普通のことができない俺が、異世界ではチート並みになんでも出来る無双者!?   作:HAL

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【俺達の第2の人生、まずは…】

 

 

俺は今暗い場所にいた。家族が遠ざかりその代わり新しい光が見えた。それに手を差し伸べた瞬間。

 

「ハルさん!!」

 

聞き覚えのある声に俺はハッと目が覚めた。見渡す限り巨木と言われるような木が1本生えていて、それ以外は草原だった。風が心地いい場所に俺達は居たみたいだった。俺は起きあがりクロの頭を撫でた。まだ寝起きだったってこともあって、頭がまだ覚醒してない。クロと同じ目線あたりに見える。

 

なんか、クロの背が伸びた…??

 

しかも前髪がないのか景色がクリアに良く見える。頭が働いてない状態だと何も思い浮かばない。するとクロがいつの間にか俺の後ろに座り、耳元で話しかけてきた。もう一度言うが俺は、耳は弱くない。

 

「ハルさん、起きてください」

 

「ひうっ!?」

 

神様の所でされた声。つまり今、大人なクロ。目と頭が一気に覚めた。横を見るとニコッと笑ったクロがそこに居た。そして大人びた顔つきだった。顔真っ赤にする俺を見て、クスッと笑ったクロ。

 

「起きましたか?」

 

「お、おおお起きた!!起きたからっ!!も、ももも戻ってくれ…っ、クロぉ!!」

 

ただただびっくりしただけ。そう俺はただびっくりしただけだ。日が当たってるからその暑さのせいで顔が赤いだけ。やましいことはひとつもない。はずだ!

 

クロはまた戻った。煙は最小限に抑えて変わるようだ。そこは神様の配慮だろう。でもこれは少し不便な気もする。誰に見られるかわからないのにこれでいいのかと。うーんと悩んだ末に俺はあることに気がついた。俺の声はさほど生きてた頃の声のままだ。それは問題ではない、ただ俺の顔や背格好があまりにも見えすぎてクロと変わらない。それが不思議に思えた。

 

確か、神様は『ステータス』って言えば出るって…

 

口で言う前に出てきた。ビックリしたがこれは便利だ。言葉にするのではなく頭の中で言えばいいのだ。変に思われなくて済む。開くとブワッと画面が広がった。見やすいが人に見られないのか心配だ。

 

それとも、いろんな異世界モノの漫画を見てきたがご都合主義でこの画面は見えないとかあるのか…?

 

とりあえずプロフィールを見ることにした。

 

「えーっと、何々…?名前はハル、年齢15歳、性別男の娘、身長155cm、職業は冒険者メインの上位鑑定士サブ、種族猫獣人と…………」

 

ん?身長と種族が…あれれ??しかも男の娘って…

 

この際、性別はもうなんか神様の趣味として片付けた俺は1度立ち上がった。クロもつられて立ち上がる。背比べをしてみた。少し俺の方が大きいかもしれないが、微妙な大きさだった。クロは猫だったから猫獣人なのもうなずける。問題は俺だ。

 

「クロ、大人になってみろ」

 

「はい、ハルさん」

 

言われた通り大人になるクロ。煙最小限演出はどうにかならないものかと思いつつ、俺はクロを見上げた。

 

お、おっきい…

 

クロは俺を持ち上げた。ビックリして少し暴れてしまったが、抱きしめられた時には大人しくなっていた。そしてとても居心地が良い。

 

夜一緒に寝るってなったら、日替わりでこういうのもありかもなぁ…

 

脱線しそうになったが、とりあえず身長の件は解決。次は俺の種族だ。

 

「クロ」

 

「はい、なんでしょう?」

 

大人の状態での敬う姿勢なクロはとてつもなくかっこよかった。コロッと惚れそうになる。

 

今は心頭滅却!!

