強い衝撃を感じたと思ったら、俺は地面に倒されていた。口の中を切ったのか、血の味がする。立ち上がろうにも体は動かない。
何があった?いったい何が起こっている?
動く頭で体を見れば、ロープでぐるぐる巻きにされていた。何故?
「Mission complete」
声の方へと見上げれば、巨人と間違え兼ねない威圧感を持つのに小柄な、しかし引き締まったアスリート体型のどこか懐かしい男とその背後に高校の制服姿の4人の男がいた。先頭の男が軽い自己紹介をする。
「先ずは自己紹介だ。オレは世界の果てまで遊び尽くす織田の隊の隊長をやっている
「何その世界を大いに盛り上げる涼宮ハル
意識がはっきりすると同時に突っ込んでしまった。というかどうしたんだこのボケボケの男は?あと隊長の背後にいる男の1人、女の子と間違えかねない白衣を羽織った方が変なボタンを押してピンポイントで被せていた。そのスイッチはための用途かい。
「著作権が気になりまして」
そういう問題かい?それと最後の一文字じゃなくて、真ん中くらいを伏せろや。
つっこもうかと思ったがリーダーらしき男が追加で説明する。
「略称はSA
「中身も作者もレーベルも違う所に行った!?つうか微妙に臥せれてねぇよ!」
どや顔で述べるリーダーに全力でつっこんだ。
「そういった諸々はあの山の向こうくらいにあるんじゃないかな?」
ピー音のボタンを押していた男が本気かボケかわからない返しをする。
「おや?腹を抱えるほど笑わせてやる若林の団ではわわ団ではなかったのですか?」
リーダーの背後の1人、ボタンを押してない賢そうに見せたいがために眼鏡をしてそうなやや身長高めの自然体な男が疑問を呈した。それにリーダーは答える。
「1週間前に飽きたから変えた」
「変えんなよ!そしてなんでどっかの軍師みたいな略し方にしたんだよ!あと織田じゃないのか!?」
2人のボケボケした会話に叫ばずにはいられなかった。簀巻きだが。
「天下統一寸前まで行って縁起がいいからつけてる」
「寸前で裏切りにあって逆に縁起が悪いわ!だったら統一できた豊臣か徳川だろ!」
余談だがSATだと特殊襲撃部隊という警察の特殊部隊になる。そんなことより、
「そして若林どこからきて何処へ行った!?」
「さぁ?」
名を付けたリーダーが知らなかった。それでいいのか?
「北極に行ったから次は南極に行くとは言ってましたね」
「ブラジルでサッカーやったんで次はスペインに行くゆうとったで」
「ナサ行ってたら自家製ロケットで宇宙行きたくなったらしい」
リーダーの背後で色々言ってる。若林さんはアクティブ過ぎませんかね?というより、
「行き先はともかく、なんで元の場所がバラバラなんだよ?」
若林さんは何処から来て何処へ行くのか
「さあ?」
「知らん」
「わからんわ」
「此方が教えて欲しいよ」
メンバーの誰にもわからなかった。良いのかそれで?あと違う、聞きたいのはそういう意味じゃない。しかし気になったのは
「それにそれ全部行ったのかよ?」
「ああ。毎度毎度部室に奇妙な置物が増えて困ってる」
「団の中でも1番フリーダムだからね」
「リーダー越えとりまんがな」
「しかも本当にロケットを作りかねないのがなんとも……」
駄目だ、ツッコミきれねぇ。
「……ジブリ団つうのもあるんやで」
今度は身長比でいえばひょろりとした印象を受ける、違和感しか感じないエセ関西弁の大男が呟話題を投じた。そしてリーダーは解説を加える。
「常識をぶち壊す理不尽の団でジブリ団は、はわわ団の3日前に変えた。流石に略称がヤバいと思ってな」
「『竿』や『はわわ』ならいいと思ったんかい!?」
「いいんじゃないか?」
何も考えてなさそうな顔でリーダーは答えた。
とりあえず、これ以上こんなボケを聞きたくないんで流れをぶったぎる。
「お前らは
団の名前をコロコロ変えるところとか。
「その素晴らしき世界に
「このスバとABを混ぜてアレンジを加えるなー!」
ダメだ。何かボケのきっかけがあれば止め止めもなくボケ続けてる。
「だいたい、なんで俺はぐるぐる巻きにされてんだよ?」
「それは君が我等のメンバーに必要な能力を持っていたからだ」
「それはなんだ?」
嫌な予感しかしないが聞かずにはいられなかった。
「ツッコミ属性だ!」
沈黙が流れ、世界は風をぴゅーっと吹かせて誤魔化そうとした。
ああ、そういえばこの人達ボケしかいない。真面目にボケるか計算してボケてるのかは不明だが、どちらにしろツッコミ不在だ。
「ざけんなー!」
この日から俺は非常識に巻き込まれる事になった。