赤龍帝ラプソディ<渡る世間は地雷ばかり>   作:梅干・ザ・花

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章の名前の元ネタはヒカシューの『20世紀の終わりに』だゾ。
気になる人は聞いてみよう!
あらすじ読み上げマンの事は気にしなくても大丈夫です。


第0章 20世紀の終わりに
第一話 アンチ・ヘイトは念のため


 

 

 

 

 

 

_____________________瓦礫、廃墟、荒廃、まさしくこの三つの単語が似合う場所であった。

 

 

西暦20××年、8月16日午前7時22分

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、ホントに……」

 

 

 

 

 

 

廃墟のビルの屋上、真っ赤な鎧を敵と自分の血でさらに赤くして、積み上げられた瓦礫の上に胡座をかき、自らの血に濡れたタバコの煙をくゆらす男がいた。

 

 

 

 

 

「どーして、こんなことになっちまったかねぇ……」

 

 

 

 

 

そう言いながら男はボリボリと頭を掻く。

男の名は兵藤一誠。通称イッセー、本来であればライトノベル『ハイスクールD×D』の主人公になるはずだった男だ。

 

なるはずだった。というのも、タグで大体察しているとは思うがイッセーは俗に言う『憑依転生者』という部類に入る人種なのだ。

 

さて、ここまでの道のりを簡単に説明すると、イッセーの前世は世界を旅するのが趣味である会社員で、ネパール行きの飛行機に乗った際に不幸にも飛行機事故が起こってしまったのである。

因みに前世の本名は本願寺 基樹。普通だね。

 

飛行機が真っ二つになるところで彼の意識は途絶え、その後目が覚めたイッセーは驚愕した。どこぞの名探偵の如く身体が縮んでしまっていたのだ!

 

なおかつ、生前自分が読んでいたハイスクールD×Dの主人公兵藤 一誠に憑依してしまったのだ。ちなみにその時の年齢は10歳。

イッセーは狂喜乱舞した。よっしゃ!D×D世界を旅するついでにハーレム作ったろ!ウッヒョヒョーイ!

 

と、そんな俗っぽく下心フルオープンな野望を抱いた彼は、精神世界に居たために憑依者である事情を初めから知っていた赤い龍ことドライグと共に常々文句を言われながらも原作開始まで鍛練の日々を重ねた。

 

もちろん、イッセーがドライグに自分の野望を伝えたら、ものすごく微妙な顔をされたのは言うまでもない。

 

幸い、イッセーは原作よりもは戦闘に関しての才能は有ったためすぐに神器である赤龍帝の籠手の使い方をマスターし、ついでに禁手も滞りなく出来るようになったイッセーは、前世の知識を利用し意気揚々と物語の舞台である駒王学園に入学した。

 

前世で読んだオカルト研究部の女性陣を想像しながら……。

 

だが、其処で彼は衝撃の事実を知ることとなる。

 

なんと既にハイスクールD×Dのヒロインが原作では一ミリ足りとも登場していない全く見知らぬ明らかにあり得ないほど容姿が整いすぎて逆に違和感のある男のハーレムメンバーに加わっていたのだから。

 

当初、イッセーと彼を通じて原作を知っているドライグは唖然とした、あの男は誰なのか……と。

二次創作界隈をよく知る読者様なら見知らぬ男の正体がすぐにわかるだろう。

 

そう、男は俗に言う『転生オリ主』という存在だったのだ!

因みに名前は『織主 零』

見事なまでのテンプレ転生チートオリ主だね。

因みに特典として色々な漫画やアニメの能力などを持っていた。

だめだこりゃハーレム作りたがってるな頼むから死んでくれ。

 

え、幼なじみのイリナさんはどうしたって?今のイッセーが兵藤 一誠に憑依した時には既に引っ越ししてた上に一切の連絡が無かったので、イッセーはまあそんなもんだろうと特に気に止めてもいなかったのだ。

 

ヒロインを預かり知らぬ所でかっさらわれたショックで夜しか眠れなかった彼であったが割とすぐに立ち直った。ドライグにはガチで心配されたが。

 

ならば原作のメンドーな事件は織主零に任せてさっさと退散しようと考えたが、ヒロイン目当てというのもあるが、駒王学園に入学してランクの高い大学に進学して事情を知らずともここまで手塩に掛けて育ててくれた両親に親孝行したいと言う気持ちと、転生後に大親友となった松田と元浜、その他気前の良い友人達と同じ学舎で過ごしたいと言う思いと近所に住む謎のインド人のチャンドラーさん(独身)に申し訳ないという事からそれが出来なかったのだ。