 

「お前がして俺の見た目を教えてくれるか?」

 

クロは1度俺を下ろした。それから舐めるように見つめ、答えを出した。

 

「ハルさんがここに来る前にあった人間の耳はなく、代わりに僕とお揃いの猫耳と尻尾が生えてますよ。多分、人間よりの猫獣人だと思います。人によっては動物よりの人間もいると思いますから。それからボクと同じでオッドアイです。左が紫で右が空色です」

 

クロは丁寧に教えてくれた。猫獣人もそうだが、俺の憧れだったオッドアイと聞いて心の中で興奮した。

 

「なるほどな、ありがとう。それと戻っていいぞ」

 

心臓に悪いからな…

 

「はい」

 

そして元に戻った。また俺はステータスを見た。他に何かないかと探る。そういえばスキルや技能はどうしているのか、気になった。まずは技能から。

 

「こ、これは…!?」

 

「どうしたんですか?ハルさん」

 

「俺が今までできないと思ってたことが、ここに載ってる…!」

 

「どれどれ…?」

 

料理やらの家事全般のレベルがMAX、冒険者なので武器使用の場合でも持てばスキルも同時にレベルMAX。上位鑑定士なので、見る目のレベルもMAX。体力やその他もろもろ全ての数値がMAXだ。魔力と書かれた文字に気になって、タップした。すると説明書きがあって、そこに書いてあるには。

 

『魔力とはこの世界で最も必要なものである。魔法に使うにしても剣技に使うにしても、スキルを使う上で重要視されている。一定以上使うと、魔力切れで意識がもうろうとする。一定量使うと、頭痛を引き起こす。頭痛がしたら予兆である。目安とも言う。魔力を使う時は十分に気をつけることをオススメする』

 

と、書かれていた。わかりやすい説明で頭の整理がしやすかった。そしてあることも気がついた。

 

まず俺の魔力量っていくつなんだ??

 

魔力が見れるとしたらプロフィール画面だろう。しかしどこにも魔力量が書いてない。どこを見たらいいのかわからない。俺が首をかしげていると。

 

「スキル画面にはないのですかね?」

 

「スキル画面……それだ!!」

 

俺は直ぐに技能の横にあったスキル画面にした。そしたら案の定、魔力量が書かれていた。しかし驚くべき数値だった。

 

「こ、これは……」

 

「凄いですね…?」

 

俺もクロも驚いている。そこに書かれている数字は測れない状態になってる。

 

「一、十、百、千、万……………一億!?」

 

一とゼロが8個あって、思わず尻もちついた。

 

「んじゃあ…レベルは??」

 

この世界がレベルで表示されるなら、俺にもあるはずだ。レベルならプロフィールにあるだろうと思い、最初の画面に戻す。そして魔力と同じくらい俺は驚いた。

 

「+9999………ってことは一万以上のレベル!?」

 

俺最強にしてチート無双じゃん!!やっばっ!!

 

このレベルならさっきのレベマもうなずける。技能の所にあったコミュニケーションは普通だった。まあ、流暢に喋る俺もキモイからな。モテはするだろうが、それは俺だけど俺じゃない。クロといる時だけでいい。あらかた俺のことは調べた。次はクロだ。俺はプロフィールのどこかにクロが見れる場所を探した。

 

どこにもないな…

 

「何をお探しで??」

 

「クロのプロフィールを」

 

「ああそれなら、こちらに」

そう言ってクロも「ステータス」と口にして表示させた。俺にも見えるということは他の人間も見れるんじゃないか疑惑か出てくる。ちょっと不安になった。

 

「あ、最初に言うの忘れましたがこのステータス機能はボクとハルさんだけですよ。魔力探知機なるものがこの世界にあるらしいですが、魔力探知機のみなので、このステータスが見られることは無いそうです。ハルさんが寝てる時に神様から聞きました」

 

寝てる時、つまり目覚める前ってことだ。そんな話をしてたのか、俺が寝てる時に。

 

「なので、仲間であってもボクとハルさんのみが見れるみたいです。そこは共有みたいですよ。ボクとしてはお揃いのものが増えるのは嬉しいので、ハルさんも同じならもっと嬉しいです♪」

 

そう言われると神様に対しても悪態よりも、クロの可愛さに負けて、今回はやめた。とりあえず先に進めないので、クロのプロフィールも見てみることにした。

 

「名前はクロ、性別は男の子兼男性、年齢10歳兼22歳、身長150cm兼170cm、職業回復系サポート、種族猫獣人、と。兼多くね??」

 

そりゃあ変わるからってのもあるかもだけど、それにしたって……

 

考えても仕方ないので職業に目を向ける。

 

「回復系サポートって言うと、何を意味すんだ??」

 

