ゾイドワイルドエヴォリューション アフターZERO   作:オーガスト・ギャラガー

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 ゾイド_それは優れた戦闘能力と自らの意思を持つ金属生命体である。  
 新地球暦1245年、世界はネオデスメタル帝国という強大な軍事国家が支配していた。  
 各地で帝国に対するレジスタンスが立ち上がり、帝国とレジスタンスが激しい戦争を繰り広げている戦乱の時代となっている中、帝国に捕らえられていたビーストライガーにシーザーと名付け、相棒となった少年ウィルは謎の少女エマと共に冒険の旅に出掛けた。


第11話 「駆け抜けろ、ウルフ」

 同盟軍本拠地、グラッドとクルーガーは以前の四天王のグレッゲル准将の進撃を見て、今後の行動の相談をしていた。クルーガーは、

 

 「グレッゲルの行動を見た限り、敵は我ら同盟軍殲滅のために総力を上げるだろう!そこで、新たな基地建設を提案したいのだが、グラッド、君はどう思う?」

 

 それに対し、グラッドは、

 

 「正規の軍なら、当然そうなるでしょうが、俺たち同盟軍はレジスタンスで、正規軍ではないため、当然、新たな基地建設のための資金及び人員はもちろん、場所がない!

 

 それに新たに基地を建設すると、民間人の不安を煽る可能性もある。俺たちに味方してくれるレジスタンスと連絡を取り、連携を取って帝国軍に対抗するのが得策かと!」

 

 「やはり、そうなるか!では、誰が行くのだ?」

 

 「俺とクリスとジョン、リセルだ!俺のレックスとジャック、キール、ウルフは足が速いし、いざとなったら、逃げられる!」

 

 「だが、問題なのはリセルだ!あいつは普段、冷静だが、ギャラガー親衛隊に強制収容所に送られ、家族と友人を殺された過去があるため、帝国への復讐心が強い。帝国軍との戦いで取り乱されなければよいが!」

 

 「俺がなんとかする!」

 

 「ところで、ウィルは?」

 

 「スティレイザーに対抗するため、今、トリケラと訓練を行っている!」

 

 「そうか!」

 

 

 

 場所は変わり、本拠地の訓練場、そこで、ウィルのシーザーが角に高圧電流を装備したトリケラドゴスと訓練を行っていて、クリス、ジョン、ジェニファーがグラッドの代理として様子を見、その横にはエマが心配そうにウィルとシーザーを見ていた。

 トリケラは真っ直ぐシーザーに突っ込む。シーザーは、さっと避けるが、トリケラは尻尾で避けたシーザーを凪ぎ払い、シーザーに高圧電流を装備した角に当てる。

 

 「ウワァァー!!」

 

 苦しむウィルとシーザー、

 

 「ウィル、シーザー!」

 それを見て不安になるエマ、ウィルとシーザーを見たクリスは、

 

 「ウィル、前方の攻撃だけに気をとるな!トリケラは足が遅い!スピードで翻弄させろ!」

 

 「わかった!」

 

 再び合間見えるシーザーとトリケラ、再び突進するトリケラ、シーザーはさっと避け、トリケラは尻尾で凪ぎ払おうとするが、シーザーはそれも避け、

 

 「切り拓け、シーザー!俺の魂と共に、進化 解放!エヴォブラストー!!ビーストオブクローブレイク!」

 吹っ飛ばされるトリケラ、それを見たジェニファーにジョンは、

 

 「中々、やるじゃない!」

 

 「さすが、ゾイドの王は伊達じゃないね!」

 

 クリスは、

 

 「とはいえ、これは模擬戦だ!実際のスティレイザーはトリケラより強い!よし、そこまで、トリケラもよく頑張った!」

 

 クリスの言葉にうなずき、その場を離れるトリケラ、シーザーから降りたウィルの元にエマが立ち寄った。

 

 「どうした、エマ?」

 

 エマはウィルに頭を下げ、

 

 「ごめんなさい!私が一緒にいたせいで、ウィルやシーザーを巻き込んじゃって!」

 

 「何言ってんだよ!エマ、お前らしくないな!俺はただみんなを守るために戦っているんだよ!それにお前は帝国に狙われている。守るのは当然じゃないか!」

 

 「でも!」

 

 落ち込むエマにジェニファーは、

 

 「心配しなくていいのよ!男はそんなヤワなもんじゃないから!」

 