 

しばらくは、平穏な学園生活をエンジョイしていた彼だったが長く続くことは無かった。

原作にはないイレギュラーが起こり、駒王町のはぐれ悪魔共が蜂起し、とんでもない大混乱が起こったのだ。(時系列的に言えばコカンヒエールとか言う堕天使の後)

 

はぐれ悪魔の中にはどういうわけか魔王クラスの実力を持つものもいて織主陣営が手をこまねいていて駒王町は壊滅寸前となった。

 

そこで彼はあらかじめ両親と親友を避難させ、仕方なく禁手化してはぐれ悪魔達を蹴散らしたのだ。

そんでもって、駒王町の一般市民に魔術で記憶処理を施し混乱を納めた。

これが原因で三大勢力から認知され警戒されるが、悪魔陣営から感謝状と図書カード500万円分が贈呈されたよ。やったね!

 

そこで終われば良かったのだがそこで織主陣営に正体がバレたため何かと事あるごとに突っかかれるようになった。

 

やれ俺達の方が早く事態を解決できただの、やれここはラノベの世界だから力を持つものには責任があるだの、やれ自分勝手に力を使うなだの、そんな薄っぺらい言葉を投げ掛けてきた。

 

むしろ彼とドライグから言わせて見れば、神からもらっただけの特典をあたかも自分の力だと傲り、この世界を現実と認識せず、自分の失態を棚にあげ自分ならもっと上手くやれると何の疑いもなく信じきっている織主は滑稽で愚かだった。

 

その後織主は、原作が終わるくらいまで彼と顔を会わせる度に織主特有の上から目線のSEKKYOUをかまし、言葉で分からないなら力づくでわからせてやるなどといい戦闘を仕掛けてきた。

 

しかし、毎日コツコツと鍛練を積んでいるイッセーに毎日オカルト研究部メンバーと乱交パーティーばかりしている織主が勝てる訳もない。

 

甘ったれの天才が努力した天才に勝てる訳がないのだ。

 

ありとあらゆるマンガやアニメの力を何の考えもなしにただただ振るうだけの織主をイッセーは神器も使わずCQCで仕留めた。

プライドをズタボロにされ失禁した織主はしばらくは突っかかって来なくなったが、数年後なんやかんやあって織主陣営はテロリストととなりイッセーに襲いかかったのだ。

 

織主零は平行世界をわたる特典でありとあらゆる世界の技術と力を略奪し、強大な軍団を引き連れて駒王町に現れた。

 

何だかんだで、三大勢力のトップとのコネクションを持ったイッセーは三大勢力の連合軍と共にこれを迎撃。しかし、織主軍団は凄まじく、多くの犠牲者が出てしまい魔王のサーゼクスやら熾天使ミカエルやら堕天使のおっさんのアザゼルまで重症を追ってしまいこれはいけない、とイッセーは連合軍を下がらせ駒王町をなんかすげぇ結界で囲み織主軍団との一騎討ちに望み……そして、冒頭の場面に至るのだ。

 

 

 

※転生オリ主がみんな織主零みたいな奴とは限りません、もしお近くで転生オリ主を見かけてもそっとしておいてあげましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初めは、こんなのが今代の使い手か……と思った。

ごく普通の戦いのたの字も知らない平和ボケした一般家庭のガキが俺の使い手であったな。

 

俺のことを知ろうともせずにただただ平和に過ごす相棒には苛立ちを覚えた、このまま一生使われ仕舞いのまま終わるか、先に白いのに見つかって殺されるかの二択だ。

 

俺としてはこんな只のガキからおさらば出来るならそれでもかまわんと思っていたよ……あの時が来るまでは。

 

相棒が10歳の誕生日を迎えて間もない頃、テレビで海外の飛行機事故のドキュメンタリーの特番が放送され相棒もそれを見ていた。それが、大きな転機。飛行機が爆発するのを見たとたんに相棒は気絶した。

 

瞬間、俺の中にありとあらゆる記憶が流れ込んだ、相棒の前世の記憶が。

 

例を挙げるとするならば、相棒がもともと本願寺基樹と言う名前だったこと。世界を旅するのが好きだったこと。旅先の路上でギターを演奏し、音楽好きの仲間が国籍問わずできたこと。結構なナンパ野郎で旅先の美女美少女に声を掛けまくっていたこと。逆に美女美少女に声を掛けられる事が多かったから嫉妬の対象になったこと。

