは、敵の艦載機を次々に撃墜して行く。

 南部は、イージスシステムの優秀さに感激していた。

「艦長! 敵の航空隊は、かなり練度が低いようです。これなら行けます! 今のところ、こちらの航空隊、そして艦隊も損傷は軽微です!」

 山南は、緊張した面持ちで、これに小さく頷いた。

 イージスシステムは、確かに優秀だったが、このような激しい戦いで自動攻撃システムが動き続ければ、いずれミサイルが底をつく。そうなれば、艦隊は無防備に敵の攻撃に晒されることになる。

 その時、レーダー手の橋本が大きな声で報告した。

「艦長! ボラー連邦とガルマン帝国艦隊から、巨大ミサイル六発が発射されました。三発づつ、各ゴルバに向かって行きます!」

「何?」

 山南は、通信マイクを掴んで、主力戦艦ナガトとムツに連絡した。

「大村、井上。どうやらゴルバを、彼らのミサイルで撃破する気のようだ。もし、当たらなければ、波動砲で撃破する。気を緩めず、そのまま待機を続けてくれ」

「了解しました」

「了解です!」

 

 山南からの通信が切れた後、ナガト艦長大村は、ふと不安を覚えてムツ艦長の井上に連絡した。

 ナガトのスクリーンに井上の姿が映ると、彼は少し怪訝な表情をしていた。

「井上、すまん。何となく、気になってな。お互い、ミサイルの動きに注意しておこう」

「どうしたんだ? 大村らしくないな」

「ボラーとガルマンの連中の仲の悪さをさっき見たばかりだろう?」

 井上は、大村の言うことに少し驚いていた。

「まさか……!?」

「気のせいであればいいんだがな」

 

 六発の惑星破壊ミサイルは、急速にガトランティス艦隊のど真ん中へと突入した。ガトランティス艦隊は、高速で接近するミサイルを撃墜すべく、砲撃やミサイルで対抗していた。しかし、惑星破壊ミサイルは、簡単に撃墜されないように、ミサイル本体に装備された自動迎撃システムで、これらの攻撃から自身を守ろうとしていた。惑星破壊ミサイルの側面から、小型の迎撃ミサイルが多数ばら撒かれ、陽電子砲を無効にし、接近するミサイルを撃ち落とした。それでも、撃ち漏らして自身に命中するも、そもそもミサイル自体が巨大で、簡単には撃墜されそうも無かった。

 

「間もなく、惑星破壊ミサイル、ゴルバに着弾します!」

 ボラー連邦バース星防衛艦隊のラムは、レーダーに映る光点が、ゴルバへと接近するのを見守った。

 既に、自身の艦隊やガルマン帝国艦隊、そしてガミラス艦隊が戦っている最初のガトランティス艦隊は、もう少しで全滅させることが出来そうだった。

 これに気を良くしたラムは、自軍の放った惑星破壊ミサイルの動きを注視していた。

 レーダーに映る光点は、まさに今、ゴルバを示す二つの光点にそれぞれ重なった。

「命中!」

 二隻のゴルバは、惑星破壊ミサイルが命中し、大爆発を起こしていた。その光は、肉眼でその場にいた者たちの目にも映っていた。

 爆発が徐々に収まってくると、ゴルバの姿が顕になった。その巨大な艦体は、大きく抉れて、大部分がばらばらに分解し、辺り一面に残骸が広がっていた。もはや、機動要塞としての機能は完全に失われていた。