「回復系は多分、魔法もそうですが調合もだと思います。ハルさんのような目利きではないので、ハルさんの目利きが重要だと思いますが毒消しやマヒ消し、あとは……眠気防止などだと思います」

 

「なくてはならない存在じゃないか!」

 

魔法は魔力量によるが、調合は俺のを見る限りではなかった。回復系というより戦闘系だったのかもしれない。なのに鑑定士ってって思うが、それは伏せよう。

 

「サポートだとなんだ?」

 

「サポートは主にハルさんの身の回りのお世話だと思います。もちろん、自分でやらせるためのサポートですが、それ以外もあるんじゃないかと思います。例えばメンタルケアとかでしょうか」

 

なるほどな。それは嬉しい話じゃないか

 

ちょっと想像してしまったが大人の方を想像した瞬間、顔を横に振った。大人のクロは考えたらいけない。変なスイッチ入りそうになるというかよくわからない扉を開きそうになった。

 

俺は違う、俺は違う、俺は違う!!

 

クロは俺を見てキョトンとしていたが、俺は深呼吸をしてからまたクロのプロフィールを見た。次に見たのは俺と同じ手順で技能だ。

 

「癒しMAX……は、ヤベーな…。さすがといえばさすがだけどさ…。あとは情報収集?」

 

情報収集ってことは聞き込みってことか??

 

「この部分だけ切り取ると、聞き込みや張り込みも入るかもです。張り込みは止められそうですけど、聞き込みは街の人にってことだと思います。ハルさんの聞にくいことや言いづらいことを、ボクが言うとかでしょうか。特に聞かない方がいいってモノは空気を読んで聞かないようにします。ハルさんが聞いて欲しいと言うことだけ聞きます。その方が安心でしょ?」

 

「そ、そうだな!そうしてくれ」

 

そこら辺はちゃんとしてて良かった…、俺だけだったりクロがやんちゃだと色々問題が起きてたかもだし…

 

他も見てみる。

 

「ん??変身??」

 

何かに変身するのか??

 

「あっ、多分これは動物を例えるなら狐や狸とか『変化』するじゃないですか。それだと思います。ボクの場合は3つあります。1つは今の姿、2つ目は大人の姿、3つ目は猫の姿です。こんな感じに!」

 

『ボンッ』という音と共に猫の姿になったクロ。

 

「こんな感じで変われるってことだと思います!」

 

「猫が喋った!?」

 

「何を言ってるんですか!猫獣人なんだから当たり前ですし、ハルさんは変化できなくてもボクの言葉は分かりますよ!それともにゃーにゃー言ってた方が良いですか?それならボクは二度と話しません!」

 

「あっ、違うクロ!そういう事じゃなくてな!?ただびっくりしただけだから!!クロの動物姿は初めてみるからびっくりしてるんだ!!嫌じゃないから、話さないとか言わないでくれよ……っ」

 

今にも泣きそうな俺にそっぽ向いてたクロが人間の10歳に戻って、ため息を吐きながら頭を撫でた。

 

俺、スゲー今子供っぽくなってんな…

 

体は子供なので間違ってないが、俺は15歳。クロは10歳だ。そう考えると俺の方が兄なのにこの状況。

 

情けねぇな……

 

気を取り直してまだ技能に何かあるか見てみる。『暗視』と書かれた名前があった。

 

これはつまり、夜の暗い場所とかを見る時に周りがよく見えるとかいうアレのことだよな??

 

その下には『敏感性聴覚』と書かれていた。それはよく分からなかったので、タップすると。

 

『敏感性聴覚とは、過敏反応に該当するもの。人の声や動物の鳴き声に関わらず小さな音も金属音も大きな音となると、過敏反応してしまう技能。他にもその影響で触られると体が麻痺したかのように、動けなくなる危険性がある。耳を隠すものがあるとオススメ』

 

神様、なんつーもんをクロに与えてやがる…

 

これも『なんでも出来る』呪いか何かと思った。ある意味弱点と言えば弱点だ。これをされると再起不能になり動けなくなって、さらには戦闘不能にも成りかねないというものだ。クロには何か似合う頭巾みたいなのをつけさせた方がいいかもしれない。

 

気にならないような頭巾なんてあんのか…??