うん、こいつ只のヤ◯チンだ。

 

 

……そういえばこいつはありとあらゆる種族の美女美少女にナンパしまくってたし、逆に言い寄られることもあったな……。しかももれなく全員抱いたしな……。うん、あれはすごかった。

俺の影響かと思ったが大間違いだったな。

 

 

 

……話を戻そう。

特に驚いたのは、俺が……俺達を取り囲むこの世界が相棒の前世の世界では架空の物語扱いだったことだ。ドラゴンである俺も月までぶっ飛ぶ衝撃だった。

 

ふざけるな、と思ったよ。だが相棒は俺が見た記憶は間違いなく正しい物だといった。

 

もしやここも架空の世界なのか?ふと相棒に聞いてみたが

 

『さあ?俺の知ったこっちゃないな。てかそれ考え出したらキリがないやつだよ。うん』

 

と返され馬鹿らしくなってしまった。全く適当なヤツだ。

 

記憶を取り戻した相棒はその瞬間から鍛練を始めた。前世の記憶を駆使して、精神世界の中で俺を巻き込んでだ。

 

俺も記憶を見ていたから分かるが……よくもまあ、相棒はあんな技を再現しようと思ったな、なんなのだ?キン肉バスターって?

……ああそうだこいつはビー玉を飛ばすおもちゃで指の骨を折ったことも有ったな。

 

相棒のもともとのスペックはそこまでのものじゃなかったが、たったの半年で安定した禁手を出来るまでに成長して見せた。

 

『世界中旅して美女美少女をナンパしまくるZE☆』

 

相棒はそんな低俗な願いを叶えるために地獄とも呼べる鍛練にひたむきに取り組んでいたよ。本人は聖闘士よりかはマシだと笑ってたが比較対象が間違っていると思う。

 

俺は相棒のその心に、魂にひときわ輝く物を感じ、強く惹かれた。自分の目的のためならどこまでも努力するという心意気に……。

 

だからこそ辛かった。あの忌々しい男、『織主零』のせいで傷付いていく相棒を見るのが。

 

……ああ、織主零の糞野郎は事あるごとに相棒に突っかかってきたよ。そして相棒を捨てて俺の相棒になれとほざいたことも有ったな……。

オマエなんかの相棒になるわけないだろう、井の中の蛙以下の自惚れが、キン◯マすりつぶしてペースト状にしてやろうかこの生ゴミが!死んで詫びろや!……と、言ったら『ドライグ、お前は兵藤一誠に洗脳されてるんだ!目を覚ませ!』とか言いやがったよ、目なんかとっくの昔に覚めているとも。

 

まあ、その後相棒と織主零のタイマンはものすごくスカッとしたがな!

俺を使わないで相棒の純粋な体術で翻弄される織主零のあの顔は見ものだった、最後には織主零は敗北のショックで訳のわからないうわ言を並べながら仕舞いにはあのメスどもの前で失禁したよ、ざまぁ。

 

……だが、そのせいで相棒は……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっとちょっとドライグさぁーん?モノローグ長くね?そこまでにしとかないといつまでたっても終わらねーぞ?」

 

『聞いていたのか……?相棒……』

 

「当たり前だ、端からケツまで全部丸聞こえだったぞ?てかお前、俺のこと最初はそんな風に思ってたのかよ?失礼しちゃうぜ」

 

『実際、そうだろう?お前、この数年間節操なく人外の美女美少女を抱いていただろ、ある意味織主以下だぞ』

 

「かーっ!お前、長年連れ添って言う言葉がそれかぁ!いいだろ、あっちから誘ってきたんだ、織主みたく催眠使った訳じゃなくて双方合意の上だからな!?」

 

『全く、お前と言うやつは……こんな状況でよくもまあ余裕でいられるな』

 

「ああそうだな……さてと、アレをどうにかしないとな!」

 

相棒が見上げた空には白く、巨大な、凶星が地表に落ちて来ようとしていた。あの生ゴミ野郎が最期に残した最低最悪にして下劣で劣悪な置き土産、アレから放たれるエネルギーは核ミサイルが可愛く見えるレベルだ。

 

もし、アレが落ちて来たら……。

 

「日本どころか地球がヤバイって言うんだろ?おまけに世界で最強クラスの面々が破壊できないってレベルと来た。あの野郎とんでもねぇ置き土産残しやがって……」

 

『……ありとあらゆる世界の技術から作ったものだろう。解析したがな、ほとんどこの世界おいてはオーバーテクノロジーだ』

 

あの生ゴミは、あの星を『神の裁き』と称していたな……。本物の神を見ておきながら自分を神だとのたまうとは、相当、自分に酔っていたのだろう……。

 

などと、俺は心の中で悪態をついてみるが状況は変わらない。

アレを止めることはもはや不可能だろう……たった一つの方法を除いては。

 

「まじかよ!打つ手無しだな」

 

だが、その方法は……!