 その時、ラムは、レーダーの光点が、まだ二つ動いているのに気づいた。

「あれは、どういうことだ?」

 ラムの問い掛けに、レーダー手は、その光点が何か、識別しようとした。

「あれは、ガルマン帝国艦隊が放った二発のプロトンミサイルです。恐らく、狙いが外れたのでしょう。目標を見失って、迷走しています」

 レーダー手は、ガルマン帝国を蔑むように、笑っている。

 だが、ラムは、そのプロトンミサイルの光点を凝視した。迷走しているように見えるが、やがてその進路をバース星へと向けた。

 青ざめたラムは、通信士に言った。

「至急、ガルマン帝国艦隊のダゴンに連絡をとれ!」

 しばらくすると、ダゴンがスクリーンに映し出された。

「何だね? 今、忙しいんだが」

 ダゴンは、退屈そうにあくびをしている。

 ラムは、彼に険しい口調で話しかけた。

「あなた方の惑星破壊ミサイルは、ゴルバを外して迷走している。直ちに、自爆させて欲しい」

 ダゴンは、困ったような表情をした。

「申し訳ない。実は、制御不能でな。自爆コードを送信しても、反応が無いのだ」

 ラムは、余りにも疑わしい話だと思い、彼を睨みつけた。しかし、ダゴンは悪びれることもなく、涼しい顔をしている。

「すまないね。我々もどうしょうも無いのだよ」

「きっ……貴様は……!」

 ラムは、腸が煮えくり返っていた。しかし、ミサイルを何とかするのが先だった。

「もういい! 通信を切れ!」

 唐突に、スクリーンから、ダゴンの姿は消えた。

 そのダゴンは、通信の切れた自艦のスクリーンを眺めてほくそ笑んだ。

「これで、バース星は終わりだ……!」

 一方のラムは、慌ただしく乗組員に指示を出した。

「ガルマン帝国の惑星破壊ミサイルが、我々のバース星に落下してしまう! 至急、迎撃に向かうぞ!」

 乗組員は、皆騒然となっていた。航海士は、真っ青になってレーダー手に残り時間を確認した。

「司令……。もう間に合いません。ミサイルは、二分もあれば、バース星に落ちますが、ここから最大船速で向かっても、追いつくのが精一杯で、とても撃墜する時間が……」

 ラムは、一瞬考えて、次の案を通信士に伝えた。

「ならば、バース星基地から、迎撃ミサイルを発射させよう。すぐに連絡を!」

「分かりました。しかし……今から準備しても、五分はかかるでしょう。残念ながら……」

 ラムは、もはやこれまでと呆然としていた。しかし、最後の頼みの綱があった。ラムは、不本意ではあったが、藁をも掴む気持ちで、連絡することにした。

「……直ちに、地球艦隊へ回線を繋いでくれ!」

 

 ガトランティス艦隊と戦闘中で慌ただしいアンドロメダのスクリーンには、突然連絡を取ってきたラムの姿が映っていた。

「やはり、あの二発のミサイルは迷走して、バース星に落下しようとしているんですね? 既に、こちらも動きを捉えています」

 山南は、冷静に応じていた。

「ガルマン帝国のしわざだよ……! あれが落ちれば、バース星は破壊されてしまう! 今、ミサイルを迎撃出来るのは、あなた方の位置からだけだ。あと、一分半しか無い……! 撃墜する方法はあるか!?」

 山南は、ラムの切迫した表情から、たった二発の惑星破壊ミサイルが、本当に惑星を破壊してしまうのだろうと考えていた。

「やってみましょう。ゴルバを攻撃する為、既に波動砲の発射準備は、完了しています」

「波動砲……? 本当に、効果があるのか!? 惑星破壊ミサイルは、簡単には撃墜出来ないような防御システムが搭載されている」

 山南は、にやりと笑うと言った。

「時間がありません。まあ、見ててもらいましょう」

 山南は、まだ半信半疑のラムを置いて、主力戦艦ナガトとムツに連絡した。

 

