最近ネトフリで聖闘士星矢ばっかみてます。
引くほど真っ青な空。それが最初の感想だった。
更に言えば、ありとあらゆる構築物がまるでツギハギのように立ち並ぶ。
向こうの原っぱは無数のスローロリスで構成され、後ろ足しかないのっぺらぼうの馬のようなナニカが飼育されている。
近くの畜舎にいたっては壁面が猫の顔で塗り固められていた。
見渡せば、そんなよく分からない光景の中で、野獣のような女(?)が至るところで忙しなく働いている。
刀を持った女が馬のようなナニカを真っ二つにして中から肉と金属の塊を取り出しては粘土で出来た車に積み込む。
遥か遠くにある建物は図書館だろうか?
頂上に取り付けられた時計の針、よく見たら薄く引き延ばされたヒトの手のひらだ。キモ(直球)。
目が覚めた俺こと超絶イケメンの兵藤一誠は、長年の相棒との別れの余韻に浸るまもなくいつの間にかワケのわからんサイケデリックなカオスな空間にいた。
おっ、あれか?ついに俺もなろう主人公デビューか!?
『おい』
あれ、おかしいななんでで後ろからさっきメス堕ちした俺の相棒の声がするんだ?幻聴か?
……やだなぁ、前世と今世を合わせたらだいたい70歳だから早めの認知症を患ってしまったのか?
『ふざけている場合か?相棒?』
いや幻聴じゃないわこれ、そう思いながら後ろを振り向く。
「え?なんでお前いんの?前回今生の別れっぽく締めたのに?」
見上げればそこには真っ赤な龍、俺の相棒ドライグが俺を見下ろしている。だが、前みた時と違って3メートル位に縮んでいたこのカオスでサイケデリック極彩色空間に、俺の偉大な相棒の赤はよく映えた。
何故ここに?てっきり次の宿主に移ったと思ったんだが……。
いやそうじゃないな、ヤバイな。ドライグをオスだと思ってた時みたいな対応しちゃったよ。種族問わず女の子の心は繊細なのだ。
『そんな事俺が知るか!ふんっ』
うん、案の定怒ってる。
「お、おいなんかゴキゲン斜めだな?」
『当たり前だ!好いている男に何でいんの?と言われたら誰だって怒るであろう!』
「ゴメンな……悪かった。嬉しくてついからかっちまった……ホラホラ、機嫌直してくれよ」
『そんなんで機嫌が直るか!?それでもヤ◯チンか貴様ァ!!』
「近い、近いっての!悪かったっておまっ」
ずいっと、俺の目と鼻の先に顔を寄せてくるドライグ。俺じゃなきゃ失禁ものだろう。
俺は慣れてるから大丈夫だ、何年もこいつの面を拝んで来たからな。
……というか、前から思ってたけど意外とカワイイ顔してるんだよなドライグのヤツ。
よっしゃ、試しに鼻先にキスしてみるか。
『ホワアァァァーーーーーーッ!?』ボフッ
おっ、赤い龍が更に赤くなってら。ご丁寧に効果音付きだ。
ふっ、チョロいな!やっぱ英国面だな?ところでウェールズって英国面だっけ?
