ゾイドワイルドエヴォリューション アフターZERO   作:オーガスト・ギャラガー

1 / 55
 ゾイド_それは優れた戦闘能力と自らの意思を持つ金属生命体である。 1200年前、惑星Ziからの移民が地球に移住してゾイドクライシスが起こり、リジェネレーションキューブによる地球再生、旧帝国と旧共和国による戦争、その終結を迎え、地球はゾイドと人間が共存する世界へ変わっていった。
 そしてその数世紀後、アラシ達フリーダム団が世界制覇を企んだデスメタル帝国を壊滅させてから200年後、ゾイドが地球の環境に馴染み、人間を初めとする地球の生物たちとの共存が進み、文明も発展を遂げ、かつてのゾイドクライシス後の技術以上になり、世界は未来に向かいつつあるが、デスメタルに取って代わるネオデスメタル帝国が地球の八割を支配し、それに対する反ネオデスメタルのレジスタンスが抵抗し、世界は再び戦乱の時代を迎えていた。


第1話 「ライガーと少年」

  アラシ率いるフリーダム団がデスメタル帝国を壊滅させてから200年後の新地球暦1245年、デスメタルに代わって新たに建国された強大な軍事国家ネオデスメタル帝国によって世界の8割が植民地化され、支配される時代になっていた。

 各地で圧政を敷くネオデスメタル帝国に立ち向かうため、反ネオデスメタルのレジスタンスが抵抗を開始し、その反乱を鎮圧するためにネオデスメタルの名将の1人であるジェームズ・カーター大佐率いるギルラプター部隊とキャノンブル部隊がレジスタンスのラプトリア部隊と交戦を開始していた。

 ギルラプター隊がラプトリア隊を圧倒し、戦況は帝国が優勢であった。

 

 「現在、我が軍のギルラプター、キャノンブル隊が反乱軍を押しています。このまま行けば、制圧は容易でしょう。」

 

 「だが、しかし、妙だ。物量ではこちらが圧倒的に有利なはずなのに、何の策も無しに我がネオデスメタルに立ち向かうとは…」

 

 「所詮、反乱軍の考えることなど、浅はかに過ぎません。」

 

 「本国に輸送予定で、基地に保管されている例のライオン種は無事か?」

 

 「それは心配ありません。あそこは戦場から離れている辺境の地ですから、まず見付かることはありません。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんな中、帝国軍の支配を受けていない辺境の村タルトに1人の少年が村の周囲を散策していた。少年の名はウィル、ある仕事で消息不明となった父親のようなゾイド乗りになるため、自分の相棒ゾイドを見つけるため、1人旅をしていた。  

 旅の途中、ウィルは人気の無い古びた工場を見つける。沸き上がる好奇心を抑えられず、立ち入り禁止のテープを振り分け、無意識のうちに中に入っていった。しかし、しその施設は帝国軍施設であり、施設に入ったウィルはあるゾイドを見つける。

 そのゾイドは1200年以上前に帝国と共和国の戦争を終結させ、一度滅びた地球を再生させ、地球を悪の魔の手から救った伝説のゾイド、ビーストライガーだった。  ライガーは逃げられないよう、拘束され、苦しそうにしていた。

 ウィルは苦しそうなライガーを助けるため、目についたスイッチを押し、その拘束を外した。拘束を外されたライガーはウィルを警戒している。それを見たウィルは、

   

 「怖がらなくていい!俺は敵じゃない!だから、大丈夫さ!」

 

 それを聞いて首を傾げるライガー、 

 

 「そうだ!お前、俺の相棒にならないか?俺とお前なら、きっと合う!俺と一緒に行かないか?お前の名はシーザーって名にしよう!どうだ?」

 

 少し警戒心がなくなり、ウィルに近づくライガー、  しかし、そこに同盟軍の部隊を制圧したカーター大佐率いる帝国軍部隊が戻り、ウィルとライガーを目撃してしまう!  

 

 「そこの少年、そのライガーは我々帝国軍の所有物だ!君のような子供が持つべき物ではない!返したまえ!」

 ライガーを返すよう、ウィルに言うカーター大佐、しかし、帝国軍を見て怯えているライガーを見たウィルは 、

 

 「シーザーをこんな目に遭わせるお前らに渡すつもりはない!」

 

 そう言い、自爆スイッチを押してライガーのコクピットに乗り、施設から脱出する。カーター大佐や帝国軍兵士もキャノンブルやギルラプターに乗って脱出し、後を追う。

 シーザーは後を追うギルラプターを蹴散らすもまだウィルを相棒と認めていないため、シーザーとのシンクロが合わず、カーター大佐のキャノンブルに吹っ飛ばされてしまう。  

 コクピットから吹っ飛ばされたウィル、

 

 「悪いようにはしない。さあ、そのライガーを返すんだ!」

 

 カーター大佐はシーザーを返すよう、何度も言うが、それでも断るウィル、  

 

 「シーザー、お前だけでも逃げろ!」

 

 と言ってシーザーを守ろうとするウィル、シーザーは少し躊躇していた。  

 

 「早く逃げるんだ!」 兵士がウィルに銃を突きつけたその時、突然、シーザーが吠え、シーザーの身体が発光し、シーザーの身体からゾイドキーが現れた。  

 

 「まさか、あれだけ従わせることができなかったライガーがあの少年を相棒と認めたのか!」

 

 キーの出現に驚愕するカーター大佐、兵士を蹴キーの出現に驚愕するカーター大佐、兵士を蹴散らしたシーザーに乗ったウィルは 、

 

 「ようし、シーザー、あいつらを倒すぜ!切り拓け!シーザー!俺の魂と共に!進化 解放!!エヴォブラストー!!」

 

 キーを差し、ウィルの掛け声と共にエヴォブラストするシーザー、  

 

 「面白い!ならばこちらも敬意を持って挑もう!キャノンブル!兵器解放!マシンブラストー!!」

 

 カーター大佐の掛け声と共にマシンブラストするキャノンブル、ウィルを相棒と認めたシーザーはウィルと上手くシンクロし、キャノンブルの9連キャノン砲をかわし、突っ込んでくるキャノンブルと激突する。 

 

 「ビーストオブクローブレイク!!」

 

  激突の末、シーザーはキャノンブルの角を折る。

 

 「バカな!私のキャノンブルがここまで!」

 

 驚愕するカーター大佐、キャノンブルに勝ったウィルはそのままシーザーと共に逃げる。  

 

 「まさか、真のワイルドブラストを目撃することになるとは!いずれ、殿下にもあのようになって欲しいものだ!」

 

 逃げるウィルとシーザーを見てカーター大佐はどこか嬉しそうだった。 

 一方、戦場から離れた場所に真っ二つにされたラプトールとクワーガの残骸の上にピンク色の髪とおかっぱのようなショートカット、そして少女のような中性的な顔立ちをした美少年が座り、その隣にはギルラプターエンペラーがいた。帝国軍のコナー少佐からライガーが逃げたという報告を受ける少年、

 

 「そうか、となると次のゾイド狩りはライガーだな!」

 

 ギルラプターエンペラーを従えるその少年はネオデスメタル帝国の皇位継承者にして帝国の皇子アーネスト・ギャラガーだった。

 

 To be continued




  次回予告  
 
 帝国から解放したビーストライガーにシーザーと名付け、相棒となったウィル、そこにギャラガーと名乗るギルラプターエンペラーを操る謎の少年が襲撃してきた。ウィルはシーザーと村を守るために戦うが、ギルラプターに苦戦してしまう。
 
 次回「襲いかかる竜爪」 本能を呼び覚ませ、ライガー!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。