 ジョンも、

 

 「その通り!俺たちは最強のレジスタンス、同盟軍!いつだって俺たちが守ってやるぜ!」

 

 エマは励ますジェニファーとジョンに頭を下げ、

 

 「ありがとうございます!」

 

 そこにグラッドとリセルが立ち寄り、

 

 「クリス、ジョン!これから西方のレジスタンスの元に向かう!直ぐに出発の準備だ!後、ウィル!お前もだ!」

 

 それを聞いたウィルは驚いて、

 

 「え、俺も!」

 

 グラッドは脳裏にクルーガーとの話を思い出した。

 

 「え、ウィルも一緒に連れていくのか!?」

 

 「そうだ!」

 

 「でもよう!いくらなんでも危険じゃあ。」

 

 「確かに!だが、彼には経験が必要だ!この先、もっと激しい戦闘になるかもしれない!だから、ウィルにはもっと強くなってもらわなくては!恐らく、彼もそう望んでいるだろう!」

 

 「やれやれ、ガキのお守りが増えちまったぜ!」

 

 グラッドの元にエマが立ち寄り、

 

 「グラッドさん!私も一緒に連れて行ってもらえませんか!」

 

 それを聞いたグラッドは、

 

 「はあ?おいおい、そいつは出来ねぇ相談だ!第一てめえは帝国の最重要指名手配者だ!行ったら、危険だ!ここにいた方が安全だ!」

 

 それに対し、エマは、

 

 「いいえ、私は少しでもウィルの力になりたい!それに守られっぱなしになるわけにはいかない!」

 

 「駄目だと言ったら……、」

 

 そこにクルーガーが立ち寄り、

 

 「行かせてやれ!彼女は本気だ!ウィル、しっかり守ってやれ!」

 

 クルーガーの言葉にウィルは、

 

 「わかった!」

 

 「しょうがねぇな!ただし、条件がある!シーザーには乗るな!真っ先に狙われるからな!乗るのは……、」

 

 

 

 

 場面は変わり、基地から出るレックスとシーザー、ジャック、キール、ウルフ。ウィルは不満そうな顔をしてキールの方に向いた。キールのコクピットにはエマがジョンの後ろにしがみついていた。ウィルは出発前のことを思い出していた。

 

 「キールに乗せる?何でだよ!俺のシーザーなら大丈夫だって!」

 

 「キールはスパイデス、機動性が高いから、いざとなったら、逃げられる!それにシーザーも手配されているから、余計狙われやすい!それにキールの糸は他のスパイデスより粘着力が高いからな!」

 ジョンはこっちを見るウィルを見てグラッドに言った。

 

 「コマンダー!いいんですか?ウィル、嫉妬してますぜ!」

 

 「いいさ、あいつは世話が妬けるからな!こうした方が大人しくなるからな!」

 

 「ハハ、違いないですな!嬢ちゃん!俺とキールは激しい動きをすることが多いからな!しっかり捕まっておけよ!」

 

 ジョンの言葉にエマは、

 

 「はい!」

 

 それを見てムス~とするウィル、その時、突然、シーザーたちの前にラプトリア、ラプトール、スコーピア、クワーガが現れた。攻撃態勢をとるレックス、

 

 「なんだ、こいつら、帝国軍か?」

 

 ラプトリアのライダーがウィルたちに向かって、

 

 「ビーストライガーにガトリングフォックス、ソニックバード、スパイデス、ハンターウルフ!ということは強者だな!強者あるとき、いつでも現れ、そして、正義を呼ぶ声いつでも現れる!俺の名はグリード、」

 

 「俺の名はボルグ!」

 

 「俺の名はガンマ!」

 

 「俺の名はスティル!」

 

 「我ら、余りに強すぎて無敗のまま強者に勝ち続け、運命に導かれ過ぎた四人、その名もスレイマーズ!」

 突然のことにポカーンとするウィル、グラッドはため息をついて、

 

 「いくぞ!お前ら、バカに付き合っている暇はない!」

 先を急ごうとするグラッドにグリードは、

 

 「待てーい!人が話しているときに素通りするとは、貴様、それでも強者かー!!」

 

 「生憎、こっちはてめえらの遊びに付き合う暇はねぇよ!」

 

 そのとき、森に爆発が起き、たちまち森が山火事になった。

 