「ハッハー!可愛らしい反応できるじゃない!」
『き、きっさまァ~!絶対チョロいとか思っただろう!?というかメスだと判明した途端ぐいぐい来るな相棒!?』
「声が上坂◯みれそっくりだからな」
『そうなのか!?』
「そうだよ(便乗)」
うーん、もう少しメスドラっぽかったら全然抱けるんだけどな~。pi◯ivに流れてるような感じの。ついでにおっぱいがデカかったら完璧だわ。
などと、考えながらドライグの頭を撫でる。
『ぐるるっ……なんかものすごく失礼で卑猥なこと考えていないか?』
「いやいや、そんな事は断じてないぞ?」
うーむ、思ったよりスベスベしていらっしゃる。
『どうだか……そんな事よりも相棒。ここはいったいどこなんだ?次元の狭間とは思えんが……それにあの女ども同じ姿のやつが何匹もいるぞ』
「俺もわからないぞ、目が覚めたらここにいたからな」
『ウム……俺とそんなカンジだそれに、神器の中に戻ろうとしたが出来なかった。』
やはりドライグもこの状況を把握していないらしい。それに、神器の中に入れないとなるとマズイな。実質
『大丈夫なのか、やつらに敵意があるようには思えんが……』
「平気だろ、むしろ俺たちが現れたのに無反応なのが気になるしな」
そういいながら俺達は女の元へと向かう。
ドライグを撫でるのを止めた俺は、馬のようなナニカの近くで作業をしている女に話しかけた。頭を垂れて謝ってくる。
「おい、そこの人」
「ん?……ファ!?なんでここにトカゲがいるんですかねぇ……?」
『誰が、トカゲだ!?俺は誇り高きドラゴンぞ!!!』
こらドライグ。トカゲ呼ばわりされたからって怒っちゃダメだぞ。
「オォン!アォン!」
振り向いた女は、作業の手を止めたがドライグに驚いてしまったようだ。そのまま頭を下げて謝ってくる。
「すみません許してください!なんでもしますから!(なんでもするとは言ってない)」
「ん?今なんでもするって言ったよね?じゃあ、ここがどこだか教えて貰いたいんだけど……」
『待て相棒!その前にこいつを燃やすのが先……』
「すまんな、今だけは黙っててくれ」
俺はドライグの尻尾の先を握った。
『ひゃわぁぁんッ!?にゃ、にゃにをするのだ!?』
思った通り尻尾の先は弱いらしい爬虫類系の種族の女の子もみんな尻尾の先が弱かったからな!ヤってる最中に握ったりすると可愛らしい反応をしてくれたものだ。(しみじみ)
「えっなにそれは……?」
おっといけない、話を聞かなきゃ。
まだ怒ってるドライグを宥めつつ話を聞くことにするり。
「驚いてるとこ申し訳ないけどな、ここがどこだか教えくれ」
「あ、いいっすよ(快諾)」
「えっと……あー、この世界は『イン・ムー』って呼ばれていますねぇ!この世界は基本的に『コート』『アクシード』『サムソン』『クッキー☆』の4つに分かれてるってはっきりわかんだね」
「コートは主に生産や加工を中心ですねぇ。食べ物や日用品などを作って他のエリアに送ってるんですよ」
「アクシードはこれ迄の転生者や世界に関する資料や文献を保存していますよ」
「サムソンは自称神や不正な転生者への裁判や刑罰を担当していてぇ……流刑地として『下の世界』つうずる門があるらしいっすよ。いやだねぇ……」
「クッキー☆は娯楽の場所で、二回目以降の転生を望まない転生者などがここで楽しく暮らしていますよ。因みに正規の転生者でなくても生前の行いによってはここに移されるゾ……滅多に無いですけど。」
「そんでもってこ↑こ↓は『コート』の生産エリアだゾ」
「こ↑こ↓では主にそこにいる『MUR肉』の飼育をしてますねぇ!そして、MUR肉から取れる肉やヤメチクリウムは加工されて他のエリアや正規の転生者への物資として送られますよ!」
「他にも腺濁類とかぬぶなども育てていますねぇ!
仮にこ↑こ↓が無くなったら大変ですよ!支給品が作れなくなっちゃいますからねぇ!」
話によればここは完全に俺達が住んでいた世界とは全くの別の次元に存在するらしいな……。
「あー……今のでだいたいわかりましたかね?」
「あ、まぁ大体は」
それにしてもMUR肉だとか腺濁類とぬぶってなんだよ。
詳しく聞いてみたいのだが話の中に気になる単語が出てきた。聞いておかなければならないような気がするので置いておこう。
「取り敢えずもうひとつ聞きたいんだが……」
『
おおう、俺が言う前にドライグが聞いてしまった。んまぁ、ドライグとしても聞いておきたい事なんだろう。
「あ~、正規の転生者っすかぁ!?それならこ↑こ↓で発行した転生パスポートを所持している転生者のことですねぇ!