 

 

 

 

 

()()()()()

 

 

 

 

 

『相棒。その方法は……』

 

「ああ、わかってる。てか、それ以外に選択肢なんかないんだよなぁ……」

 

『だが!それではお前は……!』

 

「死ぬ」

 

『ッ!?』

 

「そう言いたいんだろ?だがなドライグ、アレを使わなきゃあのデカブツを止めるのは絶対に無理だ」

 

相棒の言うアレとは、俺と相棒が可能性の中に見いだした覇龍の派生……。

 

 

『終幕なる命灰の覇龍疾走』(グランドフィナーレ・オーバードライブ)

 

 

ソレは文字通り、命を燃やしてこの世の全てを超越する究極の覇龍。

だが使えば最期、間違いなく相棒は死ぬ。一度発動させてしまったら、命を燃やし尽くして灰になるまで止まらない。

 

相棒が、ロマンありまくりじゃねーか、BLEACHみたいなオサレ詠唱考えなくちゃ(使命感)と言い出したのをよく覚えている。

考えて来た、といって胡散臭い呪文を覚えさせられたことも。

 

解析した俺だから言える……これ以外に生ゴミ太郎の置き土産を止めることはできない!

 

この時ほど、己の非力を嘆いた事は無い。

 

『他に方法が無いのは重々承知だ。だがお前はそれで良いのか!?』

 

「いいさ……父さんと母さん、松田と元浜、近所の謎のインド人のチャンドラーさん(独身)には申し訳ないけどな!

 

 

 

 

 

 

 

……それになドライグ、俺はこれっぽっちも後悔はないんだぜ?俺がこの世界に来た時から楽しい事の連続だったろ?」

 

『相棒……』

 

「父さん母さんと世界中旅行したり、松田と元浜とバンド組んでおひねり荒稼ぎしたり、謎のインド人のチャンドラーさん(独身)の店でバイトしたり、サーゼクスさんとミカエルさんとアザゼルのおっさんと駒王町の北側のゲーセンで酒とつまみを買ってからしこたま遊び倒したり、色んな種族の女の子をナンパしたりされたり、気持ちのいいことしたり数えたらキリがないな!

 

 

 

 

 

……お前との鍛練の日々は辛かったけどよ。そのお陰でアレをどうにかできるってもんだぜ?」

 

『…………』

 

相棒……俺はな、今までお前に隠して来たことがあったんだ。

 

「いやー充実した人生だったな!ホント、ドライグ様々だな!ま、次の宿主にあったらさよろしく言っといてくれよな!」

 

……最早言うのは今しかないだろう、これが最期の別れなのだから。

 

『相棒……』

 

「なんだ?ドライグ?もしかして泣いてらっしゃる?やめてくれよな~そういう湿っぽいの、名残惜しくなっちまう」

 

『相棒、いやイッセー……!』

 

「お、おう?」

 

相棒に全てを話す決心がついた俺は、相棒が憑依した日からずっと掛けてきた変声の魔法を解いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

『好きだッ!!(上坂す◯れボイス)』

 

「はい?」

 

『愛してるッ!!心の底からッ!!(上坂す◯れボイス)』

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が相棒に隠し続けた秘密、それは……

 

「もしかしてドライグお前……メスだったの?」

 

『ああ……そうだ、お前が……その……イッセーの前世がとんでもないヤ◯チンだと知ってしまったから貞操の危機を感じて……今まで男だと偽ってきたのだ……』

 

「ははーん?さては超絶イケメンの俺に心のそこから惚れて今に至るところか?」

 

『ふ、不本意だが……そ、その通りだッ!だから、俺はお前に逝って欲しく無いのだ!』

 

「ものの見事にメス堕ちしてんねぇ(ネットリ)」

 

『う、うるさいっ!言うことは言った!さぁ!アレを止めるぞッ!!早くしろ!!』

 

「……最期の最期で相棒に告白されるとはな、やっぱ俺は超絶イケメンだな!……よっこいせ」

 

イッセーはタバコの火を消しおもむろに立ち上がった、もはや時間は大した残されていないだろう。

 

……ついに、別れの時が来たのだ。

 

「ドライグ、ちゃんと覚えてるよな?超絶イケメンの俺が考えたオサレな呪文」

 

『オサレかどうかは甚だ疑問だが……覚えているさ』

 

さんざんお前に覚えさせられたからな、イッセー!