 「なんだ?どうなっている!お前らの仕業か?」

 

 グリードは、

 

 「ノンノン、我らは正義の使者!決してそんなことはせん!」

 

 次々と木が崩れ、避けるレックスたち、そのとき、影からギルラプタージョーカーが現れ、次々とレックスたちに襲いかかる。レックスはジョーカー攻撃を避けるが、グラッドが周りを見たときには既にシーザーたちの姿は見当たらなかった。

 

 「くそ!また分散か!しかし、何故、俺たちの向かう道がわかったのだ?」

 

 そのとき、クリスから通信が入り、

 

 「コマンダー!西方のレジスタンスがデーニッツ中将率いるディメパルサー、ディロフォス狙撃隊に襲撃され、制圧されたとの報告が出た!」

 

 「ということは、レジスタンスから俺たちがここに来ることを聞き出したということか!やはり、あの男、厄介だな!」

 

 レックスは五体のジョーカーに囲まれた。

 

 「少々、厄介だが!やれるな!レックス!」

 

 グラッドの言葉に咆哮を上げるレックス、一方、シーザーとウルフは六体のジョーカーと戦い、ジョーカーの連携攻撃に苦戦するも善戦するシーザーとウルフ、そのとき、スティレイザーとガブリゲーターMk-Ⅱが現れた。

 

 「あのときのスティレイザーとガブリゲーター!」

 

 グレッゲル准将とブリューゲル大尉は、

 

 「さあ、リベンジといくか!」

 

 「ヘッヘッヘ、小僧!今度こそ、噛み砕いてやるぜ!」

 

 ウィルは二人に、

 

 「何度来たってエマは渡さねぇ!エマは俺が守るんだ!」

 

 グレッゲル准将は、

 

 「ほう、美しき姫君のために白馬に乗ったナイトを気取るつもりか!だが、今度は違うぞ!貴様らを分散して一体一体確実に倒してあの小娘を奪うのだからな!まずは小僧貴様からだ!あの小僧はお前にくれてやる!」

 

 ブリューゲル大尉は、

 

 「了解しました!小僧!今度こそ、借りを返してもらうぞ!陛下の特別な許可を得て親衛隊同様にパワーアップしたガブリゲーターMk-Ⅱの恐ろしさ、特と味わえ!

 制御トリガー解除、ガブリゲーター!兵器 解放!マシンブラストー!!」

 

 マシンブラストしたガブリゲーターの口頭から炎が現れた。ガブリゲーターMk-Ⅱの口には専用のA-Z高熱火炎放射機が搭載されていたのだ。

 

 「それだけじゃないぞ!デスモーク!」

 

 ガブリゲーターの身体から煙の音がする。しかし、煙が見えない。ウィルとリセルは警戒してガブリゲーターを見る。ブリューゲル大尉は、

 

 「フフフ、お前らに同じ手は通用しないから、別の恐怖を味わせるぞ!」

 

 ガブリゲーターが火炎放射を吐き、周りが爆発した。爆発で吹っ飛ばされるシーザーとウルフ、

 

 「種明かしを教えてやろうか!今のデスモークはメタンガス!自然中に発生し、ちょっとでも火をつけたら、爆発するものだ!パワーアップしたガブリゲーターのデスモークにはメタンガスの他に毒ガス、その他数種類のガスを出すことが出来るように改造されているからな!」

 

 それを聞いたリセルは、

 

 「そうか、さっきの爆発で一瞬で山火事になったのはそのためか!」

 

 「まだまだ、ミサイルと高射砲があるぞ!」

 

 次々とミサイルを撃つガブリゲーター、シーザーとウルフはそれを避けるが、デスモークと火炎放射で周囲が爆発し、吹っ飛ばされるシーザーとウルフ、態勢を崩すシーザーは直ぐ様、ガブリゲーターに捕まった。そのまま、シーザーの身体を真っ二つにするかのように噛み砕こうとするガブリゲーター、

 

 「グオォォー!!」

 

 苦しむシーザー、

 

 「ハ!」

 

 そのとき、エマが何か感じ取り、

 

 「パーカーさん、ウィルとシーザーのところに行ってください!シーザーが危ないの!」

 

 ジョンは、

 

 「わかっている!だが、ジョーカーの連携が厄介で中々この場を離れられねぇ!仕方ない、ワイルドブラストしてすぐに叩き潰す!嬢ちゃん、しっかり捕まってな!」

 それを聞いたエマは目をつぶってジョンの後ろに強くしがみつき、

 