転生先でも使える色々便利なパスポートっすよ。
これさえあれば転生先でわざわざ戸籍を用意する必要はないですし、それに飛行機だって乗れますよ。
因みに、初めて転生される方はコートの中心にあるタニオカで発行手続きができますよ。ホラ、あの時計塔がある場所です。あそ↑こ↓。あっそうだ(唐突)このパスポートを所持していない転生者は不正な転生者と言っても過言ではないですねぇ。ん……ということはお二人さんはもしかして転生予定の方っすかぁ?」
転生予定の方とは俺達の事なのだろうか?だけどそれならここにいるのはマズイのでは?
「いやーそれがですね、俺達は気がついた時ここに居たんですよ。だよなドライグ?」
『ああその通りだ。それに俺達は転生パスポートなんてモノは持ってないぞ?』
彼女に、パスポートなんてモノはないと伝えた。
「ん、そうですよねぇ……パスポート持ってないってことは転生予定者のハズだし不正な転生者ならこ↑こ↓じゃなくてサムソンの方に転送されるはずですからねぇ……これもうわかんねぇなぁ……?」
そういうと彼女は考え込んでしまった。どうやら俺達がここにいるのは異常らしい。
(どーするよドライグ?)
とりあえず今後の方針を相談すべくドライグに念話を飛ばす。案の定ドライグはすぐに返事を返してくれた。
(……とにもかくにも、そのタニオカの時計塔にいくべきであろうな)
まあ、そうだろうな。パスポート発行して貰えるらしいからそこに向かうのが妥当だよな。
(そうだな……歩いていけばすぐだろここから行けない距離でも無さそうだし)
すぐさま念話を返すと今度はドライグから不安げな返事が返ってくる。まあ、大体内容は察することはできるが。
(だが相棒大丈夫なのか?)
(なにがだよ?)
(やつが話した不正な転生者の話だ。もしも俺達がそうならマズイんじゃないか?)
まあそう思ってしまうのも無理はないだろう。だがそれは無いとドライグに伝える。
(あー確かに、だけど彼女は不正な転生者はサムソンってとこで裁かれるって言ってただろ?そこに転送されてないってことは問題無いってことだろ)
それにほらアレだろ?俺は天然モノの超絶イケメンなのだ。カワイイは正義。イケメンは無罪。
(悪事なら散々ヤってきたと思うが……?節操無く色んな種族のメスどもを抱きやがって……)
やはりと言うかドライグは不機嫌そうに返した。まあ、そうだよな俺が好きだってのに主に身体的な問題で抱かれることがついぞ叶わなかったのだから。
(いーや、それは悪事とは言わないな!みんな喜んでたし)
だからといって色んな女の子と気持ちいいことをしたのはぜーんぜん後ろめたく思ってないがな!ちゃんと避妊魔法使ったうえでゴムだって着けたし、目だった女性関係でのトラブルは怒んなかったから問題は無いと思いたい。
あ、目と言えばサイクロップスの女の子は良かったなー。みんなおっぱいがデカイししかも単眼だ。もうこの時点でポイント高い上に体も大きいから抱き心地もも素晴らしかった……もう一回ヤりたいぜ。
(俺がいる前で良くもそんなことを考えられるものだな……ばか……しんじゃえ)
(うぉい!?いきなり頭のなか覗くなっての!いやすまんな俺が悪かった。ほーら、尻尾ナデナデしてやるぞー)
(ふん、ならいいのだ……ほら、さっさと撫でるがいい)
イカンな、どうにもドライグをオスだと思ってた時のようなカンジで接してしまうなぁ……。ごめんなドライグ、もしもお前にこれからよくあるご都合主義展開が起こってお前が超絶美女に変身したら望み通りTNTN亭に出てくる竿役ですらドン引きするくらいに無茶苦茶に抱いてあげるからなぁ~?