 

まあ、この世界にないなら作ってやればいい。クロのためなら自分のことよりもやろうとする俺なら。自分に対しては無頓着だが、俺の大切なクロになら疎かになんて絶対にしない自信がある。

 

もしこの世界にないなら裁縫頑張ってみるか。一応家事全般できるってあるし

 

俺の想像通りのものが出来ればいいが、とりあえず他にめぼしいものが無いようなのでスキルを見た。

 

「回復系魔法は一通りあるな…。上位回復系もある。職業なだけあるな。それ以外は調合の方がわかりやすいかもしれん…」

 

ポイズンクリアって、つまり毒消しって意味だよな?普通にカタカナじゃなくて日本語でも良くね?分かりづらいし…、麻痺なんてマヒクリーンとか…。いやいや、意味が違ってくるぞ?さては、にわか神様だな…。異世界についてあんまり詳しくないってやつ!……あんまり言うと良くないこと起きそうだから止めよう…

 

それから『子守唄』というスキルがあった。異世界モノのどのラノベにもなかったスキル。これをタップすると、他と同じように説明書きが出た。

 

『子守唄とは、敵全体への眠気攻撃。戦闘時で味方への効果は無効。条件が合うと味方にも効果が発揮するので戦闘時には注意。戦闘以外の使い道は味方へのメンタルケアの際、癒し効果がある』

 

と書かれていた。歌の種類は2つあった。1つは戦闘、もう1つは癒しの歌だ。

 

【死の眠り-デス・スリープ-】

【癒しの眠り-ヒール・スリープ-】

 

とんでもなく中二臭い名前。というかここだけ中二病チックだ。でもわかりやすい。

 

少しは要素をとか思ったのかな、神様は…

 

俺の見ていた異世界モノもだいたいが中二病セリフ待ったナシだから、耐性はある。どちらかと言うとそれを読んでたしそっちの方が見慣れてる。

 

漢字とか当て字とかたくさん並べられてるけど、まんまの意味とかよくあったし。今更って感じだしな

 

ちょっと親近感を湧きつつ、他にクロのスキルや技能にめぼしいものが見当たらなかったので終わった。時間がわからないのは少し不便ではあるが仕方ない。

 

「なあ、クロ」

 

「はい、ハルさん」

 

俺は次にクロに俺からの希望を伝えた。それは。

 

「敬語じゃなくてタメ口でいいぞ?なんかむず痒い…」

 

それは話し方の提案だ。俺としては今の所、歳とか身長とかを考えると俺の方が上だが、大人のクロはそうじゃない。俺は変わらないのでどう足掻いても兄にはなれない。そんな状態で敬語にされると変な感じがする。せめて区別だけはつけて欲しいのが本音だ。

 

「でも、ボクはずっとハルさんにタメ口で考えたことないですよ?」

 

「それはそうかもしれんが、俺がなんだか嫌なんだ…。それに、仮に今の姿では敬語でいたいならそれは許す。歳や身長的に俺の方が上だし弟として見ることが出来る。まあ、百歩譲ってって話だ…。だが、大人のクロはどうだ?年上でも敬語を使うやつはいるかもしれんが、俺の方が逆に敬語にならねぇと示しがつかん。タメ口ならそういう兄弟関係なんだと変に思われなくて済む。なんだかお前が執事か何かになったみたいで、ちょっと………寂しいから………」

 

言い訳では無いが、だんだん恥ずかしくなったのか最後は声が小さくなりボソッと話した。クロは俺を見て折れてくれたのかため息とともに渋々と言った感じで了承してくれた。それから頭を撫でられた。

 

クロはしっかりしてるからな…。俺の方が子供っぽくなっちまうのもしかたねぇんだけど…

 

でも関係的には本当だ。俺は15歳だ。クロは今の姿なら10歳でも通用するが、大人のクロは22歳。つまり身長も年齢もクロの方が上。兄的存在なのに敬語だと、いろいろ語弊を産む。目立ちたくないって理由じゃないが、違う意味で注目を浴びそうで困る。現世と違ってここでは法律とか関係ないかもだが、俺はそこで生きてきた人間。人の目は気になってしまうものだ。

 

なにより、奴隷みたいでなんか嫌だ…

 

「猫の姿と今の姿は敬語でいい。が、大人のクロの時だけタメ口な?違和感しかねぇから…」

 