 「へへへ、ウィルが見たら余計嫉妬するかな?いくぞ、キール!突き刺せ、キール!俺の魂と共に、本能 解放!ワイルドブラストー!!」

 

 

 

 場面は変わり、苦しむシーザーを見たブリューゲル大尉は笑い、

 

 「ハハハ、苦しいか?いいね!もっと苦しませてやる!」

 ガブリゲーターは追い討ちを掛けるかのように、くわえたまま、火炎放射を吐いた。溶解していくシーザーの身体、

 

 「シーザー、くそ!止めろ!」

 

 「止めて欲しかったら、あの小娘を渡しな!」

 

 「いやだ!渡すわけにはいかねぇ!エマは俺が守るんだ!」

 

 ウィルの言葉に応えるかのように、シーザーは脱出しようとする。それを見たブリューゲル大尉は、

 

 「ハハハ、あんな小娘のためにそこまで命を張るとは!なら、仕方ない。もっと苦しませてやる!」

 

 噛み砕く力を強くするガブリゲーター、シーザーは苦しみながら、脱出しようとする。ガブリゲーターに向かって突っ込むウルフ、

 

 「止めろー!!」

 

 しかし、横からスティレイザーが現れ、ウルフが吹っ飛ばされる。

 

 「貴様の相手は私だ!制御トリガー解除!スティレイザー、兵器 解放!マシンブラストー!!プラズマウォール!」

 

 スティレイザーのプラズマウォールを喰らってしまうウルフ、

 

 「ウワァァー!!」

 

 「ワイルドブラスト出来ない奴に私のスティレイザーが負けるわけないんだよ!」

 

 「くそ!ウィル、シーザー!」

 ガブリゲーターに苦しめられているシーザーを見てリセルは脳裏に過去のことを思い出した。それは帝国軍によって強制収容所に送られ、家族と友人がある人物に射殺される姿だった。

 

 「あの悲劇を繰り返したくない!」

 

 スティレイザーに突っ込むウルフ、しかし、スティレイザーはウルフを払いのけ、ウルフを前足で押さえつける。

 

 「小賢しいウルフが!貴様もあのライガーと同じようにしてやる!」

 

 そのままウルフを踏み潰そうとするスティレイザー、そのとき、黒いグソックが現れ、スティレイザーに突進する。前足を離し、態勢を崩すスティレイザー、同時に土の中から他の数体のグソックも現れ、ガブリゲーターに突進する。

 

 グソックを見たリセルは、

 

 「あれはあのときのグソック!しかも他のグソックも!しかし、黒いの以外にはにはコクピットがついていない!野生ゾイドか!」

 

 黒いグソックを見たグレッゲル准将は、

 

 「なんだ?貴様は!」

 

 黒いグソックのライダーが応える。黒いグソックのライダーは年配の人物だった。

 

 「わしの名はスミス!正義の使者にして悪を打ち砕くスレイマーズのリーダー!」

 

 それを聞いたリセルは、

 

 「スレイマーズだって?さっきの連中か!」

 

 グレッゲル准将は、

 

 「正義の使者だと笑わせてくれる!我が帝国に歯向かう奴は全て排除してくれる!」

 

 「そう簡単に行くと思うなよ!いくぞ、グソック!突き抜けろ、グソック!わしの魂と共に、本能 解放!ワイルドブラストー!!」

 

 プラズマウォールでグソックに向かって突進するスティレイザー、しかし、グソックはその攻撃を難なくかわし、他の野生グソックと共にスティレイザーを吹っ飛ばす。

 

 それを見たリセルは唖然としていた。スミスはリセルの方を向き、

 

 「若いの!お主は復讐心に囚われすぎじゃ、ウルフと心を拓け、そして、仲間を守りたいという気持ちをぶつけろ!」

 

 それを聞いてハッとするリセル、

 

 「そうだ!俺はそうやってと戦ってきた!ウルフの気持ちを考えずに!」

 

 ウルフは何かうなずく。それを見たリセルは、

 

 「そうだな!ウルフ、いくぞ!」

 

 そのとき、コクピットの中が発光し、ゾイドキーが現れた。キーを見て驚くリセル、それを見たスミスは、

 

 「その力を奴らに見せてみろ!」

 

 リセルは、

 