などと考えていたら沈黙を保っていた野獣女がおもむろに口を開いた。
「あー、えー、はい、これはですねぇ……恐らく今まで前例の無い異常事態だと思うんですよ……」
「と、いうと?」
『ん~……ぐるるっ……』
俺はドライグの尻尾を撫でながら野獣女の次の言葉を待つ。もしかしたらタニオカというところに送って貰えるかも知れないな。
野獣女は続けて言う。
「多分、転送班が座標を間違えちゃったんですねぇ!いや~ホントに申し訳ないっす」
「いや気にしなくていいぞ?それにタニオカの時計塔ってのは見たところ歩いても行けるんだろう?」
『ぐろろー……』
「あー、それなんですけどねぇこ↑こ↓から見える時計塔はあくまでも
「はえ~」
『ん……うっ……はふぅ』
かなり近くにあると思っていたが実際にはそんなに距離があったのか……。それも810km。確かに、ずっと歩いて行くのはキツそうだな……。あとドライグ、ちょっとイッてんじゃねーよ。
「それで?ここからターミナルまではどれくらいあるんだ?近いのか?」
「あー、はい、ここからターミナルまでは大体19.19kmはありますねぇ!」
『なんだと!割りと遠いではないか!?まさかそこまで歩けとは言うまいな?』
結構遠いなーと思っていたがドライグもそう思ったらしく俺に撫でられながら野獣女に凄んだ。しかし、野獣女は特に気にした様子もなく話す。
「えー、それなら心配ないっすよ、今から輸送車のジュセンパに事情を話しますんで、あなた達は輸送車でターミナルまで送って貰って、どうぞ」
お、やっぱ送って貰えるらしいな。では是非ともご厚意に甘えさせて貰うとしようか。にしても、あんたらジュセンパっていう名前だったのか。野獣女とか言ってゴメン。
『大して気にするものでもないだろ』
おっ、そうだな。あ、でもあの輸送車にはドライグが乗るには大分無理があるんじゃないか?少なくとも今のドライグは3mぐらい、対して輸送車の高さは大体2.5mぐらいしか無い。
そう思っていると目の前のジュセンパがその疑問に先に答えた。
「そこのドラゴンさんの事なら心配無いっすよ?あの輸送車のカーゴの中は非局所性領域だから見た目よりも遥かに広いんですよ。だから気にしないで、どうぞ。それじゃあさっそく行きますよ……行きますよ……イクイク……ヌッ!」
「いやー至れり尽くせりとはこの事だな。ほらドライグちゃんとお礼言っとけよ」
『感謝する』
ドライグは顔を反らしながらそう言う。ああそうだった、ドライグは俺以外にはそっけない感じだったりするのだ魔王様とかミカエルさんとかアザゼルのおっさん相手だったらなおさらだ。
「ンモーもう少し愛想良くしろよなー」
『どうしようと俺の勝手だ……うるるっ……』
俺達は他愛もないやりとりをしつつ奇妙なステップで輸送車に向かうジュセンパに着いていきMUR肉牧場を後にした。
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体感時間約4時間ぐらい経って俺達はタニオカに辿り着いた。あのジュセンパが言っていた通り輸送車のカーゴの中は東京ドーム並みに広かった。あのMUR肉という生物から取り出したヤメチクリウムという金属や乾燥した肉が積み上げられていた他、腺濁類やぬぶと思われる生物が入った水槽や貨物の見張りであろうジュセンパ達がいた。あまりドライグの事を気にしていない様子だった。それだけでなく、カーゴ内にはトイレや休憩室までもが備え付けられていた。非局所性領域だっけ?もしも俺に使うことが出来たらかなり便利だろうな色々しまえるし。
そしてターミナルについた俺達は、送ってくれたジュセンパ達に礼を言ったあとにタニオカ行きのモノレールに乗り込んだ。やはりと言うか、モノレール内も非局所性領域らしくかなり広かった。モノレールの中にはジュセンパだけでなく、池沼っぽい坊主頭の男やスローロリス、丸い体から手足が生えた黄色の珍妙な生物、果てには見ているだけでも心肺停止しそうになる顔だけのバケモノが向かい側に乗ってきた。
そんでもってドライグがそのバケモノにビビってずっと尻尾を俺の腕に絡ませていた。かわいいね。
特にそのバケモノに絡まれる訳でもなくモノレールはタニオカに到着した。