 

「さっすがドライグ!俺の相棒だな!……んじゃ、ちゃっちゃと始めちゃいますか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イッセーが赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を発動させ禁手すると、拳を天に掲げた。

 

 

 

「_________灰よ」

『囚われのヒト科どもよ』

 

 

 

瞬間、俺とイッセーの周囲を膨大なエネルギーが包み、イッセーの命を薪として膨張する。

 

 

「無機物のパレードよりも遠く、魂の故郷よりも遠く巡航し」

 

『庭師の王と狙撃主を訪ねよ』

 

「白痴の将軍と覚醒(めざ)めし鎗師は(まこと)に迫れ」

 

『野獣の少女とトカゲの詩人は純愛を育め』

 

 

 

『終幕なる命灰の覇龍疾走』(グランドフィナーレ・オーバードライブ)を発動させるための祝詞が終わろうとしている……。

 

 

 

「ホモ・ゲシュタルトの風を裁ち」

 

『雨を降らせ虹を掛けよ』

 

 

 

……なあイッセー、もしもお前に次があるのなら……また俺の相棒になってくれないか?

 

 

 

「幾重にも緑の領域を往き」

 

『我等の言葉を聞け……!』

 

 

 

だから、それまで暫しのお別れだ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「『オセアニアじゃあ常識なんだよ!!!』」

 

 

 

 

 

 

 

 

『GRAND FINALE OVERDRIVE!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おい、イッセー。

 

なんだ、ドライグ?

 

お前は俺を……いや、私を恨んではいないか?

 

いや全然、むしろ感謝しっぱなしだぞ?

 

……そこまで適当だと最早褒めることしかできんな……。

 

唯一……。

 

ん?どうした?

 

唯一心残りと言えば、今シーズンの相棒の最終回が見れなかったことだな!

 

ぷっ……!ふはははははっ!……最期の最期でそれか?てっきりもっと女を抱きたかったとかをだと思ったぞ!?

 

わ、笑うんじゃねーよ!とっくに童貞卒業した俺にとっちゃ死活問題だからな!?

 

どうだか……ああ、そうだイッセーお前に聞きたい事がある。

 

なんだよ?

 

も、もしも私がお前レベルの超絶美女だったら……。

 

俺レベルの超絶美女だったら?

 

わ……私をあのメスどものように抱いては……くれないか?

 

勿論、超絶イケメンの俺レベルの超絶美女だったらな!

 

そ、そうか!で、ではその時を楽しみにしているぞ!?

 

ああ、こちらこそ!……あ、なんか、眠くなって来たわやベーな終わりが来たよ。シャレになってないよこれ。限界来ちゃったな~。

 

そうか……なら、これ迄だな。

 

おっ、そうだな……ドライグ。ごめんな、せっかく告白してくれたのにこんな結果になっちまって。

 

……っ

 

おやすみ。

 

ええ、おやすみなさい、イッセー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっと……自分の意思で眠ったか……。

 

ああ、意識が遠退いていく……。

 

せめて、今だけは歴代最強にして最高の相棒のために祈らせてくれ……。

 

 

 

 

 

 

……イッセー。願わくばあなたの来世が今よりも、もっと幸せなものになりますように……。

 

 

 

 

 

 

 

赤き龍の瞳から大粒の涙がこぼれ落ちる……。

 

 

 

 

 

 

西暦20××年、8月16日午前7時22分

 

この日、一人の漢と龍の物語が幕を下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いいカラダしてんねぇ!ホントに……よし、決まり!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある神の一柱が見ていることに気付かずに……。

 

 

 

 

 

 

 

 




詠唱の元ネタは平沢師匠の楽曲と淫夢とパプリカって映画です。

白痴の将軍=MUR大先輩
覚醒めし鎗師=KMR
野獣の少女=野獣先輩こと田所
トカゲの詩人=世界の遠野

3/17日0:52
間違えて修正前の内容を投稿してしまったので修正しました。
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