「………、わかったよ、ハルさん…。まだ慣れないけど、少しずつ直すね?」

 

「おう!ありがとな、クロ!」

 

俺は嬉しそうにクロを見た。クロの目から俺はどう写っているのか、なんだかクロの顔が赤い。

 

「クロ?どうした?熱か??」

 

「ん、ううん!違うよ!………ハルさん、可愛い……」

 

最後の方は小さくて聞き取れなかった。その辺は技能としてだと、クロの方が長けている。聞こえなかったことを聞いても教えてはくれないだろう。

 

俺のスキルとかの詳しくは武器を持った時みたいだし、その辺はどこかの街に行かねぇと…

 

そういえばと、あたりを見ると夕方になっていた。初歩中の初歩を俺は忘れていた。ここは異世界で現世じゃない、飯が自動的に出てくるような場所じゃない。というか宿屋とかはありえるかもしれないが、ここは草原。街ですらないわけだ。今晩の飯がない。携帯食か何かないか『アイテム』と頭の中で言う。

 

本当に頭の中で言う機能があるのは楽だよな…

 

とりあえず神様から多分、一通りもらっているであろうと見たら武器や防具もその中に入っていた。俺は思わずツッコミをしそうになったが、とりあえず心を沈める。武器や防具のことは今飯のことを考えてる俺としては、後回し。その中には『料理』は入ってなかった。が、代わりに材料が入っていた。運良くフライパンとか火を使わない調理器具やらがあったので、それを使って作ることにした。

 

えっと……、パンとリンゴと魚に肉……色々入ってるけど、その中であって良かったって思うのはこの世界でもジャムがあることだな…

 

ジャムならパンに付けて食べれる。たくさんの飯は無くても腹には溜まる。それをクロの分も作ってやる。クロにとっては物珍しいかもしれないが、人間になった以上は食べて慣れてもらう。

 

ぬいぐるみだったら死なないが、弱肉強食の世界だからな。慣れてもらわんといかんな

 

クロには焼くことが出来ないので、普通にイチゴジャムを塗って渡した。自分のも焼けないので、ブルーベリージャムを塗った。まずクロの反応を見た。クロは初めて見る物にキョトンとしていた。恐る恐る食べたクロは目を丸くして顔を赤くしながら。

 

「美味しい!」

 

と言ってくれた。焼いた方がもっと美味しいがここは草原。焼くと火事になるので焼く事が出来ないが、これでも食べれる。反応を見た所で俺も食べる。

 

「うん、いつも食べてる味だな」

 

「ハルさんはいつも、こんな美味しいものを食べているの?ボクは見てるだけだったし、そうなのかな?って…」

 

「そうだな、人間なら誰でも食べてる料理だよ」

 

「そっか。じゃあボクは今、ハルさんから初めてを体験してるだね!」

 

『初めて』と聞くとなんだか嬉しい。やましいことではないが、俺の大切なクロからの言葉は、他の仲間がいてもクロに勝るものはないと思う。あとりんごを剥いて木の皿に入れてあげて、クロの前に差し出す。

 

「これは、りんご?」

 

「そうだよ、よく俺が食べてることあるだろ?シャリシャリしてて美味しいんだ!」

 

クロが言われた通りパクッと一口。甘い所に当たったのか頬を持ち上げて美味しそうに食べる。なんだかホッコリする。

 

「ごちそうさま。よし、それ食べたらテントを張ろう。夜寝る時のためにやっておくとよく眠れるからな。俺はテントを作り始めてるから食べ終えたら手伝ってくれ」

 

「うん!わかった!」

 

「無理に詰め込むなよ?喉に詰まるからな」

 

「はーい」

 

俺は食べ終えたものを『アイテム』にしまい、代わりにテントグッズを出した。ランプのようなものもあったので、それも一緒に置くと表示された。

 

「魔除けランプ?」

 

魔除けランプってことは、モンスターとかを来させないようにするためのヤツ、ってことだよな??