タニオカのターミナル内もとんでもなく広かったためドライグと一緒に右往左往しつつもなんとか外に出て今に至るというわけだ。
「ここがタニオカってとこか、あそこに比べて大分都会っぽいカンジだな」
『そうだな、あのジュセンパとか言うやつらもそこらじゅうにいるぞ』
「あーなんというか、同じ顔のヤツがいっぱいいるとどうにも……」
きょろきょろと辺りを見回すドライグには家のなかに侵入してきた野良猫に通ずるかわいさを感じるな。それと同時にエロさも感じる。
ターミナル内にあった見取り図には時計塔までの道のりが記されていた、それによれば今俺達がいる道を道なりに進めばじき時計塔に着くだろう。
例に漏れずこのタニオカってとこもかなりサイケデリックだ。更に言えば建物のほとんどがト◯タのセン◯ュリーのパーツで構成されている。ちらりと歩きながら建物の壁を見れば、宣伝のポスターが貼り付けられていた。
『ケツデカピングー第364364期放送決定!』
『イキスギウム製のフライパンはあなたの生活を豊かにします』
『風景パズルから逃げるな』
『(ザジッゾ・ゾゾジゾッゾザゾ社製のケ~ムケ~◯クンパッツが素晴らしい過ぎて)笑っちゃうんすよね』
『アイスティーしか無かったけどいいかな?』
『いい世!来いよ!』
やはり世界が意味不明だと売られているモノも意味不明になるのだろうか……。まあ時計塔へ続く道の途中には出店が並んでいるけど意味不明なモノはこれといって無いな。
ポスターに描かれたケ~ムケ~ムクン◯ッツってのが気になるしあったら買ってみるか。
『……相棒、そのク◯パッツとやらからは危険な香りがするぞ……買うのは止めておけ』
「ん?そうか……じゃあ、そこの店でアイスティーでも買おうぜ?」
『おいあのアイスティー……変なもの入って無いだろうな?』
「大丈夫だろ、あのジュセンパがアイスティーに睡眠薬盛るようなヤツに見えるか?」
『見えりゅ』
そう言うとドライグは柴犬の如くぶるぶると首を回転させ、尻尾をビタッと地面に叩きつけ不満そうに店へ向かう俺の後に着いてくる。店員のジュセンパは俺達に気づくと「あらいらっしゃい」
と気前よく出迎えてくれた。
「注文はなんですかね?」
「アイスティー二つ分。それとこいつのにはストローつけてやってくれ」
「かしこまりっ!」
『お、おい相棒俺の分は要らんぞ』
「気にすんなっていつもお前には世話になってるし今までまともなモノを口にしてないんだろう?」
『む……それもそうだが』
今までドライグは俺の神器の中で過ごして居たわけだから勿論料理なんぞ食べられることは出来なかった。なぜなら精神世界には食べ物は持ち込めないからだ。だがドライグは『……お前の料理は濃縮された地獄か何かか?』と言われたことがあるが俺の料理ってそんなにマズイかな?まあ、松田と元浜のやつらからも「二度と料理すんな」って言われたからな、実際そうなのだろう。
それでもせっかく外に出てこれたのだからドライグには人間の料理を味わって貰いたいのだ。
しばらくすると、店員のジュセンパがやって来た。
「おまたせ」
そうこういっている内にアイスティーが出来たらしい。店員がストロー付きのバケツサイズのアイスティーをひとつ持ってきた。
ん?これは……。
『おい、店員。……なんだこれは?』
ドライグがアイスティーを指しながら店員のジュセンパに問う。
「アイスティーっすよ?」
『そういう問題ではないっ!なぜこのストローは2つに別れているのだ!?』
「あー、これはアレだなドライグ」
そのストローは二股に別れている上に曲がってハートマークを型どっていた。それはよくカフェで出てくるカップル用のストローだった。
そして店員のジュセンパはドライグに怪訝そうに言う。
「あれ?お二人ともカップルじゃないんすかぁ?」
『にゃっ……にゃんだとぉッ!?俺達をどうみたら恋人同士に見えると言うんだ!?』
「いーじゃんドライグ。どーせそのうち恋人同士になるわけだし……」
「ファッ!?やりますねぇ!」
『ほにゃあぁぁぁぁぁっ!?』ボフッ
あーらら、ドライグがまたまた赤くなってしまったよ。もうさ、赤龍帝から真っ赤龍帝に改名した方がいいんじゃない?