 「いくぞ、相棒!駆け抜けろ、ウルフ!俺の魂と共に、本能 解放!ワイルドブラストー!!」

 

 ワイルドブラストしたウルフを見たウィルは、

 

 「凄い!あれがウルフのワイルドブラスト!」

 

 ウルフを見たグレッゲル准将は、

 

 「ワイルドブラストしても私には、敵わない!」

 砲撃をするスティレイザー、ウルフはソニックブーストでそれを避ける。

 

 「いくぞ、ウルフ!セカンドギア!ハウリングシャウト!」

 

 ハウリングシャウトを喰らって態勢を崩すスティレイザー、同時に黒いグソックも突進してスティレイザーを吹っ飛ばす。

 リセルはウィルを見て、

 

 「今だ、ウィル!」

  

 「いくぞ、シーザー!切り拓け、シーザー!俺の魂と共に、進化 解放!エヴォブラストー!!ビーストオブクローブレイク!」

 

 ビーストオブクローブレイクを喰らって右の角を破壊されるスティレイザー、その後ろからガブリゲーターが現れ、

 

 「小僧!俺がいることを忘れるな!」

 

 シーザーに襲いかかるガブリゲーター、

 

 「そうはさせない!ハウリングシャウト!」

 

 「わしのグソックも忘れるなよ!」

 

 ハウリングシャウトとグソックの攻撃を喰らってぶっ飛ばされるガブリゲーター、

 

 「ビーストオブクローブレイク!」

 

 止めのビーストオブクローブレイクを喰らってミサイル砲と高射砲を破壊されるガブリゲーター、そのとき、キールが現れ、

 

 「スパイダーポイズン!」

 

 毒を植え付けられるガブリゲーター、

 

 キールを見たウィルは、

 

 「エマ!」

 

 「ウィル!良かった!無事だったのね!」

 

 「少し遅くなったが、何とか間に合ったようだな!」

 

 態勢を建て直そうとするスティレイザーとガブリゲーター、そのとき、スティレイザーのコクピットからデーニッツ中将から通信が入り、

 

 「グレッゲル准将!今は歩が悪い!引くぞ!」

 それを聞いて撤退するスティレイザーとガブリゲーター、

 

 キールから降りるジョンとエマ、シーザーから降りたウィルはエマの元に駆け寄り、

 

 「エマ!良かった!無事だったんだね!」

 

 「ウィルも無事で良かった!」

 

 ジョンが間に割り込み、

 

 「ま、俺が守ってやったからな!リセルも無事で何よりだ!」

 

 「俺はただ、ウィルを俺のような思いをさせたくなくてやっただけだ!」

 

 そこにレックス、ジャックも戻ってきた。それを見たウィルは、

 

 「グラッド!来てくれたのか!」

 

 「ジョーカーの連携に手を焼いたが、野生のグソックたちが撹乱してくれたお蔭で、蹴散らすことが出来た!」

 

 「グソックなら、さっきの黒い……、」

 

 ウィルが振り返ったときには、あの黒いグソックはいなかった。黒いグソックとスミスは離れた高台のところでウィルたちを見ていた。

 

 「愛しのエマちゃん!一段と美しくなったの~!だが、正体を明かすのはまだ早い!そのときこそ、わしのカッコいい姿を見せるんじゃあ!」

 

 そこにスレイマーズの四人組が現れ、

 

 「隊長!酷いですよ!これじゃ、俺たちただの噛ませじゃないですか!」

 

 「今回はわしの活躍を見せたかったんじゃい!文句言うな!だが心配するな!次はお前らにもっと活躍の場を与えてやるわい!そのときこそ、エマちゃんにカッコいいとこ見せるんじゃい!」

 

 四人は隠れて、

 

 「隊長のスケベ体質は治らないな!」

 

 「なんか、言った!」

 

 「いいえ、別に!」

 

 To be continued




 次回予告
 
 特別に兵器改造されたグレッゲル准将の部隊を見て、事態を重く見たグラッドとクルーガーは各地のレジスタンスに呼び掛けようとするが、帝国に怯えて投降する者、ゾイドを帝国を倒すための兵器、道具と考える者がいるため、苦戦する。そこでクルーガーはウィルとエマにレジスタンスの説得する役として抜擢する。
 
 次回、
 
 「レジスタンス召集」
 
 本能を呼び覚ませ、ライガー!

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