 

とりあえずテントを作りながら、魔除けランプの点け方を見た。そこにクロも来たのでテントの作り方を指示しながら、俺はランプの方を見た。

 

えっと?これは火を使うのか…。うーん、この風だと消されそうだよな…。まあ、なんとか頑張るか…

 

『アイテム』からマッチを取り出しラップの中に火を灯して、カポッと蓋を占める。それを3つ作った。風に煽られて火が消えることはなかったので、スムーズに出来た。あとはこれをテントの三方向に置くだけ。

 

「ハルさん、テント出来たよ!」

 

「おっ、グッドタイミングだな!それじゃあこの1個をこのワイヤーと一緒にあそこの端に付けて欲しい」

 

「わかった!」

 

クロに1個持たせて、俺はクロと同じようにワイヤーを使って固定する。全部付け終えてから寝袋も『アイテム』から出してテントの中に入れる。それからクロの食べた物を片付けて、テントの中に入った。

 

「とりあえず、魔除けランプの説明書きを読むか」

 

「何かあるの?」

 

「いや、どのくらい使えるもんなのかわからんしな。調べておくことは必要だろ?何があるかわからないしな。どのくらいの範囲まで可能なのかも知っておいていいと思うし。俺達を守る役目があるみたいだしな」

 

「なるほど。あっ、でも…」

 

「うん?どうした?」

 

「盗られたりしないのかな…って」

 

「その辺も見とこう」

 

「うん!」

 

俺達は『アイテム』の魔除けランプについての説明書きを見た。そこに書いてあったのは。

 

『魔除けランプとは、自分に対して魔になるものから回避するために使うもの。守る対象である人間に、敵と思われる魔物から守る役割を持つランプ。通常のランプは明かりを灯すもので、魔除けはない。魔除けという付与を行うと、直径10m範囲には入ってこない。また、盗賊や海賊と言った人間を襲う者からも守る』

 

付与…って普通の人間でもできるのか??

 

付与だけを鑑定すると。

 

『付与とは、鍛冶屋等の武器防具を売る者になら備わってる者もいるが、それは神の加護で与えられている者以外は使えない。『神の加護』を持つ者のみ、使えるエンチャント技能』

 

神ってあの神様だよな?スゲーな…

 

そういえば、俺の所にもなんかそれらしいのあったような、なかったような……

 

なんとなく異世界モノを読んでたりすると、見落とすことがある。俺はもう一度自分の『ステータス』を見て、自分の技能をチェックする。そこには『神の加護』と『鑑定眼』、『偽装』というものがあった。

 

『神の加護』はさっきのエンチャント系以外に何かあるのか?

 

『神の加護とは、付与魔法のこと。完全防御付与や、完全治癒付与、全状態異常完全遮断etc.....。等の該当に当てはまる。他にも時と状況と場所と敵によっては、全ての攻撃を無効にすることもできる』

 

な、なんとチートな技能だったんだ!!なんとなくよくある『神の加護』かなって思ったら、ちょっと違ったチートだった!!

 

次に『鑑定眼』を見た。

 

『鑑定眼とは、鑑定士でも上位の者にしか持ち合わせれない技能。神に与えられた者のみが持ちうる技能。通常の鑑定士は与えられない技能。通常の鑑定士と上位鑑定士では、物の価値観が完全に異なる。見極める能力が優れた眼』

 

うわ…、これもヤバい……

 

最後に『偽装』を見た。

 

『偽装とは、主に自分の身分を偽ること。体格や年齢、性別、職業等の相手に対して適した身分に偽ることで、自分の身を守ることが出来る。またこの技能を使っても、元に戻るので何度でも使える』

 

おぉ、これはこれで使えそう…!

 

俺の見た目的にも『俺』ではなく、『僕』が適任だと思う。神様がショタコンだってことが言いたいなんて思ってないが、そういう体格だから『俺』と使うのはなんだか変な感じだ。

 

俺自身、身の丈に合ってない体格してるにも関わらず一人称が変だと違和感を感じるからな

 

クロはすでに疲れて眠っている。朝が来たらまたクロに相談しよう。報連相は大事だから。

 

「おやすみ、クロ」

 

「むにゃ……おやしゅみ、……ハルしゃん……」

 

可愛い、尊い。そう思いながらクロをギュッと抱きしめて俺も眠った。今日一日なにかしてた訳じゃないが、色々ありすぎて頭が疲れたのだ。休息しないと頭がパンクしそうだったのもある。

 

今夜はいい夢を見れますように……





文の長さは偏ると思います。
悪しからず<(_ _)>
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