それに……。
「ホントは嬉しいんじゃないのかドライグ?正体見たりって感じだな」
俺がそういうとドライグは更に真っ赤になる。図星だな!
『うっうるひゃいっ!おい、店員!テーブルは無いのか!?』
「こ↑こ↓」
店員のジュセンパは雑魚狩りピエロのように笑いを堪えながらアイスティーを手渡し、テーブルを指し示した。
俺はそのテーブルの椅子に座り、アイスティーを置く。向かい側にはドライグが座る。座ると言っても椅子には座れないが。ストローの片側を掴んでアイスティーを飲む。うん、美味しい!
だが、ドライグはストローの片側を掴んだまま唸っている。
「飲まないのか?ドライグ?」
『お、お前には恥じらいと言うものは無いのか?それに……俺がメスとは言え今の姿はドラゴンだ……』
その瞬間ドライグの目が伏せられる。
『俺は、相棒が好きだ。……その気持ちに偽りは無い。だがな、おまえがそうとは限らないだろ?』
……ドライグお前なぁ。
『今の俺には、お前が抱いて来たメス共と違って、靡く髪も、無駄に実った乳房も、柔らかい尻も、艶かしい太腿も無いのだ……。』
お前がいつから俺に惚れてたかは知らないが、もしかしたら俺が女の子と気持ちいいことしてる最中、同じ事を考えていたのか?だとしたら俺はドライグを知らず知らずの内に傷つけていたのか?と、アイスティーを飲みながら考えた。
『……お前のことだ。大方、自分のせいで俺を傷つけたとでも思っているんだろ?……それは違う。俺は、己の勇気の無さで勝手に傷ついているだけだ。……気にしなくていい』
「……気にしないわけないだろ」
『……?』
「ドライグ、お前に言っとくけどな」
『……なんだ?』
「今のお前、スゲーかわいいぞ」
『……ほわっ!?』
「ついでにいえばお前が好きだ」
そう言った瞬間、ドライグの目が見開いた。
『お……おい、質の悪い冗談は止めておけ……』
「冗談じゃねーよ。お前が嫌いだったらキスなんてしないだろ」
『あ、あればお前が俺をからかって』
「んなわけない、以外とかわいい顔してんなーって思ったからだ。しかも上坂す◯れボイスだし」
お、更に真っ赤になった。いいんだよそれで。
「ドライグ、さっきも言ったがお前には世話になってる。それにお前からは与えて貰ってばかりだ」
そのままドライグはなにも言わず俺の言葉に耳を傾ける。
「だからな……そうセンチメンタルになるなよ。お前はな、いつも通りに文句垂れていればそれでいいんだよ」
『相棒……!』
俺の言葉に感極まったのだろう。そのままドライグは目を閉じて、俺に顔を近づけ鼻先を押し付けてくる。ドライグがどうしたいのかは超絶イケメンのおれならすぐに理解できた。
俺はドライグの鼻先に唇を重ねた。その瞬間……、
「ファッ!?」
________________アイスティーの出店と店員のジュセンパが爆風で吹き飛ばされ、テーブルと椅子も飛ばされた。
さらに、タニオカの時計塔から爆発音が聞こえたかと思うと、キノコ型の煙が立ち上った。
イン・ムーの世界観はとあるフリーゲームの世界観をオマージュしながら描写してます。
ク◯パッツについてはググれば出てきます。