 連絡を受けた大村は、自信に満ちた表情で応えた。

「連絡を待っていました」

 井上も元気に頷いている。

「人間に向けて撃つよりも、ずっと気楽ですよ」

 山南は、二人の用意の良さに安心していた。

「分かった。時間が無い。波動砲を直ちに発射して、ミサイルを迎撃してくれ。土方総司令からも波動砲の使用に関して事前の許可をもらっている。遠慮なく、ぶっ放せ!」

「了解!」

 通信を切ったナガト艦長大村は、急いで戦術長に言った。

「許可が出た。直ちに波動砲で、ミサイルを撃墜しろ!」

 既に、発射用意を終えた主力戦艦ナガトとムツの二隻は、艦首の真正面に、それぞれ惑星破壊プロトンミサイルを捉えていた。

「目標、惑星バースまで、あと一分……!」

 ナガトの戦術長は、ターゲットスコープに捉えたミサイルを凝視しながら、波動砲の発射トリガーを握っている。

「発射十秒前……! 対ショック、耐閃光防御!」

 その号令で、艦橋の乗組員は、皆耐閃光ゴーグルを頭から被って装着した。

「誤差修正、マイナス一度。カウントダウン開始!」

「五、四、三、二、一……!」

「発射……!」

 ナガトとムツの艦首波動砲口に、大きく膨れ上がった閃光が煌めいた。

 その直後、艦内に轟音を轟かせながら、波動砲の強力なエネルギーが、真っ直ぐ前方へと放たれた。

 それは、巨大な二本の光跡を伸ばしながら、惑星破壊ミサイルをそれぞれ捉えると、それは蒸発して消えてしまった。

 波動砲の光跡が通り過ぎ、宇宙の彼方へと飛び去ると、そこには、爆発すら起こらず、最初から何物も存在していなかったかの様だった。

 大村は、耐閃光ゴーグルを外して、艦外の様子を確認した。

「やったぞ! 命中だ! みんな、良くやってくれた!」

 

「惑星破壊ミサイル、消滅した模様!」

 その報告を立ったまま聞いていたラムは、へなへなと、自席に倒れ込んだ。

「良かった……。あれが、波動砲の威力なのか……!」

 安堵感に包まれると、途端に彼はガルマン帝国への怒りをふつふつと湧き上がらせた。

「ガルマン帝国め……!」

 

 しばらくして、作戦失敗を悟ったガトランティス艦隊は、戦闘を止めて撤退を始めた。既に、大幅に戦力を失ってしまっていたため、残存艦艇は、回頭してワープでバース星宙域から去って行った。

 終わってみれば、大きな損害を受けたボラー連邦とガルマン帝国艦隊に対して、ガミラス艦隊と地球艦隊の損耗は軽微だった。

 山南は、頭上のスクリーンを、南部とともに見つめていた。スクリーン上では、また、ボラー連邦艦隊司令のラムと、ガルマン帝国艦隊司令のダゴンが罵り合いをしていた。

「貴様、わざとバース星にミサイルを落とそうとしたのは分かっているんだぞ!」

「だから、本当に制御出来なくなっていたのだ。言いがかりと言うものだぞ。そちらこそ、本星の防衛体制に問題があるようだな。まだ我々の助けが必要だな」

「我々を助けてくれたのは、ガミラスと地球艦隊だ。さっさと、出ていってくれ!」

 やれやれと山南は、南部の顔を見上げた。その南部もかなり呆れているようだった。先程までスクリーンに映っていたガミラス艦隊の指揮官ザグレスは、同じ様に呆れて、早々に通信を切断してしまった。

 山南は、通信マイクをオフにして、南部と話をした。

「こりゃあ、酷いな。これほど、現場が信頼関係を築けないとはね」

「艦長。あいつらと一緒に戦うのは無理ですよ。土方さんにも、そう報告してくださいね?」

「ま、今後どうするのかは、土方さんと相談するよ。もう、席に戻っていいぞ」

 山南は、ため息をついて二人の指揮官を見つめた。

「先が思いやられるなぁ……」

 

 こうして、多国籍軍としての初の戦いは幕を閉じた。

 山南は、ガトランティス艦隊との戦いで、確かな手応えを感じていて、少なくとも、それだけは収穫があったと自身を慰めるしかなかった。

 

続く…




注)pixivとハーメルン、及びブログにて同一作品を公開、または公開を予定しています。
注)ヤマト2202の登場人物は、役割を変更して登場しています。
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